フランスのベニス4 [プロヴァンス地方]
フランスのベニスと呼ばれている町や村を紹介するシリーズも最後になりました。
今回は、アヴィニョン近郊の町イル=シュル=ラ=ソルグ(L’Isle-sur-la-Sorgue)を訪ねます。
町の名前から察するに、どうもソルグという川が町を流れているようです。

下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2017年9月21日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
板のようなボートをソルグ川に浮かべる男性二人。
このボート、プロヴァンスでは “ネゴ・シン(Nego Chin)” という名でよく知られているそうです。
ネゴは方言で「溺れる」、シンは「犬」という意味。
どうも最初に乗り込む時が少々不安定らしく、イヌが溺れるボートというような意味らしい。
とはいうものの、長さ5メートルの小さなこのボート、軽くて速いのが特徴です。
そしてご覧の通り、どんな場所でもささっと通り抜けてしまいます。
かつては漁師のための舟だったそうです。今はレジャーや観光に使われています。
それにしてもソルグ川の水の美しいこと!この澄んだ水の上をネゴ・シンでスイスイ走っているのがヴァンサンさんとギヨームさん。
「かつてはこの川に水車が14台も設置されていました。その動力のおかげでこの地域に産業が興たのです。19世紀中頃には工場が40軒ほどありました」とヴァンサンさん。
この川の水は染物や製紙などにも利用されたようです。
水路は合計で35キロにもなります。19世紀には150軒もの製造工場があり、数千家族がここで暮らしていました。
マリーさんはこの地域の観光責任者。
「この町はソルグ川を中心にして造られた町です。川の水は特にきれいで、温度は一年を通じて13℃。1965年まではこの水を一日に15,000リットル汲み上げていました」
また、住民たちはここで採れた魚やザリガニを、20キロほど離れたアヴィニョンの教皇に献上していたそうです。
こんなきれいな水で育った魚はさぞかし美味しかったでしょうね。それにザリガニも。
マリーさんのお話によれば、ザリガニはワインのシャトー・ヌフ・デュ・パプと一緒に食べると美味しいそうです。
水上を進んで行くネゴ・シンはベニスのゴンドラにちょっと似てます。
「この町はプロヴァンスのベニスとよく言われますが、正確にはコンタディヌのベニスです。ここがフランス領になったのは1792年で、それまでは教皇によって治められていたコンタ国だったんです」
水路にはあちこちにネゴ・シンが浮かんでいます。どこでも簡単に通り抜けられるとは言っても、こんな大変な場所もあります。これじゃあ犬も溺れます!
さらに、水路の入り口はかなり狭く、流れに逆らうように進まなくてはならないらしく、力がないとちょっと難しいらしい。
陸上ならこんな素敵な眺めをのんびり楽しむことができます。
川の両岸にはカフェやレストランなどの他に、250もの古物商が軒を並べているそうです。
終わり。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、危うく溺れるところだった。洗面台で髪を洗いながらウッカリ眠り込んでしまったのだ
」
![[あせあせ(飛び散る汗)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/162.gif)
VDM(Vie de Merde)より
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