通りの名前 [トピックニュース]
フランスの通りには名前がつけられていて、その通り沿いに立つ建物には1から始まる番号がつけられています。片側が奇数ならもう片側は偶数。
よって住所がかなりシンプル。例えば、パリ市〇〇通り15番地ってな具合です。誰かの家を訪ねる時も、地図を見ながら探すのがわりに簡単。その代わり、どんな通りでも名がないと困ります。
たいていは有名人の名前や皆が知っているような名称をつけることが多いのですが、この村ではちょっと違ってます。

下記ウィンドウの▷をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2022年2月3日に放送)動画が見られない場合は→こちらをクリック
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
村を訪ねてみると道路標識をみつけました。そこには、エリー・ベルジェ広場と書かれてあります。そしてこちらは、ジャン・マリー・ブラン広場。知らない名前。
普通なら、シャルル・ド・ゴール広場とかパストゥール広場とか有名人の名前のはず。
村の人口は300人ほど。昨年の夏から通りの名前はすべて知らない人ばかりになってしまいました。
「すいません、このロザリー・モランって誰ですか?」
「ああ、昔、村でバーを経営していたご婦人ですよ。あの辺りに店があったんです」
で、こっちの標識にはアントワヌ・フォーレ通りと書かれてあります。
「第一次世界大戦直後に村長を努めた方です」と村議会の議員さん。
先に登場したジャン・マリー・ブランは音楽好きの実業家でした。なにやらブリュノフォンとかいう楽器を発明したそうです。
昨年、議会は、名前のついてなかった通りに、有名人ではない別の人の名前をつけることを採択。
「ミッテラン広場とかジスカール・デスタン広場とかつけても良かったんですが、それならどこの村にもありますよね」と現在の村長さん。
議会の決議を住民の多くが支持したため、早速実行に移されました。
「知らない人の名前があるのを見て多くの若者が一体誰なのか、村のために何をしたのかなど質問するようになりました」
「通りの名前になった人たちが、村の記憶に刻み込まれたということなんです」
これまで名前がなくて苦労していた郵便配達員にとっても仕事がしやすくなりました。
村で活躍した人の名前をつけるなんでいいアイデアですね。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、電話で彼に言った。『通りで男子にステキですねって声をかけられたの』すると彼がため息まじりに言った。『夕方の薄暗い時間でしょ・・・』」
VDM(Vie de Merde)より
コメント 0