山の料理 その3 [フランスの郷土料理]
シリーズの最後は、フランス中南部にあるアルデッシュ地方の郷土料理です。
下記ウィンドウの▷をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 2で2023年2月3日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
黒い雲が空を覆って雪と冷たい風を運んできます。見るからに寒そう・・・。
そんな山の中に日差しの降り注ぐ村があります。
ここのオーベルジュで評判の郷土料理がマオッシュ(Maôche)。ベースとなる材料はキャベツです。
標高1200メートルで育つキャベツはどんな具合でしょう?
既に収穫は終わっていました。小さすぎで収穫できなかったキャベツが雪に埋もれています。
収穫されたキャベツはこちらのガレージに保管してあります。この中から使えそうなものを選んで、オーベルジュを営んでいる弟さんのところに届けます。
厨房では弟さんが待っていました。母親の90歳になるエリザベトさんも現役で料理を作っています。
それでは調理に取り掛かりましょう。材料は、大量のキャベツ、ソーセージミート、豚バラ肉、玉ねぎ、ニンニク。なんだか餃子の具みたいですね。
しかし、この具を詰め込むのは餃子の皮ではなく豚の胃袋。この胃袋のことを”マオッシュ”と呼ぶそうです。
キャベツなどの野菜をみじん切りにしてソーセージミートと混ぜ合わせたら胃袋に詰め込み、布でくるんで大鍋で4時間から5時間かけてコトコト茹でます。
その間にエリザベトさんが写真を持ってきました。ご自身でマオッシュを作っていた頃の写真です。50年も作り続けてきたという大ベテラン。そして、この料理、4代に渡って受け継がれてきました。
「春に豚を購入し、夏の間餌をやって育て、秋になったらお祝い事やお祭りの時にその豚を食べるんです。この胃袋が手に入るのはその後なんです」
それでこの料理は冬に食べるというわけですね。
今日は友人を招いてマオッシュをいただきます。出来上がったマオッシュはこんがり焼けています。茹でた後にオーブンで焼くのでしょうか?パリパリで美味しそう。
スライスしてジャガイモを付け合せにしていただきます。あっという間にお皿は空っぽ。皆さん、大満足でした。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、就職の件で大事なメールが入ってくることになっていた。いつくるか、いつくるかと待っていたら、お腹がゴロゴロ言っているのか携帯がブルブル言っているのかわからなくなった」
VDM(Vie de Merde)より