最も美しい村5 [ミディ=ピレネー地方]
シリーズの最後は、ミディ=ピレネー地方の小さな村カステルノー=ドゥ=モンミラル(Castelnau-de-Montmiral)を訪ねます。
人口は約1000人、密度は1k㎡になんと12人ほど。
前の村々に比べると人口は多いのに密度は低いとなると、面積が広いということになりそうです。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2018年5月18日に放送)
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丘の上の村カステルノー=ドゥ=モンミラルは、百年戦争や宗教戦争などフランスの戦いの歴史とともに歩んできました。
そして、14世紀から15世紀にかけて有力な封建領主がこの地を治めていたことも知られています。
石畳の通りを歩けば、その歴史の片鱗を見ることができます。
「こうして散策しながら昔の姿を想像しています」と女性。
なんだか歴史のロマンをお楽しみのようですが、村の歴史には暗い時代もありました。その一つがカトリックとプロテスタントが激しく対立したユグノー戦争。
しかし、村は13世紀に作られた城壁に守られプロテスタントの攻撃を阻止することができたそうです。
集落の北側には広大な森が広がっています。グレジーニュの森と呼ばれ、広さは3,600haもあります。どおりで人口密度が低いわけです。
森はこのように要塞化された家で守られています。
その中の一つにお住まいなのがガデス一家。ここはChâteau de Mayraguesというワイン農家。母親のロランスさんと息子さんのダンカンさんが経営しています。
「ここでは1609年からワインが造られてきました。かつては50,000haにわたってブドウ畑が広がっていたようです。今はだいぶ小規模になっていますが、この地で今もなおワインは作られ続けているんです」とオーナーのダンカンさん。
フランスで最も美しい村のワイン、飲んでみたいですね。
村の歴史に詳しいロランスさんが村を案内してくれました。広場の一角に建つ柱Le Pilori。
「この柱には罪を犯した人をくくりつけて大衆の前にさらしたんです」
つまりは、さらし台というわけです。
さて、ぐるりと村を囲んでいる城壁の一部は18世紀に壊されて遊歩道に生まれ変わっています。
その道はこんな見晴らしのいい場所へと繋がっています。ここからならグレジーニュの森もピレネーの山々も望むことができます。
この村のもう一つのお宝が教会です。美しい天井画。礼拝堂には14世紀の豪華な十字架の聖遺物が展示されています。
小さな村にこのようなものがあるとは・・・。かつての繁栄ぶりがしのばれます。
村のお宝はこれだけではありません。こちらの建物の中には木造の螺旋階段があります。
「この階段は1848年に作られたものを考えられています。ここには家具職人の一家が暮らしていましたから、その職人が作ったのではないかと言われています」
アールヌーヴォーの走りのようなデザインですね。
古い建物に囲まれた村の広場。カステルノー=ドゥ=モンミラルは、フランスの最も美しい村の称号にふさわしい村でした。
終わり。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、6歳になる娘が、わが家のネコに宝探しをさせるという。おかげで、家のあちこちにキャットフードがばらまかれた・・・」
VDM(Vie de Merde)より
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