世界の駅 3 [その他の国]
シリーズの三回目は、インドのムンバイにあるチャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅を訪ねます。
少々名前が長すぎるので、かつての名前「ヴィクトリア駅」と呼ぶことにします。

下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 2で2017年5月31日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
チクタク、チクタク、130年も前からムンバイの心臓の鼓動のように駅の大時計が時を刻んでいます。
これがその大時計。そして駅の全景がこちら。
これまたすごい建物ですね。ユネスコの世界遺産に登録されているそうです。
駅の利用者数は1日で300万人、18あるホームに発着する列車は1,250本にもなるそうです。
ここは世界で最も混雑する駅の一つです。
そんな人混みを抜けて階段を上がって行く二人の男性。あの大時計を管理しているのがこの二人です。
鍵を開けて中に入ると、時計のネジを巻き始めました。
「週に二回、火曜日と金曜日にこうしてネジを巻かないといけないんです。作業は1分半ほどで終わります」と担当者。
「ムンバイに来たら何よりまずこの時計を見てください。映画の中で、主人公がムンバイにやってきても、人々はまず時計を見て、それから主人公を見るんですよ」と誇らしげに語るもう一人の担当者。
時計の針を動かす時はああやって手でやるんですね。驚きです。
駅構内にある時計はほとんどがデジタル化されています。
さて、駅舎は19世紀後半に建てられました。当時の宮殿と同じスタイル。
思わず見とれてしまうこの外観。手が混んでますねえ〜。
世界のお宝になったこの建物の保存・管理をしているのがこちらのお二人。
建物を調べていると壁の一部が崩れていました。修復しなくてはなりません。
「残念ながら建築当時の資料が一切残されていないんです。ですから、どのような材料が使われたかわかりません。そのため、まずはサンプルを取って研究所に送り、材料がなんだったのか調べてもらうんです」
かつてインドが英国の植民地だった時代に建てられたため、駅舎はヴィクトリア時代のゴシック建築になっています。
しかし、レリーフをよく見ると、象などインドらしい動物が描かれており、新しいスタイルを求めた痕跡をうかがえます。
「あの上の方にワニが飛び出しているのが見えます。雨水を通すためのガーゴイルと同じです。飾りと実用を兼ねているんです」
こんな優雅な駅舎ですが、いつも混雑していてゆっくり眺める人はいないようです。
東京の朝のラッシュ時と同じ。しかし、ちょっと違うのは列車が止まる前に飛び降ること。
フランス人のパトリシアさんは3年ほど前からインドで教師をしています。通勤でよくこの駅を使うそうです。
「こうして列車に乗るのは大好きです。多くのインド人の日常を見ることができますからね。私もその中の一人になりつつあります」
今日は仕事ではなくツアー客と一緒に駅構内を見学することにしました。
インド人のガイドさんに連れられてドームの真下にやってきました。
窓からは外の光がそそぎ込み、重々しいドームに軽快さをもたらしています。また壁のステンドグラスも見事です。
英国は莫大なお金をかけてこの駅舎を作ったようです。
「大英帝国の権力を見せつけるために作られたんです。そのためにはお金に糸目をつけなかったんです」とガイドさん。
その経済力を惜しみなく使ってインドに鉄道網を築いたのは英国でした。
その中心に位置するのがこのヴィクトリア駅です。それにふさわしいゴージャスな駅舎でした。
続く・・・。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、インドにやってきた。いい外国人でいるために、インドの人と同じようにやってみた。つまり、バスが完全に止まるまえにバスから飛び降りること。結果は、その膝に大怪我を負い、ジーパンが履けなくなってしまった。とほほ・・・」
VDM(Vie de Merde)より
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