シャンボール [トピックニュース]
シャンボールといえば、16世紀、フランス国王フランソワ1世によって立てられたシャンボール城。
王様が狩りをする時だけに使ったというお城で、ロワール川城巡りの中でも欠かせない名所の一つ。
このシャンボール城が少々困ったことになっています。問題はその名前。
下記のウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 3で2018年6月6日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
フランスの重要なお宝の一つがこのお城。なんともゴージャス。
お城のすぐ近くには3年ほど前からロマランタンという品種のブドウの苗木が植えられています。
ロマランタンは1519年にフランソワ1世がこの地域に導入した品種だそうです。
ブドウ畑は14haほどの広さ。ブドウが収穫されれば年間6万本のワインを生産することができます。
「あちらにお城があって、こちらに王様と深い繋がりのあるブドウの木があります」と誇らしげに話す責任者のジャンさん。
ブドウが収穫されて ワインができれば、当然、“シャンボール” という名のワインになるはず。
しかし、現実はそう簡単な話ではありません。
なぜか “シャンボール” という名前の所有者はアメリカ人。というのも、Brown-Forman Corporationというアメリカ人の会社が商標登録しているからです。
その製品がこれ、蒸留酒。
「我々を表す名称が盗まれたも同然です。天と地がひっくり返るほどの出来事ですよ。さらにシャンボールで製造されるワインに “シャンボール” という名前をつけて売ることができないなんて最悪の事態です」
しかも、“シャンボール” という名の蒸留酒は、お城から20キロもほど離れたクール=シュヴェルニーで作られています。
フランスのTV局はこのアメリカ人に取材を申し込みました。カメラ取材は断られましたが、電話での取材には応じてくれました。
「わが社は、フランスで商標登録した上で、1960年からリキュールにその名を使っています。従って、ワインに使用することになれば我々の商標権を侵害することになるはずです」
てなことをおっしゃてるようですが、実態はもっと複雑。“シャンボール” はすでに70種類の製品に使われているそうです。
調べてみるとルネッサンスのお城とはほど遠い製品もあるとか。
「うちの近所ではアスパラガスに付けて売っています。それに棺桶、小型葉巻、ノルウェー産スモークサーモン、オーストラリアの水など様々なものに使われています」
城の運営者は、いくつかの商品に “シャンボール” という名前の使用を禁止し、その他の商品については売上高の何パーセントかを支払ってもらい、城の修復費用にあてたいとしています。
リキュールで10億ドルもの売り上げを手にしているアメリカ企業、500年あまりの古い歴史を誇るシャンボール城。
両者の間で平和的な解決法は見つかるか?
結論が出ない場合は法廷闘争に発展し兼ねない状況だそうです。
<お知らせ>
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、そしてずっと前から私の肌はテカテカ脂性。同僚からメイクのハイライトにはどこの商品を使っているの?聞かれたのはこれで三回目」
VDM(Vie de Merde)より
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