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フランスのバスク地方 その2 〜ビアリッツ〜 [バスク地方]

 シリーズの二回目は、海岸の町です。
Paris_Biarritz.jpg
     パリ→ビアリッツ(列車で約5時間半)

ビアリッツ
(Biarritz)
Biarritz.jpg

 人口約27,000人。世界有数の海水浴地とサーフィンの海で知られています。とは言っても今回は町の話ではありません。ビアリッツを本拠地にする混声合唱団"ITSASOA (イチャショア)"についての話題です。


 合唱団は今から20年前の1990年にビアリッツで設立され、1998年に、この舌を噛みそうな名前が付けられました。itsasoaとはバスク語で“海”のこと。

 団員は全部で60人。レパートリーの八割がバスク地方の伝統的な歌だそうです。そして世界各国でその美しい歌声を披露してきました。CDも出ています。


 映像は→こちら


 ほんとに美しい歌声でした。


 団員が着ていた衣装は、ロンカル渓谷地方の礼服をイメージして作られたものです。下記地図の四角で囲われた部分がロンカル渓谷です。間をスペインとフランスの国境が走っています。

Roncal.jpg

 バスク地方では、歌は日常の生活に密接につながっており、その歌は、自然とともに生きる人々の生活にまつわる素朴なものがほとんどだそうです。そのせいか、団員の中には、正式に歌を習ったのではなく、日常の中で覚えた人たちが多々いるようです。


 その中の一人、ラグビー好きの男性がソロで歌ってくれました。この歌は、大事な儀式の時に歌う歌だそうです。この歌が歌われる間、皆、起立していなければならないそうです。


 尚、ビアリッツは、昔はヨーロッパの王侯貴族が寒さを逃れて休暇をすごすリゾート地として有名でした。下記は、この町のエンブレムのようになっている"Roche de la Vierge(聖母マリアの岩)"です。写真中央の岩の上に白い聖母マリア像が置かれています。

Le_rocher_de_la_Vierge.JPG




******** フランス人のつぶやき *******

「今日、海で気がついたのだが、僕はバタフライには向かないらしい。ライフガードがやって来て、僕を海から引き上げた。どうも僕は溺れたと思われたようだ」

VDM (Vie de merde)より

 



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フランスのバスク地方 その1 〜エスプレット〜 [バスク地方]

 突然とは言いながらも涼しくなってほっとしたかと思ったら、やたら雨の日が多くなってしまいました。しばらく我慢していると秋晴れが待っている???そう願いたいものです。

 さて、今週からTF1でバスク地方を特集しています。面白そうなので、随時、当ブログでも紹介して行くことにしました。いつものように5回シリーズです。まずはこちら。

Paris_espelette.jpg
    パリ→バイヨンヌ(列車で約6時間)
    バイヨンヌ→エスプレット(約24キロ 車で約30分)

エスプレット

(Espelette)

Espelette_Village.jpg

 

 人口約2,000人。以前に当ブログで紹介したことのある村アイノア(→こちら)までは6キロほど。スペインまでは約10キロです。


 ここでは、ちょうど唐辛子の収穫が始まったところです。唐辛子はエスプレットの特産品。1980年くらいからフランス全土に広まり始め、2000年6月1日からは正式にAOCのラベル入りで販売されるようになりました。胡椒ほど辛くなく、香りはその10倍もあるそうです。


AOC_Piment_d'Espelette.jpgEspelette_Euskadi.jpg

         AOC付き唐辛子    乾燥させるために家の壁面に辛子の束がかけてある


 今年は雨が少なく低温が続いたため、収穫の開始がいつもより遅くなりました。


 雨が少なくても、ひどい干ばつにならない限り、水やりはしないそうです。自然のまま育てるというのがAOCのルールです。唐辛子には畑の土の香りが反映されるため、畑によって異なる個性豊かな唐辛子が育ちます。


 映像は→こちら

 

 映像に出て来た畑では年間5~7トンの唐辛子を生産しています。

 当初は25軒の農家で始めた唐辛子栽培ですが、現在では150軒にまで増えました。村には遠くから旅行者もやってきます。


 この地方では、昔から、胡椒の代わりにこの唐辛子を様々な料理に使っていました。中でもオムレツに入れるのが理想的だそうです。香りが味を引き立てるのでしょう。パンにも入れたりするそうです。


 南米原産のこの唐辛子、16世紀か17世紀頃にこの地方に渡ってきました。最初は薬用に、その後料理の味付けに、さらには肉やハムの保存用に使われたそうです。


 現在、この地域の10のコミューン(アイノアを含む)で栽培されているそうです。AOCの正式名称は“piment d'Espelette”(ピマン・デスプレット)。


 唐辛子の収穫は11月まで続き、収穫した唐辛子は香りを出すために乾燥させ、砕いて粉にします。生のまま、ヒモで束ねられ販売されることもあります。


 エスプレットについて調べていたら、面白い教会があることを発見しました。

サン=テティエンヌ教会

(L'église Saint-Étienne)

Espelette_église.JPG

 17世紀に立てられた教会です。目を引くのは内部。木製のギャラリーは三階まであり、天井は全面に絵付けされています。国の歴史的建造物に指定されています。本物が見てみたくなりました。

Espelette_église_interieur.JPG

 

******** フランス人のつぶやき *******

「今日、バスク地方の山に遊びにでかけた。小さな列車に乗って頂上までいき、帰りはちょっとした山歩きを楽しもうと歩いて下山することに。山を下りてびっくり。なんとそこはスペイン。4時間の苦行の果てにやっとフランスに戻ったのだった


VDM (Vie de merde)より

 



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フランスの小さな村 〜 アイノア 〜 [バスク地方]

アイノア
(Aïnhoa)

Paris_Ainhoa.jpg

    パリ→バイヨンヌ(列車で約6時間)
    バイヨンヌ→アイノア(約28キロ タクシーかレンタカーで約30分)

Ainhoa.jpeg

 バスク地方の、スペインとの国境に近い小さな村です。「最も美しい村」の一つに登録されています。人口は700人ほど。村ができたのは12世紀頃。当時は、イングランド領だったバイヨンヌとフランス領だったナヴァールを結ぶ中継地としての役割を果たしていました。その後、三十年戦争(1618-1648年)で破壊され、後に再建されますが、それ以前の建物で現存しているのは、教会とMachitorénéaの家だけだそうです。

 地元の人からはラ・カリカ(la Karrika)(ロマン語で「荷車のための道」という意味)と呼ばれている村の大通りには、個性的な木組みの家が並んでいます。捕鯨のためにアメリカに渡ったバスク人の稼いだお金で建てられたそうです。バスク地方には、この地方独特のEtchéa(エチェア)(バスク語で「家」の意味)と呼ばれる大きな家があり、3、4家族が一緒に住めるそうです。


 映像は→こちら(4分弱、冒頭にCMあり)


 墓地の墓石の形が印象的ですが、丸い石に十字架が彫ってあるのがバスク地方の特色です。


 そしてガトー・バスク(「バスクのお菓子」という意味)。映像の最後に出て来たおじさんのおばあさんが作るガトー・バスクは評判になるくらいおいしかったそうです。


 ボルドー近郊のタランスという町のお菓子屋さんが作るガトー・バスクの映像をみつけました。ご覧ください。簡単に言うと、カスタードクリームをパイに入れて焼いた感じのものですね。一度パリのバスク料理のお店で食べたことがありますが、おいしかった記憶があります。



 アイノアは小さな村ですが、2006年版の赤いミシュランガイドに出ています。ホテルを見てみると、星付きのレストランのあるホテルがありました。(→こちら

 17世紀の農家をリフォームしたホテルだそうです。そしてレストランには星が一つ付いています。2006年度版なので今も星を維持しているかどうかは不明。



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