ミロのヴィーナスは? [トピックニュース]
パリのルーヴル美術館には「モナリザ」や「サモトラケのニケ」など数々の傑作が展示されています。
その中の一つが世界的に知られる「ミロのヴィーナス」。
パリに行かずとも画材屋さんや学校の美術室に行けば必ずと言っていいほどレプリカが置いてあります。
子供の頃、わが家にも小さいのが一体あり、手にとって眺めては美しいなあと思っていました。
今、そのオリジナル作品が少々ややこしいことになっていました。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 3で2017年6月15日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
こちらがその展示室です。大理石で作られたこの彫刻、もう200年も前からここで展示されてきました。
しかし、ギリシャのミロス島の町長さんによれば、ミロのヴィーナスのいる場所はルーヴル美術館ではない!そうです。
「あの作品は我々の文明であり文化なんです。大切な遺産は売ったり買ったりできるものではありません」と電話で語る島の議員さん。
ミロのヴィーナスはなにあろう、この島で発見されたのでした。
島の町長さんが二日前からネットで返還の署名運動を始めたところ、すでに600名の署名が集まったとか。
この署名運動と同時に島の議員たちは、作品を取り戻すために裁判を起こす準備も始めているそうです。
しかし裁判に勝つのはかなり厳しいと言います。
というもの、この像が発見された1820年に、ミロのヴィーナスは法律にのっとってリヴィエル侯爵によって購入され、翌年、ルイ18世に贈呈。
その後ルーヴル美術館に収蔵されたのでした。
ギリシャの彫刻がなぜフランスにあるのかと疑問に思っていましたが、そういう経緯があったのですね。
「国の収集物の目録に加えられた美術品は、譲渡することのできない、侵すことのできない財産と考えられています」と美術品に詳しい弁護士。
このように、そもそもの出どころである国から返還を求められるのは初めてのことではないそうです。
このマオリ族の頭部はニュージーランドに、またこのホッテントット族の遺骸は南アフリカに返還しなくてはならなかったそうです。
さらに2017年3月、アフリカのベナン共和国が植民地時代にフランス軍によって持ち去られた宝物や美術館で展示されている美術作品の返還を求めています。
「たいていの場合このようなことには人間的にあまり好ましくない交易が絡んでいることが多いので、償いをする必要があるんです」と弁護士。
今回の場合、どのようなことになるのやら。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、友人たちとブルターニュ地方のブレストに行った。天気のいい日にはニューヨークの自由の女神像が見えるらしい。というのは真っ赤な嘘。友達に騙された」
VDM(Vie de Merde)より
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