ボタン [メイド・イン・フランス]
東京もだいぶ涼しくなってきました。街をゆく人たちの装いもすっかり秋に変わっています。
この調子でどんどん涼しくなって、最後は分厚いコートが必要なくらい寒くなってもらいたいものです。
なんて言っておきながら、寒いのが続くと早く暖かくなれ!なんて言うことになるんでしょう。身勝手なものです。
さて、ネットのニュースをチェックしているとこんな記事を見つけました。
6年前、東日本に大変な被害をもたらした大震災。その時の津波で流されたがれきに乗って、120種類以上もの海の生き物が命をつなぎながら太平洋を横断しているとか。
全てが海のゴミになってしまったと思っていましたが、そこから生まれてくるものもあるようです。
それはさておき、本日の話題はボタン。
フランスのジュラ地方にある小さな村ラヴァン=レ=サン=クロード(Lavans-lès-Saint-Claude)はフランス製ボタンの一大生産地だそうです。

下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2017年10月5日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
「ボタンのない服はボタンのある服と同じ価値を持つとは思えないですね」と女性。
ボタンは実用的なものですが、飾りという別の側面も持っています。
お花の形のボタン、かわいいですね。色もカラフル。これがぜんぶ金貨だったら、なんてしょうもないことを思ったり・・・。
こんなボタンを作っている工場は、この山間の村にあります。人口は2000人足らず。
「洋服を買いに行って一番先に見るのは服ではなくボタンなんです(笑)」と工場の女性。
ここはボタンメーカーKocher。従業員は12人という中小企業ですが、創業は1910年と、100年以上もの歴史ある会社です。
毎年、数百万個のボタンがここで作られているそうです。その種類も豊富で、植物や木を使ったものからポリエステルのものまで様々なボタンがあります。
「これが原料のポリエステルです。これを輪切りにしてボタンを作ります」と男性。
かつて人の手で行われていた作業も今ではコンピュータとマシーンで行います。
コンピュータでデザインし、レーザーが彫る、そういう行程になっているようです。
「これらは2019年冬のコレクション用です」とスタイリストのフェビエンヌさん。
チーム一丸となって毎年80種類あまりのボタンを制作し、オートクチュールや小間物店に納品しています。
「最近は自然の素材を使ったボタン、例えば木製のものとかの注文が多いです。そしてシンプルなものでありながらも、他とはちょっと違ったボタンが喜ばれます」とフェビエンヌさん。
こちらの男性フランクさんがこの会社の社長さんです。1年前にこの会社を買い取りました。とは言っても、フランクさんの家もボタンの製造業者でした。
見せてくれたのは1950年代に製作されていたボタンのサンプルです。
「ここにあるのは職人さんが手作りしたものばかりです。私の役目は昔から続いてきた産業をさらに続けていくことなんです。そこには大切な技術が残されていますからね」とフランクさん。
かつてこの村には10軒ほどの工場があったそうです。現在はそれが3軒だけになってしまいました。
こちらの工場で35年間働いてきたこの男性は、アジアへの工場移転が盛んに行われていた頃のことをよく知っているそうです。
「技術を持っている高齢者は若い人にその技術を伝える機会もなく皆引退してしまってるんです」
ここはボタンメーカーのMeynier。従業員は35人。この方が社長のジャックさん。お祖父さんが作った会社を継いでここまで続けてきました。
「これは伝統を引き継ぐ技の仕事なんです。高級な手作りボタンは徐々に注目され始めています」
こちらの豪華なボタンは2ヶ月後にオートクチュールのドレスを飾ることになっているそうです。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、忙しい1日を終えての帰り道、バスから降りそこなってしまった。居眠りしてたんだろうって?いやいや、背中のボタンが座席の間に挟まって動けなくなってしまったのよ
」
![[あせあせ(飛び散る汗)]](https://blog.ss-blog.jp/_images_e/162.gif)
VDM(Vie de Merde)より
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