ベルギーのグルメ その2 [ベルギー]
シリーズの二回目は、ブリュッセルから南東へ60キロほど移動し、アルデンヌ地方の玄関口と言われるナミュールにあるレストランLe Temps des Cerisesを訪ねます。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年2月25日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
お客さまで賑わうレストランの店内。すでにワインのボトルが一本空いてしまいました。
そこへ登場したのがフライドポテト。
「フライドポテトはフォークで食べるものではありません。手でつまんで食べるもの。その方がずっと美味しい!」と男性客。
シンプルでボリュームたっぷりの料理がこの店の特色。
「皆でわいわいがやがやおしゃべりしながら食事をしてもらうというのがいいんです」と本日のシェフのドミニクさん。
この地にお店を開いて26年になるそうです。
川の流れる美しいナミュールの街を歩いて向かった先は・・・小さなビール工場Brasserie Caracole。
小さな工場ですが、18世紀創業の長い歴史を誇る由緒ある工場です。
しかも昔ながらの製造法でビールを作っている数少ない工場の一つです。
「タンクの麦芽入り水を薪の火で温めます。蒸気で温めたものとはまた違った味わいになります」と工場のフランソワさん。
このビールが様々な料理のヒントになります。
厨房へ戻ったドミニクさんが作ってくれる料理は、エスカルゴ添えトラウトのフィレとビール風味のソース。
まずはベルギーチコリを刻んだらバターを引いたフライパンで炒めます。
同じようにジャガイモもフライパンで炒めます。
トラウトのフィレはまず強火で皮の方から焼いて行きます。ひっくり返したら弱火にして火を通しますが、通しすぎてはいけないようです。
ソースは、ムスリンヌソース(バターとレモン果汁と卵黄に塩・こしょうを加えて作ったオランデーズソースに、泡立てた卵白か生クリームを合わせたもの)にビールを適量加えながら作ります。
これをお皿に盛りつけたら出来上がり。
エスカルゴはナミュール産だそうです。トラウトと一緒に食べるんですね。
レストランのもう一つのスペシャリテがナミュール風カスレ。
さらに豚の鼻の料理もあります。
そして、デザートは、ブランデー入りコーヒー、さくらんぼのパフェ、カルバドスでフランベしたアイスクリーム添えタルトでした。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、事務所の経費をチェックしていると、レストランで会議(4人分)というレシートが出て来た。ウチの部は全部で5人。そう言われると会議のあった日、皆が私に言ったっけ。『今日は外で食べて来る』」
VDM (Vie de merde)より
ベルギーのグルメ その1 [ベルギー]
冬の中でも一番寒い月と言われる二月も今日で終わり。明日からはいよいよ三月です。
寒い日はまだまだあるようですが、一歩一歩春に近づいていることだけは確かです。
さて、今日から、ベルギーのグルメを5回シリーズで紹介します。まずは首都ブリュッセルのレストランから始めましょう。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年2月24日に放送)
映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。
ブリュッセルと言えば、世界遺産にもなっている広場グラン・プラス。
本日紹介するレストランのシェフ、パトリックさんは、子供の頃からここを行ったり来たりしていたそうです。
チョコレートにビールにフライドポテト、首都にあるグルメの味は身体で覚えています。
シェフの向かった先は魚介類のお店。お目当ては穫れたてのムール貝です。
「ムール貝を一番たくさん作っているのはオランダ人で、一番食べているのはベルギー人とフランス人ですよ」とパトリックさん。
ムール貝はフランスでも養殖していますが、ベルギーの場合はオランダからの輸入なのですね。
ムール貝を仕入れたパトリックさん、グランプラスのすぐ近くにある自分のお店Chez Patrickの厨房で調理してくれます。
作ってくれるのは、ムール貝料理の基本中の基本、ムール・マリニエール(moules marinières)。
まずは玉ねぎ、セロリを刻みます。鍋にムール貝を入れ、エルブ・ドゥ・プロヴァンス(ハーブ)、コショウ、バター、水少々を加え、フタをして10分ほど火にかけると出来上がり。
見るからに美食家のお兄さん方二人が美味しそうにムール貝を食べていました。
ムール貝につきものなのがフライドポテトです。フライドポテトと言えばベルギーの名物。
二度揚げするのが美味しいフライドポテトを作るコツ。回りはカリッと、中はホクホクのフライドポテトが出来上がります。
もう一つのお店のスペシャリテがワーテルゾーイ(Waterzooi)。
鶏肉をクリームソースで柔らかく煮込んだシチューのような料理です。
もともとはベルギー西部のゲント地方の郷土料理だそうです。寒い冬にはぴったりのお料理ですね。
さらに別のスペシャリテがストゥンプ(Stoemp)。
ジャガイモと野菜とベーコンを茹でてつぶした料理。上にのったソーセージとベーコンが美味しそうです。
ボリュームたっぷりのこの料理は、ベルギー南部アルデンヌ地方の郷土料理。
「ここの料理はお祖母さんの代から作られて来た伝統の料理ばかりです」と男性客。
お供の飲み物は、やはりベルギービールのようです。
最後はデザート。一つ目がアイスクリームとビスケット。二つ目が、ジャムのクレープ。
そして三つ目が生クリームたっぷりのワッフル。
ベルギーのデザートも回ってました。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、私の彼に『愛してるわ』と優しく言った。彼も『僕も愛してるよ』と言って、にやりと笑うと付け加えた。『もっと愛してるのは・・・ビールだよ』」
VDM (Vie de merde)より
フライドポテトが世界遺産? [ベルギー]
今やベルギーの名物となったフライドポテト。
11月25日〜12月1日まではフライドポテト週間だそうです。
これを企画しているのが、全国ベルギー・フライドポテト連合(Unafri)。
連合の野望はこれだけに留まりません。ユネスコの世界遺産への登録を目論んでいるとか。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年11月28日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
さすがTF1の午後1時のニュース取材班。
首都ブリュッセルに取材にでかけるかと思いきや、ベルギーでも地方へと出かけて行きます。
それはさておき、美味しそうなフライトポテト。外はカリッとして中はホクホク。
「もう食べるのが習慣みたいになってますよ」と男性。
車でジャガイモを運んで来たのはソフィーさん。
18ヘクタールの畑でジャガイモを作っています。
こうして毎朝、専門店に納品しています。皮をむいて真空パックにして納品なんですね。
「フライドポテトはベルギーの名物になってますよ。皆、それが自慢です」とソフィーさん。
一方、お店をまかされているのがヴェロニクさん。
例のところてん式スライサーであっという間にポテトをスライス。これを油で揚げて行きます。
一週間に約1トンのジャガイモを揚げるそうです。すごい量!
それだけたくさんの人が食べてるということでしょうか?
「今ではベルギーのシンボルのようになっています。それに、フランスとは作り方も違うんですよ」とヴェロニクさん。
フライドポテト発祥の地は、ブリュッセルかパリかで議論になっているそうですが、果たしてユネスコの世界遺産登録なるか・・・。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、6歳の姪っ子に、『あれ見て!』をやられて、お皿のフライトポテトを持ってかれてしまった。しかも4回も」
VDM (Vie de merde)より
ブリュッセル その3 [ベルギー]
少し前、フランス人俳優のジェラール・ドゥパルデューが、高額な税金を逃れてベルギーに移住しようとしていることが大きな話題になりましたが、ベルギーに移住するフランス人は少なくないそうです。その理由は税金逃れというだけではなさそうです。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年2月17日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
フランス人のフィロメーヌさんは7年前からご主人のピエール=ユベールさんとブリュッセルに住んでいます。
「ここは100平米ほどあります。家賃は税込みで900ユーロです」とフィロメーヌさん。
「他ではこんな家賃では借りられないですからね」とご主人。
これがパリだったら、少なく見積もっても2,000ユーロはするそうです。
さて、ブリュッセルで一番パリ風な町がイクセル(Ixelles)です。
プラス・フラジー(Place Flagey)からイクセル池(Étang d'Ixelles)にかけての落ち着いた佇まいが、フランス人の好みにピッタリなのだとか。
「ここではすぐに打解けられますよ。近くのお店の人なんかは顔を覚えてくれて挨拶してくれます。パリではそういうことはないですね」とフィロメーヌさん。
そのフィロメーヌさんが案内してくれたのがお気に入りの本屋さん。ここはマンガが中心のお店です。
そのお店のオーナーはと言えば、数年前にブルターニュからやってきました。
ブリュッセルには約20万人のフランス人が暮らしており、ベルギーの国籍を取る人はわずかですがいるそうです。
国籍を取得させるかどうかは、まずは議会が吟味するそうです。
国籍を取るには前提条件があります。まずは少なくとも3年はベルギーに住んでいなくてはなりません。もしそうでない場合は、それに匹敵するような強い理由を証明しなくてはなりません。
ベルギーに仕事や文化やスポーツなどで貢献してくれそうな場合などはより国籍を取りやすくなるとか。
そうして国籍を取得したのがアラン・ルフェーヴルさん。もともとはフランスの高額な税金から逃れるための手段でした。
そして、6年前から、ベルギーに住むフランス人向けの雑誌ジュリエット&ヴィクトールを発行しています。部数は65,000部。
女性編集長オレリーさんもフランス人です。
この日はベルギーでも有数の高級婦人服デザイナーの店を取材に向かいました。この店はフランス人に人気だそうです。
どうやらベルギーとフランスの橋渡し的な役割の担っているのがこの雑誌のようです。
オレリーさんによると、フランス人が税金逃れのためにベルギーにやってくるのを、ベルギー人はあまり愉快に思っていないらしい・・・。
さて、ブリュッセルと言えば、パリからそう遠くないことでも知られています。あの高速列車タリスのおかげで、日帰りも簡単にできます。
それを活用しているのが、ベルギー人と結婚しているエレンさん。
「私は昼間はパリで仕事をしてます。仕事をしていない人でも、気軽に友人に会いにパリまで行けますから便利になりました」
最初に登場したフランス人夫婦は、夜になるとフランス人の経営するワインバーでおしゃべりや冗談を飛ばしながら楽しいひとときを過ごします。
なにやかや言っても、フランス的な雰囲気の環境が一番心休まるのかもしれません。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、ゴミの重さに従って各家庭に課税される税金ができて三ヶ月になる。なぜだかうちの税金がどんどん高額になりおかしいと思っていたところ、隣人がウチのゴミ箱にゴミを捨てている現場を見てしまった」
VDM (Vie de merde)より
ブリュッセル その2 [ベルギー]
一見、平和そうに見えるベルギーですが、その奥に大きな問題を抱えています。
北部のフランデレン地域と南部のワロン地域の対立です。この対立に合わせたように国の公用語も2つ。前者がフラマン語なら後者はフランス語。
そして、ブリュッセルだけがこの二カ国語を使える唯一の場所です。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年2月17日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
フランデレンとワロンの境目に位置する町マレーズ(フラマン語ではマレイゼン)。線引きによってフランデレンに属しています。
取材班がフランス語で役場に電話をしてみると、どうやらフランス語は通じているようですが、答えはフラマン語でしか返ってきません。それもそのはず、職員はフランス語を使うことが禁止されているからです。
ブリュッセルから十数キロしか離れていないのにこんな状況です。
同じように、ブリュッセルやワロンにほど近いフランデレン地域にあるパン屋さんでは、お店の外にフランス語で看板を出すことはできません。
「話すのは良いのですが、看板やパネルはすべてフラマン語でなくてはいけません」とパン屋さん。
「二カ国語で書くわけにはいかないんですか?」と取材班。
「ダメです」とパン屋さん。
昔はきっとフランス語もフラマン語も自由に話していたのでしょう。線引きでこんなことになってしまいました。
さらに複雑な状況になっているのがリンケベーク(Linkebeek)です。
ここはフランデレン地域でありながら、住民の90%がフランス語を話します。町長もフランス語を話しますが、公務ではすべてフラマン語でなくてはなりません。
「行政にかかわる書類はすべてフラマン語で書かれてあります。しかし、住民に対する書類となるとフランス語で対応しています。便宜上の例外というわけです」と町長さん。
同じように首都ブリュッセル取り囲むように並んでいる6つの町はフランデレンでありながら住民の半数以上がフランス語を話す地域。そのため、ブリュッセルと同じように二カ国語が使える地域になっています。
さて、さきほどのリンケベークでは、小学校にフランス語の教師とフラマン語の教師がいるそうです。
「どうしても二つに分かれてしまうのですが、こうすることで二つの文化が混じり合い共存していければと思っています」と町長さん。
二つの言語地域の対立がしだいに激しくなっていったのが1960年代。白黒映像は1963年7月17日の様子です。問題の根深さをうかがわせます。
フランデレンもワロンも皆ベルギー人であることに変わりはないと言いながらも、対立を解消するところまでには至っていません。
フィリップさんとヴィルジニさん夫婦はそれぞれフランス語とフラマン語を話します。現在は首都を離れてフランデレン地域に住んでいます。
「うちではそれぞれが相手方の言葉を理解しようと努力しています。最初は大変ですが、後で楽になりますからね。子供はバイリンガルです」
二つの言葉に引き裂かれた国をなんとかしようとがんばっているのがマンガ雑誌スピルー(Spirou)。創刊から75年という息の長い雑誌です。
この時はちょうどブリュッセルを特集したスペシャル版の準備中。中はすべてフランス語とフラマン語のバイリンガル。
二つの言葉が自由に使える国になるのが一番良いのでしょうが、なかなか難しいというのが現実のようです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、同じヨーロッパでもベルギーとフランスではだいぶ違うということが分かった。ベルギーの路面電車の入り口にあるストップボタンは、電車を降りたい時に押すボタンではないらしい。おかげでひどいフラマン語でヤジられた」
VDM (Vie de merde)より
ブリュッセル その1 [ベルギー]
フランスの北隣にあるベルギー。その首都ブリュッセルについて3回のシリーズで紹介します。
まずはブリュッセルの名所をざっと超特急で訪ねてみましょう。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年2月17日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
夜も明けやらぬ早朝、ジャニンヌさんはある場所に向かいます。
檻の扉のようなものを開けて中に入ると・・・・・あの小便小僧が待っていました。
ブリュッセルの名所中の名所です。
ジャンヌさんのお仕事は、小便小僧に洋服を着せること。今日の小便小僧はベトナムの民族衣装に身を固めました。
お祝い事があるたびに、またベルギーを訪れる外国の首脳に合わせて衣装を変えて来たそうです。
その数なんと900着ほど。私立博物館に行けば見られるそうです。
ブリュッセルには様々な様式の建物が建っています。
金属の異様な姿を見せるのが、1958年のブルッセル万博で作られた記念塔アトミウム。中心から少し北に離れたラーケン公園の中にあります。
そして近代的なビルの建ち並ぶヨーロッパ街。
ここには欧州議会議事堂の真新しい建物があります。
ブリュッセルはアールヌーヴォーの建物が数多くあることでも知られています。
そして何と言っても見逃せないのがグランプラス。
文豪ヴィクトル・ユーゴーが世界で最も美しい場所と言ったほど。
この一画にあるゴシック様式の豪奢な建物が市庁舎です。
そして、ブリュッセルと言えば、フライドポテト。
以前紹介したことのあるお店が登場しました。(興味のある方は→こちら)
大きな手袋をはめたまま、フライドポテトを頬張っている男性もいました。
フライドポテトを見ているうちに飲みたくなるのがビール。
ブリュッセルにはビールの醸造所もあります。
この地域だけで作られているのがランビックと呼ばれるビール。
設備は19世紀のものですが、醸造法はもっと昔にさかのぼるそうです。
そして、街角の建物にはマンガがあふれています。
異質のものなのに、なんとなく古い建物に馴染んでいる感じがしてきます。
最後は、ショッピング。最近は古着が人気だそうです。
番組の合間合間に演奏してくれたグループはベルギーで活躍しているミュージシャンToo much & white notsの皆さん。
「ヨーロッパ以外も含めて様々な国のミュージシャンが集まっているので、それらがミックスされた独特の音楽を作り出していると思います」
確かに、演奏している楽器も多彩ですね。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、ベルギーで働き始めて2ヶ月になる。ボスに良くおぼえてもらおうと朝早く出勤してきた。しかし正午になっても誰一人やって来ないのでインターネットを見て時間をつぶしていた。そして気がついた。今日は祝日だった」
VDM (Vie de merde)より
2012年最優秀フライドポテト [ベルギー]
今やベルギーを代表するグルメの一つとなったフライドポテト。
先日、ネット上で、一番美味しいフライドポテトのお店を選ぶ投票が実施されました。
選ばれたのは首都ブリュッセルにあるMaison Antoine。
グラン=プラスから2キロあまり南東へ行った、欧州議会議事堂の近くのジュルダン広場にあります。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 3で2012年12月14日に放送)
フライドポテト発祥の地はベルギーかフランスか?今でも議論が続いています。
ベルギーでは公開討論会が開かれるほどの関心ぶり。討論会では、フライドポテトの作り方などについて持論を展開する人もいます。
ブリュッセルには50軒ほどの専門店があり、様々なファーストフード店の進出にも負けず繁盛しているとか。
スマホには行きたいお店の情報がすぐに分かる専用アプリもあります。
ちょっとお腹が空いた時につまみたくなるのがフライドポテト。こんなアプリがあれば便利です。
今回の投票で一位を獲得したMaison Antoineは、終戦間もない1948年の創業。
映像に登場した昔のお店は、2坪ほどの小さな屋台。
年経る毎に評判になり、ミック・ジャガーやカトリーヌ・ドヌーヴが食べにくるほどのお店に成長しました。
「ジョニー・アリデー(フランスの国民的ロックシンガー)がフェラーリで乗り付けてきたことがありました。何台もの白バイに付き添われてやってきたんですよ。自分が逮捕されるんじゃないかと思いましたよ(笑)」とお店の方。
使うジャガイモは、ベルギー南部の町バンシュ(又はビンシュ)(Binche)産の特別品種。
バンシュと言えば、あのマルディグラで登場するジルを思い出します(興味のある方は過去記事を→こちら)。ジャガイモの産地でもあったんですね。
このお店の特徴は2回揚げること。
「一回目は130℃〜140℃ほどの油でゆっくりと火を通します。油を切ってよく冷ました後、二回目は180℃の油で1分間揚げます。そうすると、中はふっくらしっとり、回りはカリカリの美味しいフライドポテトに仕上がります」
見るからに美味しそう。
お店の名前は創業者の名前から付けられました。
中はふっくらしっとり、回りはカリカリという作り方は2代目の頃に確立されたそうです。
現在は3代目で、パスカルさんとティエリーさんがお店を引き継ぎました。
ベルギー王も車で食べにやって来たと言いいます。
なんだか見ているうちに無性に食べたくなってきました!
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、娘を連れてフライドポテトのお店に行くと、しばらく会ってなかった友人にばったり出くわした。娘に、あいつはひどく太ってたなと言うと、娘が言った。『パパ、向こうも同じように思ってるよ』」
VDM (Vie de merde)より
世界遺産のカーニバル [ベルギー]
今週の火曜日2月21日はマルディ・グラ。
マルディ・グラでふと思い出すのが、ベルギーの名物男ジルがうじゃうじゃ登場するバンシュ(Binche)のカーニバル。
今年もその映像が届きました。
バンシュはフランス国境に近いベルギーの町。人口は33,000人ほど。
下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年2月22日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら)
マルディ・グラの主役はジル。お揃いの上下に白いずきん。
中には頭の10倍か20倍もありそうなふわふわの飾りの付いた帽子をかぶったジルもいます。
その起源ははっきりしませんが、約1000人ものジルが町の大広場までパレードするのが伝統です。
お供は太鼓と金管楽器で構成されている音楽隊。こちらの皆さんは普段の格好のようですね。
着ぐるみのようなジルになって行進すれば晴れやかな気分になるそうです。
今年で5年目だという方もいました。
ジルになれるのはバンシュの出身者だけ。
そしてひとたびジルになったら、公共の場で座り込んだり、お酒を飲んだりしてはいけません。
子供たちの扮するアルルカンやピエロもパレードに参加します。
手に持っているのはオレンジの入った籠。幸せのシンボルであるオレンジを観客に配って回ります。
ジルが手にしているのはラモンの木の枝。冬を追い払うためのものだそうです。
パレードの取りを務めるのは、奇妙なお面をかぶったジル。奇妙ですがどこか現実味があります。
そして、先祖代々伝えられて来たというのがまた不思議な感じがします。
「この日は先祖のことを思い出す日でもあります」と年配のジル。
今年一番若いジルはエリック君、9歳です。
「ジルになって、見ている人にオレンジを配ると皆が喜んでくれるので嬉しいです」
この日配られたオレンジの量は数トンにもなるそうです。
オレンジをもらった人は大喜び。いくつももらった人もいるようです。
これが日本ならお餅を配るところでしょうか?
人ごみをさけて、アパートの上からパレードを見物する市民もいます。
インタビューを受けているご婦人の手には空になったシャンパングラスが……。
尚、ジルについては去年も当ブログで紹介しています。
ジルが出来上がるまでの詳しい映像がご覧いただけます→こちら。
思えば、去年、記事を書き上げた直後に、あの大地震が起きたのでした。
お面をかぶったジルを見るたび311を思い出します。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、カーニバルのために巨大なトイレットペーパーに扮装した。使ったトイレットペーパーは120個。なのに途中で雨が降り出し、すっかり普通の人になってしまった」
VDM (Vie de merde)より
ブリュッセルのクリスマスと名所を訪ねて [ベルギー]
いよいよクリスマスイヴ。外は冷たい北風が吹いてそれらしくなってきました。
今日はベルギーの首都ブリュッセルのクリスマスを紹介します。
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カーニバル 〜ベルギーの名物男〜 [ベルギー]
ベルギー南部の町バンシュ(Binche)には、カーニバルの名物男がいます。その名は「ジル」。
ジル(Gille)は一人ではありません。サイズこそまちまちですが、同じ格好、同じ顔のジル1000人ほどが、ラモンの木の枝を手に、ドラムの音に合わせて通りを練り歩きます。
衣装は、リンネルの上下に分かれていて、それぞれ、ライオン、王冠、紋章をかたどったフエルトが飾り付けられています。
ジルの起源は誰にも分かりません。謎です。下記写真をクリックして番組をご覧下さい。
日も明けやらぬマルディ・グラの早朝、衣装の中に藁をつめます。福をもたらすというジルはせむし男。藁を詰めるのは奥さんの役割。奥さんなくしてはお祭りは成り立ちません。
支度が出来上がったらシャンパンで祝杯をあげます。時間はまだ朝の5時。
木靴を履いて薄暗い通りに出ると支度のできたジルたちが集まってきます。これから町の人たちを起こしにでかけます。
ジルに扮するのは大人だけではありません。子供もいます。バチスタ君はまだ5歳。今年初めてジルになります。
パレードが始まればお面をかぶります。このお面、特許で保護されているそうで、バンシュ以外で勝手に使うことはできません。この風貌、一体誰が発明したんでしょ?
お面は午前中だけかぶります。午後からは、リドのダンサーもびっくりするほどのふわふわの羽飾りを頭にかぶり、観客にオレンジを投げます。オレンジは幸せの印だとか。
年に一度のマルディ・グラの日に行われるこのお祭りは、夜まで続くそうです。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日はマルディ・グラ。私は花嫁に扮装しました。結婚の準備はできてるよと彼氏に分からせるためです。ところが、あいつは女の子に仮装して、私の見てる前で男の子たちとキスしていた」
VDM (Vie de merde)より