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ガーデニングの道具 その4 じょうろ [フランスのモノ]

 シリーズの最後は、じょうろ。

 

 じょうろの収集家はロワレ県のフェロルにお住まいです。

 Paris_Ferolles.jpg

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年3月29日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 庭の植物に水を上げている方がじょうろ収集家のダニエルさん64才。

 

 その半生をじょうろの収集に捧げて来ました。

 

 それにしても、気持ちいいくらいのシャワーになって水が流れ出ています。斜めにしたときのバランスがいいとこうなるそうです。

 

 たっぷり水が溜められる大型のが菜園用、小さいのは温室用だそうです。

 

 年代物のように見えますが、金属のじょうろが登場したのは18世紀中頃。それ以来、様々な形のじょうろが出回っています。

 

 じょうろに水をためっぱなしにしていると、冬の間に凍り付いて、隙間から水が漏れてしまうようになるそうです。

 

 ダニエルさんが水を汲んでいたじょうろも底の方から水が漏れていました。

 

 そんな時のお助けマンがジャッキーさんです。

 

 ダニエルさんのガレージで早速修理が始まりました。

 

 水の漏れている部分をハンダで溶接します。15分くらいで修理は完了です。

 

 なんだか、底の方からまだ水が漏れているように見えるのですが……。本当に直ったんですかねえ〜?

 

 ダニエルさんは、毎日30分ほどガレージに並べられているコレクションを見て回るそうです。

 

 「コレクターというのは、こうやって毎日調べ回っては楽しむんですよ」

 

 確かに楽しそうですね。嬉々としていらっしゃるのが分かります。

 

 じょうろの数は90種類ほど。コレクターにとってはお金には換え難い価値があるのかもしれませんが、一応、銅製のものなら150ユーロ、鉄製なら10ユーロほど。

 

 よく見ると、なかなかおしゃれなデザインのものもあります。

 

 ダニエルさんの興味はじょうろだけにはとどまらず、90年代くらいから噴霧器も集め始めました。

 

 「ノスタルジーですよ。昔これが使われていた時代を思いながら、自分でも使って楽しんでるわけです」

 

 そして、底の方からひたひた水が落ちて来る点滴みたいな道具もあります。

 

 「今でも使われているものなんですか?」と取材班。

 

 「いやあ、もう使われてませんよ。皆、こんなにのんびりしていられないでしょう」とダニエルさん。

 

 こうやって古いコレクションを楽しんでいるダニエルさんですが、庭には自動散水器が備え付けられていました。

 

 元は菜園農家だったそうですから、庭もかなり広そうです。全体にじょうろで水を撒くのはちょっと厳しいですね。

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、僕の部屋がいかに陽当たりが悪いか分かった。一ヶ月ほど前に友人がプレゼントしてくれた鉢植えが、唯一の明かりに向かって伸びていた。つまりテレビに向かって伸びていたのだ」

 

VDM (Vie de merde)より



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ガーデニングの道具 その3 中世の道具 [フランスのモノ]

 しだいにマニアックになっていくガーデニングの道具シリーズ。

 

 第三回目は、中世の道具をコレクションしている方に会いに、トゥール近郊の町ヴェレッツを訪ねます。

 Paris_Veretz.jpg

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年3月28日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 ずらりと並んだ道具の数々。その数10万個。重さにして15トン。

 

 収集家のユベールさんが、ある農家の収集家から約2,000ユーロで買い求めたものだそうです。

 

 鉄の熊手みたいなものは鍬の一種。干し草などを集めたり運んだりする時に使うピッチフォークは先が丸くなっているのがありました。安全を考えてのことらしい。

 

 ユベールさんはかつては高級家具職人でした。

 

 冒頭に登場したあの大きな建物は、家具を修理するためのアトリエだそうです。

 

 今は、木の世界から鉄の世界へ入り込んでしまいました。

 

 手にしていたのは二股の鍬。柄から取り外して、細かな部分までサイズを測ったら、音を聞きます。

 

 思いのほか美しい音色です。他のと比べてみるとその違いがはっきり分かります。鉄の純度が良いものほどいい音がするそうです。

 

 さて、使い方はと言うと、平らな部分では役に立ちません。坂になっているところでその威力を発揮します。

 

 ローラー付きの道具もあります。爪の付いた方で土をほぐし、ローラーで平します。これなら道具は一つで事足ります。

 

 最後に、先ほどの二股の鍬の美しいフォルムを記念写真に納めます。

 

 ユベールさんの後方に並べられた無数の鍬に注目。全部同じように見えますが、よく見るとちょっとずつ違っています。

 

 その道具の数々は、現在、パソコンを使ってデータベース化している真っ最中。そのうちネットでも公開されるとのこと。

 

 そして、要望があれば、時々ネット上にコレクションのいくつかを公開しているそうです。

 

 「隠し持つなんてことはやりませんよ」とユベールさん。

 

 “鍬好き”には堪えられない品々なんでしょうねえ。

 

 最後は、なかなかユニークなオブジェになって、部屋のインテリアとして並べられていました。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、家具屋に苦情を言いに行った。数ヶ月前にベッドを購入したのだが、片方が傾き始めたのだ。家具屋の店員が言った。『それはですねえ、お宅が長く一人で寝ているから傾き始めたんですよ』」

 

VDM (Vie de merde)より



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ガーデニングの道具 その2 剪定ばさみ [フランスのモノ]

 シリーズの二回目は、剪定ばさみ。オルレアンの近くの村サン=シル=アン=ヴァルのバラ園を訪ねます。

 Paris_StCyrEnVal.jpg

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年3月27日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 ここで育てられているバラは900種類にも及ぶそうです。

 

 手入れをしているのはフランシアさん。

 

 900種類のバラの名はすべて覚えていますが、剪定ばさみの数までは把握していないそうです。

 

 剪定ばさみは、枝の種類や剪定を行う人の手の大きさに合わせて様々です。となると、ここまで増えるのもうなずけます。

 

 フランシアさんが最初に手に取っていたのは、小さい頃に使っていたハサミ。両親の手伝いをしていた時のものだそうです。

 

 二つ目はブドウの剪定用。ずしっと重そうですが、作った人の名が刻印されています。

 

 そして、ハサミの他に2つの刃がついています。

 

 小さいカマのような刃は、主に小枝を切ったり花や実を切り取る時に使い、まっすぐな方は枝を引き裂いたり割ったりするのに使います。

 

 バラの剪定に躊躇は無用。思い切りが重要です。そして、道具が悪いときちんとした剪定はできません。

 

 フランシアさんが剪定を始めましたが、仕上がりには2時間ほどかかりました。驚くほどすっきりしました。

 

 美しい花を咲かせるためには剪定は欠かせない仕事です。

 

 そして、庭の倉庫には大型のハサミも保管してあります。どれも古いもののようで錆び付いていましたが、植木の刈り込み用に使っていたものです。

 

 「ひとりでに動いてくれます。力はあまり要りません」とフランシアさん。

 

 仕事部屋には、ありとあらゆるガーデン用品がコレクションされています。しかし、あるのは道具だけではありません。古い本もあります。

 

 広げてみせてくれたのは、19世紀後半から20世紀前半にかけて活躍した庭師ジョルジュ・トリュフォーが1914年に出した本「庭のお手入れ法(Comment on soigne son jardin)」。

 

 ガーデニングのハウツー本としてよく知られているそうです。

 

 「ここには、当時、使われていた道具が全部掲載されています」とフランシアさん。

 

 この本、収集家にとっても手放せない一冊のようです。

 

 本に出ていた丸いカゴのような道具がフランシアさんのところにも残っていました。どうやらホースを収納して持ち運ぶためのもののようです。

 

 車輪のついた道具は除草の為に使うようですが、これもだいぶ古そうです。

 

 そして、背負子は、中に土を入れて少しずつ地面に落として行くための道具。

 

 最後に登場したのは、古い道具を集めて作ったアート作品「聖フィアークルの王座」(聖フィアークルは園芸家の守護聖人)。

 

 フランシアさんのバラ園のサイトは→こちら

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、妻の誕生日プレゼントに35本のバラの花束を買った。すると花屋がバラを3本おまけしてくれるという。とんでもない!そんなことしてもらおうものなら、年を間違えたと非難の嵐だ」

 

VDM (Vie de merde)より



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ガーデニングの道具 その1 鋤 [フランスのモノ]

 「知られざるパリ」シリーズは、火曜日になっても放送されなかったので、どうやら後回しにされてしまったようです。

 

 いずれ放送されるはずですから気長に待つことにして、代わりに、もう一つのシリーズを紹介することにしました。

 

 ちょっと地味ですが、見ているとわりに味わい深いものがあります。

 

 それはガーデニング用の道具。

 

 第一回目の今日は、土を掘り起こすための鋤。

 

 みごとな庭で知られるロワール川のお城Château de Villandryを訪ねます。

Paris_Villandry.jpg

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年3月19日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 城は、16世紀、フランソワ1世の時代に財務大臣だったジャン・ル・ブルトンが作らせたもの。

 

 18世紀に後の所有者によって大々的に改築が行われ、それが現在に城の元になっています。

 

 そして現在の庭園は、かつての書物を参考に再現されたもの。

 

 六つの庭からなっていますが、その中にはかなり大きな菜園が含まれています。

 

 庭の手入れに使う道具は、元厩舎に納められています。

 

 そこには古い道具がそのまま残されていました。ジャン=ミッシェルさんはこれらの古い道具をキレイに磨いて20年くらい前から使い始めました。

 

 ローランさんの方は、3年ほど前から庭園の責任者を務めています。

 

 その任務は、全体を有機栽培に変えて行くこと。つまり、それは、昔ながらの耕し方に終止符打つことでもあります。

 

 では、昔ながらの耕し方とはどんな感じだったのでしょう?

 

 まずは、シャベルのような鋤を使って耕します。

 

 これだと身体全体を使って作業をしなくてはならず、かなりの重労働。それにこの鋤一本で広い庭を耕すとなると大変です。

 

 また、昆虫や微生物が棲息している土の表面と深い部分の土が入れ替わってしまい、生物たちは呼吸ができなくなって死んでしまいます。

 

 「たすけて〜!!! 」と生物たち。

 

 そこで登場したのがペダルの付いた鋤。これなら庭師も少し楽になり、生物たちもまあまあ暮らして行けそうです。しかし、ペダルが付いた分だけ重くなってしまいました。

 

 そして考え出されたのが4本の爪のついた鋤grelinette(グルリネット)。60年代に発明されました。その名の由来は発明者の名前Grelin。

 

 これなら庭師の負担も少なく、表面の土はひっくり返ることなく柔らかくなります。仕事も昔より三倍速くなりました。

 

 最後に掘り起こした土をならして、サラダ菜、そら豆、キャベツを植えて行きます。

 

 城の庭は、花の咲く時期にはこんなに美しくなります。

 

 

Le château de Villandry
Le château de Villandry

 

見学:9.5€(城+庭)6.5€(庭のみ)

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、祖父母の家に行った。祖父の菜園をながめているうちに気がついた。祖父は、鳥を追い払うために古いアダルドビデオのDVDをぶら下げていた」

 

VDM (Vie de merde)より



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コレクター 後編 〜ペンとインク壷〜 [フランスのモノ]

 コレクターの後編は、ペンとインク壷。

 

 エリックさんは、アンティークのペンを収集し、壊れたのがあれば修理して、自分のお店で売っています。

 

 インク壷も合わせると、コレクションの数は数千点にも及びます。

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年2月16日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 

 まずは万年筆。

 

 毛細管現象を利用して絶え間なくインクが流れるように作られたペン芯。

 

 この仕組みは古くても新しくても変わらないそうです。

 

 違っているのはその器の方。

 

 ペン先の出し入れができるものや、ガラスになっているものもあります。ガラスのは1938〜40年に作られたもの。

 

 そして、ペン先に取り付けてあるレバーを動かして、ペン先の硬さを調整できるという珍しい万年筆もあります。

 

 万年筆の基礎を作ったと言われるルイス・エドソン・ウォーターマン。

 

 元々は保険の外交員でした。当時、書類にインクのシミを作ってしまい、だいじな契約をふいにしてしまったそうです。

 

 しかし、これがきっかけで、万年筆の開発に取り組み、1883年、ニューヨークで万年筆の製造販売を始めます。

 

 1950年代に経営が傾き、1971年にWaterman S.A.というフランスの会社として再出発したのだそうです。

 

 さて、エリックさんが個人的に気に入って使っているのが“PARKER 51”というモデルのパーカー製の万年筆。

 

 「ぜったい裏切らない忠実なペットみたいな存在です」とエリックさん。

 

 実は、私も色違いで同じモデルのを一本所有しています。

 

 インクはカートリッジではなくスポイト式。抜群の書き心地です。

 

 しかし、最近はあまり使う機会がなく引き出しの奥にしまいっぱなし。たまに取り出して使おうとするとインクが乾いてつまってたりします。

 

 エリックさんがここまで万年筆に詳しくなったのは、文房具の卸問屋を経営していた父親の影響だとか。

 

 そして、気に入ったものの中には売らないで取っておくものもあるそうです。

 

 次に見せてくれたのがインク壷の数々。

 

 ブロンズの置物のようなインク壷。てっぺんの取っ手を回すと、下のお皿にインクが溜まるしかけになっています。

 

 「下は100ユーロくらいから、有名作家が作ったものや珍しいものになると数百ユーロ、又は数千ユーロというのもあります」とエリックさん。

 

 人形の頭がインク壷になっていたり、ロウソクとセットになっているものもあります。

 

 もう一つロウソクがついたインク壷が出てきましたが、これをもって部屋から部屋へ移動できるようになっています。

 

 そして、オブジェとして部屋に飾っておきたいようなものが次々に登場しました。

 

 インク壷ってこんなに魅力的なものだったのですね。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

「今日、母が、私の机の上にあったペンは書けなくなっていたので捨てたと言う。あれは、タブレット用に買ったばかりのタッチペンだったのに……」

 

VDM (Vie de merde)より



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コレクター 前編 〜時計〜 [フランスのモノ]

 フランスでは、フランからユーロへの両替が2月18日以降はできなくなるため、昨日は銀行に長い行列ができていたようです。

 

 今日からフランの価値はゼロ。ただし、コレクターズアイテムになれば話は違ってきます。

 

 とは言っても、今日の話題はフランではなく、時計のコレクションです。

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年2月14日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 

 ジャン=クロードさんは元時計職人。

 

 現在はリタイヤして古い時計の収集や修理に没頭しています。

 

 収集された時計の多くが20世紀以前のものばかりです。

 

 ショーケースの中から見せてくれたのが、1880年製のブレゲ。

 

 ブレゲの考案したトゥールビヨンというシステムのおかげで正確な時を刻んでいます。

 

 そして、振り子が一回りすると1分経ったことが分かるようになっています。比較的めずらしい時計だそうです。

 

 そして、もう一つは1950年の中国製。

 

 中をあけてみると、部品に細かな彫刻がほどこされていました。

 

 三つ目に登場したのが、コインで作られた時計。1865年のベルギー製だそうです。

 

 さらに、ジャン=クロードさん、時計のねじ巻きもコレクションしていました。

 

 どれも17〜18世紀にかけて作られたもの。ペンダントヘッドにしてもいいくらいのできばえです。

 

 取り出してみせてくれたのは、ボールペンのようなねじ巻き。ヘッドの部分には穴があけられています。

 

 この日は、コレクター仲間のリシャールさんが部品の欠けた時計を持ってやってきました。

 

 動かなくなった時計を直して動くようにするのもジャン=クロードさんの仕事です。

 

 作業場にも時計や部品がたくさん並んでいました。

 

 部品は種類毎に分類され保管されているそうです。

 

 そして、壁の絵には時計が組み込まれていました。ちょうどの時間になると音楽が流れるようになっているそうです。

 

 客間ではリシャールさんとジャン=クロードさんが時計談義を始めていました。

 

 二人によると、時計は外より中がずっと美しいそうです。

 

 ジャン=クロードさんが手にしていたのは、競売でみつけたルイ14世の時代にまでさかのぼる古い時計で一番のお気に入り。

 

 「十分な明かりもなかった頃の昔の職人が、当時の道具を駆使し、これだけのものを作ったんですから、素晴らしいです」

 

 ショーケースから出て来たのは、かつて時計職人が使っていた機械。歯車を精確に削るための機械のようです。

 

 そして、ガラスのボールのような時計は1900年頃のもの。

 

 ブレゲの弟子だったシャルル・ウダンが考案したシステムが使われています。

 

 次回は、ペンのコレクターのお話です。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

「今日、日曜日の朝10時に起きてきた私を見ておどろいたママが、時計の横に私を立たせると、記念写真を撮った」

 

VDM (Vie de merde)より



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本物か?偽物か? [フランスのモノ]

 昨日紹介したブルターニュのおみやげ品。中にはブルターニュで作られたものではないものあるとか。家に帰って包みを開けて良く見ると、made in Cxxxxなんてのが入ったタグをみつけてしまったり……。


 フランスのTV局TF1の取材クルーが、南仏とブルターニュに本物を求めて出かけて行きました。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年7月27日放送)

 

marqueTV.jpg

 

 南仏のとある市場。地元の人に混じって、おみやげを求めにやってきた観光客でごったがえしています。

 

 おいしそうなオリーブが並んでいますが、南仏だけのものではありません。スペイン、果てはペルーから輸入されたものもあるとか。

 

 お店の人もそれを隠すつもりはありません。結局、輸入したオリーヴの方が安いそうです。

 

 プロヴァンス柄のテーブルクロス。これもフランス製のもあれば、イタリアやアジアで作られたものもあるそうです。

 

 今のところ食料品以外は生産地を明記する義務はありません。

 

 そこで今年の夏、フランス製でないものをフランス製と偽って売っている店がないかどうか当局が取り締まりを始めています。

 

 一方、ブルターニュ地方では、具体的な対処法をみつけました。

 

 ブルターニュ産と認められたものにだけ、上記の写真のようなマークを付けることにしたのです。

 

 その中の一つが、この地方で昔から作られているガロッシュ(galoche)(サボ)と呼ばれる靴。

 

 先代の技術を受け継いで続けて行くためにはこの地を離れるわけにはいかないと、三代目のヴァンサンさんが言っていました。

 

 この会社Sociète Rivalinでは、一日に500足を生産しているそうです。

 

 そして、以前、当ブログでも紹介したことのあるお菓子ガレット・ド・ポン=タヴェン。材料はすべてブルターニュ産。

 

 例えば、小麦粉はポン=タヴェン、卵はここから30キロほどのところにある村、塩はゲランド。徹底してますねえ~。

 

 現在、フランスの20の地域が同じように本物を保証するマークを使っているそうです。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、注文した小さな彫刻がカナダから送られて来た。商品よりも送料の方が高くついたが購入したのだ。嬉しくてまじまじと見ていると、台座にMade in Franceと書かれてあった」

 

VDM (Vie de merde)より



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レピンヌ発明賞の発表です! [フランスのモノ]

 パリ国際見本市と同時に開催されているレピンヌ発明賞の受賞作品が決定しました。

 

Paris_Paris.jpg

 

 下記の写真をクリックして番組をご覧下さい。(2011年5月7日放送)

 

petrolTV.jpg

 

 発表の前に、前回の番組では登場しなかった発明品をいくつか紹介します。

 

 一見、単なる照明用ランプに見えますが、実は植木が一体になった植木ランプです。このまま購入して、鉢についている小型の水タンクに水を入れておけば植物はすくすく育ちます。植物付きと植物なしの2つのパターンがあるので、自分で好きな植物を植えることもできます。鉢は環境に優しい素材で作られ、ランプも省エネタイプ。

 

 過去に受賞した作品も出てきました。マッシュポテトを作る器具、ヘヤードライヤー、圧力釜など。

 

 今年目立つのは女性の発明家が多かったこと。子供が手を挟まないように作られたドアノブなどはその代表格です。

 

 ヒートポンプを付けることで62%まで省エネを実現したコンベクターヒーターもあります。

 

 また、昨年、最優秀賞を獲得した発明家が今年も出品していました。今年は、赤ちゃんが呼吸をしているかどうかを探知する機器だそうです。

 

 では受賞作品の発表です!

 

 第三位は、今年いちばん若い発明家によるエコ発電システム。ソーラーパネル、風車、車輪、発電機の4つを組み合わせたもの。

 

 第二位は、前回登場した、一台でコーヒー/ココア/紅茶/エスプレッソが作れる、どんなカートリッジにも対応できるマシーン。

 

 そしていよいよ第一位は…………海に漏れ出した原油を回収するシステム(会場に展示してあるのは模型)。

 

 ちょっと素人には分かりにくい作品になってしまいましたが、昨年のメキシコ湾での事故を思えば、こんなシステムがあれば被害が拡大しなかったかもしれません。

 

 同じように海に流れ出た放射能を回収してくれるシステムがあればいいのにと思ったりしますね。

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、就職して2日目。コーヒーを飲みたかったのだが、エスプレッソ・マシーンの使い方が分からず、どうしても動かせない。結局、間抜けな奴と思われたくなかったので、空のコーヒーカップで飲むふりをした」

 

VDM (Vie de merde)より



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レピンヌ発明賞エントリー作品 [フランスのモノ]

 パリ国際見本市と同時に開催されているレピンヌ発明賞の選考会。今年のエントリー作品をいくつか紹介しましょう。

 

Paris_Paris.jpg

 

 下記の写真をクリックして番組をご覧下さい。(2011年5月5日放送)

 

lepineTV.jpg

 

 最初に登場したのが、栓抜き。ただの栓抜きではありません。グラスののったお盆を片手に瓶の栓を開けなくてはならない場合、足の間にボトルを挟んで栓を開けたりする姿をよくみかけます。この栓抜きならそんな必要はありません。瓶に引っかけぎゅっと握りしめたら栓が開きます。

 

 スノードームのようなカラフルな置物。これは冷蔵庫に保存しておいた食べ物の消費期限を教えてくれる優れもの。まずは食べ物を保存するのと同時に、この置物を良く振って一緒に冷蔵庫の中へ。ブルーの液体が全部下に落ちたら、残り14日以内が消費期限だと教えてくれます。

 

 予期せぬ突然のお客さま。ベンチに早変わりする書棚があれば慌てることはありません。

 

 さらに、ソーラーパワーのバーベキューコンロ、一度に全部の料理を運べるマルチなお盆、一台でコーヒー・紅茶・ココア・エスプレッソが作れるマシーンもあります。しかもこのマシーン、市販のほとんどのカートリッジが使えるそうです。

 

 そして、自転車用ヘルメット。ささっと折り畳んでデイパックの中へ。これなら荷物になりませんね。

 

 また、太陽光発電装置のように大掛かりなものや、ポリ塩化ビニルの管を使った楽器まで登場しました。

 

 今年は150種類の作品がエントリー。結果発表は今週土曜日5月7日だそうです。

 

 因に去年はこんな作品が最優秀賞を獲得しました。→こちら

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、妻にノート型パソコンをプレゼントしたら、素晴らしく便利と喜んだ。寝る一時間前に起動させると、ベッドの中にすべりこませた。湯たんぽより役に立つそうだ」

 

VDM (Vie de merde)より



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30周年を迎えるTGV [フランスのモノ]

 フランスの誇る高速列車TGVは、今年9月に30周年を迎えます。 

 

TGV-PGL

 

 1981年2月26日の試験走行で、最高時速380キロを記録したTGVは、1981年9月28日、パリーリヨン間で開業します。この頃の車体の色はオレンジでした。ちょっとなつかしい色です。

 

 所要時間は2時間40分。1983年には、これが2時間に短縮されます。これにより、フランス人の生活スタイルが変化し始めたと言います。

 

 その後、ブレスト、レンヌ、ナントなどの太西洋側の都市へも走るようになり、1990年5月18日には最高時速515キロと記録を更新。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。(2011年4月15日放送)


tgvTV.jpg

 

 番組の冒頭に、30周年を記念して車体に装飾の施されたTVGが登場しました。

 

 最高時速515キロを記録した当時、運転室にいたミッシェルさんは、エンジンの力強さを肌で感じたそうです。

 

 因に、30年前は6時間かかっていたナントーパリ間ですが、今では2時間10分まで短縮されました。

 

 TGVは、1993年には北部へ、2001年には地中海へ、2007年には東部へと走行距離は拡大を続けます。

 

 また、2007年4月3日、最高時速は574キロに達し、またも記録をぬりかえます。

 

 ちょうどこの直後に、ストラスブールからパリまでTGVに乗ったことがありますが、途中、時速300キロに達したことを伝える車内アナウンスがありました。残念なことに、外は真っ暗で、この速度を実感することはできませんでした。

 

 これまで延べ17億人が利用したというTGV。国は4,000億€を投入して、2020年までに合計2,000キロの路線拡大を予定しています。

 

 しかし、現在、赤字の路線もあり、メンテナンスや路線の拡大などに莫大な資金が必要なわりには、それに見合った収益が期待できないという人もいます。

 

 さらにドイツやイタリアの高速列車が乗り入れる計画もあり、一段と競争が激しくなることが予想され、前途洋々というわけにはいかないようです。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、私の乗った列車が3時間も遅れた。原因は、ある男がTGVのトイレに落とした携帯電話を取り戻そうとしたところ、腕が便器の穴に挟まって取れなくなり、消防隊が出動する騒ぎになったからだ」

 

VDM (Vie de merde)より



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