世界の屋根から3 [イタリア]
今年の流行語大賞候補の中に「36億」というのがあって、一体何のことだ?と友人に尋ねたら「え〜っ、知らないの!?」と、骨董屋の片隅にある薄汚れた急須でも見るような目つきで言われてしまいました。
最近、つまらないからテレビを見てないのですよねえ〜。知らないのも致し方なし。
さて、シリーズの最後はイタリアの首都ローマを訪ねます。

下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 2で2017年11月23日に放送)
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空から見たローマ。
ちょっと画像がいまひとつぼやけてますが、古い建物が所狭しと並んでいるのがわかります。
コロッセオも上から見るとこんな風になっています。できたのは西暦80年と言いますから、こうして今も残っていることに感動します。
そしてこちらは西暦128年に作られたパンテオン。ドームの真ん中に作られた天窓の直径は8.7メートルあります。
そのパンテオン前の広場を歩く男性はフランコさん、80歳。画家です。
「地上をたくさんの路地が交差しているのもローマの魅力の一つです」
そのフランコさんが向かったのは屋根の上に作られたテラス。ここで毎日創作に励んでいます。
周りを見渡してみると、民家の屋根が連なります。都会というより小さな村。
「ローマの屋根の特徴はといえば、ごちゃごちゃしたところなんです。でも、よく見ると瓦が規則正しく並んでいるのがわかります。その瓦は独特の色をしています。ローマ以外にこんな色の瓦はありませんよ」
フランコさんが描いた作品がこれです。
「ここからなら中世の頃の町をうかがい知ることができます。あそこにある教会は周りをぐるりと家に囲まれています。これこそがローマの原型なんです」
ローマには中世からバロックまで様々な時代の屋根があり、教会の数は900にも及びます。
スペイン広場へとつながる階段の一番上に立っているのはトリニタ・デイ・モンティ教会。フランスの教会です。
この教会に向かって階段を上がってくる方がジャン=ルカさんです。この教会の鐘のメンテナンスを担当しています。
地上60メートルの鐘楼からはローマの街を見渡すことができます。
そしてこれが教会の鐘。
「私の仕事はこの鐘が落ちてこないように点検することなんです。100キロ近くありますから、ここから落ちるようなことがあれば大惨事になりかねません」
ジャン=ルカさんはローマにある教会の鐘のほとんどを担当しているそうですが、仕事の最中にふと手を止めて、美しい眺めに見とれてしまうこともあるとか。
ルネッサンス様式の宮殿、ドーム、教会の鐘楼、民家の屋根に作られたテラス・・・。
ローマの屋根を知り尽くしている画家のフランコさん、今日はローマの中心街にあるという中世の塔にやってきました。
地上30メートルの塔の屋上で絵筆をとります。
「ローマは数千年の歴史を持つ比類ない街です。もちろんパリも素晴らしいですよ。でもローマは時代を重ねてできた街です。つまり、建物はその前に作られた建物を土台にして作られており、いわばサンドイッチのような建物でできているのがローマなんです」
19世紀も前に作られたパンテオンは 手つかずのまま今もこうして残されています。
ローマは長い歴史とともに今もこうして生き続けています。
終わり。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、昨夜の嵐で瓦が数枚飛ばされてしまった。父が張り切って屋根に上がり修理を始めた。天井からドンドンと叩く音がするのに気がついたのはそれから2時間後。音の主は父だった。梯子が外れて身動きできないと言いたかったらしい」
VDM(Vie de Merde)より
だいたい分かりそうな展開ですね。
by 管理人 (2017-12-08 21:12)
管理人さん
今回の場合はわかりやすかったですね。
by carotte (2017-12-10 13:56)