週末はヴェルダンで [パリから週末旅]
日曜日は恒例の週末旅。
今回はフランス北東部の町ヴェルダン(Verdun)を旅します。パリからは高速列車で1時間半あまり。
ヴェルダンと言えば、第一次世界大戦の主戦場の一つとして広く知られていますが、あの有名はお菓子の発祥の地でもあります。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2018年9月22日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
ここは町を流れるムーズ川(青印)。町はこの川を中心に発展してきました。
というわけで、旅人さん、まずは観光ボートに乗って散策です。川を行くのは観光ボートだけではありません。個人所有のプレジャーボートを含めると年間1,200隻のボートが航行しているそうです。
次は陸に上がって名所見物です。まずはここから。第一次世界大戦の記念碑(赤印)。
この地で起こったフランス軍とドイツ軍の戦いは “ヴェルダンの戦い” と呼ばれ、両軍合わせて70万人以上の兵士がなくなったとされています。
次はガイドさんと一緒に要塞を見学します(緑印)。大戦当時は軍の施設でしたが、今はご覧の通り放置されたままになっています。この要塞が作られたのは16世紀ですが、時代の流れとともにその作りも変貌を遂げていきました。
「高い建物は攻撃されやすいため、ここからは地下に作られました」とガイドさん。
地下通路は7キロにも及びます。2000人の兵士を収容することを想定して作られましたが、ヴェルダンの戦いでは6,000人がもの兵士が収容されていたそうです。
ここではカートに乗って見学ができるそうです。テーマパーク方式ですね。
なんだか戦争の話ばかりで少々暗い気分になってしまいますが、ヴェルダンにあるのはこればかりではありません。あの甘いお菓子の生まれた町でもあります。
それがこれ、ドラジェ。アーモンドを砂糖ペーストでコーティングしたお菓子です。今では様々な味のドラジェがあるようです。ここはドラジェの専門店Dragée Braquier(水色印)。
「口の中でとろけてとても美味しいですね」と女性客。
そのドラジェを作っているのがこの工場。質の良いアーモンドを選んで乾燥させ、こうして少しずつ砂糖でコーティングしていきます。見た目は簡単そうですが、経験に裏付けされた技術が必要なようです。
この工場ができたのは235年も前のこと。しかし、ドラジェが生まれたのはそれよりもずっと昔の1220年でした。アーモンドを上手に保存して運搬する方法はこれだ!とヴェルダンの薬剤師が思いついたのが、この砂糖でコーティングすることでした。
さて、そろそろ今晩の宿へ向かいましょう。どうやらこちらのカップルも同じ宿のようです。その宿がここLe Temple(黄緑印)。
元プロテスタントの寺院だった建物が宿泊施設に変身。寝室が2つ、共同のリビングダイニングルームが一つ。壁の半分以上がガラス戸になっていて明るい!
ガラスの向こうには1900年に作られたステンドグラスが見えます。外から見るとちょうど寺院のバラ窓に当たるようです。
ヴェルダンには変わった場所がまだまだあります。ここは19世紀中頃に厩舎として作られた建物ですが、今ではシネマコンプレックスCinéma Carousselになっています(こげ茶印)。
壁だけを残し、オリジナルの設計図を基に新しく再建されました。天井の梁が見えて素敵な空間になっています。この2年で入場者が2倍になったそうです。
最後は電動アシスト付きの自転車でちょっと遠出。自転車専用道路で向かったのは、ヴェルダン郊外に広がるドゥオモンの森。ここにも要塞があり大戦中に兵士が駐屯していました。
第二次世界大戦といえばノルマンディ地方ですが、第一次世界大戦は内陸部のドイツとの国境地域が中心のようです。
さて今回の旅の費用は、観光ボートが9.5ユーロ、要塞見学が19ユーロ、ドラジェが20ユーロ、宿泊代が70ユーロ、映画館が10ユーロ、レンタサイクルが24ユーロ、夜の森見学ツアーが6ユーロでした。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、兵隊さんのお人形と一緒に目が覚めた。すると予告もなくママが部屋に入ってきた。僕の様子をジロッと見ると言った。『あんた、早いとこガールフレンドを見つけなさい!』」
VDM(Vie de Merde)より
松ぼっくりトレイン5 [プロヴァンス地方]
プロヴァンス地方のローカル線 “松ぼっくりトレイン” の旅シリーズも最後になりました。
今回は前回のメアイユからニース方向へと逆に戻って13駅目、時間にして約50分のところにある村トゥエ=シュル=ヴァール(Touët-sur-Var)を訪ねます(紫印)。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2018年9月21日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
松ぼっくりトレインには全部で51の駅があり、ニースとディーニュ=レ=バンを約3時間25分で走ります。
ニース発、ディーニュ=レ=バン発がそれぞれ4本ずつ。どれも各駅停車。
「毎回、小さな駅に止まるので次はどんなところなのかなと楽しみになります。これが車だったら通り過ぎてしまうと思いますね」と女性。
山の上に階段状に並んだ家々。面白そうなところなので降りてみましょう。
ここがトゥエ=シュル=ヴァール村です。あの上り坂だらけの村に向かう前に、まずはパン屋さんに寄って腹ごしらえです。
何やら古そうな釜戸・・・。出来てから100年になるそうです。普通のオーブンで焼いたパンとはまた違ったパンになるそうです。
ここは数ヶ月前に開店したばかりのパン屋さんですが、すぐに売り切れてしまうそうです。
美味しいパンをいただいてエネルギーの補給が完了。早速、上へと向かいましょう。
「下から見ると数軒の家が立っているだけの村に見えますが、実際に中に入るとたくさんの家が立ち並び、無数の路地が張り巡らされていることがわかります」とクリスティーヌさん。
幾つかの玄関の扉にはアーティストが絵を描いています。クリスティーヌさんのお気に入りはこの絵。村の絵が描かれてあります。
クリスティーヌさんはこの村の生まれ。そしてこの教会で結婚しました。
なんとこの教会、川の上をまたがるように建てられています。ためしに床をはがしてみると・・・下が見えます。
「怖がることないですよ。もう何十年も前からこの状態で、結婚式や洗礼式でなんにもの人たちが上を歩いてますからね」
そしてミサの席には家族のメームプレートが貼り付けられています。村人の指定席なんですね。
「うちの一族は400年前からこの村に住んでいます。フランソワ1世の時代まで遡りますよ」と村人。
さて、村の観光スポットの一つは村役場。ここには歴代のフランス大統領の写真が展示されています。どれも公式用に撮影されたものです。
こちらはナポレオン3世で1870年の写真です。そして最新のマクロン大統領のもあります。
「これらを見ると写真技術の進歩もよくわかりますよ」と村長さん。
一方、村を囲む山々ではヤギが飼育されています。
「ここの草木がヤギの乳を質の良いものにしてくれるんです」とヤギ飼い。
その向こうにはプロヴァンスらしいゴツゴツした岩と灌木の山が見えていました。
絵葉書のような美しい村の眺め。長居したくなりますね。
終わり。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、彼と別れて2カ月になる。気になるのは、彼が新しい恋人の写真をSNSにアップしたこと。そこには『付き合って4カ月になる僕の彼女』と書かれてあった・・・」
VDM(Vie de Merde)より
松ぼっくりトレイン4 [プロヴァンス地方]
プロヴァンス地方のローカル線 “松ぼっくりトレイン” の旅シリーズの四回目は、前回のアノットから3つ先の駅、時間にして約10分のところにある村メアイユ(Méailles)を訪ねます(オレンジ印)。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2018年9月20日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
美しいアーチ型の高架橋を走る松ぼっくりトレイン。
しかし、それよりずっと高いところにあるのがメアイユ村。海抜1000メートルの崖の上にあります。
こんなところに集落があるなんて驚き。昔は敵の侵入を許さない安全な場所だったのかもしれません。
夏のバカンスシーズンが終わり観光客の姿はなく、今は住人たちだけの静かな村に戻りました。人口は100人あまり。
ローランスさんは村で食料品店を営んでいます。もともとはローランスさんのお祖母さんのお店でしたが1982年に店じまいしました。
その頃のローランスさんは病院で働いていました。3年前、その仕事を辞めて店を再開することにしたのです。壁には家族の古い写真が飾られています。
「祖母は毎日お店を開けていました。二階が住まいになっていて、食事中にお客さんが来ると下に降りてきて対応していました」
両親や祖父母が暮らしたこの小さな村がローランスさんの心のよりどころになっていたようです。
メアイユは四方を広大な森に囲まれています。ミッシェルさんは奥さんと一緒に森にやってきました。手には大きなカゴ。
ということは・・・そう、キノコ狩りにやってきたのです。あっ、ありました、大きなキノコが!
「これはカルパッチョにして食べたらおいしいはず」とミッシェルさん。
セープ茸やジロール茸など様々なキノコが採れるそうです。しかし、むやみやたらに採ってはいけません。
「一週間に一回だけです。ですから、キノコのご馳走が食べられるのも一週間に一回だけ」
すごく大きいのが採れてますねえ。このセープ茸を持ってやってきたのでジャッキーさんのお宅。この方が美味しいキノコ料理を作ってくれます。
「こりゃまた、ずいぶんと立派だねえ〜」とジャッキーさん。
日本なら天ぷらにするところですが、ジャッキーさんはフライにするようです。
「シンプルだけど、昔から村ではこうして食べるんですよ」
からりと揚がったセープ茸のフライが出来上がりました。美味しそう〜。素材の良さを活かした料理ですね。
「ここでは季節ごとに様々な味を楽しむことができるんだよ。栗の木もあれば、ジャガイモもある」と男性。
こちらのご夫婦は畑でジャガイモを栽培しています。
「戦時中はジャガイモを一杯に積んだ列車がメアイユからニースへと出発していきました」
ということは、松ぼっくりじゃなくジャガイモトレインですねえ〜。
メアイユはこのローカル線との結びつきが強い村でした。というのも、20世紀初頭に列車を通す工事が始まりましたが、当時、多くの労働者がこの村で生活していたそうです。
労働者たちは4年かけてこのトンネルを掘ったそうです。
「彼らの多くがイタリアのピエモンテからやってきました。そしてその中にはそのままメアイユに住み着いた人たちがいたんです」とその歴史に詳しい男性。
この環境だったら住み着いてしまいたくなりますよね。
続く・・・。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、昨日訪ねた小さな村のお店で買い物をした時、フランでお釣りをくれたことに気がついた!」
VDM(Vie de Merde)より
松ぼっくりトレイン3 [プロヴァンス地方]
“松ぼっくりトレイン” (Train des Pignes)はプロヴァンス地方を走る2両編成の小さなローカル線。
シリーズの三回目は、前回のアントルヴォーから6つ先の駅、時間にして約20分ほどのところにある村アノット(Annot)を訪ねます(こげ茶印)。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2018年9月19日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
小さくて可愛らしい駅に到着しました。
山間にある人口千人余りの小さな村アノット。村の広場には市が立ち、人で賑わっています。
こちらはロジェさんのフードトラック。ロジェさんは20年も前からソッカの移動販売をしています。
「ソッカはニースの郷土料理。ひよこ豆の粉、オリーブ油、水、塩で生地を作り、窯で焼いただけのシンプルな食べ物だよ」
ロジェさん、お客さんに、不味かったら返してもらっていいよ、なんて言ってました。
「ロゼワインを飲みながらいただくよ」とおじさま。
仲良く分け合っているご夫婦もいます。
「私が5才か6才の頃、父がソッカを食べに連れて行ってくれたんです。日曜日の嬉しいおやつでしたよ」とロジェさん。
そして近くの屋台ではチーズを売っています。どうやら生産者の方が直接販売しているようです。
乳牛21頭を飼育し、アノットでは姿を消してしまったチーズを作って販売しています。
「初めはフレッシュチーズやヨーグルトを作っていたんです。でも様々なチーズを作り始めたら皆さんとても喜んで食べてくだるので作り甲斐があります」とフロールさん。
こちらのご夫妻はフランス北部のアルデンヌからやってきました。
「ハチミツ、チーズ、ハムやソーセージなど買い込みました。特産品が手に入るので来てよかったなと思います」と男性。
アノットのグルメというえば、ハムやソーセージなどの加工肉。
ここは4代にわたって続いている加工肉店Rigault。自家製の商品を製造販売しています。その一つがこのカイエット(Caillette)を呼ばれるパテ。
「豚のレバー、喉肉、バラ肉、そして様々な香辛料を使って作ってあります」とフィリップさん。
「母が子供の頃、必ずここに立ち寄ってたそうです」と女性客。
長く地元の人たちに愛されてきたお店のようです。
さて、一歩町を出ると岩山があちこちに顔をのぞかせます。その一つに登ってみましょう。
「これを見てください。人間が掘って開けたものです。ここに獲物を吊るしていたと考えられます」とガイドさん。
そして、こんな奇岩もあります。なんだか人の顔に見えるような・・・。
「こんな形をしているので村人たちは恐れを抱いたのでしょう。様々な言い伝えが残っています」
自然とグルメを楽しんだら、そろそろ次の目的地へと出発しましょう。
続く・・・。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、泥棒に入られた。しかし、泥棒は900ユーロのネックレスや300ユーロのベルトには目もくれず、私のパテとコーヒーを盗んでいった・・・」
VDM(Vie de Merde)より
松ぼっくりトレイン2 [プロヴァンス地方]
プロヴァンス地方を走るローカル線 “松ぼっくりトレイン” (Train des Pignes)。
今週はこのローカル線の沿線の町や村を訪ねる旅を紹介しています。
第二回目の今日は、前回のヴィラールから6つ目の駅、時間にして約30分ほどしたところにある村アントルヴォー(Entrevaux)を訪ねます(水色印)。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2018年9月18日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
アントルヴォー村の全景。岩山の麓にできた村です。
その村の駅に向かって列車が入ってきます。村を囲む城壁とアーチ型の橋が印象的。
「渓谷の間から見えて来るこの村の姿は素晴らしいですね」と男性。
「あちらからこの風景を写真におさめました。まるで中世ね」と女性。
村の中に入るには、このアーチ型の橋を渡ります。村の入り口には二つの塔の門構え。確かに中世そのものですねえ。
物々しい城壁で囲まれていますが、ここもあのヴォーバンの手が入っていました。
岩山の頂上まで万里の長城みたいな壁付きの道ができています。
「岩山のてっぺんに要塞司令官の館が作られています。保存状態も良好で、重要な文化財になっています」
渓谷を流れているのはヴァール川。この川のおかげで村には果樹園ができています。
この日は、リンゴの収穫が行われていました。4ヘクタールもある大きなリンゴ園です。
「他へ引っ越すなんて考えられませんよ。両親が営んできたこのリンゴ園を守らなくてはならないですしね」とパスカルさん。
そのリンゴを使って料理を作っているのが村にあるレストランL’Ambassadeのシェフ。
「鴨フィレ肉とリンゴがよく合うんですよ。地元の食材だというのがまたいいんですよ」
夏のバカンスシーズンが終わって、落ち着きを取り戻したばかりアントルヴォー村。
「小さな村をあちこち見た後に、こんなレストランで美味しいものが食べられるなんて最高です」と女性。
「この時期は素晴らしいとしか言いようがないです。暑さが和らいで、涼しい風が吹いてくる。とっても居心地がいいです」と別の女性。
村を上空から見ていると、何やら美味しそうな匂いが漂ってきます。
匂いの正体はこちらのお店。パン・デピスの専門店です。
エレナさんは30種類ものパン・デピスを作って売っています。甘いものもあれば、塩味のものもあるそうです。
「生ハム、山羊のチーズ、オリーブなどを入れて焼いています」とエレナさん。
エレナさん、数年前にハイキングでアントルヴォーに立ち寄って以来、ずっとここで暮らしてきました。質と味にこだわるお店でした。
さて、今日はこれくらいにして次の目的地へと列車で出発です。
続く・・・。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、彼とハイキングに出かけた。素晴らしい景色に感動して私は言った。『美しすぎて声も出ないわ』『オッケー、じゃあここでキャンプしよう』と彼。それ、どういうこと???」
VDM(Vie de Merde)より
松ぼっくりトレイン1 [プロヴァンス地方]
今日から5回のシリーズで、プロヴァンス地方を走るローカル線 “松ぼっくりトレイン” (Train des Pignes)の旅を紹介します。
松ぼっくりトレインは、地中海の都市ニース(下記地図の青印)と内陸の都市ディーヌ=レ=バン(Dignes-les-Bains)(赤印)を結ぶ全長151キロの列車のこと。
第一回目の今日は、ニースからこの列車に揺られて1時間ほどのところにある小さな村ヴィラール=シュル=ヴァール(Villars-sur-Var)(黄緑印)を訪ねます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2018年9月17日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
二両編成のこじんまりした列車がプロヴァンス地方の山の中を走っていきます。この鉄道を走り続けて100年ほどになります。
「この列車、松ぼっくりトレインとかいうんですよね。窓の向こうの風景をのんびり眺めながら乗っていますよ」と男性。
「いいお天気で申し分ありません」とお子さん連れの別の男性。
車掌さんが検札にやってきました。乗客の中には外国からの方もいらっしゃるようです。車掌さん、英語はあまり話せないらしい。
車掌さんとは言っても、この方、この列車の全てを取り仕切る責任者です。時々大きく揺れる車両の中でバランスをとりながら動き回っています。
こうして一時間ほど経った頃、目的地のヴィラール=シュル=ヴァール、略してヴィラールに到着しました。
出迎えてくれたのはワイン農家のロシュさん。早速、ブドウ園を案内してもらいましょう。
「ブドウの木を傷つけないように全て手作業で行います。樹齢40年の大切な木ですからね。中には95年という木もあります」
層祖父の時代から引き継いできたと言いますから、ロシュさんは4代目。作るワインは赤、白、ロゼの三種類。
「プロヴァンス地方独特の自然と、アルプスからの冷たい空気がこの土地ならではのワインを作ってくれるんです」とロシュさん。
ヴィラールは崖の上にできた小さな村。その住人はお年寄りからこんな幼い子供たちまで。のんびりしたところですねえ〜。
こちらのレストランではランチタイムの準備で忙しそう。シモーヌさんが作っているのはドーブのラヴィオリ(ravioli à la daub provençal)。
ドーブ(daub)とはプロヴァンス地方のシチューのこと。これに、チーズ、玉子、ほうれん草を加えてラヴィオリの具にします。
生地も手作り。伸ばすのに麺棒などは使いません。使っているのはガラスの瓶。
「いつもこれを使って作りますよ」とシモーヌさん。
専用の型を使って一気にたくさんのラヴィオリが出来上がります。
「とっても美味しいわ」と女性。
「シモーヌのラヴィオリと言えば、この辺りじゃ知らない人はいませんよ」と男性。
村のもう一つのお宝がこちら。古そうな石造りの柱が並びます。15世紀に作られた寺院の柱だそうです。
今では結婚式や洗礼式の記念撮影によく使われているとか。
どこからか歌声が・・・。かつての洗濯場でミレイユさんが涼んでいました。足湯ならぬ足水。
そして広場ではペタンクに興じる人たち。
ゲームを少し楽しんだら、松ぼっくりトレインに乗って次の目的地へと向かいます。
続く・・・。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、新しく引っ越してきた僕のアパートは駅と空港のそばにある。朝、起こされたのは列車の音でも飛行機の音でもなく、大騒ぎをする隣人だった」
VDM(Vie de Merde)より
30ユーロで晩ご飯37 [お料理実践編]
月曜日は恒例の節約晩ご飯シリーズ。
30ユーロで4人分の晩ご飯をフルメニュー(前菜+メイン+デザート)で作ってもらいます、というのがいつものルールですが、今回はちょっと趣向を変えて、4人分のタパス(スペインの小皿料理)を作ってもらいます。
チャレンジするのは、スペイン国境に近いフランス南部の町タルブにお住いの、アンダルシア出身のマダム二人。今日はにぎやかですよ〜。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2018年9月22日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
こちらがチャレンジャーのお二人、コンチタさんとロザリオさんです。
やってきたのはタルブの市場。早速30ユーロを渡して材料を揃えていただきましょう。
お肉屋さんで順番を待っている間にマダムがタパスの意味を教えてくれました。
「タパスは蓋という意味なのよ」
そう言えば、ある王様がアンダルシアにやって来た時、飲み物に虫が入らないようにハムの一切れをグラスにのせて蓋の代わりにした。そのうち飲み物と一緒に小皿料理を出すようになり、それがタパスになった、というような話を聞いた事がありましたっけ。
そんな話をしているうちに順番が回ってきました。生ハム、豚のフィレ肉、チョリソーを購入。これが7ユーロで残りが23ユーロ。
次は魚屋さんでエビを買います。お会計の前に値段交渉をするのがスペイン流。特に今回は予算が決まってますからねえ。マダムたち頑張ってます。で、結局、5ユーロで手に入れました。残りは18ユーロ。
「絶対、交渉しないとダメよ」とマダム。
その他に、鶏肉を7.90ユーロで、玉子を3ユーロで購入しました。残りは7.10ユーロ。
パン屋さんではパンを二切れ?普通こんな売り方しないかも。今回は節約シリーズですから量り売りしてくれたようです。これが1.65ユーロで残りは5.45ユーロ。
次は青空市場へ。お友達にばったり出くわしたり、試食したりと大忙しです。しかし、買い物は続きます。
トマト、玉ねぎ、にんにく、パセリ、ジャガイモを購入。これが締めて3.43ユーロ、残りは2.02ユーロ。
最後に2ユーロ分のオリーブを買って買い物は終了。残りは0.02ユーロで、ほとんどピッタリ賞で使い切りました。
では厨房へ。お友達二人も加わって調理開始!
4人が一斉に始めてしまって、どこを見たらいいのやら・・・。
こちらはジャガイモ、玉ねぎ、にんにく、玉子を使ったスペインのオムレツ、トルティーヤ。一丁出来上がり!
ロザリオさんが作っているのはガンバス・アル・アヒージョ。エビのにんにくオイル煮です。
「ニンニク少々、赤唐辛子少々を加えます」
一方、チョリソーと豚フィレ肉は火を通し串に刺して出来上がり。
最後はパン・コン・トマテ。すりおろしたトマトにニンニクとオリーブ油を加え、トーストしたパンに吸わせて出来上がり。
どれも簡単で美味しそう。パンに生ハムを乗せたピンチョスもあります。お酒が進んでしまいますねえ〜。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、バルセロナ7日間の旅から戻ってフォトアルバムを整理しネットにアップしようとしていると、Facebookがアルバムの中に知人がいると言ってきた。それは、タパス料理のタコ。これが私だって」
VDM(Vie de Merde)より
週末はセレスタで [パリから週末旅]
日曜日は恒例の週末旅。今回はフランス北東部アルザス地方の町セレスタ(Sélestat)を旅します。
パリからセレスタまでは高速列車の直行便で2時間15分ほど。
歴史のある古い町のようですが、どんな旅になるのでしょう?
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2018年9月15日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
歴史のある町らしく古い建物が立ち並んでいます。文化財にしてされたいる建築物は30軒以上もあるそうです。
まずはガイドのグレゴリーさんと一緒に、町のランドマークになっている時計塔に行ってみましょう(青印)。
13世紀に建てられた塔の階段を100段ほど上がると、セレスタの町を一望できる屋上にやってきました。
「ここからなら文化財になっている主な建物を見ることができます」とグレゴリーさん。
これらの建物の中で、あまり知られていないものの、是非とも訪ねてみる価値のある施設があります。それが図書館Bibliothèque humaniste(赤印)。
ここには15世紀〜16世紀にかけてアルザス地方で活動していたヒューマニストのベアチュス・テェナニュスが収集した手書きの原稿や本が納められています。
こちらの本は8世紀頃のもの。当然ながら手書き。そしてこちらは1510年に印刷された出生届の本。世界でも数冊しか残っていないそうです。
「ここに初めてアメリカという言葉が出てきますが、アメリカ人はこの命名をあまり気に入らなかったようです。というのも、アメリゴ・ヴェスプッチ(南北アメリカ大陸を探検したイタリア人)とアメリカ大陸を結びつけた命名だったからです」
次はセレスタの通りを散策してみましょう。家々の中には、その職業を表したマークのようなものが玄関に残っているものもあります。
「ここは革なめし職人の家だったことがわかります。使っていた道具が描かれています」
さて、セレストの町のすぐそばを流れているのがイル川(水色印)。かつてはこの川を利用して多くの人と物が行き交ったそうですが、今は様々な水のスポーツが体験出来る川になっています。
そこで旅人さんも観光と体験を兼ねてバドルボードに挑戦してみることにしました。
おっ、うまくいっているようです。のんびり水の上を散策です。
イル川の岸辺にいた動物たちが姿を消してしまっため、20年ほど前にビーバーが新たに投入されました。その姿は簡単には見られませんが、あちこちに活動した後が残っています。
さてそろそろお腹がすいてきました。セレスタで評判のお店Au Peid de Boeufでお昼をいただくことにしましょう(オレンジ印)。
食べたのは郷土料理のタルト・フランベ。パン生地を薄く伸ばして、濃い生クリームまたはフロマージュ・ブラン、玉ねぎ、ベーコンなどをのせて石窯で焼いたもの。ナイフとフォークは使わず手でいただきます。
お腹がいっぱいになったら今晩の宿へと向かいましょう。宿は川辺にあるテラス付きバンガロー。自然の中でぐっすり眠れそうです。
翌朝は、朝食を食べにパンの記念館Maison du Pain d’Alsaceに向かいます(こげ茶印)。ここではパンの歴史を学ぶことができます。そして本物のパンも味わえます。クグロフが美味しそうですね。
最後は少し歩きますが人気の観光スポット、標高800メートルのところにあるChâteau du Haut-Koenigsbourgを訪ねます(緑印)。
空から見たお城。ドローンならではの眺めですね。
さてカメラマンと旅人さん二人の今回の旅の費用は、夕食代が14ユーロ、宿泊代が40ユーロ、図書館の見学料が12ユーロ、タルトフランベが40ユーロ、朝食が24ユーロ、パドルツアーが32ユーロで、締めて162ユーロ(約21,000円)でした。
しかし、合計額が間違ってますねえ。夕食の14ユーロを足し忘れたか・・・。いい加減ですね。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、お隣さんが週末に同じ曲を何回もかけて(それも朝の5時まで大音量で)楽しんでいた。おかげでジャスティン・ビーバーの “Love Me” がそらで歌えるようになった」
VDM(Vie de Merde)より
クルミの収穫 [フランスのグルメ]
猛暑の夏が徐々に遠くに霞んでいきます。はるか前方には冬の姿も視界に入ってきました。
このところ秋雨前線の影響とかで雨の日が続きますが、10月になったら秋晴れの日もあるでしょうか?
カラッと晴れて空気は少しひんやり、そんな秋晴れの日が来たら極楽なんですけどねえ〜。
さて、フランス中南部ペリゴール地方ではクルミの収穫が始まりました。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2018年9月19日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
朝靄の立ちこめるドルドーヌ渓谷は、朝の日差しで目を覚まします。
ここはクルミ園。突如現れた重機。クルミの木の幹をつかんだかと思うとブルブル震わせています。
それと同時に、クルミの実が一斉に枝から外れて地面に落ちてきます。
なるほど、こうやって収穫するんですね。
今年は干ばつで農作物に被害が出ているようですが、このクルミは問題なし。今年も立派な実をつけています。ナイフで中を割ってみると御覧の通り。
「病気にもならず、よく育ってます。美味しいですよ」と男性。
昔はこんな風にして収穫していたそうです。のんびりしてますねえ。
「実を叩いてはいけません。枝を叩くんです」とアンドレさん。
アンドレさんは89歳。手にしているのは栗の木の長い枝。
「よくしなってくれるので、クルミの枝を震わせるのにちょうどいいんです」
落ちてきたクルミは専用の器具を転がして集めます。クルミの収穫となると必ずこの器具が登場するのですが、どんな作りになっているのか、どうも今ひとつわかりません。
とにかくこうして転がすと実がカゴの中に入ってくるようです。
ここで収穫されるクルミは “ペリゴールのクルミ” と呼ばれ、AOPの保証付。
殻の中に白い実がみっちりと詰まっています。普通のクルミに比べると大きく見えます。
「すぐに寒くなるので出来るだけ早く収穫して、乾燥させなくてはなりません」とアンドレさんのお孫さん(?)。
このクルミ園は6世代にわたって同じ家族が守ってきたそうです。
こちらはマルテルの市場。乾燥されたクルミが売られていました。
こちらではカラメルコーティングされたクルミが売られています。美味しそう!ケーキのトッピングにも使われています。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、生徒たちが私の話をしているのが聞こえてきた。どうやら私のことを “ヤシの実” と呼んでいるらしい。なぜかって?ヤシの実は毛深くて中が空っぽ」
VDM(Vie de Merde)より
プティ・ブール [フランスのお菓子]
外の気温はかろうじて20℃に届くか届かないくらいだというのに、満員電車の中はあまり涼しくない!
何しろ36℃の発熱体が一車両にぎっしり詰まってますからねえ〜。
これがもうしばらくしたら上着を着てもコートを着ても暑いと感じない季節になるのか・・・早くそんな季節になってもらいたいもんです。
さて、フランスには誰でも一度は食べたことのある有名がビスケットがあるそうです。その名もプティ・ブール(Petit Beurre)。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 3で2018年9月19日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
こちらがそのビスケット。フランス人なら目をつぶって触るだけですぐにわかるそうです。
「これ、わかります?」と取材班。
「ああ、これはプティ・ブールですよ」と男性。
「これはなんでしょう?」と取材班。
「プティ・ブールじゃないですか?この手触りと形はすぐにわかりますよ」と別の男性。
プティ・ブールが生まれて今年で130年になります。この形、よ〜く見てください。
季節が4つあるように角が4つあります。周りの刻み目は全部で52個。一年が52週間でできていることを表しています。
幅は7センチで一週間が7日であること、小さな穴は24個で1日が24時間であることを表しているそうです。
このビスケットを作ったのがこの方、ルイ・ルフェーヴル=ユティル(Louis Lefèvre-Utile)でした。
24歳で両親の営む店を引き継ぎ、このビスケットを生み出した後、ナントの南西部にあった製糸工場をお菓子工場に作り変えビスケットの大量生産を開始します。
マーケティングに裏付けされ、時代を先取りした商売でした。会社名はLU(Lefèvre-Utileの省略形)。
オリヴィエさんは8歳の時からLU社のビスケットのパッケージを収集しています。
こちらは1899年の頃のパッケージ。パッケージと言うより、車のおもちゃにお菓子を詰めたと言った方がいいようです。
「これはお菓子をつめたおもちゃの第1号でした。消費者の生活の中に巧みに入り込むLU社の戦略がよくわかります」
そして、アールヌーヴォーを代表する画家ミュシャがパッケージのイラストを描いたものもあります。そして、様々な広告も制作されました。
しかし、この会社の優れたところは、まだ社会保険などなかった時代に、従業員に有給休暇を与えたり、傷病手当を支給したりしていたことです。
アンドレーさんは定年までLU社で働き続けた方です。
「調子の悪い時は自由に休むことができました」
労働環境は恵まれていましたが、高度な技術も要求されました。
「会社は商品の質にこだわっていました。ですから従業員も作っているものに誇りを感じていたんです」
LU社は10年前にアメリカの企業に買収され、今では世界的なビスケットメーカーになっています。
かつて工場のあった建物はカルチャーセンターLe Lieu uniqueになっているそうです。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、バスに乗っていると、隣に座っていたほろ酔い加減の男性がプティ・ブールの箱を開け食べていた。食べていたのは中身のビスケットじゃなくパッケージ 」
VDM(Vie de Merde)より