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山の料理 その2 [フランスの郷土料理]

 シリーズの2回目は、フランス東部ヴォージュ地方の郷土料理です。

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下記ウィンドウの▷をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 2で2023年1月30日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 森林の広がるヴォージュ地方の冬は雪で真っ白。

 その雪山の散策を楽しむ人たちが休憩にやってくるのがこちらのオーベルジュ。ここなら温かい郷土料理をお腹いっぱい食べられそうです。

 おお、暖炉の炎が暖かそう。その前に置いてあるのが本日紹介する料理なのですが、見た目どんな料理なのやらさっぱりわかりません。

 わかっているのはジャガイモがベースになった料理ということだけ。そして呼び名が2つあるということ。一つはトファイユ(Tofailles)、もう一つはロイガブラゲルディ(Roïgabrageldi)。噛みそう。

 同じ料理でも前者はヴォージュ地方、後者はアルザス地方の呼び方なのだそうです。この辺りはちょうど境目ですもんね。

 では、作り方を教えてもらいましょう。

 まずはジャガイモ。スライスしてあります。フランスでジャガイモと言えば主食。なんにでも付いてきます。

 「これで戦争も乗り越えてきましたし、お客さんも喜んでくれますよ」とご主人。

 大鍋に、大量のバターを放り込みます。

 「思い切りバターを使います。躊躇したらだめですよ」

 バターが溶けたところにニンニクとスライスした玉ねぎを加えて炒めます。次にジャガイモを加えてコトコト煮込みます。途中でこんな具合にかき混ぜては煮るを繰り返します。

 最後はさいの目に切った燻製ベーコンを加えて混ぜ合わせます。

 火を通しすぎると固くなってしまうので、その前に止めます。このくらいがちょうどいいらしい。

 お皿に盛り付けたら、分厚く切った豚肩肉を2枚添えます。いかにも飾らない山の料理って感じですね。どうやらマスタードをつけて食べるらしい。美味しそう。

 何世代に渡って作り続けられてきた料理は、冬山で疲れた身体にエネルギーを注入できそう。

 そもそもこの料理の生みの親は農家の方々。夏の間、放牧で山に行っている間の食料と言えばジャガイモくらい。それで生まれたのがこの料理。

 その後、観光客がやってくるようになり、お店のメニューにこの料理が加えられました。

 こちらは現在、牛や豚を飼育している農家。6ヶ月間は牛を連れて山で放牧するそうです。

 そしてこちらは豚の飼育場。あのオーベルジュにお肉を提供しているそうです。


******* フランス人のつぶやき *******

「今日、両親が持つ山の中の別荘でバカンスを過ごすために出発した。全部で8時間ほどの車の旅。4時間ほどたった頃、別荘の鍵をもらい忘れたこととに気がついた [あせあせ(飛び散る汗)]

VDM(Vie de Merde)より


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山の料理 その1 [フランスの郷土料理]

 月曜日恒例の節約晩ご飯シリーズは放送がなかったのでお休みです。

 今日から3回のシリーズでフランスの山岳地帯に伝わる伝統の料理を紹介します。

 1回目の今日は、フランスアルプスのサヴォワ地方のボリュームたっぷりの料理。

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下記ウィンドウの▷をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 2で2023年1月31日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 何やらケーキのように見えますが、どうもお肉のような・・・。

 これはファルスマン(farcememt)と呼ばれる家庭料理。昔からこの地域の農家や山小屋で作られてきました。

 本日この料理を作ってくれるのが、スキー場にあるこちらのお店の料理人。

 材料は、ジャガイモ、玉子、干しアンズ、干しぶどう、プルーン等々。

 まずはジャガイモを千切りにおろします。これを玉子、干しぶどうと一緒にボールに入れよくかき混ぜ、こちらの型に入れます。

 「これがファルスマン用の型です。これに入れて暖炉に置いておくと全体に火が通って美味しく焼けるんです」

 先程の具を入れる前に型にベーコンを敷き詰めておくようです。アンズとプルーンは順に足しながら型に詰め込みますます。

 昔は暖炉で火を通していたようですが、今は水を入れた圧力鍋に型ごと入れて加熱するようです。圧力鍋なら通常3時間かかるのを1.5時間に短縮できるとか。

 加熱が完了したら鍋ごと雪に埋めて冷やします。そうすると、こんな具合にきれいに型から取り出すことができます。

 「昔、女たちがファルスマンを作って暖炉の火の上において教会のミサにでかけたんです。帰宅する頃には焼き上がっていました。ミサの後、近くの居酒屋で一杯やって帰宅した父親と一緒に、家族全員でこれを食べたんです」と専門家。

 なるほど、ケーキのように等分に切って家族皆で分け合いながら食べたんですね。

 さきほどのお店でも、スキー客が家族のように分け合ってファルスマンを食べていました。

 「甘辛でとても美味しいです」

 「これを食べたら元気になれますよ。ジャガイモにベーコンでしょ。ごちそうです」

 こちらは初めて食べたという方。

 「甘辛でちょっと戸惑いましたが、うまい具合にバランスが取れててとても美味しいです」

 これでベーコンが付いてなかったらジャガイモのフルーツケーキみたいな感じですねえ。

 実際、どんなお味なのか食べて確かめたいところです。


******* フランス人のつぶやき *******

「今日、休暇でスキー場にやってきた。その初日、朝の11時半だというのに、すでに2つのゲレンデを降りてきた。1つ目はスキーで、2つ目は担架で [あせあせ(飛び散る汗)]

VDM(Vie de Merde)より


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週末はマドリードで(再訪) [パリから週末旅]

 日曜日は恒例の週末旅。

 今回はスペインの首都マドリードを旅します。パリからは空路の直行便で約2時間。

 冬のマドリード、どんな感じになっているんでしょうか?

 では出発!

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下記ウィンドウの▷をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2023年1月28日に放送)▷が出てこない場合は→こちらをクリック

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 威厳と歴史を感じさせる建物。

 ここはマヨール広場(青印)。ガイド付き観光ツアーのグループがいたので、ちょっとそばで解説を聞かせてもらいましょう。

 なんとここでは公開処刑が行われていたそうです。恐ろしい・・・。そうかと思えば、ここは闘牛場にもなっていたとか。さらに、建物をよく見てみると、建物の壁に様々な絵が描かれています。

 そして広場の中心にある銅像の主はフェリペ3世。ベラスケスが肖像画を書いたのはこの王の息子のフェリペ4世でした。

 さて、こちらはマチューさん、フランスからスペインに移住して10年になるそうです。街のことを教えていただきましょう。

 「ここは王室の宮殿です(赤印)。間もなく衛兵の交代が行われます」

 毎週土曜日と水曜日の午前11時に無料で見学することができます。しかし、この宮殿にはもう長いこと王室は暮らしていないらしい。

 さて、そろそろお昼の時間です。評判のタパスバーにやってきました(オレンジ印)。飲み物とタパスでなんと6ユーロ。チョリソー、ハム、チーズなどがパンの上にのっています。そしてお客様も気さくな方が多いとか。

 「タパスが生まれたのは何世紀も前のことなんだ。飲み物に虫が入らないようにパンで蓋をしたのがその始まりだよ」

 タパスでお腹いっぱいになったらデザートはこちらのお店でいただきましょう(焦げ茶印)。創業1894年というチョコレートの専門店。壁にはお店にやってきたことのある有名人の写真がずらり。ここではチュロスをチョコレートに浸して食べるのが伝統です。美味しそう!これで4ユーロ。

 マドリードのグルメを堪能したあとは、今晩の宿へと向かいましょう(水色印)。やってきたのは、なんとカプセルホテル。料金は1泊38ユーロから。なんだか宇宙船で一夜を明かすような気分です。

 翌朝は、都会のど真ん中にある公園の湖でボートに乗りましょう(緑印)。料金は45分で6ユーロ。のんびりできそうですね。

 最後は、マドリードで一番古いフラメンコ劇場でフラメンコを堪能しましょう。今日は特別に楽屋に入れてもらいました。ゴージャスはドレス・・・。ダンス用の靴はつま先とかかとが補強されています。

 ダンスを見ていると熱気が伝わってきます。おお、かっこいい!!!


******* フランス人のつぶやき *******

「週末、キャンピングを楽しんだ後、荷物を全部車に詰め込み、いざ出発という時になって、どこかで私の携帯が鳴っていた[あせあせ(飛び散る汗)]

VDM(Vie de Merde)より


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欧州一高い村 [ローヌ=アルプ地方]

 今日の話題は、欧州一高い村。

 高いと言っても物価が高いわけでも、土地の値段が高いわけでもありません。

 標高の高いところにあるから高い村。

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下記ウィンドウの▷をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 2で2023年2月1日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 山の中の静かな村には、雪をかぶった屋根が並んでいます。

 ここがその村、サン=ヴェラン(Saint-Véran)。標高は2,042メートル。人口は200人ほど。

 冬は、雪山ハイキングを楽しむ人たちがこの村にやってきます。

 「この眺めが素晴らしいわ」

 「日常をすっかり忘れてしまいます。この村は作り物じゃあないですね。本物です」

 「ありきたりの場所ではないですね。観光地じゃないところがいいんですよ」

 確かに、古い建物が並んでいますが生活の匂いがします。この中には17世紀に建てられたものもあるとか。

 外壁には日時計。こんな日時計が合計で24台もあるそうです。

 そしてここはお天気が良いところでもあります。年間300日が晴天。

 こちらは木彫りのアトリエ。祖父の代からの仕事を引き継いで15年になるサミュエルさん。

 「情熱と根気が必要とされる仕事です」

 このバラの花型はケラと呼ばれ、この地方のシンボルです。家具などの装飾によく使われているそうです。木彫りの材料はこの地方に生息している松。

 さて、村のすぐ上にそびえているのは通称オンドリと呼ばれている岩山。夜になるとこの岩山が活躍します。

 お天気が良くて標高が高いとなると、星の観測には最高の場所。ギヨームさんはここで星の観測ツアーのガイドをしています。

 「観測に適した場所というのはそうそうはありません。ですからここは本当に欧州でも、いや世界でも稀な星の観測に最適の場所なんです」

 ちょっと行ってみたくなりますね。


******* フランス人のつぶやき *******

「今日、常連客に電話をしてカタログを希望するか聞いてみた。ある常連客が至急送ってくれという。冬になって暖炉に火をつけるのに必要だそうだ。カタログの紙はよく燃えるらしい [もうやだ~(悲しい顔)]

VDM(Vie de Merde)より


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ラクレット [フランスのグルメ]

 寒い日が続きます。本日は、そんな時に食べるのがぴったりのチーズのお話です。

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映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 ヒーターで焼いて柔らかくなったところをすくって食べるラクレットチーズ。

 一人で食べるのもいいけど、こうして家族や仲間が集まって一緒に食べると盛り上がります。

 そのチーズの原料を提供してくれるのが牛。その牛乳の手作りチーズは一味違います。

 ここはスキーリゾート地アヴォリア(Avoriaz)で唯一ラクレットチーズを生産している農場です。

 AOPのラベルのついたこのチーズは、この地で作られた牧草だけを食べた牛から取れる牛乳で作られています。

 その味はマイルド。毎朝、1000リットルの乳を絞るそうです。

 早朝からチーズづくりが始まりました。酵素を使って牛乳を固めながらよくかき混ぜます。

 1000リットルの牛乳から5キロのラクレットが出来上がるとか。型に入れて水気をきるとこうなります。

 これを2ヶ月かけて熟成させます。毎週一回はブラシをかけます。

 「こちらにあるのは11月に作ったものですから、ちょうど今が食べ頃です」

 そのラクレット料理を出しているのがこちらのホテル・レストラン。外は吹雪でも室内は暖かそう。

 ははあ、やってます。こんがり焼けてとろっととろけるラクレットを少しずつ取ってジャガイモと一緒にいただきます。美味しそう!

 チーズとジャガイモが一体になって口の中でとろけるそうです。

 これが伝統的な食べ方ですが、ちょっと変わった料理に挑戦するシェフもいます。

 これはラクレットのムース。一番手前のにはハムが、二番目はクミン、三番目はセープ茸のパウダー、最後は香りのついたオイルがそれぞれトッピングされています。

 作り方は簡単。燻製にしたラクレットをさいの目に切ったら、牛乳と生クリームを混ぜたものを加えて電子レンジでチンします。チーズと液体がいい具合に混ざり合っています。これをシフォン(siphon)という器具に入れて絞り出すとムースが出来上がります。

 付け合せのジャガイモはチップスになってました。なんかお酒のおつまみに行けそうですね。


******* フランス人のつぶやき *******

「今日、ひげを剃りながらTシャツを汚すのがイヤで脱いだ。ひげそり用のムースをつけたままで・・・[ふらふら][あせあせ(飛び散る汗)]

VDM(Vie de Merde)より


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