世界の駅 4 [リムザン地方]
そう言えば今年はツツジを見ていなかったなあと思い、買い物のついでに公園を横切ったところ、予想通り時期を過ぎてしまい公園は緑一色でした。残念なことをしました。
そしていよいよ関東地方も梅雨入りです。しばらくじめじめした日が続きます。
さて、シリーズの四回目は、フランスのリモージュにあるリモージュ=ベネディクタン駅を訪ねます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 2で2017年6月1日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
別名「鉄道の貴婦人」と呼ばれるのがリモージュア=ベネディクタン駅です。
列車のドアが閉まり、駅員のフェリックスさんの笛とともに出発していきます。
フェリックスさん、単なる駅員ではないそうです。
「お客さんに駅の歴史についてよく尋ねられたんです。いつできたのか?その前はどうなっていたのか?ってね。最初はあまり答えることができなかったんですが、詳しい人に教えてもらってうまく答えられるようになったんです」
つまりガイドさんみたいなこともする駅員さんなんですね。
こちらが駅舎の全景です。ホームと線路は向こう側に伸びています。
時間を遡って1858年初頭、駅舎はいたって普通の建物でした。
利用客の増大に合わせて駅の改築計画が持ち上がり、若き建築家ロジェ・ゴンティエの設計が採用されます。
ゴンティエは最初ピロティ式駅舎を計画していましたが、これは実現しませんでした。
工事開始から5年後の1929年に新しい駅舎が誕生します。
住人が目にした新駅舎は、首だけ妙に長いカバかサイのような動物にしか見えませんでした。
動物の首に見えたこの塔、現在は一般公開されておらず、入れるのは関係者だけ。
塔の高さは60メートル。歴史学者のパスカルさんと一緒に螺旋階段で上がってみましょう。
「ここが時計室です。今ではこの時計を見る人もいなくなってしまいましたが、当時は列車の発車時刻を確かめるための唯一の方法だったんです。ですから誰にでも見えるように四方に設置されました」
当時として革新的だったのは電気で動いていたことと遠隔操作できたことです。
出来たばかりの時はめっぽう評判の悪かった駅舎ですが、すぐに事態は好転。人々から高い評価を受け始めます。
まずは高さ30メートルのこのドーム。屋根は銅ぶきです。
建物の装飾にはこの地方の産業が描かれています。
陶器の絵付けで使う筆、七宝焼きのトレー。リモージュと言えばあの焼き物ですね。
そしてドームの屋根にもこんな装飾が施されていました。
駅舎の中はアールデコ調のガラス窓がしつらえてあります。よく見ると職人さんの丁寧な仕事がわかります。
この駅が気に入って、駅舎の中にあるカフェに通う人もいます。
「ここに来ると、何か魂のようなものを感じます。駅というのは旅する場所、通り過ぎる場所ですからね。様々な出来事がここに集まっているんですよ」とクリスチャンさん。
そしてこの駅の地下にも隠れたお話がありました。
ホームの地下10メートルのところにあるこの地下道は1930年代の工事で作られました。
そしてナチ占領下ではドイツ国防軍のシェルターになっていたそうです。
そんな過去を持つリモージュ=ベネディクタン駅ですが、ここには、今ではあまり見かけなくなった駅の食堂があります。
一般の旅行者に加えて、数多くの有名人がここで空腹を満たしました。
「ここには政治家の方も沢山お見えになりました」とお店のオーナー。
ゲストブックにはオランド前仏大統領のサインもあります。一般の人たちとテーブルを囲んでお食事されたそうです。
続く・・・。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、駅で女性に『私たち、何の関係もない赤の他人だからね!』と罵られた。同じ旅行カバンを持っているというだけで」
VDM(Vie de Merde)より
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