週末はヴェルダンで [パリから週末旅]
日曜日は恒例の週末旅。
今回はフランス北東部の町ヴェルダン(Verdun)を旅します。パリからは高速列車で1時間半あまり。
ヴェルダンと言えば、第一次世界大戦の主戦場の一つとして広く知られていますが、あの有名はお菓子の発祥の地でもあります。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2018年9月22日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
ここは町を流れるムーズ川(青印)。町はこの川を中心に発展してきました。
というわけで、旅人さん、まずは観光ボートに乗って散策です。川を行くのは観光ボートだけではありません。個人所有のプレジャーボートを含めると年間1,200隻のボートが航行しているそうです。
次は陸に上がって名所見物です。まずはここから。第一次世界大戦の記念碑(赤印)。
この地で起こったフランス軍とドイツ軍の戦いは “ヴェルダンの戦い” と呼ばれ、両軍合わせて70万人以上の兵士がなくなったとされています。
次はガイドさんと一緒に要塞を見学します(緑印)。大戦当時は軍の施設でしたが、今はご覧の通り放置されたままになっています。この要塞が作られたのは16世紀ですが、時代の流れとともにその作りも変貌を遂げていきました。
「高い建物は攻撃されやすいため、ここからは地下に作られました」とガイドさん。
地下通路は7キロにも及びます。2000人の兵士を収容することを想定して作られましたが、ヴェルダンの戦いでは6,000人がもの兵士が収容されていたそうです。
ここではカートに乗って見学ができるそうです。テーマパーク方式ですね。
なんだか戦争の話ばかりで少々暗い気分になってしまいますが、ヴェルダンにあるのはこればかりではありません。あの甘いお菓子の生まれた町でもあります。
それがこれ、ドラジェ。アーモンドを砂糖ペーストでコーティングしたお菓子です。今では様々な味のドラジェがあるようです。ここはドラジェの専門店Dragée Braquier(水色印)。
「口の中でとろけてとても美味しいですね」と女性客。
そのドラジェを作っているのがこの工場。質の良いアーモンドを選んで乾燥させ、こうして少しずつ砂糖でコーティングしていきます。見た目は簡単そうですが、経験に裏付けされた技術が必要なようです。
この工場ができたのは235年も前のこと。しかし、ドラジェが生まれたのはそれよりもずっと昔の1220年でした。アーモンドを上手に保存して運搬する方法はこれだ!とヴェルダンの薬剤師が思いついたのが、この砂糖でコーティングすることでした。
さて、そろそろ今晩の宿へ向かいましょう。どうやらこちらのカップルも同じ宿のようです。その宿がここLe Temple(黄緑印)。
元プロテスタントの寺院だった建物が宿泊施設に変身。寝室が2つ、共同のリビングダイニングルームが一つ。壁の半分以上がガラス戸になっていて明るい!
ガラスの向こうには1900年に作られたステンドグラスが見えます。外から見るとちょうど寺院のバラ窓に当たるようです。
ヴェルダンには変わった場所がまだまだあります。ここは19世紀中頃に厩舎として作られた建物ですが、今ではシネマコンプレックスCinéma Carousselになっています(こげ茶印)。
壁だけを残し、オリジナルの設計図を基に新しく再建されました。天井の梁が見えて素敵な空間になっています。この2年で入場者が2倍になったそうです。
最後は電動アシスト付きの自転車でちょっと遠出。自転車専用道路で向かったのは、ヴェルダン郊外に広がるドゥオモンの森。ここにも要塞があり大戦中に兵士が駐屯していました。
第二次世界大戦といえばノルマンディ地方ですが、第一次世界大戦は内陸部のドイツとの国境地域が中心のようです。
さて今回の旅の費用は、観光ボートが9.5ユーロ、要塞見学が19ユーロ、ドラジェが20ユーロ、宿泊代が70ユーロ、映画館が10ユーロ、レンタサイクルが24ユーロ、夜の森見学ツアーが6ユーロでした。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、兵隊さんのお人形と一緒に目が覚めた。すると予告もなくママが部屋に入ってきた。僕の様子をジロッと見ると言った。『あんた、早いとこガールフレンドを見つけなさい!』」
VDM(Vie de Merde)より
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