ブルターニュのソバ [ブルターニュ地方]
今年は季節が早めにやってくる年なのか、夏は6月くらいから始まってしまったし、10月もまだ半ばだというのに冬の寒さが襲ってきました。
そう言えば、ついこの間、コートが必要になるくらい寒くならないかなあ、などと口走っていた自分を思い出しました!
いやはやどうも・・・ここまでとは思ってもみませんでした。
寒くなるのはいいとしても、雨と一緒ではちときついですよねえ。おまけに台風まで来ちゃって。
台風が通り過ぎる来週半ばくらいまでお日様とはしばらくお別れのようです。
それはさておき、フランスのブルターニュ地方ではソバの実の収穫が始まりました。
黒い麦とも言われるソバは、ブルターニュ地方のお宝です。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2017年10月16日に生放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
こちらがそのお宝。
ブルターニュ地方の郷土料理ソバ粉のクレープ “ガレット” は、これがないと作れません。
しかし、このソバの実、1980年代にはブルターニュの地から姿を消してしまいそうになっていたそうです。
あれから約30年後の今、こんな巨大な農機具で刈り取れるくらいになりました。
「10年くらい前までは1〜2ヘクタールくらいの畑しかありませんでした。それが今ではこれだけ大規模な畑になりました」とピエールさん。
この巨大な刈取り機に乗って刈り取るのは爽快ですね。
一度消えかけたソバが再生できた理由の一つが、IGP (Indication géographique protégé)です。
IGPは特定の地域で生産される農産物の品質を保証するラベルです。
ブルターニュ地方のソバは2010年にこのIGPを獲得しました。無農薬・無加工のソバです。
この品質を武器に、現在、フランスの消費の75%を占めるという中国産やポーランド産のソバに対抗しています。
えっ、ということは10年くらい前に、モンパルナスのクレープ屋さんで食べたガレットは、中国産かポーランド産のソバ粉を使って作られた確率が高いということになりそうな・・・。
これは是非ともブルターニュの生産者にがんばってもらわなくてはなりません。
こちらは、その黒い麦の生産者ピエール・アンリさんです。
「消費者を守ると同時に生産者の我々も守ってもらわなくてはなりません」
そしてこちらは、ブルターニュ産のソバ粉でクレープを作るお店の厨房です。
「これは実に質のいいソバ粉です。本物の自然の恵みです」と、L’Escale Gourmandeというクレープ店のオーナーシェフのトマさん。
このブルターニュ産ソバ粉のクレープが人気だそうです。
こちらの年配カップルもそれを目当てに定期的にこのお店にやってきます。
「子供の頃に食べた味と同じなんです」とマダム。
「自分たちの土地にあるものを食べるのに他の土地に行くこたあないでしょう」とムッシュー。
おいしそうなガレット。シードルと一緒に頂いたら極上のお味でしょうねえ〜。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、深夜バスが遅れてやってきたので、何か騒動でもあったのかと運転手に尋ねた。というのも、バスの床一面にちぎれたクレープが散らばっていたからだ。お察しの通り、僕はブルターニュに住んでます」
VDM(Vie de Merde)より
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