世界の橋 その2 [その他の国]
シリーズの二回目はタイのクワイ川にかかる橋を訪ねます。
映画「戦場にかける橋」で有名になった橋です。
日本人にとっては古傷に触れられるようで少々心が痛みますが、どんな橋なのか見てみましょう。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2017年3月14日に放送)(▸をクリックしても映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)
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Feuilleton : le monde sur le pont (2/5)
聞こえてきたのは映画のテーマ曲「クワイ河マーチ」。
そしてここがクワイ川。ここにかかるのがクワイ川鉄橋です。
走っているのは観光列車。どうりで遅いわけです。いつもは徒歩で渡れるそうです。
「この橋は町のシンボルですよ」と観光ボートの男性。
第二次世界大戦中に旧日本軍によってつくられた橋は、今では有名観光スポットになっています。様々な国から観光客がやってきます。
「映画で有名な橋ですからね。映画は何度も見てますよ」と男性。
ほんの少しですがフランス語版であの歌の頭を歌ってくれました。映画の中では旧日本軍の捕虜となった兵士たちが口笛で吹きました。
映画の原作となったのはフランス人作家ピエール・ブールが書いた小説「La Pont de la rivière Kwaï(クワイ川の橋)」。
クワイ川に最初にかけられたのは木製の橋。しかしこれは爆破されてしまいます。
その後、完成したのがこの鉄橋です。この鉄橋も爆撃を受けますが一部破損しただけで残りました。
戦後、賠償の一環として日本企業が修理をしたとか。
「この鉄道の延長工事は捕虜たちの手で行われました。バンコクとミャンマーを結ぶ線路です」と男性。
今は1日に3回だけ列車が走ります。この鉄道 “死の鉄道” と呼ばれているそうです。
また、クワイ川沿いには木製の鉄道橋が作られています。旧日本軍の占領当時、気温は40℃にもなったそうです。過酷な労働条件です。
「田舎の風景を見ながらの1時間ほどの列車の旅ですが、とても印象深い体験でした」と女性。
先ほどのタイ人の男性、どうやら近所で小さな博物館を開いているらしい。大戦当時の品々や橋の建設にまつわるものを展示しているそうです。
そのすぐ隣にあるのが、当時の捕虜収容所を再現した竹の小屋。展示されている写真から劣悪な環境だったことがよくわかります。
「十分な食事も与えられず、捕虜たちは病気で体を壊してしまいました」
亡くなった捕虜はカンチャナプリ市の軍の墓地に葬られています。遺族が今でも訪ねてくるそうです。
「橋の建設のために働いていましたが、コレラで亡くなったと聞いています」とオーストラリア人の遺族。
捕虜の国籍は、オーストラリア、アメリカ、イギリス、オランダと様々。
「下痢で苦しんでいた捕虜に、日本軍はトイレに行くことを禁じたそうです。それでも彼がトイレに行って戻ってくると殴られました。反撃するとさらにまた暴力を受け、最後には処刑されてしまったそうです」と男性。
日本軍も随分と酷いことをしたものです。戦争とはそこまで人を非情してしまうものかもしれません。
さて、映画の恩恵を受けてか、今のクワイ川鉄橋には毎年30万人が訪れるそうです。
悲しい歴史はあるとは言っても、こうしてみるとなかなか美しい橋です。
橋の向こうに見える白い像は観音像???
どうやらそうらしい。ウィキペディアを見ると、2009年、宗教団体が建設を開始したところ、景観を壊すと問題になったらしい。
結局、そのまま建てられたということなんですかねえ。
続く・・・。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、ラジオでアナウンサーをしている。今年、カンヌ映画祭でパルムドールに輝いたのがタイ映画。おかげでタイ人の名前をいくつも読まなくてはならなかった。例えば、Apichatpoing Weerasethakul・・・・」
VDM (Vie de merde)より
東南アジアでは、日本軍かなり蛮行やっているんですよね。表向き親日的な国でも、深いところでは結構恨まれてたりしますし。
by opas10 (2017-04-02 21:38)
opas10さん
「蛮行」という言葉がぴったりです。それをやってしまったんですよね、旧日本軍は。そういう歴史を踏まえて行動しないといけないです。
by carotte (2017-04-09 16:21)