パスタの町 [イタリア]
わが家では週に2〜3回はパスタを食べますが、お財布に優しいパスタばかりを使っています。そこそこ美味しく食べられます。
しかし、厳選された良質のパスタというのがあるようで、格段に味も違うようです。
そんな極上のパスタを生産する町が、ナポリの南にあるそうです。
大きな町かと思いきや、人口3万人にも満たない小さな町。グラニャーノ(Gragnano)と呼ばれるその町に行ってみましょう。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2019年6月20日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
料理人が一つずつ丁寧にパスタを盛り付けていきます。
ここはグラニャーノのイタリアンレストラン。地元産のパスタは宝石と同じ。粗末に扱うことはできません。
このパスタ料理、一皿30ユーロ!
「これはパッケーロと呼ばれるパスタで、手塩にかけて作られています。ですからこの値段になるんです」
茹で時間は11分。それ以上、それ以下でもダメ。
「グラニャーノのパスタは美味しいですよ。お湯に入れるといい香りが漂ってくるんです」とシェフ。
そのグラニャーノがこちら。アマルフィ海岸に位置しています。6人に1人がパスタ関連の仕事についているという「パスタの町」。
原料のセモリナ粉はプッリャ州で生産されたもの。パスタは、これにこの町の湧き水を加えて作られます。
「澄んだ水ですよ。ここから100メートルほどのところに水源があるんです。パスタ作りには欠かせない水です」と男性。
なるほど、美味しさの鍵はこの水だったというわけです。
さて、こちらの渓谷では16世紀頃からパスタ用の小麦を挽いていました。
「同じ材料を使っても、グラニャーノと同じパスタを作ることはできませんよ。作る場所によって必ず味に違いが出るものなんです」と男性。
500年という長い歴史を持つグラニャーノのパスタ。昔はこんな風に野外で乾燥させていたそうです。それにしても切り揃え方があまりにアバウト!
「ここの太陽の日差しと海風が麺を乾燥させるのに適しているんです。海風には湿り気がありますから、麺が均等に乾燥するんです」
とは言っても、現代は全ての作業は屋内で行われます。こちらの工場を見学させてもらいましょう。
整形されたパスタはこの容器にのせられ、乾燥室に入れられます。
「気温は60度、湿度は50%に保たれています。乾燥させるのに、短いパスタの場合は24時間、長いパスタの場合は48時間かかります」
この工場では1日で150箱を生産しています。お値段は500グラムで5ユーロ。一般のパスタの5倍の値段だとか。パッケージにはIGPのマーク。
製造も機械化されています。面白いですね。次々にパッケーロが上から落ちてきます。単純な形をしていますが、これを機械で作り出すためには試行錯誤があったようです。
そして、どうやって作ったのかわからないような形のパスタもあります。
「これはこのブロンズの型で作り出すんです」とリポーター。
その型を作っているのはこの小さな工房です。こちらで製造された型は全国のパスタ工場で使われているそうです。
「工場はどこも自分たちならではの形のパスタを作りたがるんです。ですから私たちはパスタ界のスタイリストのようなものなんです」と工房の方。
パスタのカタログを見せていただくと、なんと66種類もあります。新しいデザインも次々に登場しそうですね。
皆さん、おいしそうなパスタ料理を召し上がってます。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、同居人は、身体を洗うためよりパスタを茹でるために水をたくさん使う」
VDM(Vie de Merde)より
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