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ノール県の居酒屋巡り その4 〜歌とダンス〜 [ノール=パ=ドゥ=カレ地方]

 シリーズの最後は、賑やかな音楽でいっぱいのエスタミネ(フランドル地方の居酒屋のこと)。

 

 人口2,300人ほどのカセル(Cassel)という村にありますが、お店の名前は不明です。(下記地図の紫印)

Paris_nord.jpg

 

より大きな地図で ノール県のエスタミネ巡り を表示
 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年1月5日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 歌を歌っているのはこの店のオーナーのフィリップさん。元郵便局の局長でした。
 
 ずっとエスタミネをオープンしたいと思い続け、11年前に奥さんと一緒にその夢がかなえました。
 
 「楽しいことをしてお金が稼げるなんて、最高ですよ」とフィリップさん。
 
 厨房は奥様の担当。どうやら職場結婚だったようで、こちらも元郵便局局員。
 
 「お客さんに喜んでもらえる仕事ができて嬉しいです」
 
 そのお客樣方、今度はダンスで盛り上がってました。
 
 ここへ来るお客さんは、ビールや食べ物だけでなく、歌や踊りも楽しみにしているようです。
 
 この店は、液晶画面がいくつか設置されていたり、ミラーボールが回っていたりと、これまでのエスタミネに比べると少々現代的ですね。
 
 でも、お店一杯に流れる音楽はこの地方独特のもの。
 
 今回はフィリップさんの歌が聴ける特別の夕べだったようです。
 
 さて、エスタミネは、ビールを飲みながらフランドル地方の郷土料理を食べるというのが基本スタイルですが、このビールの製造は、19〜20世紀にこの地域で始まったそうです。
 
 醸造所のある村や町はノール県だけで150近くあり、お隣のパ=ドゥ=カレー県もいれると、300以上になります。その中の4つが下記のビールです。 
 Jielbeaumadier bieres du nord 2008
 
 フタがコルクでスパークリングワインのようです。左から:
 
 3 MONTS(ノール県 ゴールデンビール)
 CH'TI(パ=ドゥ=カレー県 ゴールデンビール
 la Goudale(ノール県 ゴールデンビール
 JENLAIN(ノール県 アンブレ)
 
 楽天で検索してみましたが、さすがに出てきませんでした。
 
 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、保育園で働いていますが、3歳になる子供たちに、単純にビンだけを描いた絵を見せながら何に見えるか聞いてみた。すると、8人のうち4人が『ビール』と答えた」

 

VDM (Vie de merde)より



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ノール県の居酒屋巡り その3 〜ゲーム〜 [ノール=パ=ドゥ=カレ地方]

 シリーズの三回目は、食後の娯楽。

 

 フランドル地方の伝統的なゲームが楽しめるエスタミネHet Blauwershofは、人口2,000人の小さな村ゴッドヴァルスヴェルド(Godewaersvelde)にあります。(下記地図の緑印)

Paris_nord.jpg

 

より大きな地図で ノール県のエスタミネ巡り を表示
 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年1月4日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 お店のお客樣方がカルボナード・フラマンドを食べ終わり、食後のコーヒーが運ばれてくる頃、さらに店内は賑やかになります。
 
 この店では、フランドル地方に伝わるありとあらゆる伝統的なゲームが楽しめます。
 
 まず登場したのがBillard Nicolas(ビヤール・ニコラ)。
 
 1894年にNicolas Redlerという人物によって考え出されました。
 
 丸いボードの4カ所に丸い小さな穴が一つずつあり、その上に空気を送り出すふいごのようなものを取り付けたらゲームの開始です。
 
 ふいごから空気を勢い良く出しながら、コルクで出来た小さなボールを敵方の穴に落とします。
 
 落とされた人にポイントが入ります。このポイントが一番少ない人が勝ちです。
 
 大人も子供も一緒になって遊べる単純なものが多く、全部で10種類ほどあるそうです。
 
 丸い木のボールを二本の棒の上で転がしていたのは、ロールアップ(roll-up)と呼ばれるゲーム。
 
 ボールを落さず遠くまで転がすほど高得点がもらえます。
 
 また、コマを回しながらピンを倒して行くゲームはToupie des indes。
 
 丸いチップを穴に投げ入れるゲームはGrenouille(カエル)と言います。
 
 カエルの口にチップが入れば2,000点がもらえます。かなり使い込まれていましたね。
 
 次に登場したのがLes Marteaux(ハンマー)。最初に登場したビヤール・ニコラに似ていますが、ふいごではなく木製の小さなハンマーを使います。
 
 このハンマーで相手方のゴールにシュートしたり、自分のゴールを守ったりします。
 
 店のオーナーのフィリップさんは、地域の財産としてこれらのゲームを保存して行かなくてはならないと言っていました。
 
 最後に登場したゲームはPipe à la tête。
 
 皆さんが手にしていたのは喫煙パイプ。
 
 2色に塗られた2つのサイコロを転がし、両方とも赤い色が出たら、すばやくパイプでテーブルにある円錐形のコインのようなものにフタをします。
 
 プレイヤーは4人。円錐形のコインは3つしかありません。ちょっとした椅子取りゲームですね。大盛り上がりでした。
 
 ゲームの後のデザートがおいしそうでした。
  
  

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日は、甥っ子の誕生日だった。甥っ子はいつもビデオゲームをもらい慣れてるし、その手のものをプレセントする気にならなかったので、人生ゲームにした。甥っ子はそれをじっと見つめたかと思うと言った。『おじちゃん、気にすることないよ。おじちゃんが貧乏なのはわかってるから』」

 

VDM (Vie de merde)より



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ノール県の居酒屋巡り その2 〜郷土料理〜 [ノール=パ=ドゥ=カレ地方]

 シリーズの二回目は、エスタミネ(フランドル地方の居酒屋のこと)の料理。ここではフランドル地方の郷土料理が味わえます。

Paris_nord.jpg

 

より大きな地図で ノール県のエスタミネ巡り を表示
 

 フランドル地方と言えばベルギーを思い浮かべますが、このノール県のほとんどが、ベルギーの北西半分と一緒に、かつてフランドル伯の領土に含まれていました。

 

 今でこそ国境で分かれていますが、昔はベルギーと一緒だったわけです。

 

 フランドル地方の伝統料理を求めて、次のエスタミネL'Auberge Flamandeを訪ねます。

 

 オーベルジュのあるカーストル(Caëstre)は人口1,800人ほどの小さな村。(上記地図の赤印)

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年1月3日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 オーベルジュL'Auberge Flamandeのお食事処がエスタミネ風になっています。
 
 こちらも天井にはドライフラワー。お肉を焼く暖炉もあります。
 
 窓の外は寒い冬ですが、家族や仲間がテーブルを囲むお店の中は温かです。
 
 最初に登場したお肉の盛り合わせのような一皿がpotjevleesch(ポッチェヴレーシュ?)(肉のプチ鍋)。
 
 4種類の肉(豚、ウサギ、鶏、子牛)を、ビール、白ワイン、ヴィネガー、人参、香辛料(ジェニパー、タイム、ローリエなど)を加えたブイヨンで3時間ほどことこと煮たもの。
 
 どうやら保存食の一種のようで、できあがったら素焼きの壷にいれて保存しておき、刈入れ時の忙しい農家の人たちの食事になっていたそうです。
 
 お肉は冷たいままを野菜と一緒にいただきますが、フライドポテトと一緒に食べるのが一般的。
 
 煮こごりにおおわれたお肉が美味しそうでした。
 
 厨房では、この地方で作られたソーセージを焼いていました。
 
 フォワグラのソースとパン・デピスでいただきます。
 
 そして、次に登場したのが、Carbonnade flamande(カルボナード・フラマンド)。
 
 牛肉を、玉ねぎとブラウンビールを入れたブイヨンで煮込んだ料理。
 
 口に入れるととろけるような柔らかい肉なので、スプーンだけで食べられるそうです。
 
 このお店の名物料理がモツの串焼きと豚の脇腹肉のロースト。どれもフランドル産。
 
 豚の脇腹肉はあれで一人分。量といい姿といい、日本ではあんな風にして出て来ないですね。
 
 あばらについたお肉をかじってましたが、さすが肉食。
 
 別のお客さんは骨の髄の料理を食べていました。ぶつ切りではなく縦切り。食べ易そうです。
 
 そして、料理のお供にかかせないのがビール。
 
 ゴールデン、レッド、ブラウンの3種類。小さな醸造所で作られているそうです。
 
 お味はベルギービールと同じでしょうか?
  
  

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、スーパーに来て考え事をしながら歩いていたら、自動的にビール売り場に来てしまった。ほんとはシリアルを買いに来たのに」

 

VDM (Vie de merde)より



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ノール県の居酒屋巡り その1 〜インテリア〜 [ノール=パ=ドゥ=カレ地方]

 ベルギーと国境を接するフランス北部には、エスタミネ(estaminet)と呼ばれる形態の、カフェのようなレストランのようなお店があります。

 

 日本語で言えば「居酒屋」のようなところ。

 

 ベルギー、フランス北部ノール=パ=ドゥ=カレー地方、ピカルディ地方で多くみかけるお店です。

 

 ここでのアルコール飲料は主にビール。

 

 今回はノール県にあるエスタミネ4つを4回のシリーズで、下記地図の青→赤→緑→紫の順に訪ねます。

 

 まずは、クワエディプル(Quaëdypre)にあるエスタミネLa Taverne de Westhoeckの個性的なインテリアを見てみましょう。

Paris_nord.jpg

 

より大きな地図で ノール県のエスタミネ巡り を表示
 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年1月2日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 窓際には古い目覚まし時計のコレクション、暖炉兼かまどにはローストしたブタのすね肉。
 
 そして天井には、ありとあらゆるキッチン用品がぶら下がっています。かつて使われていたものだそうです。
 
 そして、飯ごうもあります。この辺りにはかつて鉄工所や炭坑があり、そこで働く労働者が食べ物を入れて仕事にでかけていったそうです。飯ごうというより弁当箱のようなものですね。
 
 お客さんがなつかしそうに見て行くそうです。
 
 壁には家族の古い写真と一緒に鍋や水差しが飾ってあります。
 
 また天井にはドライフラワーもぶら下がっています。
 
 なんとなく皆で集まって仲良くお食事という雰囲気が漂います。
 
 これがエスタミネの特徴。
 
 フライドポテト、煮こごりソース付きのお肉をお供にビールで乾杯すれば楽しい食事が始まります。
 
 「天井のやかんを見ると子供の頃を思い出すわ。おばあちゃんがよく火にかけてましたよ」と女性客。
 
 「かつてこの辺りで使われていたものが全部このお店にあり、昔の生活がよみがえるんですよ」と男性客。
 
 ここはちょっとしたアンティークショップのようでもあります。
 
 Superslipの文字の入った缶。昔、この中に男性用下着(ブリーフ)が入れられ売られていたそうです。
 
 お店の中をうろうろしてみると思いがけない面白いものがみつかるかもしれません。
 
 次回は、エスタミネで出される料理についてです。
  
  

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、学食で並んでいると、化学の教授が私の前に割り込んだかと思うと、フライドポテトの最後の一皿を取って行ってしまった。教授は私を見ながら言った。『君の答案に20点プラスしておくよ!』」

 

VDM (Vie de merde)より



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キャバレー2011 〜カノン・ドール〜 [ノール=パ=ドゥ=カレ地方]

 シリーズの二回目は、ベルギーはすぐそこという、フランス北部のノール県にあるキャバレーCanon d'Orです。

 

 ここの主役は、ニコとデンジーの二人。

 

 デンジーが華やかな衣装をまとった歌姫なら、ニコは司会進行のスペシャリスト。


Paris_Lambersart.jpg

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2011年12月27日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら



 ランベルサールは人口30,000人ほどの町。
 
 キャバレーがオープンしたのは8ヶ月ほど前のこと。
 
 しかし、この建物にはすでに100年の歴史があります。
 
 敷地全体が公園で、1910年に造られた建物は、あずまやのようなもの。
 
 当時、ランベルサールの人たちはここにやってきてはのんびりと時間をすごしたそうです。
 
 そして、子供たちが公園で遊んでいる間、大人たちはあずまやでビールを飲んだり食事をしたりしました。
 
 第一次大戦後、民間会社に買い取られ射的場(弓矢)になりますが、1930年代から1940年まではダンスホールとして使われました。
 
 第二次大戦後になると今度は映画館として生まれ変わります。
 
 1960年代の終わり頃からは、映画の他に、歌やダンス、さらには曲芸などのショーもおこなわれ、町の一大娯楽施設になっていました。
 
 その間も、回りには田園が広がっていたそうです。

 そして、2011年5月、ニコとその仲間たちがキャバレーとして新しくオープンさせました。
 
 ここの名物は、どうやらニコとデンジーの掛け合いのようです。
 
 皆さん、大笑い。
 
 「こんな不況の時期だからこそ、こういう笑いが必要よ」とお客さんの一人。
 
 「とっても分かりやすいから面白いわ」と女性。
 
 食事はショーが始まる前。出てくるのは美味しそうな郷土料理。
 
 * Carbonnade Flamande
   フランドル地方のビールで調理した牛肉、
   香辛料と赤砂糖入りパン、フライドポテト
 
 * Potjevleesch(お肉のプチ鍋料理という意味)
   豚、ウサギ、鶏、子牛の4種類の肉を、
   牛の骨と一緒に煮込んだもの+フライドポテト
 
 * 海老のクロケット 
 
 デンジーさんは、あちら系の方。顔はともかく、あのみごとな脚線美には見とれてしまいました。
 
 ここは、イヤなことは忘れてたくさん笑ってすごせる庶民的なキャバレーのようです。
 
 年忘れの大晦日にはふさわしいかもしれませんね。
 
 年忘れショーは食事込みで115ユーロ。 
 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******


「今日、彼女をホラー映画に連れて行った。怖がってしがみついて来ると思ったのに、上映中、ずっと笑い続けていた」

 

VDM (Vie de merde)より



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中世の城塞を訪ねて その3 〜オラン城〜 [ノール=パ=ドゥ=カレ地方]

 本日も中世の城塞シリーズです。

 三日目はフランス北部のアルトワ地方にある城塞を訪ねます。この地方の典型的な様式で作られた城塞だそうです。

Paris_Olhain.jpg

        パリ→アラス(Arras)(TGVで50分)

        アラス→オラン城(約24キロ 車で25~30分)


13〜15世紀のものとされるこの城塞は、

岩の上や岩壁ではなく、草原の中に立っていますが、

周辺の農民を外敵から護るために作られました。

Olhain1.jpg
photo by Pir6mon (from Wikipedia)  

 

 お堀に囲まれた美しい城塞は、農場と城の二部構成になっています。一部埋め立てられている堀には二つの橋がかけられていますが、一つは城塞へのアクセスのため、もう一つは城と農場(家禽飼育場)をつなぐためのものです。この城塞に入るときは、まず最初の橋を渡って農場に入り、2番目の橋を渡って城に入ります。

 

 建物には数世紀にわたってあちこち手が加えられていますが、中世の面影はしっかりとどめています。

 

 また、19世紀に作られた礼拝堂もあり、入場者は、この礼拝堂、パン焼き窯、地上30mにある塔、大広間を見学したり、お堀端を散策したりすることができます。

 ここに入場できるようになったのは1954年から。なにしろ城塞の維持にはお金がかかります。そのために見学者を受け入れることにしたのだそうです。

 

 塔の上からは、城塞の敷地全体やオランの村を見渡すことができます。

 

映像は→こちら

 

 最初の城は12世紀頃に建てられ、その後、要塞が作られ、城の所有者が変わるたびに様々に手が加えられました。


 1900年になり、この城塞は競売にかけられ民間人のものとなります。管理をまかされた人物が熱心に城塞の修復と維持に取り組みます。

 映像に出て来た女性のお祖父さんがその人物です。自分でペンキを塗ったりしていたそうです。

 

 ここには「三銃士」に登場するダルタニアンの亡骸が葬られているという伝説がありますが、確たる証拠あるわけではなさそうです。

 

Château d'Olhain

62150 Fresnicourt-le-Dolmen

e-mail: infos@chateau-olhain.com

Tel. 01 39 18 33 14


オープン:4月1日~6月30日 & 9月1日~10月31日

     日祝のみ15:00~18:30

                7月1日~8月31日 

土日のみ15:00~18:30

料金: 大人 €4.00

         12歳以下の同伴の子供:無料

見学時間:約1時間15分 

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

「今日、PCのキーボード左側より蟻が侵入し、パンのかけらをくわえて右側から出て行った」


VDM (Vie de merde)より

 



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