セーヌ・マリティムの旅3 [ノルマンディー地方]
シリーズの三回目です。
セーヌ・マリティムとそのお隣の県の一部をあわせた地域をペイ・ドゥ・コー(Pays de Caux)(コー地方)と呼びますが、今日はそこを訪ねてみましょう。
下記写真をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2020年8月19日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
ここはコー地方のアンフルヴィル=レ=シャンに広がる広大な畑。
アントワヌさんは40年も前からここで作物を栽培してきました。
周りを見渡しても家らしきものはみつかりません。しかし、上から見ると建物がみえてきます。
四方を木に取り囲まれています。海風から建物を守るためだそうです。
16世紀にこのような建物が数多く作られました。中に入ると池があります。昔は井戸がなかったのでこの池が重要な役割を果たしていたそうです。
そして、これらの家はそれぞれ距離を置いて建てられていました。
「この辺りは風が吹きます。そのため火事が起きると延焼するリスクが高いんです」
延焼防止のために離れて立っていたんですね。
クロマジュール(clos-masure)と呼ばるこれらの建物は、かつては数万軒もありましたが、今では10軒ほどになってしまったそうです
一方、こちらはモットヴィル(Motteville)にある17世紀に建てられた教会。美しいですねえ〜。
エルヴェさんが10年前から修復を推し進めてきたおかげです。当時には珍しく大聖堂と同じように2つの鐘楼があります。
「当時、こんな教会はありませんでしたから、革命的と言っても良い建物です」
この教会は12世紀に作られた礼拝堂のあった場所に作られてるため、柱や壁に礼拝堂の一部が残されています。
この教会のあるモットヴィルは人口800人ほどの小さな村。
「村を歩けば必ずあの教会を見ることになります。灯台みたいなものですね」
「教会は我々の自慢の建物なんです。外観も中も素晴らしいですよ」
そしてコー地方のお宝は、ここにもありました。アルヴィル=ベルフォス(Allouville-Bellefoss)にある樹齢1100年というナラの木。
幹の空洞部分は礼拝堂になっています。長生きの木は神聖なもの。しかも今でも元気に緑の葉を茂らせています。
直ぐ側には教会もあります。有名な観光スポットであり、巡礼の地でもあるようです。
続く・・・。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、17ヶ月になる息子を連れて散歩に出た。立ち止まっては木や花や動物たちを見せたものの、息子が興味を示したのは、唯一、ゴミ箱だった。1時間以上もゴミ箱をじっとみつめていた」
VDM(Vie de Merde)より
セーヌ・マリティムの旅2 [ノルマンディー地方]
シリーズの二回目は、前回のヴール=レ=ローズから海岸沿いを40キロほど下ったところにある、かつて漁港として栄えたフェカン(Fécamp)を訪ねます。
下記写真をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2020年8月18日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
フェカンの港。
よく見るとプレジャーボートがたくさん並んでいるようですが、ここは500年に渡って漁港として栄えてきました。
しかし今は、ほとんどの漁師が港から姿を消してしまいました。その歴史を物語る博物館を訪ねてみましょう。
漁がさかんになったのは16世紀初頭。漁師たちはタラを求めて船を出し大西洋を横断したそうです。
当時タラはホワイトゴールドと呼ばれるほど高価なものでした。
こちらの男性お二人は40年間漁師として働いてきました。一隻の漁船に56人が乗っていたといいますから、かなり大きな船です。
漁師たちは一年のうち10ヶ月を船ですごしました。
「漁場に到着するとすぐに仕事が始まりました。12時間働いて6時間休憩、また12時間働いて6時間休憩、これの繰り返しです。週末の休みもなければ祝日もありませんでした。3ヶ月から5ヶ月ほど海に出て毎日のように働いていましたよ」と元漁師。
大変な重労働でしたね。そのおかげでフェカンは漁港としての名声を得たのでした。
もう一つの町の名声がこちらの飲み物ベネディクティヌ(Bénédictine)。
ブランデーから作られたリキュールです。こちらの方がその功労者アレクサンドル・ル・グラン。
19世紀、彼が300年前にベネディクト派の修道士が書いたリキュールの製造方法を発見したのがきっかけでした。
「修道士は化学の研究者であり実験家であり醸造家でもあったんです。アレクサンドルはその修道士が作っていたリキュールを蘇らせたんです」
ここは彼のために作られたベネディクティヌ宮殿。19世紀に建てられたネオゴシックとネオルネッサンス様式の建造物です。こんな豪華な宮殿を建てるくらいですから、リキュールはかなり売れたとみえます。
中にはアレクサンドルが収集したものが展示されています。
「ゴシック様式とルネッサンス様式が共存していますが、自分の収集物を展示するのにふさわしい作りにしたのでしょう」
ここには醸造所もあります。使われたのは27種類の香辛料や果物。その調合は秘密とされてきました。
醸造されたベネティクティヌは樽につめられ、18ヶ月間こちらの蔵で寝かされます。
フェカンでは年間150,000本のベネディクティヌが製造され、国内外で販売されているそうです。
続く・・・。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、生産的になろうとがんばった。庭のお手入れ、日曜大工、釣り。おまけにお隣さんを手伝ったりもした。全部がうまくいって気分爽快。とは言っても、これはゲーム『どうぶつの森シリーズ』の中だけのこと」
VDM(Vie de Merde)より
セーヌ・マリティムの旅1 [ノルマンディー地方]
8月も残りわずかとなりました。
今日から5回のシリーズでフランス北部のセーヌ・マリティム県を巡ります。
第一回目の今日は、英仏海峡を望むコート・ダルバートルと呼ばれる海岸線にある小さな村ヴール=レ=ローズ(Veule-les-Roses)を訪ねます。
下記写真をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2020年8月17日に放送)
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セーヌ・マリティムと言えば断崖絶壁の続くこの海岸線。130キロに渡って続いています。
「この白い石灰岩の色から、この辺りの海岸をコート・ダルバートル(Côte d'Albâtre)と呼ぶようになりました」
この風景に創作のヒントを得ようと多くの芸術家がここを訪ねました。その中にはクロード・モネもいたそうです。
こちらは18世紀に建てられたサン=ヴァレリー=アン=コーの灯台。高さは12メートルほどしかない小さな灯台です。
「この辺りは港が一つ、灯台も一つしかなかったのでシンボルのような存在なんです」
この断崖絶壁の海岸線の間にあるのがヴール=レ=ローズ村。フランスで最も美しい村の一つです。
ここで栽培されているのがクレソン。パトリックさんは45年も前から栽培を続けています。
クレソンは植え付けから収穫までに一ヶ月ほどかかるそうです。
30年前には150軒の農家がクレソンを栽培していましたが、今は10軒ほどになってしまいました。
この地域で14世紀から始まったクレソン栽培。時代の流れとともに消えていってしまうのでしょうか?
その時代の流れは建築物にも足跡をのこしています。このような木骨構造の家が主流だった時代から、石づくりの家へと変貌を遂げています。
「16世紀頃から石造りの家が建てられるようになりました。家の壁には砂岩や海岸のじゃりを割ったものが使われています」
田舎らしさを感じさせる水車。この水車を回す動力を生み出しているのが、フランスで最も小さな川ヴール川です。
村の中心を流れていますが長さは1キロあまりしかありません。魚が泳いでいるところを見ると、水はきれいなようです。
この川の行く着く先が海。海岸には小さなビーチができていました。
続く・・・。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、うちの亭主が急に田舎のど真ん中で車を止めた。時間は10時半、走行距離は111,111kmを指していた。そして、彼が言った。『11時11分になるまでは発車しないよ』・・・」
VDM(Vie de Merde)より
活動開始 [ノルマンディー地方]
アメリカって、わけのわからない国になってしまいました。
コロナ対策のために召集された専門家が、今、経済活動を再開させたら感染がさらに拡大する恐れがあると言ったら、トランプがそんなことは受け入れられないと言ったとか。
さらに保守派の中には、そのような専門家はクビにしてしまえと言う人たちもいるそうです。
なんかちょっと驚く。これじゃあ何のために専門家のアドバイスを受けようとしたのさっぱりかわからない。
普通、専門家がそう言ったら、もう少し我慢して活動再開は先送りにするってなりませんかねえ〜。
大国がこんなでは、世界のコロナ収束への道はまだまだ遠い。
それはさておき、外出禁止の緩和が始まったばかりにフランスですが、11日時点の各地の色分けはこんな感じになってました(こちら)
主に北東部が赤、その他は緑です。フランス有数の観光地であるモン=サン=ミッシェルは緑に入ってます。
2カ月あまり入り口が閉じられていましたが、観光客の受け入れを再開したそうです。
しかし、観光客、来ますかね?
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2020年5月14日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
あれ、来てますね。写真撮ったりしてます。
島の中の人も観光客も再開の日を首を長くして待っていました。とは言っても、まだまだ入場者は少ないらしい。
「まだ人が多くないと思ったので、見学に来ることにしました」と男の子。
「美しいですね。車の数も人の数も少ないから、かつての姿を取り戻したようです」とお父さん。
シャトルバスも動き出しましたが、まだ乗客は数える程度。
島の中は小さい路地ばかり。2メートルも間隔をあけて見学など無理、と思っていたら、なんと一方通行になっていました。これなら大丈夫か。
普段は1日だけで1万人が訪れていましたが、この日は、100人前後にとどまりました。
「ちょっと驚きましたが、見て回るのにはちょうどいいですね。安心してあちこち細かいところまで見ることができます」と男性。
こちらのご夫婦は、一度新婚旅行で訪ねたこの地に再びやってきました。
「我々が結婚したのは1964年ですが、来たのが冬だったせいか、当時もこんな感じでした」と男性。
「当時は今みたいに45分で修道院までさっと行って帰ってくるというような観光ではなかったですよ」と女性。
その修道院は、まだ中に入ることはできません。そのせいか、路地の脇に並ぶお店もほとんどが休業中。
この時期に建物のリフォームに着手する人もいます。
こちらのお店は営業を再開しましたが、2カ月近く休業を余儀なくされました。
「なんとか持ちこたえましたよ。隣近所と励ましあってきましたから。これからどんどんお客さんに来て頂ければありがたいです」
思ったより観光客が来てましたが、これだったらまだ人と人とが接近することはなさそうですし、ゆっくり散策が楽しめそうです。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、隣の住人が、『グルテンフリーの食事をしたおかげで、コロナウィルスに感染してないのよ』と自慢げに話していた」
VDM(Vie de Merde)より
外出禁止の街20 [ノルマンディー地方]
5月11日の緩和を待ちながら外出禁止の続くフランスですが、マクロン大統領がパリ郊外の小学校を訪問したそうです。その様子に興味のある方は、こちら。
大統領と一番前の席に座っていた女の子とのやりとり。
「私のお母さんは病院で看護師をしています。コロナウィルスに感染した人の治療を手伝ってるんです」
「ああ、コロナウィルスと戦ってるんだね」
「うん」
「もう直ぐウィルスをやっつけられるね」
「うん」
それなりの意図を持って行われた訪問のようです。
さて、今日は空から見た外出禁止の街シリーズです。
今回は、多くの画家が訪れたことで知られるノルマンディ地方の街オンフルールを鳥になって見てみましょう。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2020年5月5日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
オンフルールの朝。
古い港に並ぶ家々が鏡のような水面にその姿を映しています。美しいですねえ〜。この眺めが多くの画家たちにインスピレーションを与えてきたのでしょう。
ここで土産物店を夫婦で営んできたファブリスさん、毎朝この風景を眺めるのが日課になってしまいました。
「ここからの眺めは素晴らしいですよ。これだけ美しい場所は他にはありません。今の困難な状態とは裏腹に、静かで居心地がいいくらいですよ」
港で飲食店を経営するレジスさんがやってきました。今は休業中でまだ観光客を受け入れるような状態ではありませんが、毎朝こうして店にやってきては新聞を読んでいます。
「いつもなら6時か7時頃には準備をして、9時頃には観光客の朝食を出しているところです」
当然ながら観光客の姿はありません。街の経済には大問題ですが、それがかえって街の美しさを引き立てています。
春を謳歌する花々。
こちらの女性はクローディアさん。祖母と一緒にエビを販売するお店を営んでいます。
「今まで気がつかなかった街の良さが見えてきました。40年ぶりにこの街に戻ってきたのが2年前のことです。留守にしていた時間を少しずつ取り戻しているところです」
サント=カトリーヌ教会の鐘の音が聞こえてきました。
100年戦争後に建てられた木造の教会は、船底式の天井に身廊が二つある少し変わった作りをしています。シーズン中は毎日6,000人が訪れる観光スポットです。
「ここはオンフルールの船大工によって作られた歴史ある教会ですが、ここまで訪れる人が少ないのは初めてのことです」と神父さま。
外には子供を連れたご夫婦がいらっしゃいました。
「今朝、この教会でこの子が洗礼をうけるはずだったんです」とお母さん。
洗礼も禁止されていたんですね。
そして最後に港に停泊する漁船を見つけました。フローランさんは帆立貝漁に出かけるはずだったのですが、コロナ騒動で3月中旬から港に足止めになってしまいました。
「でも、もう一度、周りの良さを確認するいい機会になりましたよ。静かな海に空を飛ぶ鳥。本当にいいところですよ」
川にできた中州が、なんだか船に見えてきました。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、僕のGPSがひとりでにオンになっていた。GPSも外出禁止に飽き飽きしてきたに違いない」
VDM(Vie de Merde)より
外出禁止の街6 [ノルマンディー地方]
日曜日恒例の週末旅は放送がなかったのでお休みです。
毎日、ネットでコロナウィルスの感染状況をチェックするのが習慣になってしまいました。
国内の県別状況を見ると、「感染者数」ではなく「患者数」になっていてあれ?って感じなのですが、それはおいといて、ほとんどが都市部に集中しているのがよくわかります。
九州、四国、東北は大したことないですね。だからって油断してはいけないのでしょうけど、ほとんどが首都圏と愛知、大阪、兵庫に集中してます。
“コロナ疲れ” なんて言い始めた矢先の感染者急増。東京の住人として、なんとなく外の空気がピリピリした感じに思えます。
しかし、年の頃は50か60くらいのおばさんたちが5、6人集まって「密閉した場所はいけないんだって」、「それにお酒もダメらしいわよ・・・」などと話している。おしゃべりしているうちに興奮してだんだん声が大きくなる。
呆れて、あんたたちが一番危ないでしょ、って言いたくなってしまうのでした。飛沫が危ないってあれだけ言われてるのに何考えてるんだ!もっと自覚を持て!
コロナウィルスには、人間の客観性と忍耐力を問われている気がしてなりません。
さて、フランスのマクロン大統領が演説で何度も我々は戦争状態にあると言っていました。当時、ちょっとオーバーじゃない?と思ってましたが、ここまでになると確かに戦争状態だと納得です。今回の外出禁止の場所は、ノルマンディ地方。
下記写真をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2020年3月26日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
ここはノルマンディ地方の都市カーン(Caen)。
修道院の教会は人影もなくまるで絵のよう。風になびく旗がかろうじて本物だということを教えてくれます。
メインストリートのカフェやバーの扉は閉められ、通りの端から端まで静まり返っています。あまりの街の変身ぶり市民は戸惑い気味。
「何にもないですね。空っぽです。それに静かで異様な感じです」と子連れの女性。
観光客で賑わう城壁に囲まれたカーン城や市民の憩いの場所の公園も入り口の扉は閉まっています。
静けさの中、教会の鐘だけが街に響き渡っています。
「街がこんなに静まり返っているのに驚いています。車の数も少なくて奇妙としか言いようがないです」と男性。
こちらはオルヌ川にかかるオルサ橋。ノルマンディ上陸作戦で知られる跳ね橋ですが、今は船舶の往来もなくじっとしたまま動きません。
ここから数キロ先のビーチは、人の目から見れば荒れ放題。違う言い方をすれば、自然の姿に戻りました。ノルマンディーの海岸は近づくことが禁止されています。
「ちょっと家から出てすぐに戻るだけです。週に一回の外出ですよ」と男性。
自粛だけでもきついのに禁止が長く続くと堪えますね。
ビーチ沿いには海水浴で使われる小さな小屋が並んでいます。6月くらいには海水浴客が利用できるようになるといいですね。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、これまで何の運動もしてなかった私は、急にやる気になってスポーツクラブに入会した。やるぞ〜と気合を入れて行ってみると、コロナウィルスで閉まってた」
VDM(Vie de Merde)より
外出禁止の街3 [ノルマンディー地方]
昨日の夜、なんだか身体がカサカサするなあ〜、と思って湿度計を見たら36%!これじゃあ干からびてしまう。
しばらくちょうどいいくらいの湿度が続いていただけに、この乾燥ぶりは身体にこたえます。潤いが欲しい・・・。
さて、本日も外出禁止となったフランスの街を訪ねてみましょう。
今回は、街というより村といったほうがいいかもしれません。フランス一の観光地、モン=サン=ミシェル。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2020年3月23日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
クイズ番組でこの映像が登場しても、すぐにどこかわかってしまうくらい有名な観光地。
しかしここも他の場所と同じように外出は禁止です。
たった1日で20,000人が訪れるという観光地が、ここまで閑散としているのは初めてのことです。
島までの唯一の交通手段であるリムジンバスも今は休業中。
そんな中、静かに仕事を続けている人たちも何人かいるようです。
「いつもの島とは全く違います。いつもは朝から晩まで人でいっぱいです。あまりに静かなので、普段気がつかなかった仕事を見つけて働いています」と男性。
この方、どんな仕事をしてるんでしょうかね。
島の一番高いところにある修道院の扉は閉じられ、城壁に囲まれた通路には人の姿はありません。
ここで暮らしているのは数人の聖職者と30人ほどの住民。
こちらは電気屋さん。今の島の姿は別世界のようだと言います。
「こんなことは初めてですよ。あまりに人がいないので、記念に写真を撮ったほどです」
あの有名なオムレツ屋さんも、その他のレストランやバーも全て閉まってます。
そこにやってきたのが郵便配達のイザベルさん。目下のところ週一で島に通っているそうです。
「これは普通じゃないですよ。いつも大勢の人がいるのに誰もいない。ちょっと寂しいですね」
それにしても郵便が週に一回しか届かないなんて少々不自由ですね。しかし、コロナウィルスの感染拡大が続いているフランスでは、郵便配達も健康のために休ませて欲しいと訴えていたようです。
マルセイユは聖母マリアでしたが、モン=サン=ミシェルは大天使ミカエルが空から島を見守っています。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、美容院に行って、いつものように髪をカットしてもらった。帰宅して、夫に『どう、このヘアスタイル?』と聞くと、夫が言った。『お前まさかそれにお金を払ったんじゃないだろうな』」
VDM(Vie de Merde)より
エトルタのキャラメル [ノルマンディー地方]
2〜3日前に100円ショップのマスク売り場を覗いてみたら、やっぱり空っぽでした。
あの時、一箱しか買ってなかったから、来月までもたないような・・・。
箱をみてわかったのですがベトナム製でした。ベトナムなら今でも製造しているんだろうか?
日本製が増産されているので、いざとなったら値段は高くてもそれを買えば何とか乗り切れるか・・・。
それはさておき、携帯の天気予報アプリを見ていたら、東京の桜の開花は3月20日と出ておりました!
こんな時期に大胆な予想。当たって頂きたし。コロナウィルスなんか忘れて桜の花を楽しみたいものです。
さて、本日はご当地スウィーツのお話。
フランスのノルマンディ地方有数の観光地エトルタ(Étretat)にはこんなスウィーツがあるそうです。
下記写真をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2020年2月12日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
おなじみのエトルタの眺め。
ここにあるスウィーツがこれ。なんの変哲も無いキャラメルです。一瞬、チョコレートに見えますが、キャラメルです。
15年前に姿を消してしまったのですが、復活を遂げました。
「こうして混ぜながらちょうどいいくらいの温度になるのを待ちます」とヴァンサンさん。
このキャラメル、なんと170年も前からこの地にあったもの。ルクール家が5世代にわたって作り続けてきましたが、2005年に製造中止となってしまいました。
今回復活したキャラメルは当時と全く同じレシピで作られています。作り方に詳しい叔父のジェラール・ルクールの教えを請いながらヴァンサンさんが復活させました。
「キャラメルは作ってましたが、これは私一人では作れませんでした」とヴァンサンさん。
出来上がったキャラメルはかわいいパッケージに詰められ、エトルタの中心街にあるお店で販売されます。
「お会計をすませる前に開けて食べてしまうお客様もいますよ。何しろ十数年ぶりですからね」とお店の方。
地元の人なら誰でも知ってる懐かしい味のキャラメル。
「他にはないここだけのお菓子ですよ」と男性客。
「美味しいキャラメルでしたよ。新しいのを食べてみましたが、その頃と全く同じ味です」と別の男性客。
エトルタに行ったらぜひお土産に買って帰りたいものです。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、ずっと音沙汰のなかったメル友が、急にメールを送ってきた。ご機嫌伺いかって?とんでもない、塩バターキャラメルを小包で送ってくれだってさ」
VDM(Vie de Merde)より
小さな村の英国人 [ノルマンディー地方]
昨日はちょっと鎌倉まで行ってこようという話になり、行ってきました。
これがまたものすごい人で、駅に着いた途端、失敗したなと悟りつつも、とにかく行く予定だったお店まで行ってみた。
想像通りお店の前には長い列ができ、小町通りは身動きできないくらいの混みよう。これではでどうにもならないと、なんとか少し人の少ない通りに出て、別のお店でお昼を食べてそそくさと帰宅。
単に人混みに自ら飛び込みに行っただけという結果に終わりました(涙)。
ただ、往復の電車の中で、雪をかぶった白い富士山が見えて、小さな幸せを感じたのでした。
しかし、来年以降は、お正月は家でジッとしていることになりそうです(汗)。
それはさておき、英国のEU離脱期限が今月末に迫っていますが、フランスの小さな村でこんな不具合が起きているそうです。
下記写真をクリックして番組をご覧ください。(今回は画像の埋め込みができませんでした。写真をクリックすると新しいウィンドウが開いて番組を見ることができます。)(フランスのTV局TF1で2020年1月2日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
小さな村ゲルクサル(Guerquesalles)は、こんなのんびりした田園の中にあります。
普通のフランスの小さな村のように見えますが、ここでは英国人と仏人が手に手を携えて暮らしているとか。
「英国がEUを離脱すると、村にとっては大きな損失になってしまいます。何しろ住民の中に数多くの英国人がいるからです」と村長さん。
こちらはティムさん。80年代の終わり、ノルマンディの魅力に取り付かれ奥様と一緒にこの村に移住してきました。
そしてこの方、どうやら村議会の議員を務めているらしい。EU離脱となれば、議員を辞めなくてはなりません。しかも、もう二度と議員に任命されることはありません。
「EU離脱なんて残念でなりません。ここで暮らして36年、人生の半分を過ごしてるんですよ。それに18年も議員を務めてきました」とティムさん。
「あの人にはこの状態を受け入れることはできないんですよ。36年も住んでおきながらEU離脱でこんなことになるなんて馬鹿げてます」と奥様。
村の人口は200人ほど。村人たちはティムさんを急に議会から追い出すなんてできないと言います。
「ティムさんは私たちフランス人の一員なんです。英国が離脱さえしなければ、ずっと議員としてここで暮らしていけるのにねえ」と村人。
しかし、離脱が決定的となった今、ティムさんはフランス国籍の取得申請をしたところだそうです。
フランスに帰化して仕舞えば、今の生活をそのまま続けることができます。
一口に離脱といっても、いろんなところで問題が出てくるもんですねえ〜。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、4歳の娘と当てっこゲームをした。『イギリス人は何を飲んでる?ママが大好きな飲み物なんだけど・・・当ててごらん』というと娘が言った。『ああ、お酒!』」
VDM(Vie de Merde)より
教会の大移動??? [ノルマンディー地方]
関東地方が梅雨入りしてから一週間になろうとしていますが、暑かったり涼しかったりで天候に合わせて調整するのがかなり煩わしいですねえ〜。
どっちか一つにしてくれない?って言いたくなってきます。自然を相手にイライラしても始まらないのはわかっているのですが・・・。
人間の力ではどうにもならない、その自然現象を前に、対策を迫られているのがフランスのノルマンディ地方。海岸沿いの絶壁が少しずつ崩れているため、移動を余儀なくされる建物があります。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 2で2019年6月11日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
英仏海峡沿いに続く絶壁。絵葉書になりそうな絶景。
しかし、喜んでいる場合ではありません。その絶壁のすぐ上の平らな土地には教会が建てられています。
この絶壁、毎年30センチから1メートルずつ崩れ落ちているとか。と言うことはつまり、教会は30年後には海の中へと消えてしまうことになります。
村人たちにとっては大切な教会です。存続させるためには移動より他に方法はありません。
「100メートルほど奥にあるあの土地に移動させる計画です」と村長さん。
建物を移動させるとなると大掛かりな作業です。しかもその費用は2000万ユーロにもなります。小さな村にそれだけの負担が可能でしょうか?
とは言うものの、すでに移動に向けた準備が進んでいます。現在は鐘楼と壁を強化する工事が行われています。
「これは村だけの問題ではありません。フランスの各地から芸術家がやってきた場所ですから、国に関わる問題なんです」と村長さん。
それにしても、建物の移動とはどうやってやるんでしょう?
実はその移動、過去にも何度か行われています。とは言ってもフランスではなく英国でのこと。
そういえば、英仏海峡の向こう側にも同じような絶壁があるのでした。
白黒映像は実際に動かしているところを撮影したもの。レールの上に乗せて、数センチ単位で少しずつ動かしていきます。
動かしているのは灯台。当時、こんな状態になっていました。すぐそばの地面にひびが入っています。恐ろしい・・・。大至急、灯台を移動させる必要がありました。そして、4か月の工事で17メートルほど奥に移動させたそうです。
教会の近くの絶壁はもろく、パラパラと崩れ落ちているのがわかります。このままでは手遅れになってしまいます。
こちらの男性はこの付近を撮影した絵葉書を集めていますが、それを見るとこの50年で変わっていることがよくわかります。
「1950年代はこれだけ土地に余裕がありました。でも今はこんなになっています。教会には大切なお墓もありますよ」
村は、このお墓と教会と絶壁の風景で知られており、年間60,000人の観光客がやってくるそうです。しかも、かつては多くの画家がこの風景を描きにやってきたそうです。
そういえばこの風景、実際に私も見たことがあるのを思い出しました。教会の中にも入ったのでした。中にはジョルジュ・ブラックの制作したステンドグラスがあります。
アリソンさんはここが気に入ってイギリスから移住してきたそうです。
そしてこちらのカップルはこの教会に大切な思い出があります。どうやら男性が結婚指輪を用意して、ここでプロポーズしたらしい。となると、教会が消えて無くなるなんて事はあってはならないこと。
しかし、教会をお墓もろとも移動させるとなると大変ですね。
******* フランス人のつぶやき *******
「今日、皆んなに勇気のあるところを見せようと、断崖絶壁から海に飛び込んだ。皆んながすご〜いと言って喜んでくれた。しかし、僕が飛び込んだ場所は、クラゲの巣窟だった 」
VDM(Vie de Merde)より