レユニオン島 その2 〜 ウコンの料理 〜 [フランスの島々]
シリーズの二回目は、グルメのお話。
レユニオン島の料理は、フランス、インド、アフリカなど様々な国から影響を受けているそうです。そのうちの一つが、ウコンを使った料理。ウコンは島で作られています。まずはその畑を訪ねます。
下記地図の赤い印の地域です。
畑は、グレグ高原(Plaine des Grégues)にあります。
土を掘り起こすと、ウコンの根が出てきます。この根、年間3トンが消費されるそうですが、この島にもともとあった植物ではありません。
19世紀にインド人がプランテーションの労働者としてやって来た時に一緒に持って来たらしいのです。
レユニオン島には様々な国から人がやってきたため、白人、黒人、アジア系など、民族の血が混じって、今に至っています。そして、それは料理も同じだそうです。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。
掘り出したウコンは、洗って皮をむき、薄切りにし、乾燥させます。乾燥機がないので、屋根の上にのせて天日干し。一日に7〜8回ひっくり返さなくてはならないそうです。乾燥させたウコンは粉にして使います。
レストラン「シェ・マルセル」で作ってくれた料理は、ウコンの香りのするレユニオン風ソーセージ料理、ウコンで色付けした豆入りライス(インディカ米)。そして、青唐辛子のソースが添えてありました。
日本と同じで、主食はご飯です。映像のライスは普通のお鍋で作られていたようですが、島のサイトを見ると、ここでは電気釜が普及しているそうです。午後7時になると島の電力消費量がピークに達するとか……。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、スーパーをうろうろしていたら、お米の特売をみつけた。7.5キロで8€。さっそく4袋買って得した気分。しかし、ここまで歩いてきたことをすっかり忘れていた」
VDM (Vie de merde)より
レユニオン島 その1 〜 世界遺産の風景 〜 [フランスの島々]
レユニオン島ってどこにあるの?と思ったら、モーリシャス島とマダガスカル島の間にありました。ここはフランスの領土。とは言っても、植民地ではなく海外県です。
今日から3回シリーズでこの島を紹介します。ご覧いただく映像は、フランスのTV局TF1の午後1時のニュースで、2010年9月7日~10日にかけて放送されたものです。
下記地図の青→赤→黄の順に訪ねて行きます。
第一回目は、そのダイナミックな自然を求めてハイキングに出かけます。
レユニオンは、縦63キロ、横45キロ、面積は2,512㎢の島です。大きさはコルシカ島の3分の1弱。形が伊豆大島に似てますが、面積はその3倍ほどあります。何はともあれ、下記の写真をクリックして、世界遺産にもなっているその自然の風景をご覧下さい。
これは、島にある二つの大きな火山のうちの一つピトン・デ・ネージュ(Piton des Neiges)が作り出した風景です。
ここに全長800キロにもなるハイキングコースがあります。島の大きさには不釣り合いな長さですが、高低差のある蛇行する道が続いているようです。
番組に登場する、ガイド付きハイキングコースの参加者は、わりにご高齢の方ばかり。歩いているのはシルク・ドゥ・マファト(Cirque de Mafate)と呼ばれる地域です。今では休火山になっているピトン・デ・ネージュが作り出した3つのカルデラのうちの一つです。
この辺りには、700人ほどの人々がいくつかの小さな集落に分かれて住んでいます。これらの集落までは、このハイキングコースの道を歩いて行くしか交通の手段はありません。
毎年50万人もの人がここを通るそうです。半分が観光客、半分は土地の人たち。
お昼の休憩をすませさらに数時間歩くと、今晩の宿泊施設に到着します。ここのお店を経営しているのは元郵便配達人。今年82歳になりますが、40年近く町とこの村を往復してきたそうです。
宿の夕食は、ライス、カレー風味の鶏肉、トマトのピリ辛サラダ。エネルギーの残っている人は食後のダンスに興じます。
翌日、日が昇れば、12キロのハイキング、時間にすれば6時間ほどのコースが待っています。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、ハイキング中になくした眼鏡を探しに田舎に戻って来た。歩いて2時間、焼けつく太陽の下で探すこと1時間。疲れ果て、木の根元に座ったとたん、右のお尻の下で何かがバリッと壊れる音がした………」
VDM (Vie de merde)より
冬のコルシカ島 その5 〜 ネビウ地方の村々 〜 [フランスの島々]
シリーズの最後は、サン=フロラン湾に面するネビウ地域を訪ねます。
下記地図の紫の印のある地域です。
まず訪ねるのはリュタリ(Rutali)村のパン屋さん。
パンは、炭状になった薪の上で熱くなった石釜で焼かれます。15日間で1トン半の薪が必要だそうです。さらに夏はこの倍は必要とのことですから、島の人口も二倍になるんでしょうね。
焼きたてのパンを求めて早朝からお客さんがやってきます。この炭火の石釜焼きのパンだと10日はもつそうです。
パン屋のご主人が丸いパンを切ってみせてくれましたが、外側がかりっとして、中はしなやか。これが長く持つ理由でしょうか?
パンは村の家を回って配達もされるようです。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。
リュタリから南西に5、6キロ行ったところにサン=ガヴィノ=ディ=テンダ(San-Gavino-di-Tenda)村があります。ここには家畜の棲息する地域が4つあるそうです。
おじさんが干し草とエサを運んで来たようですが、危うくロバに食べられそうになってました。
この村のバーには冬の間猟をする人たちが集まってきます。どの人も顔なじみ。お酒も入って賑やかです。
食事は外でバーベキュー。網の上にはど~んとあばら肉がのっています。いったい何の肉?牛?羊?
前回登場したコルシカ名物フィガテールもこんがりローストされていました。大きなパンを二つに切って、このソーセージを挟めば、フィガテール・サンドイッチのできあがりです。猟師の皆さんは豪快ですね。
最後に、昨年8月の過去記事で夏のコルシカ島も紹介しています。よかったらご覧下さい。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、同居人にパンを買って来てもらおうと携帯にメールした。10分たっても何の返事もないので、さては携帯の電源を切っているのだなと思い、電源を入れるようにと2通目のメールを送ってしまった」
VDM (Vie de merde)より
冬のコルシカ島 その4 〜 冬の味覚 〜 [フランスの島々]
シリーズの四回目は、コルシカ島のグルメが登場します。
下記地図の黄色の印のある地域を訪ねます。
ロレット=ディ=カジンカ(Loretto di Casinca)村のジャンジャンさんはハムやソーセージを作っています。
15歳半でこの製造所に入り、お祖父さんに教えてもらいながら仕事をおぼえたそうです。学校に行く時間はあまりなかったそうですが、塩漬けの方法を教えてくれる家が学校だったとか。塩漬けは先祖から長年引き継がれて来たやり方だそうです。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。
作られているのは、こんなハムやソーセージです。
Prizuttu Coppa Lonzu
一方、ポリ(Pori)村では、ジュリアンさんが山羊を育てています。
最初の仕事は子羊を母親から放すこと。なかなか大変な作業のようです。
子羊は身体を温めるために別の部屋に入れられ、大人の山羊は朝と夕方に外に草を食べにでかけます。
山羊のチーズにはこんなものがあります。
Brocciu Sartène
ヴァンゾラスカ(Venzolasca)にあるオーベルジュFerme Auberge U Fragnuでは、この地方の美味しい料理が食べられます。
オーナーのフランソワさんがお鍋でかき回しているのは、栗の粉で作ったポレンタでプランダ(pulenda)と言うそうです。プランダは薄切りにして、他の料理と一緒にいただきます。
暖炉の火にかけられていたのはコルシカ島のスープ。中身はなんでしょう?
そして、同じように暖炉の火にあぶられていたのが、フィガテール(figatellu)と呼ばれるソーセージ。豚の肝臓にニンニクの香りをつけて作られたソーセージです。
お客さんの話によると、プランダ、フィガテール、フレッシュチーズは夏には食べられない冬だけの食べ物だそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、プレゼントを開けたあとの包装紙を使って暖炉に火をつけた。その時からおばあちゃんがくれた150€の小切手がみつからない」
VDM (Vie de merde)より
冬のコルシカ島 その3 〜 小さな渓谷を行く移動販売車 〜 [フランスの島々]
シリーズの三回目は、移動販売の車と一緒に、小さな渓谷にある二つの村を訪ねます。
下記地図の緑の印のある地域です。
車は、最初に訪ねるアスコ村まで、渓谷に沿うように続く道を走ります。この道が開通したのは1968年。牛が道を横切ることも珍しくありません。
モルティファオで食料品店を営むダニエルさんは、この渓谷沿いの村を車で回っています。いくつか停車ポイントがありますが、お客さんは一人や二人のところがほとんど。最大の停車ポイントがアスコ村。本日のお客さんの数は5人。皆ご高齢の方々ばかりです。
マリー=フランソワズさんが83才。バティスチヌさんが92才。杖をつきながら車の横を通り過ぎるのはちょっと難儀ですが、他は問題ありません。歯も丈夫だそうです。
ダニエルさんはガスボンベの取り替えもします。どのお客さんも長年の付き合いで家族のようなもの。下記写真をクリックして映像をご覧下さい。
こうして最後のお客さんが買い物をすませたところで、お店のあるモルティファオへと向かいます。
モルティファオの日が暮れ始めた頃、村のバーでは仲間が集まってカードゲーム。毎日こんな感じだそうです。皆さんどんなお仕事されてるんでしょう?
ダニエルさんはまだまだ仕事中。食料品店では、なんとギターとマンドリン片手にライブ。毎日やるそうです。
尚、アスコ村ではこんな雄大な風景を楽しむことができるそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、私はコルシカ島のあるホテルで受付をしていますが、一人のフランス人観光客がこちらにやってきて、こう言ったんです。『ユーロは使えますか?』」
VDM (Vie de merde)より
冬のコルシカ島 その2 〜 アレザニ川渓谷の村々 〜 [フランスの島々]
シリーズの二回目は、オート=コルス県東部の渓谷にある小さな村々を訪ねます。
下記地図の赤い印のある地域です。
海の見える丘の上にあり、アレザニ川渓谷の入り口と言われるセルヴィオーヌ(Cervione)村。この地域は、かつてはコルシカでも人口の多い場所の一つでしたが、今では9つある村全部あわせても300人ほどになってしまいました。
ベルナールさん夫妻は長年この地に住み、栗の栽培をしています。自宅の地下にある作業場で、収穫した栗の実を選別し、乾燥させ、殻を取り、粉にしていきます。この粉で、あのパンを作るんでしょうか?(栗の粉のパンについての過去記事は→こちら)下記写真をクリックして番組をご覧下さい。
この村からさらに内陸に入ると、ペレーリ(Perelli)、ノヴァーレ(Novale)、ピオベッタ(Piobetta)などの小さな村があり、栗の木林の中でのんびりと時間が過ぎて行きます。
村人たちは昔ながらの暮らしを続けているそうですが、その中の一人がフランソワさん。豚を育て、ハムやソーセージを作っています。そして、自分の仕事に満足しています。
美しい渓谷の景色の中に、13世紀に建てられた修道院が見えてきます。そこはピアッツァリ(Piazzali)村。
司祭のオリーヴ神父は、村人たちとの付き合いを大切にし、社会という大きな建物を作っている小さな石の一つのように、自分が日々の生活に役に立てればと、聖職者らしいことをおっしゃっていました。村人からの信頼も厚いようです。
村人の話によると、神父はこの村で生まれ、一度村を出て軍人になりましたが、またここに戻って来たそうです。
山の斜面に出来た9つの村は、決して優しいとは言えない、地味な自然環境の中で、羊や山羊に見守られながら、毎晩、静かに眠りにつきます。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、姪っ子の洗礼式に出席した。私は式の様子をビデオに撮影していたのだが、突然、撮影画面に司祭と夫がこっちに向かって走ってくるのが見えた。夢中になって撮影している間にロウソクに近づき過ぎて、私の髪の毛に火が燃え移っていたのだ」
VDM (Vie de merde)より
冬のコルシカ島 その1 〜 カップ・コルスの村々 〜 [フランスの島々]
夏というイメージの強いコルシカ島ですが、冬の落ち着いた風景もまた魅力的です。
フランスのTV局TF1の午後1時のニュース番組で、今年2011年の1月10日から14日にかけて放送されたコルシカ島北部オート=コルス県の映像を、いつものように5回シリーズで紹介します。
下記地図の印のある地域を、青→赤→緑→黄→紫の順に訪ねます。第一回目は島北部の突端にあるカップ・コルス(Cap Corse)(コルシカ岬)の村々。
まずは、岬の突端にあるバルカッジョ(Barcaggio)生まれのピエールさんが、そこから2キロほど沖にあるジラリア島へボートで連れて行ってくれます。
ジラリア島の頂きには、昨年末に国の歴史的建造物に登録された灯台があります。1839年に建設が始まり、最初の明かりが灯ったのは1848年1月1日。現在はバスティアで遠隔操作されています。
灯台の隣にあるのはジェノバ様式の塔。16世紀頃にコルシカ島の防衛のために作られました。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。
本島に戻ると、山の中にある村ロリアーノ(Rogliano)ではオリーブの収穫が行われています。収穫した実はオリーブ油になります。
この地域では風の吹き具合によって天候が変わるそうです。そして、岬の突端では時速200キロで風が吹き抜けて行くこともあるとか。
岬の西側にある港町チェントゥーリ(Centuri)には、たくさんの漁船が停泊しています。この日は天気にめぐまれ、猫たちが日向ぼっこしていました。夏は観光客でごったがえしますが、冬は静かです。
さらに岬を南に下ったところにあるカナリ(Canari)ではオーベルジュのレストランでお客さんが食事をしています。オーベルジュの名前がLe chat qui pêche(釣りをする猫)。この時期、ここから半径30キロで営業しているのはこの一軒だけ。
冬のコルシカでは、美しい自然を静かに堪能することができます。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、私の猫が一日何をしているか知るために後を付けた。猫は隣の家にいた。隣人にエサをもらい、ブラシをかけてもらい、別の名前で呼ばれていた。私の猫は二重生活をしていたのだった」
VDM (Vie de merde)より
夏のコルシカ島 その5 〜ピアナの入り江群〜 [フランスの島々]
青く透き通る海に
自然の彫刻のようなオークル色の岩
赤やオークルの花崗岩が、ごろごろと海面にせり出していたかと思うと、数百メートルも空に向かってそびえ立っているものもあります。この自然の造形は、地中海の波しぶきと強風、さらには雨による浸食が重なり、気温と湿度の多様性によって生み出されたそうです。
映像は→こちら
「今日、どういうわけか知らないが、隣の奴がチューバを吹き始めた。夜の9時38分のことだ。アパートに何頭もの象が引きめき合っているようだった。奴がなんであんな時間にチューバなんか吹き始めたのか未だに謎だ」
夏のコルシカ島 その4 〜美しい湖〜 [フランスの島々]
シリーズ四回目は、レストニカ川渓谷(Restonica)にある2つの湖を訪ねます。
カピテロ湖は一年のうち8ヶ月間、ムロ湖は6ヶ月間は凍るそうです。
標高1930m。ひたすら歩いた人たちだけが、この湖にたどり着くことができます。ハイキングコースはレベルによっていくつかあり、往復で2~5時間かかるそうですが、美しい湖を見るために、シーズン中は数千人のハイカーがやって来るそうです。
ここへやってくるのは山道を歩くハイカーだけではありません。走り回るランナーもいます。毎年、湖の周囲68キロを走る大会が開催されます。厳しい道のりを走りながらも美しい風景だけは見逃さないそうです。
ここを訪れる人々の国籍は百カ国ほどにものぼり、近くの山小屋には各国の紙幣が壁に飾られています。ここでは国の違う人々が同じテーブルを囲んで食事をします。映像をご覧ください。
映像は→こちら
コルシカ島の山では、prisuttu(生ハム)、coppa(豚の背肉で作られるハム)、salamu(ソーセージ)など、様々なハムやソーセージが作られるそうです。
「僕は、ある大企業で見習い研修生として働いているのだが、今日、コーヒーの自販機の方が僕より稼いでいることに気がついた」
夏のコルシカ島 その3 〜南部内陸〜 [フランスの島々]
「今日、銀行員が僕に言った。『分かりやすく申し上げますと、お客様の口座をヨーロッパの国にたとえるとすれば、それはギリシャです。』」