中世の城塞都市 [ミディ=ピレネー地方]
年末年始の休暇が終わり普通の生活に戻ったものの、本当にいつもの日常に戻るには月〜日がもう一回りしてくれないとダメなようだ。
週末旅の放送再開を願いつつ、本日は、フランスの観光の名所カルカソンヌを見物してみましょう。
下記ウィンドウの▷をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 3で2023年1月6日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
歴史の刻み込まれた大聖堂。カルカソンヌの城塞都市の中に君臨しています。
鳥の目で見るとそれがよくわかります。これぞまさしく城塞都市。
城壁のふもとにはぶどう園があります。今は剪定の時期?
「こうして城壁を見ていると我々を保護し助けてくれるように感じます。これだけの城塞都市は他にはないですね」
古い白黒映像には城壁を見学する観光客の姿がとらえられていました。現在はこんな感じ。シーズンオフでも観光客はいるようです。
城壁には敵からの攻撃に対抗するための様々な工夫がほどこされています。
「最初の城壁ができたのは3世紀末のことです。現在でもその3分の2が残されています」
へえ、そんな時代のものが今でも残っているとは驚き。
やがて13世紀中頃、当時のフランス国王ルイ9世の命により大々的な工事が行われ城塞都市が出来上がりました。
城壁の中にはあちこちに緑があり穏やかな暮らしが続いていたようですが、19世紀になると崩壊の危機に直面することになります。
というのも、ルイ14世の時代になりスペインとの国境がピレネー地域にまで遠ざかったため、役目を終えた城壁は200年近くに渡って放置されてしまったからです。
これを救ったのがこの人、ヴィオレ=ル=デュクでした。城塞都市は再建され、美しい姿を取り戻すと同時に、かつての姿とは少し違ったものになってしまいました。
それが建物の上にのせられたトンガリ屋根。この地域には歴史的に見てもこのような屋根はなかったそうです。
「彼はあの屋根をつけることで理想的な中世の城塞都市を作り上げたのです」
城壁の中では中世の衣装をまとって楽しむ人たちもいます。
そして1997年にはユネスコの世界遺産に登録され、今では年間200万人が訪れる観光の名所になりました。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、観光で初めてきた街で迷子になってしまい、通りすがりの人に道を聞いたらその人が言った。『ムッシュー、知らないなら来ちゃダメですよ』」
VDM(Vie de Merde)より