暖炉 3 [ミディ=ピレネー地方]
薪の炎がゆらゆら揺れて、寒い冬を暖かくしてくれる暖炉。その暖炉をめぐる旅の三回目です。
今回もさらに南に下って、ピレネー地方の小さな村モンガイヤール(Montgaillard)にやってきました。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2019年1月9日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
人口850人ほどの小さな村の向こうに、頂が雲に隠れたピレネーの山々が見えます。
村を流れているのはアドゥール川。美しい眺め。
グレーの家々の中にオレンジいろのレンガの煙突が目にとまりました。ここが本日お訪ねするお宅です。
大きなお家ですね。建てられたのは、なんと西暦750年。代々同じ家族がこの家で暮らしてきたそうです。現在の当主はジャン=ルイさん。
ドアを開けて中に入ると、おお、アルーヌーヴォー調の暖炉。
「私の特等席はここなんです」と、暖炉の中に作られたベンチに座るジャン=ルイさん。
テレビがなかった頃はここでずっと本を読んでいたそうです。遅くまで起きていても誰にも文句を言われませんでした。
暖炉の中にはストーブが設置されています。ここが唯一昔と変わったところ。あとは、全く同じです。両サイドのベンチも、細工の施された外装も、昔と変わりありません。
家族が暮らすとなると設備も近代的にならないと暮らしにくいですね。ストーブがなかったら、煤ですごいことになっていたかもしれません。
「ストーブを設置しても、元の姿を壊すことにはなりません。昔はここで料理も作っていましたよ」
こちらの女性がジャン=ルイさんの奥様。この暖炉でお料理されたかどうかは定かではありません。
「初めてこのうちに来た時、このテーブルを見て驚きました。うちには普通サイズのテーブルしかありませんでしたからね」
せっかく大きなテーブルがあるようですから、親戚一同をお茶に招待しました。
お茶のお菓子は、トゥルトと呼ばれる焼き菓子。
皆さん、この大きなうちで暮らしたことがあるようです。
「あちら側はとっても寒いのに、こっちの暖炉側はひどく暑かったのを覚えてますよ」と女性。
確かに、暖炉の前は顔が真っ赤になるくらい暑いのに、後ろの方に下がってみると外の寒さが伝わってくるくらい冷えてたりします。
さて、最後に登場したのがジャン=ルイさんの貴重なコレクション。様々な古い道具が集められています。それもピレネー地方で使われていたものばかり。
こちらは野生動物たちを捕まえるためのワナ。
「これなら動物を傷つけないで捕まえることができます」
コレクションを見せてもらったらまた暖炉に戻りましょう。
薪をくべる時間です。この部屋だけは一年中、炎が絶えないそうです。
続く・・・
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、新年の目標について家族で話し合った。そして皆が私にこう言った。『彼氏を見つけないこと』大惨事はもうたくさんなんだって」
VDM(Vie de Merde)より