世界の駅 2 [ベルギー]
シリーズの二回目は、ベルギーのアントワープ(アントウェルペン)にあるアントウェルペン中央駅を訪ねます。

下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 2で2017年5月30日に放送)
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「鉄道の大聖堂」とも呼ばれるこの駅、こうやって空から見てみると、それがよくわかります。開業は1905年。
多くの人たちがこの駅舎を写真に収めようとカメラを構えています。
結婚式の記念撮影をするカップルの姿もあります。
駅舎の中に入ってみると・・・これはちょっとすごい建物ですね。
天井のドームを下から見るとこんな感じ。幾何学模様が美しい。
今回、駅を案内してくれるのは元鉄道員のスタンさん。40年間、エンジニアとして鉄道会社で働きました。
そして、この駅のことは隅から隅まで知り尽くしているそうです。
「世界で一番美しい駅ですよ。私の愛人みたいなものです。妻と愛人、どっちが大事?と聞かれると、正直、答えようがありませんよ(笑)」とスタンさん。
駅だというのにこの荘厳な建物はどうやって作られたのでしょう?
1890年、当時のベルギー王レオポルド2世が駅の建築を決定しました。
「とにかく大きいのが好きな王様でした。なんでも大きくておしゃれでなくちゃならなかった。それであちこちに自分の名前を彫らせたんです」
ホールの床もアートな作りになっています。
当時の豊かな財政をうかがわせるのがこの大理石。駅全体で24種類の大理石が使われているそうです。
そしてスタンさん、こんな逸話を教えてくれました。
「あそこにはレオポルド2世とその妃の石像が飾られる予定でした。しかし、10年続いた工事中に王様はなんども妃を変えてしまったので飾れなかったんです」
大きな階段を上がるとホームに出ます。しかしスタンさん、関係者しか入れなさそうなところをどんどん登っていきます。
天井に作られた鉄骨の通路を通り、教会のバラ窓のような大窓を横目で眺めながらたどり着いた先は、屋根の上。
屋根に使われていたガラスは全部で11,000枚。
「鳥が石を落としたり雹が降ったりするとガラスが割れて下にいた人たちに被害が及ぶので、今ではポリカーボネート板に変えられました」
そして疲労の目立つ金属の骨組みも改修されたそうです。
さらに、パリ・アムステルダム間を走る高速列車タリスを通すため、築100年以上のこの駅の地下にトンネルを掘るという大工事も行われました。
「こんな古い建物の下にトンネルなど掘ったら崩れ落ちてしまいます。しかし、エンジニアが良い方法を思いつきました。高圧で駅全体を持ち上げるという方法です。工事がすべて終わった時には駅全体が2ミリ上がっていました」と建築家。
こちらは駅の中にあるカフェLe Royal Café。
「ここはかつて1等車の乗客の待合所でした」とカフェの方。
待合所というにはあまりに豪華で贅沢な作りです。
カフェのお客様は、旅行者、常連客、古い建物の愛好家など様々。
「大きな建物の中で一時を過ごしに来たんです。100年なんてあっという間ですね。でも、この建物はまだまだ大丈夫そうです」と男性客。
「石と大理石でできたこの駅が大好きなんです。一番美しい駅だと思いますよ」と長髪の男性。
もう20年以上も前になりますが、私もこの駅を利用したことがあります。
古くて重々しい建物に、この駅はただものではないなと感じていました。
当時はパリまで帰るために駅の窓口であたふたして、駅舎をゆっくり見て回るなんて余裕はなかった。それが少々心残りです。
続く・・・。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、私は妊娠8か月。朝の5時に起きてタクシーに乗り込みリヨン駅に向かった。タクシーの運転手は気さくな人で、きっと男の子ですよ、と言った。なぜなら、女の子が生まれる女性は光り輝いているとか (;゚□゚)ガーン!!」
VDM(Vie de Merde)より
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