最も美しい村4 [ノルマンディー地方]
シリーズの四回目は、ノルマンディー地方の小さな村ヴール=レ=ローズ(Veules-les-Roses)を訪ねます。
人口は約700人、密度は1k㎡に114人ほど。
昨年の2017年に “フランスの最も美しい村” の称号を手にしたばかりです。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2018年5月17日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
ノルマンディ地方の海岸。遠くにあの断崖絶壁が見えます。
この海沿いにできた集落がヴール=レ=ローズ。
村を流れるのががヴール川。フランスで最も小さい川だそうです。この清流が観光客に人気です。
「海が近いので海水浴が楽しめるビーチもありますよ。でも小さい村ですから驚くようなものはありませんけど、バラだけは素晴らしいわよ」と村の住人。
「小川の少し先には水車があって本当に素敵です」と女性。
その水車がこれ。18世紀のものだそうです。また、こんな藁葺き家もあります。
そしてこの村には、シャンゼリゼ通りもあります!とは言っても、パリのとはだいぶ様子が違っています。
この道を散歩するのが好きだった文豪ヴィクトル・ユーゴーが名付けたのだそうです。
川のせせらぎと鳥のさえずりを聞きながらのんびりとこの道を歩いていたんでしょうね。
路地に並ぶ家々の壁には緑がいっぱい。よく見ると花をつけています。どうやらバラの花のようです。バラは村のシンボル。
「かつてこの村はヴール=アン=コーと呼ばれていましたが、19世紀末になってから今の名前になりました。ここの気候がバラの生育に適していたんです」とミッシェルさん。
村の名前の意味は、“ヴール川の流れるバラの咲く村” というわけです。なんかちょっと素敵ですね。
ミッシェルさんは、ゆる〜い感じのこの村が気に入ってここで暮らしています。
「ここに使われている砂岩とすい石は、19世紀に作られた別荘によく使われていた石です」
ミッシェルさんの散策はさらに続きます。木漏れ日に照らされる森の中の小径。深呼吸すると体の中からキレイになりそうな・・・。
この小さな森を抜けると、そこにはクレソン畑が広がっていました。栽培しているのはパトリックさん。
毎年50トンのクレソンを出荷しているそうです。収穫は機械ではなく人の手で行います。
「月曜日から日曜日までフルで働いてますよ」とパトリックさん。
厳しい仕事なので後継者がなかなか見つからないそうです。
一方、こちらは村の青空市場。
「村は休むことなく一年中なにかしら活動しています。フランスで最も美しい村になったんですから、生きた村でなくてはなりません」と村長さん。
さすがノルマンディ地方、濃厚な生クリーム!
ヴィクトル・ユーゴーは「私は、まだ観光地化されてないひっそりとしたこの村が好きなんだ。断崖絶壁も大好きだしね。この村にはロマンティックで手付かずのものが残されているんだ」と言っていたそうですが、夏には人口が8倍にもなる立派な観光地になっているようです。
続く・・・。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、私がどれほど妻を愛しているか分かってもらおうとバラの花束をプレゼントした。すると妻が言った。『あなた、浮気でもしたんじゃないでしょうね?』」
VDM(Vie de Merde)より
ユゴーもゴングール兄弟も、文豪がイッパイ来てた避暑地だったんですね。
それにしても、シャンゼリゼ通りがこんな場所に?!
でも、シャンゼリゼって「極楽平原」とか言う意味だって聞いたことが。こんな綺麗な場所、あながちウソじゃなさそうです。
マルシェみたいなところで、にょーんとカップに分けてたあれ、ヨーグルトの濃いやつかと思ってしまいました。まさか、生クリームだとは!!!
by nicolas (2018-05-25 16:38)
nocolasさん
18世紀後半くらいから、ノルマンディで休暇を過ごすのがパリジャンの間で流行したというような話を聞いたことがあります。この通りはユーゴーにとって「極楽平原」だったんでしょうねえ〜^^。最後に出てきた生クリームはフランス語でクレーム・エペと言う生クリームだと思います。生クリームにも濃度によって何種類かあるようですよ。
by carotte (2018-06-03 16:50)