空を舞うブロンズ像 [パリ]
パリのノートルダム大聖堂は修復工事の真っ最中です。
ゴシック様式の見事な大聖堂も、あちこち傷みが来ていたようですから、大々的な工事が必要だったようです。
建物の周りに足場が組まれて、着々と作業が進められているようです。
そして4月11日には、こんな光景を目にすることができました。

下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 2で2019年4月11日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
パリの空から舞い降りるブロンズ像。全部で16体ありました。
12人の使徒と4人の伝道師の像です。いずれも大聖堂の屋根に取り付けられていました。
一体、どのあたりにあったのだろうと調べてみたら、空に突き刺さるように伸びた尖塔に寄り添うように配置されていました。→こちら。
これは下からではよく見えないですねえ。この写真、二つある鐘楼の一つから撮影したのでしょうか?
その尖塔の周りには巨大な足場が組まれています。
次々にクレーンに吊り下げられて降りてくる像は全て頭がありません。
ハンダ付けしてあった頭は、クレーンのロープを中の骨組みに引っ掛けて運ぶために取り外されたそうです。
ここまでくるのにもそれなりの作業と時間が必要だったようです。
それにしても、なんとも言えない眺め・・・。
それに、何のために像を運び下ろしたのでしょうか?
「尖塔の修復工事をするのに邪魔になるからなんです。もちろん、ブロンズ像も修復する必要があります。何しろ120年もあそこに設置されたままになっていましたからね」と関係者の方。
空から見た映像なら状況がよくわかります。
ブロンズ像が設置されたのは1860年代。ちょうど建築家ヴィオレ・ル・デュクが修復を行っていた時のことでした。
それからほぼ120年間、雨の日も風の日も、そして雪の日も、ここに立ちっ放しだったわけです。
クレーンは軽々と持ち上げてますが、像の高さは3メートル、重さは150キロにもなるそうです。
見物人が滅多に見られない光景を懸命に写真に収めています。
「大聖堂ならではの芸術作品ですね」と女性。
「私が生きてる間に、また元の場所に戻るところ見たいもんですな(笑)」とちょっと高齢の男性。
修復は専門のアトリエで行われるようですが、完了までに1年かかるそうです。
「まずは汚れを取って創作当時の姿を取り戻すことです。それから壊れた部分の修復を行います」と関係者。
キレイになったブロンズ像は2022年まで大聖堂の中の身廊に展示されるそうです。
その間に尖塔の修復作業が続けられるそうです。その費用は1000万ユーロ!
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、3歳になる娘を始めて教会に連れて行った。中に入るや否や、十字架のキリスト像を指差して娘が言った。『ママ、どうしてあそこにターザンがいるの?』」
VDM(Vie de Merde)より
この数日後、あんなになってしまうなんて・・・
フランスアンフォのライブニュースでも、この映像何度か観ました。尖塔が焼け落ちた瞬間は、胸が痛みますねぇ。
by nicolas (2019-04-16 16:16)
nicolasさん
全てを焼き尽くしてしまう火災は怖いですね。
大切なものが焼けてしまうのを何もできないで見ているのは少々辛い。本当に胸が痛みますね。
by carotte (2019-04-17 17:59)