英仏親善のタピスリー [フランスのお宝]
先日、郵便局の留守配達票が郵便受けに入っていて、見ると差出人はクレジットカード会社。配達証明付きの郵便物だという。
一体中身はなんだろう?と思いつつ、とにかく今日中に受け取れるようにしなくてはと、急いでネットで再配達の申し込みをした。
やがて指定した時間に冷たい雨の降る中を再配達してくれた。
それはいいのですが、届いたのはB5サイズほどの少し厚めの黒い封筒で、何のことはない、アメックスのプラチナカード申込みの勧誘でした。あまりのくだらなさに呆然。
ご丁寧に申込書には私の名前やら住所やらすでに印字してあるのです。しかもステータスのシンボルだとか、あれこれ特典を並べ立て、虚飾の匂いのぷんぷんするパンフレットが入っている。
正直、こんなものに配達証明なんて不要じゃないですかね。
配達に二倍の労力を費やし、しかも受取人の時間を拘束してまで送りつけてくるなんて許せん!って感じなのです。
八つ裂きどころか、十六いや三十二裂きにしてゴミ箱に投げ捨てました。
まったくもう〜、クレジット会社、何様のつもり?!
いつまでも怒っていても仕方がないので、本日の本題へと参りましょう。
フランス、ノルマンディ地方の町バイユー(Bayeux)には、11〜12世紀頃に作られた貴重な刺繍画があります。フランスとイングランドに関わる歴史的遺物であり、貴重な史料でもあります。
この刺繍画が英仏親善に一役買うことになったようです。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局Franceで2018年1月17日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
こちらがその刺繍画。「バイユーのタピスリー」または「王妃マティルダのタピスリー」という名で知られています。日本からも観光で見学された方も多いでしょう。
イングランド王でありノルマンディー公でもあったウィリアム1世(ギヨーム征服王)の時代を描いたもので、長さは70メートルにも及びます。
1066年10月14日、イングランドのヘイスティングズでイングランド軍とノルマンディ軍の戦いが繰り広げられていました。
結局、この戦いで勝利したノルマンディ公のギヨームはイングランド王となりウィリアム1世と呼ばれました。
その歴史を描いたのがこのタピスリーです。
英国にとっても重要な歴史の一幕ですが、これまでこのタピスリーが英仏海峡を渡ったことはありませんでした。
しかし、この度、フランス政府は親善の一環として英国に貸し出すことを決定。
「貴重なものを分かち合うという寛大な対応ですね」と女性。
「教科書や歴史の授業で知ってますよ。本物が見られるなんていいですね」と男性。
「非常に興味深い時代のお話ですね。しかもわが国の歴史の一部ですから」と別の男性。
1953年の戴冠式の際に英国から申し出があったようですが、実現しませんでした。
1987年にはチャールズ王子とダイアナ妃が見学に訪れました。
そして今回はフランスがこのお宝を貸し出すことにしたのです。
「このタピスリーが英国で展示され英国民が見られるというのは大変意味深いことです」とメイ首相。
とは言ってもすぐにというわけにはいきません。
「今の状態では動かすことはできません。何しろ12世紀のものですから壊れやすいんです」とバイユー美術館の学芸員。
修復を済ませ移動が可能になってから(予定では2023年)、海を渡ることになるそうです。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、そしてずっと前から、寝室に抽象的モチーフのタピスリーを飾っている。このモチーフの中になんだか怒っている顔のようなものを見つけてしまった。それ以来、眠れなくなってしまった」
VDM(Vie de Merde)より
怒りに同感。市中引き回し、磔獄門がよろしいかと・・・。
by t-toshi (2018-01-19 13:19)
t-toshiさん
ご賛同いただきありがとうございます。^^
手数の掛かるやり方でこんなもの送ってくるなんてやめてもらいたいですよねえ。迷惑以外の何ものでもありません!
by carotte (2018-01-20 14:21)