夏のコルシカ島 その2 〜南西海岸〜 [フランスの島々]


ボートで入り江に向かうのには理由があります。そこには、海からしか行けない、隠れたビーチがあるからです。そのせいか人もまばら。やって来た人たちは、のんびりとバカンスを過ごせると大満足。ほとんどプライベートビーチと化した場所もあります。家族が気兼ねなく海水浴を楽しんでいます。
若者のグループはカヤックで入り江までやってきました。都会の喧噪から離れ、美しいコルシカの自然を満喫しています。
透き通るような美しい水をたたえる入り江とビーチの様子を下記の映像でご覧ください。
映像は→こちら
まるで彫刻のような岩の向こうに沈む夕日。地中海の島らしい夕暮れの風景でした。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、あまりの猛暑続きに、ついに父が決心してエアコンを購入。つけた場所は地下倉庫。ワインの味が落ちると困るからですって。⌘X#%!!!」
VDM (Vie de merde)より
夏のコルシカ島 その1 〜ユルビノ池〜 [フランスの島々]
シリーズの一回目は、コルシカ島東海岸にあるユルビノ池(Etang d'Urbino)。

朝の静寂に包まれているユルビノ池では
車の音など聞こえてきません。
朝日が池の水面に反射し、
レストランの天井をゆらゆらと照らします。
この静かな朝のひと時は、
コーヒーの一杯から始まります。
やがて一艘の釣り舟が静寂の中を縫うように走って行きます………。
二人の漁師が舟のエンジンを止め、しかけておいたカゴを引き上げ始めます。いつもこんな風に昔からのやり方で漁を続けているそうです。釣れたのはうなぎ。
ここではカキの養殖も行われています。その歴史は古くローマ時代から行われて来たそうです。
二人は正午には漁を終えます。
池の上にせり出したレストランからはコルシカ島の歌が聞こえてきます。ちょうど昼食の時間。わいわいおしゃべりしながら大皿に盛られた新鮮な海の幸をいただきます。おしゃべりのない食事は地中海では食事とは言えないそうです。
自然保護区にもなっている、美しいユルビノ池の眺めは下記の映像の中でご覧ください。
映像は→こちら
ユルビノ池は潟湖です。なんとなく日本の浜名湖を思わせますが、表面積は浜名湖の八分の一で8㎢ほど。コルシカ島では二番目に大きな池だそうです。
******** 新コーナー *******
<最低な一日>
「今日、というより昨日だけど、ユーロスターに乗ろうとイギリスの税関を通った時のこと。担当の一人が、荷物は全部自分でつめたのかい?と聞いて来たから、冗談で『いやあ、アルカイダのメンバーに手伝ってもらったのさ、ハハハハハ……』と言ってやったら、荷物全部をすみからすみまで調べられてしまった。おかげで列車にも乗り遅れてひどいめにあったよ」
VDMより
(VDMとはフランス語のVie de merdeを略したものです。日本語にするとすれば「最低の人生」といったような意味合いです。ネット上に、一般人が、ちょっとひどい目にあった日のことを書き込めるようになっているサイトがあります。「今日」という言葉から始まり、その日の不幸な出来事を書き込みます。かなりのフランス人が様々なことを書き込んでいますが、そこから面白そうなものをピックアップして紹介していきます。)
ブルターニュ地方の島 その3 〜 イル・ド・サン 〜 [フランスの島々]

パリ→カンペール(Quimper)(列車で約4時間半)
カンペール→オディエルヌ(Audierne)の港(パスで40分)
オディエルヌの港→イル・ド・サン(フェリーで1時間)
大西洋側の小さな半島の沖合に、25キロほどにわたって広がる暗礁の中で、海上に顔を出し陸地になっているのがこの島です。半島の先端にあるポワント・デュ・ラ(ラ岬)から約5キロのところにあり、面積は0.5㎢、住民は100人程度。「最も美しい村」の一つです。半島と島の間にはヨーロッパで最も危険と言われているサン水道があり、冬の間、大陸と島をつなぐ船の定期便がここを一日一回だけ往復します。食料品や日用品もこの船で運ばれてきます。そして、若い女性が運転するボート・タクシーは電話一本でいつでもお客さんを運びます。夏になると島の人口は1,500人まで増えるそうです。
今回は冬の映像です→こちら
映像に登場する似顔絵のおばあさんは亡くなってしまった方ですが、島の伝統的衣装を毎日身につけて暮らしていた最後の女性だそうです。ちょっと怖そうですが、風雪に耐えたたくましい島の女という感じですね。
おじさんたちが歌っているのは「Ma petite Ilienne(僕のかわいい島の娘)」というこの島の歌だそうです。
この付近の海は古くから難所として船乗りたちに知られていました。また嵐に見舞われることもたびたびです。2007年12月にこの地域を襲った嵐は、大きな被害をもたらしました。荒れた海が、この地域にある3つの灯台(Ar Men、Tevennec、La Vieille)を襲う様子が映像に納められています。最後に登場するPenmarc'hは、半島を少し南に下った辺りの海岸にある町です。
ブルターニュ地方の島 その2 〜 イル・ヴィエルジュ 〜 [フランスの島々]

ブルターニュ地方リリア諸島に属する島です。和訳するとすれば「ヴァージン島」。面積が約60㎢ですから、だいたい八丈島と同じくらいの大きさです。
ここには有人の灯台があります。最初の灯台は1845年に作られ、高さは31メートル、光達距離は14マイルでした。当時は明かりをともすのに菜種油が使われたそうです。現在のものは1902年に建てられ、高さは82.5メートルあり、ヨーロッパでは一番高く、また石造りの灯台としては世界一高いそうです。また霧笛が設置され、霧が出たときは音で位置を知らせます。
下記の映像を見ながら、一緒にカヤックで島の灯台を訪ねてみましょう。
ブルターニュ地方の島 その1 〜 ベル・イル 〜 [フランスの島々]
ベル・イル
(Belle-Île)
パリ→オーレー(Auray)→キブロン(Quiberon)
(列車とバスを乗り継いで約5時間)
キブロン→ベル・イルのル・パレ港(船で45分)

全長90キロのハイキングコースを5日かけて踏破します。テントと寝袋を背負って歩くのは大変ですが、荒々しくも美しい島の自然を満喫するには理想的です。
島の面積が84㎢ですから、だいたい伊豆大島と同じくらいの大きさです。入り組んだ海岸線は断崖絶壁になっているところが多いようですが、ほっとするような砂浜が広がっている場所もあります。また、漁業がさかんだった頃には魚の缶詰工場がありましたが、今では民宿(gîte (ジット))に姿を変えました。
映像は→こちら(約3分半、冒頭にCMあり)
この島には画家モネが滞在し、海の絵を描いているそうですが、それのより詳しい映像が→こちら(約7分半。絵と実際の風景を見比べることができます。)
1886年9月12日、モネはベル・イルにやってきます。数日だけ滞在する予定だったのですが、島の自然がモネにインスピレーションをもたらし、結局、滞在は2ヶ月半に及びました。その間、39枚の作品(油絵とデッサン)を描いています。モネは荒々しい自然という初めての題材に苦労したそうですが、大聖堂や睡蓮などのようにシリーズで絵を描き始めたのはこのベル・イルが最初だそうです。
モネの海の絵は画家たちの間で評判になり、それ以来、様々な画家がこの島を訪れるようになりました。まだ無名だった青年マチスが友人にあてた手紙の中で「この島なら傑作が描ける」と言ったそうです。
時間と興味のある方は下記のビデオをご覧ください。自転車でツーリングしている気分になれます。
地中海の島 〜 フリウル群島 〜 [フランスの島々]


4つの島(ポメーグ島、ラトノー島、イフ島、ティブラン島)からなる群島で、メインの大きい島がポメーグ島とラトノー島です。この二つの島は、1822年に出来た堤防でつながっています。
もともとこの群島は海の防衛の要所になっていました。各島の高台には軍の要塞が築かれ、砲台、塹壕、見張り台があちこちにあったそうです。1860年から1900年までの間に作られた軍事施設が現在も残っているそうです。
この群島は1971年から、フランス第二の都市マルセイユに所属するようになりました。マルセイユ市とは言え、ひとたび島に上陸してみると、そこは別世界。地中海をバックに白い岩肌の美しい島の風景が広がっています。しかし、リウ群島とは異なり、こちらは有人の島です。生活している人もいれば、ホテルやレストランもあります。
1970年代に夏のバカンス地として注目され始め、防衛の要所だった島々も、今では観光地としてにぎわっています。マルセイユからほんの30分で地中海の島を堪能できるというお手軽さが良いのかもしれません。毎年50万人もの観光客が訪れるそうです。
映像は→こちら(3分弱。冒頭に20秒ほどのCMあり。)
この群島で一番の観光の目玉、また小説「モンテ・クリスト伯」の舞台として知られているのがイフ島です。小さな島ですが、ここにはフランソワ一世が作らせた要塞がありイフ城と呼ばれています。後年、牢獄として利用されていたこのお城の最初の囚人は、マルセイユの漁師二人だったそうです。いったい何をして捕まったのやら???
下記はイフ城の映像です。鉄仮面やエドモン・ダンテス(モンテ・クリスト)が幽閉されていたとされる部屋も登場します。
コルシカ島 サゴーヌ [フランスの島々]

昼食はブイヤベース。ボートに乗ったらまずは昼食の準備。漁師さんが釣った魚を使い、お客さんも参加します。お鍋がぐつぐついっている間、世界遺産にも指定されているスカンドラ(Scandola)保護地域を見物します。場所はサゴーヌの沿岸を少し北へ上ったところ、下記の赤い点線で囲われた地域です。

切り立った岩山が次々と現れ、言葉をなくすほどの迫力。そこを縫うように船は進んで行きます。小さな湾では泳ぐことも出来ます。そして、ちょうどお腹が空いた頃、昼食の時間。何しろその日の朝に漁師さんが釣った魚ですから新鮮で美味しいです。ごきげんになるのも当たり前。食後は、 やってきたイルカたちと追いかけごっこ。
説明はほどほどにして、どうぞ映像をご覧ください→こちら(3分弱、冒頭に10秒ほどCMあり)
地中海の島 〜 リウ群島 〜 [フランスの島々]

前方に見えるのがリウ島
パリ→マルセイユ(TGVで3時間20分ほど)
マルセイユ港からリウ島までは観光ボートで。
ただし、島に上陸して観光することはできません。
リウ島、ジャール島、カルセレーニュ(又はプランヌ)島、マイール島、さらにいくつかの小さな島々がこの群島を構成しており、一番大きな島がリウ島です。群島全体が自然保護の対象になっているため、関係者以外は自由にこの群島に上陸することは許されていません。
石灰質の岩に絶え間ない海風。その姿からは想像できないくらい多くの植物と動物がこれらの島々で生きているそうです。
現在、320種類以上の植物が生息し、そのうちの18種類が法律で保護されています。また、ここは海鳥の重要は繁殖地になっており、15種類の鳥が巣を作りをしています。さらに、ヤモリ、人間が持ち込んだと思われる黒ネズミ、うさぎ、ヤギもいるそうです。
島への上陸は一般に許されていませんが、ダイビングを楽しむことはできます。岩だらけの複雑な地形の海底には、岩のトンネルや洞穴があり、美しい珊瑚礁や様々な魚が泳いでいるのを見ることができます。
映像は→こちら(約3分半、冒頭に20秒ほどのCMあり)
映像を見ると、どうも島の小さな湾の浜辺までは立ち入って大丈夫なようです。人がいなくて静かだそうです。
ダイビングは、マルセイユのクラブで申し込むのがいいようです。
たとえば→こちら(フランス語のみ)
リウ群島を含めて70カ所のダイビングスポット(Sites de plongée)があります。