クオータ100 [イタリア]
欧州は来月の31日に夏時間に変わります。
1976年にエネルギーの節約のために導入されたこの時間変更、EUの調査によれば、フランス人の80%が反対しているそうです。年2回の時間の変更はかなり煩わしいもののようです。
結局、フランスでは時間変更はやらないことになりました。ただ、問題はどこでやめるかです。
とりあえず3月31日には夏時間に変わりますが、それがそのまま続くのか、それとも10月にもう一度変更して終わりになるのか、まだ決まっていません。
しかし、仮に夏時間を採用すると、夏は10時くらいまで延々と明るい、というのが将来にわたって続くことになります。どうなんですかね?ちょっと疑問。
遅くとも9時くらいには太陽には沈んでいってもらった方が良さそうに思うのですが・・・。
それはともかくとして、本日はイタリアのお話です。
各国で定年がどんどん上がっていく中、イタリアでは逆に、67歳から62歳に下がったそうです。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 3で2019年2月21日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
こちらの男性は62歳になるダニーロさん。もう働くのをやめて、悠々自適の老後を過ごすことができるかもしれません。
ダニーロさんは民間の電話会社で働いてきました。本来なら67歳まで会社に勤め続けて年金を支払わなくてはなりません。しかし、法律の改正で状況が変わりました。
「私の場合、新しい法律が適用されることになると思います。歳は62で、39年間年金を払い続けてきました。ですので、クオータ100(quota 100)を超えてるんです」とダニーロさん。
クオータ100とは、年齢に勤続年数を足して100を満たせば、定年になり年金を受け取れるという仕組みのこと。
ダニーロさんの場合は、62歳で勤続年数が39年ですから、足すと101。クオータ100を超えているので引退し年金を受け取ることができるというわけです。ただし、62歳までで、それ以下の年齢は対象外です。
この方式を推進してきたのが、ポピュリズムの台頭とともにイタリアの政界に殴り込んできた政党 “五つ星運動” 。この定年制度を選挙の公約にしていたようです。
その狙いは、定年を引き下げることにより、より若い人に活躍の場を広げるというもの。
この1ヶ月間ですでに43,000人が定年を申請しているそうです。そのうち80%が男性で、その多くが公務員だとか。
しかし、そんなことして大丈夫なんでしょうか?イタリア経済も決して順調ではなかったはず。
「年金支払い期間に満たない場合でも、年齢を足せば定年になれるのはいい考えだと思いますよ」と女性。
「財政が許すんならいい方法だと思いますよ。でも、たくさんの人たちが一斉に申請して、国庫は空っぽなんてことになったら大変なことになりますよ」と男性。
イタリア国民の意見は割れています。
このシステムを維持するためには年間70億ユーロが必要だと言います。
結局、ダニーロさんはすぐにはリタイアしないで、もう少し働くつもりのようです。
このクオータ100は3年間の試験期間を経て、継続するのか中止にするのか決めることになるようです。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、私は学生で、まだ働いたことがない。そして、有名なスポーツ選手が引退したというニュースを聞いた。なんと彼女は私より若かった」
VDM(Vie de Merde)より
2019-02-22 00:00
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