ミディ=ピレネーの橋1 [ミディ=ピレネー地方]
今日から4回のシリーズでフランス南部ミディ・ピレネー地方の橋を紹介します。その造形美をお楽しみください。
第一回目の今日は、ワイン産地でありサンティアゴ・デ・コンポステラへの巡礼路にもふくまれているカオール(Cahors)の橋。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2017年5月7日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
カオールの町を流れるロット川。この川に架かるのがヴァラントレ橋。
ご覧ください、この優雅な佇まい。
「一度見たら必ずもう一度見ます。この橋がなかったら虚ろな気分になってしまいますよ。なんといっても町のシンボルですから」と観光ボートの船長さん。
この橋はボートから眺めるのが一番いいようです。
橋の下をくぐるためには水門を通らなくてはなりません。
「ゴシック様式のアーチ、その上の馬の背のようになった橋桁。中世の橋の特徴がよく表れています。また三角の山形になった橋脚の水よけも特徴的です。これが橋脚を守っているんです」とガイドさん。
14世紀、100年戦争の時代に作られたこの橋は、軍の防衛施設でした。3つの要塞化された塔が町への侵入者を監視していました。
しかし、谷間に作られた橋は防衛としての役割は果たしていなかったようです。
「あちらの丘にヤギを連れて行くのに使われていました。つまり、この橋は実用として作られたのではなく、市民の財力と権力の象徴として作られたのです」
172メートルある橋の上をサンティアゴ・デ・コンポステラへの巡礼者が歩いていきます。
橋の美しさにふと立ち止まって見入っている人もいます。
「見事な中世の橋ですね。タイムトリップしたような気分ですよ。遠回りしてでも見る価値があります」と男性。
「何枚も写真を撮ってしまいました」と女性。
しかし、かつてヴァラントレ橋はこれほど静かな橋ではなかったようです。
1995年くらいまでラッシュ時には橋の上で渋滞が起きるほどでした。写真家のジャン=ルイさんが撮影した写真がそれを物語っています。
ジャン=ルイさん、橋の塔の一つに貼り付いた悪魔の写真を撮り続けていたそうです。
というのも、この悪魔、毎晩ここにやてきてははめ込んである石を取り外して行くと言い伝えられているからです。
もし本当にその瞬間をカメラに収めることができたら大変なスクープです(笑)。
この悪魔の伝説について興味のある方は以前の記事を→こちら。
ジャン=ルイさんのスタジオには四季折々の橋の写真が保管されています。
丈夫そうで優雅なヴァラントレ橋は、水源に近い場所にあるため、19世紀以来、地域の住人に水を供給するのにも一役買っているそうです。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、数学の試験だった。試験官の先生が僕の身分証明書を手に取り写真を見た途端、こらえきれずに大笑いしながら立ち去っていった・・・」
VDM(Vie de Merde)より
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