カルヴァドス [フランスのグルメ]
やっと「金色夜叉」を読み終わりました。
最初の頃は割に速いペースで読んでいたのですが、途中から通勤電車の中で10分くらいしか読まなくなり、読破に数ヶ月もかかってしまいました。
ま、とにかく貫一の執念深いことと言ったら・・・。
あの熱海でのセリフ「来年の今月今夜のこの月を僕の涙で曇らせてみせる」は有名ですが、あの場面、原作では貫一が10ページくらい朗々と語るのですよねえ〜。
で、結局、お宮を説得することはできず振られてしまいます。
その後は高利貸の手下になり、その間も延々とお宮を恨んでる。
途中で辟易してきたのですが、なぜか完読いたしました。
次は何を読むか思案中です。本は一冊よみ終わると次の本が欲しくなる。まるでドラッグのようです。
さて本日の話題は、カルヴァドス。
リンゴを発酵させて作った弱アルコール飲料シードルを蒸留するとできるのがカルヴァドスです。
私が初めてこのお酒を知ったのは、フランス語を勉強し始めてしばらくした頃、ベルギー出身の小説家ジョルジュ・シムノンの「メグレ警視シリーズ」を読んでいる時のことでした。
冬の分厚いコートを羽織った(らしい)メグレ警視がバーのカウンターに座り、「カルヴァドスを一杯」と(渋い声で)頼むのでした。
以来、カルヴァドス=メグレ警視になってしまってます。本日はそのカルヴァドスの生産者を訪ねます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2017年2月21日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
冬の朝日が雲間に顔をのぞかせる頃、醸造所Distillerie La Monnerieでは、蒸留器から流れ落ちる液体の音で本格的に仕事が始まります。
ディディエさんとクレマンさん親子が蒸留作業を開始しました。
原料は去年の秋に作られたシードル。
シリンダーに入れられた透明の液体が蒸留酒カルヴァドスです。
この作業には科学の知識と正確な数字が大切だとか。
20世紀初頭に作られたというこの小さな測定器を使って、今年の品質を調べます。
「この測定器は私の祖父が持っていたものです。シードルのアルコール度を測るための機器ですが、昔から使われてきました」とディディエさん。
なんだかちょっと面白そうな機器ですが、どうやって測るのか謎です。
この醸造所は現在で4代目になります。
「この蒸留器はわが家の魂のようなものです。1920年に祖父がここにやってきた時からあります」
以来、父から子へとカルヴァドスの作り方が伝えられてきました。作り方は100年前とまった変わっていません。
カルヴァドスはこの樽の中で2〜50年、熟成されます。
「これは私にとって大事な仕事なんです。祖父がゼロからスタートさせて、父が大きくし、最後に私が引き継いだからです」とディディエさん。
この時期、地元の人たちが試飲のために醸造所を訪れるそうです。いくら美味しいとは言え、アルコール度が高いですからワインのようには飲めません。
「まずこうしてグラスを温め、香りを嗅いで、それから液体の様子を確かめます」と女性。
「私はもう65歳ですからねえ、そんな毎日は飲めませんが、カルヴァドスは大好きですよ」と男性。
蒸留は夜通し行われるようで、ディディエさんはその間、すぐそばに設えられたベッドで仮眠をとるようです。なかなか大変な作業ですね。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、彼と飲みに出かけた。だいぶ酔った彼がダンスフロアーから私を呼ぶので行ってみると、元カノと踊る間、お酒のグラスを持っていて欲しいという。バカ!」
VDM (Vie de merde)より
きっとボードレールが耳元で、「読書に酔いたまえ!」と囁いているのでしょう♪ RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2017-02-24 00:54)
RUKOさん
そういえば、何やら聞こえてきたような・・・^^;
by carotte (2017-02-26 00:39)