ギリシャの現状 [ギリシャ]
以前、ギリシャの観光の名所サントリーニ島に、あまりに多くの観光客が訪れるので島が混乱しているという話をしたことがあります。
国家破産寸前で踏みとどまっているギリシャですが、これだけ盛況なら問題なさそうです。
しかし、全体からすると、それも一部の地域に限ってのこと。
とにかく赤字解消のために民営化と海外資本の受け入れが進んでいるようです。
ギリシャ第二の都市テッサロニキを訪ねてみましょう。

下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 2で、2017年9月7日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
透き通る海の水。美しい港。保養地にはもってこいのロケーションです。
海辺にはホテルがずらりと並んでいます。その中の一つがこのマケドニア・パレス・ホテルです。
客室数は300室以上もある大型ホテルで、地元では一番の高級ホテルとして知られています。そしてかつては国が所有していました。
現在はロシアの大富豪の手に移り、2000万ユーロをかけて改修されました。
「受付は大きく変わりました。一部は以前のままですが、こちらに白い大理石を配置してあります」
どうも、このロシアの大富豪に40年間の経営を譲渡する代わりに、毎年、170万ユーロ+売り上げの一部を支払うという契約を交わしているようです。
「ギリシャ政府に、毎年、高額の賃貸料を支払っています。それでも利益は上がっているんです」と支配人。
地元の人たちはこのことをどう思っているのでしょう?
「もちろんギリシャが所有していた方がいいとは思いますが、他に方法がなかったんです」と男性。
一方、こちらはアテネから12キロほどのところにある港湾都市ピレウス。
ここはギリシャ最大の港で、多くの旅客船や貨物船が入出港しています。
この港もまた外国人の手に渡ってしまいました。現在、この港を管理しているのは中国人。
昨年、国は37,000万ユーロでこの港を手放しました。港で働くこちらの作業員は、政府が外国人にプレゼントしたも同然だと言います。
「国は捨て値で港を売ってしまったんです。我々に明るい未来はありませんし、十分な利益を国にもたらしてはくれません」
かくして、中国の企業は世界で最も重要な港の一つを手中にしたことになります。
「地理的に非常に重要な港です。ヨーロッパの南部の玄関口ですからね。ここからバルカン諸国ともつながりやすくなります」と社長さん。
交通、電気、水、通信、空港など、あらゆるセクターが民営化の対象になっています。
マクロン仏大統領は約15名ほどの企業の代表者を引き連れてギリシャを訪問しているとか。この機会にギリシャに食い込もうとしているらしい。
しかし、うまく行っていない例もあるようです。
こちらはかつてのアテネ空港です。2年半前に民営化されましたが(ここも中国人絡み)、手つかずのこの有様です。
今年は20億ユーロの収益を目標としているそうですが、国の借金500億ユーロにはまだまだほど遠い状況です。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、ギリシャでバカンスを過ごしている。何度もお手洗いに通う羽目になって初めて、“δεν πίνουν” が “非飲料水” という意味だということに気がついた」
VDM(Vie de Merde)より
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