ミディ=ピレネーの橋4 [ミディ=ピレネー地方]
橋シリーズの最後は、アヴェロン県にある鉄道橋ヴィオール高架橋を訪ねます。
今回の橋は鉄でできています。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2017年5月11日に放送)
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アヴェロン県とタルヌ県を結ぶ鉄橋。地上116メートルのところに架けられています。
下から見上げると複雑に絡み合った美しいレースのようですが、遠くからみるとシンプルで華奢な感じに見えます。
谷に下りてもう少し詳しく橋を見学してみましょう。
橋を支える土台は石でできています。
「橋の重量は3,800トンですから、それぞれで1,900トン分を支えていることになります」と国鉄職員の方。
あれ、国鉄はストライキ中。こんなところで働いてていいんですかね???
それはさておき、縦横無尽に組み立てられている鉄骨部分を近くで見てみましょう。
ものすごい数のリベットが使われています。その数100万本。
工事が始まったのが1895年。鉄骨の組み立てはご覧の通り作業員の手作業でした。
いやはや足が震えます。あの足場がボキッと折れたらまっさかさまに谷へ転落・・・。
工事はご覧の通り、両端から少しずつ始められました。
徐々に二つの距離が縮まって、最後にカチッと連結されたのでした。
完成は1902年。7年の歳月が流れていました。
「どうやって繋がるのか、こんなやり方で大丈夫なのかと、皆、興味津々だったようです。地元の人たちは散歩がてら工事の様子を見物していました」と著述家のダニエルさん。
ダニエルさんたちがおしゃべりしている間に列車が高架橋を通過していきました。毎日14本列車が通過するそうです。
「毎日通りますが、ここからの眺めはとても素晴らしいです」と乗客。
橋の長さは460メートル。時速80キロで走っても6分弱かかります。となると外の風景をわりにゆっくり楽しむことができそうです。
さて、この橋、作ったのはあのエッフェルさんかと思いきや、別の方でした。
設計したのはこの方、ポール・ボダン。コンペで選ばれたようです。
応募者の中にはエッフェルもいましたが、選に漏れたらしい。
100年以上も前にできた鉄橋ですが古さを感じません。それもそのはず、1年前に修復を終えたばかり。
こちらは端に下を流れるヴィオール川で釣りを楽しむのが日課になっているフレドさん。
「あの橋はこの地域の宝ですからきちんと保存しておかないといけないですよ」
ヴィオール高架橋はまだまだ活躍を続けられそうです。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、重要なミーティンングがあったのに、列車が2時間遅れているという。親切なことに国鉄は代替輸送を用意していた。問題は、それを公表しなかったこと」
VDM(Vie de Merde)より
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