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嵐と雹 [トピックニュース]

 今週、欧州を襲った大規模な嵐は各地に被害をもたらしたようです。

 フランスも例外ではありません。ニュースでは浸水した家や屋根が吹きとばされた家などの映像が流れていました。

 雨と風、そこに雹まで降ったようですから “嵐”としか言いようがないですね。

 一昨年も去年も雹に降られて壊滅的な打撃を受けたブドウ園がありました。そうなるとワインの生産が露と消えてしまいます。

 そのため、ちょっと変わった雹対策が実施されているそうです。

Paris_vin&raisin.jpg



下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 2で2018年5月31日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 ここはローヌ川渓谷にあるブドウ畑。

 ここで栽培されるブドウからワインが造られますが、一番の大敵が雹です。

 「どの時期も雹に降られると困りますが、特にこんな風に花をつけた時期が一番重大です。ですからこの時期は何としても雹から守ってやらないといけないんです」とワイン農家のミカエルさん。

 一方、こちらはシャラント県にあるブドウ畑。

 ここで採れたブドウはコニャックになるはずでしたが、ご覧の通りの有様です。雹が降った15分の間にすべてが失われてしまいました。

 この地域の三分の一がこの被害にあいました。ミカエルさんのブドウ畑でもいつ何時同じような被害に遭いかねません。

 そこで対策のために考え出されたのがこの装置です。

 「この筒の中の塩化カルシウムを雲の中に撒くんです」

 この筒を、ヘリウムガスで膨らませた大型の風船に付けて雲に向かって飛ばします。

 上空600メートルほどまで来ると、自動点火装置で筒が破裂し、雲の中に塩化カルシウムが拡散します。

 そうすることで水滴が雹にならず、雨になって地上に落ちるようになるそうです。

 この地域のワイン農家が共同で、半径15キロにわたって26の発射台を設置しているとか。農家同士の連絡網も整備されています。

 「この地域に雹の予報が出た時はアラートで知らせが入るようになっています。その時は先ほどの風船を必要な分だけ飛ばします」

 費用は20万ユーロほど。日本円で約2500万。それぞれのワイン農家が年間1ヘクタールあたり20ユーロから120ユーロを払うことでまかなっているそうです。

 「全部を失うことを考えたらわずかな出費ですよ」

 それにしても10ユーロから120ユーロとはだいぶ幅がありますね。

 なぜこれだけ差があるのかと言えば、アペラシオン(銘柄の格付け)によって異なるんだそうです。納得です。


******* フランス人のつぶやき *******

今日、雹が降る音がしたので、どれくらいの大きさか確かめようと窓から乗り出していると、突然、頭の上に雹が落ちてきた。おかげでどれくらいの大きさかよ〜くわかった [ふらふら]

VDM(Vie de Merde)より



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