バカンス客の苦情 [トピックニュース]
フランスの公衆電話ボックスが2017年末までにすべて撤去されるそうです。
20年前には30万台あったボックスが今では5,450台にまで減少。1日の利用時間も10秒以下となってしまいました。
これでは採算が取れないということで、残った分もすべて処分することになったようです。
これによりオランジュ(旧フランス・テレコム)は1,000万ユーロを節約できるそうです。
さて、本日は、ちょっと考えさせられるこんな話題です。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2017年9月6日に生放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
こちらはフランスアルプスの山間の村ル・ビオ(Le Biot)。
何やら女性がスマホで録音した音を再生しています。
「うちの部屋ではこの音が夜中の2時半に聞こえてくるんですよ。ちょっと耐えられないですよね」
どうやら牛の首につけられたベルの音らしい。
ここは村のすぐそばにあるコルビエ峠。別荘が立ち並んでいます。
その中の所有者約10名の署名入りで村あてに苦情が寄せられました。
カウベルの音がうるさすぎるというわけです。
「山に来たら何があります?羊や牛やヤギがいるのは当たり前でしょう。マーモットだっていますよ」と村長さん。
「でも牛にはベルが取り付けられてますよね」と取材班。
「カウベルは昔からずっと牛につけられてきたんです。農家の伝統ですよ」
こちらは、その農家のセバスチャンさんです。
ベルは自分の飼育している牛を見失わないために不可欠な道具。
村に寄せられた苦情は全く理解できないと言いながらも、譲歩せざるをえず、ベルをもっと小さなものすることを提案しました。
しかし、別荘の所有者たちからは受け入れてもらえませんでした。
「3週間かそこいらしかいない人たちがうるさいと苦情を言うなんて残念ですね」とセバスチャンさん。
これはなかなか難しい問題です。
都会の喧騒を逃れて、山で静かな時間を過ごそうとやってきたら、一日中、カランカランと鳴り通し。
これじゃあ何のためにこんなところまで来たのかわからない!となります。
しかし、地元の人にとっては、普通に今までと同じように生活しているだけ。
しかも、10年前に村が投資して、牛一頭いなかった山を開拓し、現在のような牧場を作ったのだそうです。
「牛を放牧できるようになってよかったですよ。私たちは満足してるんです。カウベルより県道32号線の方がずっとうるさいですよ」と村長さんはおっしゃっているとか。
別荘にご宿泊の方々、県道32号線を車でつっ走ってここまで来たんでしょうねえ。
そして夏が終わったらまた県道32号線を車で帰っていくのでしょう。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、私は山で暮らしています。買い物をするのに1時間ほどかけて歩かなくてはなりません。なので、月に1回か2回しか買い物に行きません。それなのに、今回は財布を忘れて何も買えずに帰ることになってしまいました。ああ、腹減ったあ〜」
VDM(Vie de Merde)より
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