ケラ地方を訪ねて1 [プロヴァンス地方]
「メイカメリカ グレイ ラゲイン!」と言っておきながら、全然、グレイトじゃない。
むしろ、小さくて、狭量で、ケチになっていくばかりじゃないですかねえ。
と、ぼやいていても仕方がないので、本日から五回のシリーズでフランス南東部、イタリアとの国境沿いにあるケラ山岳地帯を紹介します。
第一回目の今日は、この地方伝統の家屋を見学することにしましょう。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2017年1月24日に放送)
標高2,000メートルの山の中にある村サン=ヴェラン(Saint-Véran)。
欧州で最も高いところにある村です。人口は250人ほど。
この村で生まれたジョセフさんが、実際に自分が40年以上も住んでいる伝統の家屋を案内してくれます。
「この玄関の門は1772年頃に作られたものです」
この家は革命後(1789年)改築されましたが、基本的な作りは変わっていません。
「壁の厚みは50〜60センチあります」
頑丈に作られているようです。中は石で漆喰で覆われています。
「寒さから守るために窓は小さく、床は板張りです。あちらの奥には牛が並んでいました。どの家もこのような作りだったんです」
家族全員が共同で使う大部屋が一つあり、そこには牛や鶏などの家畜も一緒に暮らしていました。
「今と比べると昔の生活はちょっと貧しかったかもしれませんが、村人たちは皆仲が良くて団結していました」とジョゼフさん。
お得意のアコーデオンを演奏してくれました。
村にはこの伝統の家屋が数多く残されています。
どの家も二階に木造のテラスがあります。二階は倉庫になっていて、ここで干し草を作っていたそうです。
テラスの下には素敵な日時計が設置されています。
この日時計も村の名物の一つです。この日時計に魅了された村人があちこち案内してくれました。
日時計はどの伝統家屋にも設置されているそうです。
太陽の光で時間がわかるということは、昔からずっと日当たりが良かったということなのでしょう。
「時間を知るために必要だったとうこともありますが、こうして日時計を備えることで豊かさを表現したかったのだと思います」と女性。
ある日時計にはこんなことが書かれてあります。
「太陽がなかったら私など何の価値もない。そして君は、神様なしでは何もできない」
この日時計、イタリアから職人を呼んで壁に描いてもらっていたそうです。
一方、サン=ヴェランから北西へ15キロほど行ったところにあるアルヴュー村(Arvieux)には、天井がアーチ型になった伝統家屋があります。
しかも美しい絵が描かれています。
「このフレスコ画は18世紀頃のものです。ここは村で唯一フレスコ画が描かれて家です」
こちらはかつて農場だった建物です。ここで牛が飼育されていました。
中はやっぱりアーチ型の天井になっています。しかも石を削ったノミの跡が残されています。
「アーチ型の天井は1500年〜1600年頃に初めて登場しました。大きな建物を作るときにはこの方法が適していたんです」と男性。
山の中の小さな村には秘められたお宝がたくさん隠れていました。
続く・・・。
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******** フランス人のつぶやき *******
「今日、家の大掃除をすることにした。掃除しやすいように椅子をテーブルの上に上げて、その他の細々した調度品を物置の前にまとめておいた。いざ掃除という時になって、掃除道具が物置の中にあるのを思い出した」
VDM (Vie de merde)より
1789年の改築!!ですか。もう文化財ですよね。でもそういう家が今も普通に使われているところがいいですね~。
by opas10 (2017-02-05 21:37)
opas10さん
古い建物ですよね。よくぞここまで残ってました。頑丈に出来ていて壊れそうもないです。それが今も使われているというのは本当にいいですね。
by carotte (2017-02-08 16:09)