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フランソワ1世を巡る旅 その1 [サントル・ロワール地方]

 今年、フランス国王フランソワ1世(1494年9月12日〜1547年3月31日)が王位についてから500周年目にあたるそうです。


 そこで、今日から5回のシリーズで、フランソワ1世にちなんだお城を訪ねながら、その足跡を辿ることにしましょう。


 第一回目の今日は、2つのお城を訪ねます。

 

Paris_Loiretcher.jpg
 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年7月20日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



 フランス国土を横断するように流れるロワール川。この川沿いにはたくさんのお城があることでも知られています。


 フランソワ1世は王位即位直後から、この川沿いにあるブロワ城(上記地図の緑の星印)で多くの時間をすごしました。


 そして、狩りをするために滞在したのが、ボルガール(Beauregard)という名の小さなお城です(上記地図の赤印)。


 ちょうどブロワから5キロほどのところにあります。


 お城の庭の林を歩いていると、何やらパネルのようなものがぶら下がっています。どうやらクイズを解きながら散歩できるような仕掛けがしてあるようです。


 「“フランソワ1世のシンボルはなんでしょう?” サラマンダーだよ!」


 サラマンダーとは、トカゲのようなドラゴンのような姿をした架空の生き物。サラマンダーと言えばフランソワ1世、フランソワ1世と言えばサラマンダーというくらいにフランスでは有名なようです。


 散策を楽んでいらっしゃるこの方々はスイス人のカップルだそうです。


 フランソワ1世は、即位後まもなくミラノ公国を巡ってスイスと戦い勝利した王様でした。


 「ベネチア人の助けがなかったら勝てなかったと思いますよ」と奥様。


 「スイスには加勢してくれる国がなかったんですな。そうでなきゃ五分五分だったんですがねえ」とご主人。


 そんな王様がたびたび立ち寄ったボルガール城の現在のオーナーがこちらのカップルです。


 お城はルネッサンス様式のこじまりとした建物です。


 このお城の目玉が、二階にある肖像画の飾られた長い回廊。フランソワ1世の死後に城主となったポール・アルディエによって作られました。


 「肖像画は全部で300枚あります。そのうち48枚がフランソワ1世の肖像画です。これらを見るとヨーロッパの歴史がわかります」


 フランソワ1世は、1525年にイタリアの覇権を巡ってカール5世(神聖ローマ皇帝兼スペイン王)と戦いますが敗戦。捕虜となり1年間スペインに幽閉されてしまいます。


 「この時、王の母親が、息子を解放する代わりに孫2人を渡すという決断をしたのです」とガイドの女性。


 「女性の活躍で歴史が作られるというのはたびたびありますね」とツーリストの男性。


 さて、もう一つのお城がヴィルサヴァン城です(Villesavin)(上記地図の青印)


 シャンボール城のモデルになったとか。


 ここにはあのサラマンダーの彫刻がほどこされています。その彫刻のある建物で王様は宿泊したようです。


 「ここを見学してからシャンボール城を見学するとわかりやすいのかもしれません」と見学の女性。


 このお城を建てたのがジャン・ル・ブルトン。王様と一緒にスペインに幽閉されていた人物です。


 そして、シャンボール城の建築を監督したのもこのジャン・ル・ブルトンでした。


 「この方向の9キロ先にシャンボール城があります。ジャン・ル・ブルトンはこの城にとどまり、シャンボール城の建築の様子をここから見守っていたのです」


 ヴィルサヴァン城の台所やいくつかの部屋は16世紀のままに残されているそうです。

 


******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、結婚5周年を記念して、元お城の豪華ホテルにやってきた。部屋に入ると夫がリュックの中からプレイステーション4を取り出した。夫いわく『ここのテレビはどれもフルハイビジョンなんだ。使わなきゃ損だもんね』」

 

VDM (Vie de merde)より




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シャンボール城のブドウ園 [サントル・ロワール地方]

 16世紀、フランス国王のフランソワ1世が立てたお城として知られるシャンボール城。


 この近くに新しくぶどう園が作られることになりました。


 もちろん、ワインを作るためのブドウを栽培するためです。


 ブドウの品種はロマランタン(Romarantin)。あまり耳にしたことのない品種ですが、1519年にフランソワ1世がこの地域に導入したブドウだそうです。

Paris_Chambord.jpg



 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 3で2015年6月15日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。




 シャンボール城から1キロほどのところに耕したばかりの畑があります。そこに苗木を植えつけていきます。


 いちからブドウ畑を作る光景は初めて見ました。


 これだけの苗木を植えるとなると、やはり専用の機械で植えるんですね。


 広さは約6ha。このうち2haにロマランタンが植えられます。


 「ここのブドウは他の畑と違って100%フランス産です。1年前から苗木を育ててきました」とドメーヌの方。


 この品種、19世紀後半に害虫フィロキセラでブドウの木が壊滅的な被害を受けた時期より前に存在していました。


 ドメーヌ・マリオネットで200年間大切に保存されてきた品種だとか。


 因みに、残りの4haにはピノ・ノワールが栽培されます。


 最初のワイン製造は、2019年に予定されています。


 その頃には、小さな苗木が育って、十分な実をつけるようになるということでしょうか?


 そして2019年は、シャンボール城の建設が始まって500年という記念の年でもあります。


 貴重な品種のブドウで作られたワイン、しかもシャンボール城の記念のワインとなると、人気が高まりそう。


 手に入れるのはちょっと難しいかもしれません。


 それにしてもロマランタンという品種のブドウで作ったワインはどんなお味なのでしょう?


 ナレーションによれば、辛口の白だそうですが、こればっかりは飲んでみないとお味の方はわかりません。


 このプロジェクトには環境省が財政援助をしているようで、お城とこのブドウ畑を含む観光コースも作られる予定だそうです。

 



******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、4歳になる息子に、弟に大きなベットを買ってあげたことを打ち明けた。すると息子が言った。『大きなベッド、いいねえ。弟もどんどん大きくなって、そのうち二人でワインやビールを一緒に飲めるようになるねえ』」

 

VDM (Vie de merde)より




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フランス一のバゲット [サントル・ロワール地方]

 今年の「パリで一番おいしいバゲット」のパン屋さんはすでに紹介しましたが(以前の記事は→こちら)、本日は「フランスで一番おいしいバゲット」を作るパン屋さんを紹介します。

 Paris_Luisant.jpg

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2015年4月14日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック



 これがフランス一のバゲット。

 

 中は蜂の巣状で、外側はかじるとカリッと音がします。

 

 オーブンからこんがり焼けたバゲットが出てきました。

 

 このバゲットを作っているのがメガネのお兄さん、トニー・ドレさん(25歳)です。

 

 フランスはちょうどパン祭り(5月11日〜17日)の真っ最中。

 

 そして、10日〜13日にかけて、パリのノートルダム大聖堂前の広場で、バゲット競技会が行われました。

 

 40人の職人さんたちが腕をふるい、最終選考に残ったのが6人。

 

 その頂点に立ったのがトニーさんというわけです。

 

 パン屋さんだった叔父さんから手ほどきを受け、その後、シャルトルの専門学校でパン職人兼パティシエとしての訓練を受け、現在はお店Boulangerie Parisserie Cyril Avert(12 Bis avenue Maunoury, 28600 Luisant)の職人として働いています。

 

 こうしてパンを捏ねて10年あまり。整形する時のこの技がおいしいバゲットを生み出す秘訣だとか。

 

 なかなか繊細ですね。

 

 260度のオーブンで20分ほど焼くと出来上がり。

 

 トニーさんが競技会に出場したのは、このパン屋のオーナーであるシリルさんの勧めがあったから。

 

 「トニーのパン作りに対する情熱には並々ならぬものがあります。誰にも負けない腕を持ち、勝つべくして勝ったと思いますよ」とオーナー。

 

 お客様にとっても、トニーさんの優勝は当たり前のことのようです。

 

 「とっても美味しいの。特に焼きたてはね」と女性客。

 

 バゲットのお値段は1ユーロ(約133円)。

 

 お店は、大聖堂で知られる観光地シャルトルの郊外にあるようです。

 

  

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、息子にパンの皮が食べられるということを見せようとしたら、その皮のせいでむせてしまった」

 

VDM (Vie de merde)より



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アンボワーズの朝 [サントル・ロワール地方]

 シリーズの後は、ちょっと一息つきたいなということで、本日は、ほっとするような風景をお楽しみください。


 ロワール川のほとりの町アンボワーズの美しい朝の映像です。

Paris_Amboise.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年9月16日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合はウィンドウの下にある文字をクリック

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



 夜明けのロワール川。朝日がアンボワーズの町を照らし始めました。


 朝早くから気球にのって空の旅を楽しむ人もいますが、川のほとりに陣取って、コーヒーを飲みながらこの風景をじっくり味わう人もいます。


 「毎朝7時にここに来るんです。朝日と川とお城の眺めを楽しむんです。本当に楽園のようですよ」と英国人のクリスティーンさん。


 川岸の少し高いところに建っているのがアンボワーズ城。


 フランソワ1世がレオナルド・ダ・ヴィンチを連れてきて、すぐ近くのクルーの館に住まわせたことで知られています。


 そして、アンボワーズ城とクルーの館は地下道でつながっています。


 フランス人のシャルルさんは6年も前からこうして朝のお城を見ています。


 「30分毎に風景が違って見えますよ」


 シャルルさんのむこうに見えていたアーチ型の橋も絵になりますね。


 朝の気温は13℃ですが、午後には26℃くらいまであがるそうです。


 9月にバカンスを楽しむ9月派にとってもベストのコンディション。


 そんな人たちが近くのキャンプ場のテントから出てきました。


 この二人、自転車でオルレアンに向かう途中だそうです。お城の見学でもしたのでしょうか?


 そして、キャンピングカーのカップルもいました。


 アルザス地方からやってきたそうです。


 夏休みが終わって見学ピークが過ぎ、アンボワーズ城も落ち着いた姿を見せていました。

 



******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、朝の4時半から8時半まで、10分置きに車の盗難防止の音に起こされた。家を出て仕事に出かける時間になって初めて、あの音は私の車から聞こえていたのに気がついた」

 

VDM (Vie de merde)より




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シャンボール城に宿泊 [サントル・ロワール地方]

 先日、レスキュー隊が訓練に使っていたシャンボール城。


  ロワールのお城の中でも、必見のお城の一つですが、森の中を必死で車を走らせて、やっと本丸にたどり着けると言うくらいの広い敷地を持っています。


 この敷地内に、ジット(田舎の宿泊施設)と呼ばれる宿泊施設ができたそうです。

Paris_Chambord.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年4月6日に放送)(をクリックしても映像が見られない方は→こちら

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。




 こちらがジットです。向かいにはお城が見えます。


 本日はジットにお泊まりになるお客さまがいらしてました。


 オルレアンからやってきた一家です。


 まずはお部屋の案内から。


 一階にはリビングとキッチン&食堂、二階に客室が4部屋とお風呂が2つあります。


 かつてはお城の管理事務所として使われていた建物ですが、中はいたって近代的。


 「お城からそんなに離れていないから、建物がよく見えます」とお母様。


 ジットはもう一つあります。


 お城から5キロほどのところにある建物。5キロ離れていてもお城の敷地内です。


 ここは元羊小屋。すっかり宿泊施設に生まれ変わっています。


 残りの棟もジットに作り替えられることになっています。


 シャンボール城は、あの立派なお城の他にも、敷地内にメンテナンスの必要な建物が50棟ほどあるそうです。


 そういう建物を宿泊施設に変えて、有効活用しようと言うのでしょうか?


 シャンボール城は公共機関からの補助はもらってないそうです。


 その維持と管理費用は、お城の入場料だけでは足りません。


 最近ではお城を貸し切りにすることもできるそうです。お値段は150,000ユーロと少々お高め。


 お城の維持にはお金がかかりますね。


 ジットで得られた収入はお城の維持のために使われるそうです。

 



******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、両親がチュニジア旅行から戻ってきた。お土産を持って帰ると言っていたので楽しみにしていたら、なんとホテルのシャワージェルがお土産だった」

 

VDM (Vie de merde)より




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お城で訓練 [サントル・ロワール地方]

 週末、だいぶ暖かくなったので、梅の名所で知られる近くの公園まで散歩にでかけました。


 梅に混じって杏子の花がさいていました。


 この二つ、何度見ても区別がつきません。そっくりの花でした。


 毎年、春は名のみということが多いのですが、今年は暦とともに春がやって来つつあります。来週末には東京も桜が咲き始めるようです。


 さて、本日の話題は、フランスのレスキュー隊の訓練です。


 訓練は訓練でもお城での訓練。あのシャンボール城で行われました。

Paris_Chambord.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年3月21日に放送)(をクリックしても映像が見られない方は→こちら

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。




 16世紀、フランソワ1世が建てさせたことで知られるシャンボール城。上から見るとこんな感じなのですね。


 お城の高さは56メートルあるそうです。屋上にはたくさんの塔が並びます。


 みごとなお城!と眺める分にはいいのですが、なにかあった時に出動するレスキュー隊に取っては大変な場所です。


 お城の屋上から病気やケガで動けなくなった人を救出する訓練が行われました。


 安全に救い出すことが第一ですが、同時に、大切な文化財にキズを付けるようなことがあってはなりません。


 技術と同時に大変な注意力も要求される仕事です。


 「城にキズを付けない、安全に救出するというのが任務です。こうして訓練することで、それが実現できるようになります」と責任者の方。


 シャンボール城は8ヶ月に渡る修復作業の真っ最中。約20人ほどの人たちが高所で修復作業に当たっています。


 万が一の場合はレスキュー隊の出動が必要になるかもしれません。


 「足場にアクセスするのが難しいんです。それに煙突へのアクセスも簡単ではありません。2011年には暖炉でちょっとした火がでまして、我々消防隊が出動しました」とレスキュー隊の方。


 あんな高い塔からの救出訓練もするんですね。けが人役も勇気が要ります。


 年間78万人ほどが見学に訪れると言うシャンボール城。セキュリティも重要な要素の一つです。

 



******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、救急隊として、急病の女の子を病院に搬送することになった。しかし、女の子が嫌がったため、母親が説得した。『それにね、素敵な男性が一緒について行ってくれるのよ』すると女の子が私をじっと見ながら言った。『う〜、そんなことないわ』」

 

VDM (Vie de merde)より




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ロワールのお城 その5 [サントル・ロワール地方]

 シリーズの最後は、前回のシェムリー城から40キロほど西へ向かった、ロワール川の支流シェール川沿いにあるシュノンソー城(Château de Chenonceau)を訪ねます(下記地図の紫印)。


 ベルサイユ宮殿の次に観光客に人気のお城です。

Paris_Chenonceau.jpg

より大きな地図で ロワールのお城 を表示
 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年2月28日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。




 毎年100万人ものの観光客が訪れるというお城も、冬の朝は静まり返っています。


 聞こえるのは鳥のさえずりと川の音だけ。


 朝7時、技術部門の責任者ジャン=リュックさんが自転車でやってきました。


 もう30年も前から観光客がやってくる前にこうして毎日点検しています。


 一方、オレリーさんはお花の担当です。


 「私の仕事は、毎週新しい花を飾って、動きのある生きた城にすることです」


 そして庭師はお城の暖炉に欠かせない薪を準備します。


 薪は、古くなった庭の木を切り倒して作ります。


 「森の中に庭があり、庭の中にお城があるんです。庭なくしてお城はなりたちませんよ。森と庭と城の3つが一つに調和して初めて本当の城になるんです」と別の庭師の方。


 夏ほどではないもの冬も世界中から観光客がやってきます。


 シュノンソーはフランス国王アンリ2世が愛妾のディアーヌ・ドゥ・ポワティエに与えた城として知られています。


 そして、洗練されたエレガントな城に仕立て上げたのはこのディアーヌだと言われています。


 寝室にはルネッサンス様式の暖炉が備えてあり、当時と同じように薪が炎をあげ部屋を暖めています。


 「外はとても寒いですね。でもお城の中は魅力にあふれていて、時間を旅しているような気分になります」と見学中の女性。


 お城の敷地の中には農場の建物もあります。


 ここではあのオレリーさんが別の生け花を準備中。このアマリリスは、ここで栽培されています。


 お城の花は全部自前。お城の花壇では季節によって様々な花が咲くそうです。


 それにしても美しいお城ですね。人気なのがよく分かります。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

「今日、私の名前は「花」と言います。なのに私は花粉アレルギー」

 

VDM (Vie de merde)より



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ロワールのお城 その4 [サントル・ロワール地方]

 シリーズの四回目は、前回のラ・レモニエールの館からロワール川沿いに80キロほど東へ行ったところにあるシェムリー城(Château de Chémery)を訪ねます(下記地図の黄印)。


 これまでとちょっと趣が変わり、中世を思わせるお城です。

Paris_Chemery.jpg

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 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年2月27日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。




 素朴な佇まいのシェムリー城。


 せっせと修復に励んでいらっしゃる方が現在の城のオーナーで建築家のアクセル・フォンテンヌさんです。


 32年前にこのお城を所有して以来、こうして少しずつ修復してきました。


 修復の基本は、昔と同じ材料を使うこと。


 「回りの環境の中に城が残して来たものを大切にしたいのです。自分の好きなように作り替えたらどうだという人もいますが、そうはしたくないですね。何百年という歴史を経て来たお城ですから、それを大事にしたいです」とアクセルさん。


 シェムリー城は13世紀に建てられました。


 15世紀に一度改築され、革命の直前には農場として使われていたそうです。


 アクセルさんがお城を手に入れたのが1981年のこと。


 それまでの所有者は誰あろう、フランスでは知らない人はいない、あのシンガー・ソング・ライターのアラン・スションだったそうです。


 「初めのころよく見学に来ていたのがアラン・スションのファンでした。皆『彼はどこに座ってたのかしら』なんて興味津々でしたよ」とアクセルさんの奥さま。


 「アランはセカンドハウスとしてこのお城を所有していました。ただ、暖房の設備がよくありませんでしたし、トイレも外についていたりで、あまり住み心地がよくなかったんです」


 修復の作業は大変だったようです。


 ある程度の修復が完了するまでに30年以上もかかりましたが、おかげでこんな素晴らしいお城に仕上がりました。


 そして、宿泊用の部屋も5つほど出来ました。中の調度品はお城の雰囲気に合ったものが揃えられているようです。


 「ここなら日常の生活を離れて、王様や王女様になれますよ」と奥さま。


 昔の版画のコレクションも専門家にきれいに修復してもらい、部屋に飾るようです。


 「お城の中は空っぽですからいろいろ揃えなくてはなりません。それに何かテーマというのがあった方がいいと思うんですよ」とアクセルさん。


 もう受け入れの準備ができたお部屋もあります。


 ここなら中世を満喫できそうです。


 フランスには見学できるお城があちこちにたくさん残っていますが、そのほとんどがこうやって時間をかけて修復されたものなのかもしれません。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

「今日、浜辺でウチの息子が他の子供が作った砂のお城を壊してしまった。その母親がヒステリックに騒ぐので、損害賠償として30ユーロ払うことにしたけど、なんだか変よね・・・」

 

VDM (Vie de merde)より



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ロワールのお城 その3 [サントル・ロワール地方]

 シリーズの三回目は、前回のシャンシュヴリエ城からロワール川を越えて南へ20キロほど行ったところにあるラ・レモニエールの館(Manoir de La Rémonière)を訪ねます(下記地図の緑印)

 

 館(manoir)と言っても、ほとんどお城のような建物。現在は、催し物の会場のほか宿泊施設としても使われています。

Paris_AzayLeRideau02.jpg

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 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年2月26日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。




 宿泊のお客さまを迎えるのはお城の主のような顔をしたネコ。すごいあくび!ネコってあくびをすると一瞬、猛獣になりますね。


 この館は15世紀に建てられました。遠くにはアゼ=ル=リドー城を望むことができます。


 本物の城主は金髪の女性シャンタルさんです。お客さまを案内していざ館の中へ。


 お部屋は全部で6室。そのそれぞれに歴史上の人物の名前が付けられています。


 最初に入ったお部屋は“アニェス・ソレル(Agnès Sorel)”。


 アニェス・ソレルは当時のフランス王シャルル7世の愛人でした。


 王との間には子供が3人いました。そして4人目を妊娠中に亡くなってしまいます。


 後の調べで毒殺されたと考えられています。しかも、王の眠る寝室のすぐ隣りで。


 そのシャルル7世は、1418年にこの館に宿泊したことがあるそうです。


 その後、フランソワ一世もここに逗留したことがあるとか。なかなか由緒ある館です。


 さて、男の子たちが泊まるのは明るい感じのお部屋です。


 歴史を秘めた館に宿泊できるとあって少々興奮気味のようです。


 一方女の子たちは、屋根裏部屋風のお部屋にお泊まり。


 「こうしているとお姫様になったような気分です」


 「し〜んと静まり返っていて、今晩はぐっすり眠れそうです」


 リビングでは食前酒の時間。お酒をいただくのは大人。子どもたちはおつまみのサービスです。


 「こうやって外からの人たちを受け入れています。お城での生活がどんな感じなのか味わっていただきたいのです」とシャンタルさん。


 翌朝の朝食も普通の朝食とはちょっと違う雰囲気でいただきます。


 朝食がすんだら広大な敷地内をお散歩。ガロ・ロマン時代の町の上に作られた館の敷地にはその時代の遺跡が残っているそうです。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

「今日、僕のお尻の上でぐっすり寝込んでいるネコをどうやって起こそうかと考えていると思いついた。大きなおナラをしたら、驚いて飛び起き、爪を立てて一目散に逃げて行った」

 

VDM (Vie de merde)より



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ロワールのお城 その2 [サントル・ロワール地方]

 シリーズの二回目は、トゥールから20キロほどのところにある、シャンシュヴリエ城(Château de Champchevrier)を訪ねます(下記地図の赤印)。


 このお城は18世紀からずっと同じ一族に所有され、現在もオーナーの住まいとして使われています。

Paris_ClereLesPins.jpg

より大きな地図で ロワールのお城 を表示
 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年2月25日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



 朝日に輝くサンシュヴリエ城。


 その朝は、ニワトリではなく犬の鳴き声から始まります。


 すごい数の猟犬。全部で70頭ほどいるそうです。


 毎朝8時、大きな犬小屋の清掃が始まります。


 城は16世紀、廃墟となった城塞の跡に建てられました。1729年に、後にシャンシュヴリエ男爵家となる一族の所有となり、現在も同じ一族の住まいとなっています。


 「私はここで生まれました。当然、この城に思い入れがあります」と現在のオーナーであるピエールさん。


 引退後にこの城で暮らし始めました。


 城の敷地には18世紀の厩舎があります。


 二階に干し草の保存庫があり、必要な時は必要な分だけ一階に落として使うシステムになっています。


 「馬にとっても我々にとっても便利です。こういうシステムは他では見たことがありませんよ」と厩舎担当の方。


 馬は狩猟のない日はここで休んでいるそうです。


 一方、犬たちもいよいよ朝食の時間です。


 すごいですね、犬の群れが整然と食事をする風景は。


 猟犬担当のオリヴィエさん、カリスマドックトレーナーのシーザーさんみたいです。


 「犬はアスリートと同じで、肉体の維持が大切です。それに犬は外で走り回るのが好きですからね」


 ここはもともと狩猟用のお城だったのか、ホールにはたくさんの鹿の角が展示されています。


 このお城はフランス国王ルイ13世がしばらく住んでいたことでも知られています。


 その部屋には豪華なゴブラン織りのタピスリーが7枚飾ってあります。見応えがあります。


 これだけの貴重な文化財を保存するためには、寒さと湿気対策が欠かせないとか。


 やはり維持には大変な苦労と費用がつきもののようです。


 オーナーご夫妻は、18世紀に建てられた別の棟に住んでいます。


 「この城は冬も賑わっているので寂しくはありませんよ」と奥さま。


 冬は狩猟客、夏は観光客と、一年中人の出入りがあるそうです。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

「今日、バスタブでウンチをする癖のあった猫が死んだ。その後、なぜか僕の犬がその癖を引き継いだ」

 

VDM (Vie de merde)より



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