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キャンピング [アキテーヌ地方]

 日本は、いよいよ、うっとおしい梅雨の季節に突入ですが、ヨーロッパは今がいちばん良い季節。


 そして、7月からはバカンスシーズンの到来です。


 そのフランス人の皆さまがバカンスで使用する施設はと言えば:


 自宅     43.5%

 ホテル    15.3%

 友人宅    11.5%

 短期賃貸   10.8%

 別荘      8.8%

 キャンピング  5%


 どこにも行かないで自宅で過ごす人が多いですね。


 そんな中で、最近新しい市場を獲得しているのがキャンピング。


 キャンピングと言っても、必ずしもテントではなく、トレーラーハウス、キャンピングカー、バンガローなど、形態は様々です。


 フランス南西部のジロンド県にある3つのキャンピング施設を見てみましょう。

Paris_Gironde.jpg
より大きな地図で キャンピング施設 を表示

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年6月7日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 

 まずはカルカン(Carcans)にある一つ星のCamping Le Lierre。


 映像に登場したのはシンプルなトレーラーハウス。


 ダニエルさんとジャン=ミッシェルさん夫妻は11年前からここを利用しています。


 飾り気のないトレーラーハウスですが、滞在に必要なものは揃っています。


 二人で一泊10ユーロ弱という料金が魅力的。


 次はアレス(Arès)にある三つ星のCamping Pasteur


 料金は50%ほど高くなりますが、施設やサービスも充実してます。


 バーベキュー用のスペースや、子供の遊び場もあります。


 そして24時間対応の管理人もいます。


 「時間ギリギリに着いたんですが、イヤな顔一つせず親切にしてもらいました」と男性。


 「料金に見合った質のいいサービスを心がけています」と責任者の方。


 そして最後はスラック=シュル=メール(Soulac-sur-Mer)にある5つ星Camping Les Lacs


 ぐっと施設は充実してきます。野外プール+屋内温水プール、レストラン、ショップ、Wi-Fi完備。


 「ここは欲しいものが全部そろってます」と男性。


 「キャンピング施設にもきちんとした基準ができましたよね。私は5つ星がいいです。料金もそれほど高いわけじゃありませんし」と女性。


 こちらのバンガローはなかなか豪華です。広いリビングにベッドルームは2つもあります。


 今年も700万人ほどのフランス人がキャンピング施設を利用すると予想されています。


 番組の最後に登場したのはバカンスに出かける先についての数字です。


 フランス国内が67%、ヨーロッパ内が18%、それ以外の国々が15%だそうです。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、5才になる息子をプールに連れて行った。『ママが泳いでみせるからよく見てるのよ』と言って泳いでみせると息子が言った。『わあ、ママってすごい。アザラシみたいだ』」

 

VDM (Vie de merde)より



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売りに出された異例の物件 その4 〜中世を物語るお城〜 [アキテーヌ地方]

 シリーズ四つ目の物件は、小高い丘の上にあるお城。

 

 フランス南西部ドルドーニュ県の人口1800人ほどの小さな村クルサックにこのお城は建っています。(下記地図の黄印)

 

 おとぎ話というより、中世そのままに残ったといった風情のお城です。

 Paris_vente.jpg

より大きな地図で 売りに出された異例の物件 を表示
 

 下記ウィンドウの▶をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年11月17日に放送)(▶をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら


 
 枯れ葉を踏みしめながらジャルトゥ城(Château de la Jarthe)に向かって歩いて行くのは、サザビーの不動産部門担当のジャックさん。
 
 かれこれ40年も前からこうやってこの城に通っています。
 
 最初にこの城を見たとき印象に残ったのは、その保存状態の良さだったそうです。
 
 手つかずに残された紋章の彫刻、鉄具のついた門、細工の施された樋、ガラス窓、煙突や屋根の最上部に施された装飾など、その見事さに目を奪われます。
 
 そして、中庭の井戸からは今も澄んだ水をくみ上げることができます。
 
 城は13世紀、テンプル騎士団の命で作られました。
 
 1314年、騎士団最後の総長ジャック・ド・モレーが火あぶりの刑で亡くなった後、城はフランス国王のものとなりますが、王はこの城をペリギュウの司教に無償で与えました。
 
 その後は、代々領主の家系に引き継がれますが、19世紀後半からは個人に買い取られ、現在も個人の所有になっています。
 
 城の中には、狩りでしとめた獲物を焼いた跡の残るかまどや、なんども使っているうちに角が取れたりくぼみが出来たりした石などがそのまま残っており、当時の生活を偲ばせます。
 
 ここは、個人の所有で村人たちが立ち入ったことは一度もないそうですが、この日は村長さんが初めて中に入りました。
 
 この城については大きな関心を寄せてはいるものの、村には買い取るほどの経済力がありません。
 
 しかるべき所有者が管理し、文化的活動や観光に利用できるようにしてくれることを期待しています。
 
 城塞の最上部に作られた回廊からは城全体の敷地が見渡せます。当初は600ヘクタールあった敷地ですが、現在残っているのはこのうちの128ヘクタールだけ。
 
 森、3つの小作地、厩舎を加えた城全体の希望売却価格は300万ユーロ(約3.3億円)ほど。
 
 中世好きには限りなく魅力的な物件かもしれません。
 
 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、私は不動産会社で働いていますが、何人かのオーナーに電話をして部屋がまだ空いているかどうか確かめた。するとあるオーナーが言った。『空いている部屋はありますが、恐らくそちらでは興味を持たれないと思いますよ』私は間違って刑務所に電話をかけたらしい」

 

VDM (Vie de merde)より



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ランドの闘牛 [アキテーヌ地方]

 あの牛追いで知られるスペインのお祭り「サン・フェルミン祭」が始まりましたが、少し変わった闘牛がフランスのランド県で行われています。

 

Paris_Larbey.jpg

 

  

 調べてみると、どうも世界には4つの種類の闘牛があるようです。

 

1. いわゆる一般にスペインなどで行われている闘牛

2. 闘牛士が馬にのって雄牛と戦う闘牛(ポルトガル)

3. 競技者が牛の前頭部につけられた3種類の小さな飾りのようなもの(attributsと言う)を素手で取るという闘牛。(南仏カマルグ地方)

4. 今日、紹介するランドの闘牛。

 

 ランドの闘牛の特徴は2つ。まず雄牛ではなく雌牛を使います。そして、スペインの闘牛とは異なり、後にも先にも牛を殺すことはありません。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年6月20日放送)

 

landTV.jpg

 

 ご覧のとおり、ランドの闘牛士には二種類あります。一つは、走って来る牛を待ち構え、ぶつかる寸前にすばやく跳び上がって牛を跳び越す闘牛士(sauteur)(「跳ぶ人」の意味)。もう一つは、走って来る牛を立って待ち構え、ぎりぎりのところで身をかわす闘牛士(écarteur)(「かわす人」の意味)です。

 

 闘牛用の牛は、それ専門の牧場で育てられます。映像に登場した牧場では300頭を育てているそうです。

 

 闘牛の日の朝、アリーナに送り出す牛を選びます。当然ながら野性的で攻撃的な気質の牛が良いそうです。選ばれた牛の角にはテープが巻かれます。

 

 闘牛士は、衣装を身に着け、音楽とともにアリーナに登場します。皆が揃ったらいよいよ闘牛の始まりです。なにやら町の一大イベントといった雰囲気。

 

 さて、跳び上がって牛をやり過ごす競技では、両足をヒモで縛ったり、ベレー帽に両足を突っ込んだまま跳び上がるなどいくつか種類があるそうです。

 

 いずれもタイミングを間違えると、牛と正面衝突。大きな事故にならないとも限らない危険な競技です。

 

 競技の間、牛の角にはロープがかけられ、担当者がロープを操作して牛をコントロールします。熟練の技が要求される仕事です。

 

 そして、一頭だけロープなしで自由に走れる牛がいます。それは初めてアリーナに上がる牛。

 

 ランドの闘牛は、15世紀頃にはすでにあったことが確認されています。当時は、通りに牛を走らせ、その上を飛び越すという、今よりずっと原始的な競技だったようです。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、14歳になるむすこの部屋を掃除していたら、学校に提出する進路調査票をみつけた。『なりたい職業は?』の質問に対する息子の返事を読んで愕然。『大きくなったら、雌牛をたくさん飼って、Kiri(チーズ)をたくさん手に入れたい』」

 

VDM (Vie de merde)より



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サン=テミリオン ボルドー近郊 [アキテーヌ地方]

 今日はシリーズものを少し休んで、フランスの村を紹介します。

 サン=テミリオンと言えばワインですが、ここがユネスコの世界遺産にもなっていることをご存知の方は少ないかもしれません。

サン=テミリオン
(Saint-Émilion)
Paris_StEmilion.jpg


      パリ→サン=テミリオン(列車で約3時間半)

StEmilion.jpg

  世界遺産に登録されているのはこの村だけではなく、他の6つのコミューンを合わせた地域全体です。歴史的建造物はもとより、この地域の景観もこの中に含まれています。

 サン=テミリオンは城壁のある村です。現在の人口は約2,200人。

 中世の面影を色濃く残すこの村をあちこち散策したら、189段の階段を上がって教会の鐘楼に登ってみましょう。中世の建築と、それを取り囲む広大なぶどう園が一望できます。

 その後は、ぶどう園とワイン蔵の見学。もちろん試飲もできます。

映像は→こちら
 
 映像に出て来たのはChâteau Ripeauというドメーヌです。映像で見ると、かなり近代的な施設で作られるワインのようです。ランクはグラン・クリュですから第1級ワイン。因にサン=テミリオンの格付けにはもう一つ上があるようです(特別1級AとB)。

 村ができたのは、8世紀にエミリオンと呼ばれる僧侶がここで福音を始めたのがきっかけでした。エミリオンが17年かけて福音に励んだ間、その教えに従う僧侶がここに集まるようになり、一つの集落が出来上がっていったのです。エミリオンの死後、その名前が村の名前になりました。村は中世に確立され、城壁は13世紀初頭に建設されました。

 この地域でのワイン用のぶどう栽培は、ガロロマン時代(B.C.120年〜A.D.5世紀末)にすでに始まっていたようです。そして、12世紀末、イングランド王ジョンがここにジュラッドと呼ばれる自治組織を設置し、サン=テミリオンのワインを独占していました(自身の権力を土地の有力者や役人に委任する代わりにワインを独占)。この体制の中でぶどうを栽培する土地は拡大していきましたが、ジュラッドの影響力は1789年の革命のころにはすっかり失われていました。

 しかし、1948年、ぶどう栽培者の組合によって息を吹き返します。この新しいジュラッドは、confrérieという組織(「協会」のような組織)に生まれ変わり、ワインの質を管理したりワインを世界に広く普及させる役割を担い、この地域のappellation(アペラシオン)(銘柄)の名声を確固たるものにしているそうです。

 因に、英国ではボルドーワインを総称してclaretと言うそうです。良質のボルドーワインは英国に輸出され、ロンドンの有名なクラブではワイン蔵に自慢のclaretを貯蔵し、会員に出すそうです。


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