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コレーズ県の小さな村 その2 〜ル・サイヤン〜 [リムザン地方]

 今日は、コレーズ県の小さな村シリーズの二回目。

 少し北に上がって、ル・サイヤンという村を紹介します。

France_Correze.jpgcorreze3.jpg


ル・サイヤン

(Le Saillant)

Le_Saillant.jpeg
Photo by Père Igor (from Wikipedia)
パリ→ブリーヴ・ラ・ガイヤルド(Brive La Gaillarde)(列車で4時間10分ほど)
ブリーヴ・ラ・ガイヤルド→ル・サイヤン(バスで1時間弱)          

 フランク王国メロヴィング朝の時代(5世紀終わり)、つまり、初代フランス国王と言われるクロヴィス一世の時代からある、長い歴史を持つ村です。

 9世紀には、このシリーズの一回目に登場したボーリュ=シュル=ドルドーニュの修道院の領地でしたが、14世紀になってGuy de Lasteyrie du Saillantという人物の領地になります。村にあるミラボー城(又はサイヤン城)はこの時代のものですが、ここには12世紀につくられた塔の遺跡が残されています。

Saillant_Mirabeau.JPG

ミラボー城                  Photo by Père Igor (from Wikipedia)

 また、村を流れるヴェゼール川には、16世紀に作られた6つのアーチのある美しい橋が架かっています。

Pont_du_Saillant.JPG

サイヤン橋                       Photo by Père Igor (from Wikipedia)

 そして、17世紀前半に建てられた村の礼拝堂には、シャガールのステンドグラスがあります。

Saillant_chapelle.JPGchagall.jpg

礼拝堂             シャガールのステンドグラス

           (シャガールをクリックすると大きい写真が見られます)


 これからご覧いただく映像の中で、古い二階建ての家が登場します。二階部分が住居、一階はワインの大樽を貯蔵しておくための倉庫、一階と二階は外の階段でつながっています。かつて村はワインの産地でしたが、1880年頃、害虫フィロキセラによって、ぶどう園が壊滅的な打撃を受けてしまいます。


映像は→こちら


 ここでは、2003年頃から、ワイン生産の再生をめざして活動が開始されています。フランスのワイン地図に再登場する日も近いかもしれません。


 映像の終わりの方で登場した女性は、Guy de Lasteyrie du Saillantの子孫です。



******** フランス人のつぶやき *******

「今日、ブルターニュ旅行から車で戻る途中、新しく手に入れたGPS機能付き携帯を試してみることにした。わざと田舎の道に迷い込んで道が分からなくなったところで携帯を見ると、『位置が確認できません』と言う。これからどうしたらいいの???」

VDM (Vie de merde)より


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コレーズ県の小さな村 その1 〜ボーリュウ=シュル=ドルドーニュ〜 [リムザン地方]

 夜が少しだけ涼しくなったような気がしますが、まだまだ暑いですね。
 秋が待ち遠しい今日この頃です。

 さて、お菓子のシリーズと平行して、地方の小さな村シリーズも進めます。
 
 フランス中南部のコレーズ県。日本での注目度はいまひとつですが、緑に恵まれ、最も美しい村に登録された村が3つもあります。この3つを含めた下記の5つの村を順に紹介していきます。 
France_Correze.jpg correze3.jpg

 第一回目は、南部のこの村です。

ボーリュ=シュル=ドルドーニュ
(Beaulieu-sur-Dordogne)
Beaulieu.jpg
Photo by Thierry Baubet (from Wikipedia) 
パリ→ブリーヴ・ラ・ガイヤルド(Brive La Gaillarde)(列車で4時間10分ほど)
ブリーヴ・ラ・ガイヤルド→ボーリュ=シュル=ドルドーニュ(バスで1時間10分)

 写真でも分かるように、村はドルドーニュ川沿いにあります。そして、「ドルドーニュ川の美しい場所」(Beaulieu-sur-Dordogne)というその名の通り、美しいその姿を、静かに川の水面に映しています。

 

 ここには9世紀半ばに立てられ、12世紀に改築されたベネディクト派の修道院サン・ピエール修道院があります。ロマネスク様式の教会堂の南扉口のタンパンは、キリストの復活を描いたみごとなレリーフで装飾が施されています。

Saint-Pierre2.JPGSaint-Pierre1.JPG

         南扉口                  後陣

 ここを訪れた旅行者は、人は親切で村は静か、美しい風景を眺めながらのんびりバカンスが過ごせると言います。


 映像は→こちら


 この村はイチゴの産地でもあり、毎年5月にはイチゴ祭りが開かれます。

blason.jpgfraise1.jpg

fete-de-la-fraise1.jpg


 そして、夏の間、毎週月曜日は観光客と地元の人たちが一緒にピクニックをするそうです。



******** フランス人のつぶやき *******

 

「今日、車で家に帰る途中、弟から電話がかかってきた。村の入り口辺りに警官が二人立っていると言う。確かにいた。なにしろ、電話をしながら車を運転していたとして、2点の減点になってしまったんだから」

 

VDM (Vie de merde)より

 



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中世の城塞を訪ねて その5 〜ヴィルモンテ城〜 [リムザン地方]

 シリーズ最後は、フランス中部クルーズ県にある城塞を訪ねます。
Paris_Villemonteix2.jpg

より大きな地図で Chateau de Villemonteix を表示

    パリスイヤック(Souillac)(列車で約5時間)

    スイヤック→城(約37キロ 車で約44分)

 

 

冬のヴィルモンテ城

 

長方形の住居用建物の回りを円柱の塔が囲んでいます。

中に螺旋階段がある塔もあります。

Villemonteix.jpg

photo by Mjoubert (from wikipedia)

 

 中世初期、商人たちは、ここから約15キロほど西にあるアアン(Ahun)に荷物を運ぶためにクルーズ川渓谷の道を通っていました。ちょうど通り道に当たるこの地方の領主は、この商人たちから通行税を徴収していました。そして、この城塞ができたことでさらに管理しやすくなったそうです。

 

 これは15世紀末期の城ですが、入り口にある2つの小塔に13世紀の名残が認められるそうです。


 現在の所有者は城を住まいとして使っていますが、壁や祭壇などあちこちに中世のものが残されています。また、部屋の装飾として使われていたタピスリーや、城の古い土地台帳もあります。この台帳の中には1481年のものもあるそうですから大変貴重な資料です。


映像は→こちら


 この城は、1888年に売却されてから数年は農場の倉庫になっていたこともあるそうですが、1946年に国の歴史的建造物に指定されます。1982年に現在の所有者になってから一般に公開されるようになり、少しずつ修復され調度品が揃えられるようになったそうです。


 こういうお城は、購入額は思ったほどは高くないようですが、修復と維持にかなりの費用がかかるようです。国の補助や見学者からの入場料などで費用を工面しながら、少しずつ修復するというのが現状のようです。


Chateau de Villemonteix

23150 Villemonteix

Tel&Fax: 33 (0) 5 55 62 33 92


オープン:復活祭~11月1日 毎日10:00~12:00、12:00~19:00

料金:€6.50



******** フランス人のつぶやき *******

「今日、駐車代0.80ユーロをカードで払おうとしたら1ユーロ以上でないとダメだという。しかたがないから銀行にお金を引き出しに行って戻ったら、駐車代が1.50ユーロになっていた」 

VDM (Vie de merde)より 



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