キュビ [フランスのワイン]
13日の金曜日は、悪いこともなければ、特に良いこともなく、平凡に過ぎて行きました。
さて、以前にフランスで、ボトルではなく箱入りワインが好調な売れ行きを見せているという話をしたことがあります。
この箱入りワイン、さらに拡大を続けているようです。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 2で2017年10月7日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
こちらは高級ワインで知られるボルドー地区。
そしてここはPuisseguin-Saint-ÉmionのAOCの付いたワインを作るワイン農家のブドウ園。広さは18ヘクタールもあります。
このワイン農家、2001年から思い切って箱入りワインを売り出しました。
当時は、質の良いちゃんとしたワインなら “瓶入りにコルク栓” が当たり前の時代でした。
3人で試飲中のワインが売り出し中の、箱に蛇口の付いた箱入りワインです。
バッグ・イン・ボックス(Bag-in-Box)と言われるこの容器、最近は略してビブ(BIB)と呼ばれているそうです。
「以前は先駆者でしたが、今はこのシステムが当たり前のようになっています。ビブ入りワインは楽しくて美味しく飲めるワインなんです」とワイン農家の方。
「ワインの消費スタイルが大きく変わりました。熟成をじっと待つより若いワインを早く飲むという現在のスタイルにマッチしているのがこのビブ入りワインだと思います」と女性。
この結果、毎年6,000箱のワインを販売しているそうです。年間売上高の40%を占めるほどになっています。
こちらの男性はワインの仲買人。
「バッグ・イン・ボックスは瓶入りワインに代わって、質の良い高級ワインを消費者に届けているんです」
どうやらフランスではビブ入りワインのことをキュビ(cubi)と呼んでいるようです。
一方、同じボルドーで80ヘクタールのブドウ園を持つこちらのワイン農家では、この5年でキュビの製造は2倍になったそうです。
箱詰めもここで行われます。
まず真空状態のまま袋にワインが注入されます。空気に触れないので酸化することはありません。
「この状態なら3ヶ月保存がききます」
袋がワインで一杯になったらそれを箱に詰めるだけ。これで出来上がりです。
これなら飲み終わった後の始末も楽ですね。袋は焼却ゴミ、箱はリサイクル。ウォーターサーバーと同じです。
こちらのレストランでは、促進のため最初の一杯のワインは無料でキュビを提供しているそうです。
「美味しいねえ」と男性客。
棚には様々なキュビが並んでいます。種類も豊富でお値段はボトルより30%ほど安いとか。それに重量も軽そうな・・・。
さて、こちらは集荷を待つキュビが保管されている倉庫。出荷先は量販店。
高級ワインを作ってきたワイン農家を少しずつ説得してキュビを増やしてきました。
将来は最高級のワインをキュビで提供してもらえるかもしれません。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、7歳になる娘に、うちで飼っていたカナリアが死んだことを伝えた。すると娘が言った。『カナリアって、リサイクルできないの?』」
VDM(Vie de Merde)より
BIBを初めてアメリカで見たときはビックリしましたが、今やフランスでも主流なんですね!
by opas10 (2017-10-16 22:53)
opas10さん
初めて見たときは、驚きましたし、こんなんで大丈夫なのかと思ったりもしました。でも、今では皆んな普通に使ってますね。これから用途がどんどん拡大していくのかもしれません。
by carotte (2017-10-18 16:30)