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世界の橋 その1 [その他の国]

 うちの近所のスーパーは日曜日の午前中に朝市と称して、お店の外の狭いスペースに売り場を作って商品を販売しています。

 

 はじめは野菜ばかりだったのが、そのうち海産物がそこに加わりました。

 

 どういうわけか、その売り場で買ったものに消費税は加算されません。値札通りの金額を支払います。内税なのか、それとも他に何か理由があるのか・・・。

 

 それはともかくとして、朝市の始まる9時から11時くらいまで近所の人で賑わっています。

 

 今朝は、リタイアしたと思しきおじさんが、携帯電話に向かって「ネギ3本、100円だって」と話している。

 

 電話の向こうには奥さんがいるに違いない。指示待ちか?

 

 それはさて置き、今日から5回のシリーズで世界の橋を訪ねます。

 

 第一回目の今日は、ニューヨークにあるブルックリン橋。マンハッタンとブルックリンを結ぶ橋です。

 

US_NY.jpg


 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2017年3月13日に放送)(をクリックしても映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



Feuilleton : le monde sur le pont (1/5)

 

 ブルックリン側から見た橋の姿。長い歴史を感じさせる橋です。

 

 下を流れているのはイースト川、向こうに見えるのがマンハッタン。

 

 自由の女神像と肩を並べるニューヨークのシンボルがこの橋です。

 

 いい具合にガイド付ツアーグループに出会いました。

 

 「柱の高さは90メートル、下は水深35メートルの所まで伸びています。完成したのは1883年です。この橋でブルックリンとニューヨークはつながり、両者はさらなる経済発展を遂げたのです」とガイドさん。

 

 映像からすると、下が車道、上が歩道になっているようです。片側三車線の車道をたくさんの車が走っています。毎日150,000台の車がこの橋を利用しているそうです。

 

 「古い橋の向こうに近代的なニューヨークの街が見えるが面白いですね」と女性。

 

 ここは数々の映画の舞台にもなりました。ニューヨークにやってきたスーツ姿のターザン。ジャングルと同じ気分で飛び回ったようですが、なんかちょっと特撮っぽいですね。

 

 あのウッディ・アレンも映画の舞台に使いました。そしてこの映画もここで撮影されていたんですね。

 

 さて、この橋を作ったのがジョン・ローブリングです。そしてその、ひ・ひ・ひ・ひ孫がこちらの方です。

 

 「彼は初めて鉄製のケーブルを使用しました。そのおかげで、大きくて丈夫な吊橋ができたんです。しかも高さがあります。この橋を作るのはエンパイヤーステートビルディングを作るのと同じだったんです」とご子孫。

 

 これは大変な工事ですね。ジョン・ローブリングは工事中の事故で亡くなり、その息子のワシントンが後を引き継ぎますが、これまた工事中の事故で下半身麻痺となってしまいます。

 

 「彼と現場監督の間に入って工事を続けたのが妻のエミリーでした。エミリーは第一エンジニアとしての役割を果たしました。当時としては例外的なことでした」と子孫。

 

 エミリーさん、どうも工学を勉強したらしい。

 

 さて、9.11事件が起きる前にはケーブルの上を歩くことができたそうです。この男性、ニューヨークにかかる橋全てをこうして制覇しました。

 

 「あの柱の上まで行きました。そしたらハトの大群に襲われましてね。どうも奴らの縄張りに入り込んじゃったみたいです」

 

 「吊橋だから揺れるでしょう?」と取材班。

 

 「いやあ、びくともしませんよ。石でできてるから丈夫です。他の橋は揺れるけど、この橋はまったく揺れません」

 

 夜になると・・・ご覧の通りの美しい眺めが目の前に広がります。

 

 となると写真に収めたくなるのが人間。

 

 「黄昏れ時が一番感動的ですよ。橋や街の明かりが水面に反射し始めるんです。そうりゃもう現実離れした風景です」と写真家のアンドリューさん。

 

 仕事場にお邪魔すると、ブルックリン橋の夜景の写真がありました。この写真、4,000〜6,000ユーロで世界中に売られているそうです。

 

 「観光客もニューヨーカーも、思い出にこの写真を壁に飾るんです。これを見るとニューヨークを思い出すんです」

 

 確かにこの夜景は美しいですね。100万ドルの夜景と言いますが、まさにこんな眺めを言うのかもしれません。

 

 続く・・・。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、妊娠したことがわかった。明らかにニューヨークに旅行に行った時にできた子だ。でも不思議、いつもの時間にピルを飲んだのに・・・ああ、時差のせいだ・・・」

 

 

VDM (Vie de merde)より




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世界のタクシー運転手4 [その他の国]

 世界のタクシー運転手シリーズの四回目は、アフリカへ。

 

 セネガルの首都ダカールのタクシー運転手の仕事ぶりを見てましょう。 

 

Africa_Dakar.jpg 

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2017年1月19日に放送)(をクリックしても映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。 

 

 朝、6時。ここはダカールの、車の発着所です。

 

 タクシー・ブルース(taxi-brousse)(僻地タクシー)と呼ばれる乗合タクシーがたくさん停まっています。

 

 「あともう5,000フラン払って」とタクシー会社の方。

 

 セネガルの通貨はCFAフラン。

 

 「本人と大きな荷物一つで料金は10,000フランです」

 

 ユーロに換算すると約15.00ユーロ前後。日本円なら1,800円くらい。

 

 乗客は7人。運転手はこの方、アトゥディオップさんです。

 

 行き先はジガンショール(Zinguinchor)。国道を行く432キロの旅です。時間にすれば約8時間。

 

 タクシーは中古のプジョー505。

 

 7時2分にダカールを出たタクシーは、9時32分にはカオラック(Kaolack)を通過。

 

 かれこれ2時間半運転を続けてきたアトゥディオップさんに疲れた様子は見えません。

 

 「皆それぞれに仕事がある。僕の仕事はこれさ。慣れてるから疲れたりはしないさ」

 

 アトゥディオップさんは30歳。月に100ユーロ(約12,000円)を稼いで、奥さんと二人の子供を養っています。

 

 長時間の車の旅を共有することになった見知らぬ同士の乗客も、しだいに打ち解け会話が弾みます。おやつもみんなでいただきます。

 

 「セネガルではこれが普通。分け合って食べるんです」と女性。

 

 道を塞ぐ動物の群れ。停車を余儀なくされます。

 

 しかし、この乗合タクシーならバスより早いそうです。その分、料金も高め。

 

 道路脇で何やら作業をしている家族。

 

 「私もタクシーに乗りたいけどお金がないから無理。そうじゃなかったら毎日往復してるところだけどね」と女性。

 

 出発から6時間後、いよいよガンビ川を渡ることになります。しかしこの車の列。

 

 「ここはちょっと待つんだよ」と運転手。

 

 ちょっとどころの待ち時間じゃあなさそです。その間に座席の不具合を直します。

 

 「ここがちょっと壊れてるみたいだ」と修理するアトゥディオップさん。

 

 中古、それもかなり使い古したプジョーなだけにあちこちガタが来ている模様。

 

 それでも修理して使っているなんてりっぱです。

 

 4時間後、日が傾きかけた頃にやっとフェリーに乗って川を渡ります。

 

 橋があればねえ・・・。そこまでのお金がないのが国の事情。

 

 「やっぱり疲れました。もうぐったりです」と乗客。

 

 目的地まではまだ3時間かかります。

 

 そして夜の9時過ぎ、やっと到着です。皆さん、ホッとして笑みがこぼれます。

 

 全員を車から降ろして、車の点検を済ませたら、その足で帰りの道を急ぎます。

 

 今度はまた別のお客様を乗せて長距離を走ることになります。

 

 続く・・・

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、そしてずっと前から僕はアフリカ系フランス人。あまりに暑いのでバスの窓を開けたら、隣に座っていた男の子が言った。『あなたでもやっぱり暑いですか!?』」

 

 

VDM (Vie de merde)より




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世界のタクシー運転手3 [その他の国]

 今日、ふと思ったのですが、「トイレ」という言葉がすっかり日本語に定着してしまいました。

 

 「便所」じゃあちょっと即物すぎて使えないですね。その代わり「お手洗い」という立派な日本語がありました。

 

 そう言えば、フランスで知り合いの男性がカフェに入ってお手洗いに行く時、お店の人に「手を洗いたんだけど」と聞いていました。

 

 するとお店の人がトイレのある方を指差す。ということは、あそこは「お手洗い」ということになりそうな・・・。日仏共通でした。

 

 さて、世界のタクシー運転手シリーズの三回目は、タイのバンコクを走るタクシーです。 

 

Thailand_Bankoch.jpg


 

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2017年1月18日に放送)(をクリックしても映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。 

 

 タイの首都バンコク。人口1,000万人の大都市です。そして世界でも有数の交通渋滞の街でもあります。

 

 そんな道路をスイスイ走っていくのが三輪タクシー。タイではトゥクトゥクと呼ばれています。

 

 「こんにちは。バンコクでトゥクトゥクを運転しているアムレと申します」

 

 アムレさんは46歳。トゥクトゥクを運転して20年になります。仕事を始めるのは夕方になってから。

 

 「これに乗ってあちこち行きますよ。それにここで寝る時もあります(笑)」

 

 最初のお客さんがやってきました。10分ほどで目的地に到着。料金は100バーツ(約320円)。

 

 「息子と一緒の時はトゥクトゥクに乗るんですよ。どこにでも好きなところに行けますから」とお客。

 

 いい時は一ヶ月15,000バーツ(約48,000円)ほど稼ぐことができます。

 

 しかし、ボ〜ッと待っているだけではお客はやってきません。

 

 トゥクトゥクも四輪のタクシーも増え続けていて競争が激化しているそうです。

 

 「普通のタクシーよりこっちのほうがいいねえ。身軽に動けるから」とアムレさん。

 

 中国人街でお客を見つけました。フランス人のカップルです。

 

 「夕食を食べたいんだけど、どこかいいとこ知らない?知ってたらそこまで連れってよ」とお客。

 

 三輪タクシーの運転手は街をよく知る観光ガイドになったりもします。

 

 「ここのトゥクトゥクは他のとは全然違いますよ。バンコクに来たらまずこれに乗ることね」とフランス人女性。

 

 ひと仕事終えたアムレさん、コカコーラで一息入れます。タクシーの仕事は朝の4時まで続きます。

 

 「その時の気分にもよりますが徹夜で働くこともあります。バカンスなんてありませんよ。働きづめです」

 

 アムレさんの奥さんと二人の子供達は地方で暮らしています。2か月に1回、数日だけ帰るそうです。

 

 一方、こちらは4輪の普通のタクシーを運転するフロイさん。女性ドライバーです。

 

 「朝は花を買って、このお釈迦様に供えるんです。そしてたくさんのお客さんを乗せられるように、チップをたくさんもらえるようにとお願いするんです」

 

 トゥクトゥクを除くタクシーの数は10万台余り。色も様々。ちなみに黄色は個人タクシー。

 

 「このタクシーに乗る方が確実ですし、皆、エアコンの効いたタクシーに乗りたがるんですよ。それに料金の心配がありません」とフロイさん。

 

 料金はトゥクトゥクのように交渉する必要はありません。メーターで自動的に決まります。

 

 フロイさんがこの仕事を選んだ理由は自由であること。

 

 「女性客は私によく話しかけてきますよ。旦那さんが浮気したとか」

 

 なんだか人生相談みたいですね。

 

 さて、バンコクには水上タクシーもあります。ただ、お値段は少々高め。

 

 ビアニさんは観光客を乗せたボートを18年間走らせてきました。

 

 「陸上は滅多に走りません。海の方がずっと楽ですから」

 

 バンコクのタクシーは多彩でした。

 

 続く・・・

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、タイでスクーターをレンタルした。駐車場にものすごい数のスクーターが止まっているのを眺めていると、どこからか突然、サルが飛びかかってきたので驚いてハンドルから手を離してしまった・・・。スクーターのドミノ倒しって初めて見た」

 

 

VDM (Vie de merde)より




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世界のタクシー運転手1 [その他の国]

 何かのアレルギーか、半月ほど前から鼻水が止まらず、徐々に症状が悪化しているようだったので、このままではまずいと下北沢の耳鼻科に行ってきました。

 

 この時期、患者さんがたくさんいて、やっぱり待つなあと思いながら受付を済ませて空いているソファに腰掛ると、あまり聞いたことのない言葉が聞こえてくる。

 

 東南アジア系か?そうこうしていると隣では中国語で話している。

 

 診察を終えて診察室から出てくると、明らかに西洋系と思しきカップルがスペイン語かボルトガル語で話しをしている。

 

 去年も同じような時期に来たと思うのですが、外国人の姿は見かけなかった。

 

 ちょっと驚きました。下北沢には外国人がさらに増えているようです。

 

 それはさて置き、今日から五回のシリーズで世界のタクシー運転手を紹介します。

 

 第一回目の今日は、ニューヨークを訪ねます。

 

US_NY.jpg


 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2017年1月16日に放送)(をクリックしても映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



Feuilleton (1/5) : les taxis du monde entier

 

 800万人が暮らすというニューヨーク。空から見ると、どれがタクシーなのか一目瞭然。黄色のタクシー “イエローキャブ” です。

 

 30,000台の黄色いタクシーが民間輸送市場で競い合っているとか。

 

 そんな中、ちょっと変わった運転手さんを見つけました。この方、デヴィッドさんです。

 

 カメラ片手に車の運転。カシャカシャ撮りまくっています。

 

 「たいして確認もしないで撮ってるんです。アングルやら焦点やらは気にしません。フィーリングで撮ってるんです」

 

 こうして撮れた写真の数々。

 

 デヴィッドさんにとって興味のあるのは、日々変わってゆくニューヨークの姿。

 

 ここはニューヨーク南部にあるデヴィッドさんのご自宅。デヴィッドさん、ワンちゃん飼ってました。

 

 手にとって眺めている作品は、これらのアナログカメラで撮影したもの。どうやらデジカメでは撮影しないようです。

 

 日々、大都市を走り回っている人ならではの写真ばかり。

 

 そんなタクシードライバーの皆さんには自分たちのラジオ番組があるのだとか。

 

 司会はブルーのシャツのこの方、デイヴさんです。

 

 デイヴさんの父親も祖父も曽祖父もタクシー運転手。いわばタクシー一家の生まれです。もちろんご本人もご同業。

 

 毎週日曜日のこの時間には、同僚たちがこのスタジオに集まります。

 

 最近たびたび話題に上るのは市場を席巻し始めたウーバーです。

 

 「でも、ついこの間、電話で近くの車を手配しようとしている人が、すぐそばにタクシーが止まっているのを見つけて、ウーバーをキャンセルしてタクシーに乗り込むところを見たんだよ。そのうち状況は変わると思うね」と通称JFKと呼ばれるタクシー運転手。

 

 そしてもう一人のタクシードライバーがジョンさん、通称Cabtivist

 

 タクシーの運転の他に何か活動をしているらしい。

 

 この日、ジョンさんはブロードウェー界隈でお客を拾っていました。それには理由が・・・。

 

 乗せたお客にさっそく自分のステージを宣伝していたのです。

 

 ああ、ジョンさん、スタンダップコメディアンだったのですね。

 

 「タクシードライバーはいつも政治や事件について話したがるよね。その話がまた良いとこついてるんだよ」とお客。

 

 そして話題はトランプ大統領について・・・。

 

 ジョンさんが連れて行ってくれたのは自由の女神が見える場所。

 

 「1886年、自由の女神像をフランスから頂いた。そのお礼に何をあげたか?ミッキーマウスにユーロディズニー。お返しにしては貧相だ。フランス人の皆さんにはトランプがホワイトハウスにいる間はあの自由の女神像を持って帰ってくれと言わなくちゃならない。ド・ゴールがレジスタンスなら今はイエローキャブがレジスタンスだ。ニューヨークに来たらイエローキャブに乗って一緒にがんばりましょうや!」

 

 了解です!ニューヨークに行く機会があったらイエローキャブでレジスタンスやりますよ、私も。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、家までタクシーに乗り45ユーロを払った。運転手は目的地に到着すると当たり前のように駐車場に車を止めた。呆然とする私に運転手が言った。『いやあ、同じビルに住んでるんですよ』」

 

 

VDM (Vie de merde)より




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世界一のホテル [その他の国]

 毎年必ず1回か2回は欧州旅行に出かけていた友人が、昨年はテロが怖くて海外には行けなかったと年賀状に書いてきました。

 

 あれだけ好きで出かけていたのに・・・。やはり、テロの影響は大きいようです。

 

 

 さて、2016年度、世界で一番美しいホテルが発表されました。

 

 そのホテルは、アイルランドのリーシュ州(County Laois)にあります。

 

Irland_CountyLaois.jpg

 
 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2016年1月2日に放送)(をクリックしても映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



Découverte : le plus bel hôtel du monde

 

 アイルランドと言えば、荒々しい自然の風景が頭に浮かびますが、世界で一番美しいホテルは内陸に入った穏やかな緑の中にありました。

 

 こちらがそのホテルBallyfin(バリーファイン)です。

 

 美しいネオクラシックの建物。ここは1820年代に建てられた邸宅でしたが、20世紀初め頃までは学校として使われていました。

 

 1928年に個人に売却されたのち、2002年から修復工事が行われ、2011年5月にホテルとして営業を開始しました。

 

 5つ星ホテルにふさわしい豪華で上品はインテリア。ここにはテレビもBGMもありません。聞こえるのは暖炉の薪がはじける音だけ。

 

 支配人のダミアンさんはフランス人。

 

 「ここは、世界にたった一人だけと感じさせてくれる場所なんです。お客様はこの屋敷の持ち主の一人なんです」

 

 ダミアンさん、お客様に邪魔にならないようにと小声で話してくれました。

 

 お城のように大きな建物なのに客室は20室だけ。最大で39人しか宿泊できません。

 

 そして従業員の数はその3倍!しかし、あまり目立たないように仕事をしているそうです。

 

 スイートルームではお客様の好みの本や雑誌を用意して到着を待ちます。

 

 宿泊料は一泊1,800ユーロ(約22万円)!さすがに高いですね。

 

 でも、手が出ない額ではありません。これだけのホテルだったらもっと高額でも不思議ではない気がします。

 

 さらに、朝食には、ホテルの農場で飼育されている鶏が産んだばかりの新鮮な玉子が使われます。

 

 静かな環境とお客一人一人を大切にしたおもてなし、それが世界で一番のホテルに選ばれた要因かもしれません。

 

 選んだのはアメリカの有名旅行雑誌「コンデナスト・トラベラー(Condé Nast Traveler)の読者の方々。

 

 ベスト50の頂点に2年連続で君臨したのがこのホテルです。

 

 敷地は約240ヘクタール。散歩するだけでも1日かかりそう。

 

 「来る前はどうしてここが世界一に選ばれたのかわかりませんでした。でも、ここへ来てその理由がわかりましたよ。飛行機の音も車の音も聞こえません。工事現場のような都会とは別世界です」と男性。

 

 「まるで昔を旅しているような気分になります」と女性。

 

 このホテルから車で2時間ほどのところには、中世のお城で現在はホテルになっているアッシュフォード城があります。

 

 ここは、2015年に旅行代理店が選ぶ世界一のホテルになっているそうです。

 

 馬に乗って橋を渡るグループはキツネ狩りから帰ってきたばかり。そして鷹匠の体験レッスンもあり、中世を満喫することができます。

 

 「誕生日のお祝いにここに宿泊することにしたんです。これはここだけでしか体験できませんね」と男性。

 

 13世紀前半に建てられたお城は、きれいに修復され豪華なホテルに生まれ変わっています。支配人はこの女性。

 

 「屋根もきれいに作り直し、約500万ユーロを投資して改築しました。中世の趣の大事にしながらも、室内は21世紀のテクノロジーを駆使した近代的な作りになっています」

 

 地下はワイン蔵に作り変えられ、娯楽室ではビリヤードを楽しむことができます。

 

 さらに映画館もあります。自分が見たい映画を上映することができるそうです。

 

 なんだか豪華客船みたいですね。

 

 アイルランドを訪れる観光客は一昨年に比べて11%増だったそうです。

 

 

<お知らせ>

 

こちら肉球クラブ」さん、 クラウドファンディング開催中

詳しくは下記の文字をクリック! 

虐待を受けたり怪我や病気の野良猫達、捨てられた猫達を救いたい

CloudF_cats.jpg 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、ホテルで受付を担当している。お客が一番近い薬局に行きたいというので、ビーチを通っていけば近道ですよと教えてあげた。しばらくしてお客がカンカンに怒って帰ってきた。ビーチが砂だらけだったという・・・」

 

 

VDM (Vie de merde)より




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サウナ [その他の国]

 インフルエンザから完全回復して、2〜3日前からまたジムのプールで泳ぎ始めました。

 

 ここ数日は寒気の影響で気温がぐっと下がり、温水プールでも水から出ると結構寒い。

 

 室温は31℃、水温は30℃ほど。

 

 そういえば、パリのプールは27℃とか言ってましたっけ。そんなプールでは泳ぐ気になれそうもない。30℃はないとちょっと厳しい。

 

 私の通っているジムのプールサイドにはスチームサウナがあって、泳ぎ終わったら10分くらいそこに入って体を温めています。

 

 本日は、そのサウナのお話です。

 

 サウナと言えば北欧。フィランドの首都ヘルシンキを訪ねます。


Finland_Helsinki.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2016年12月15日に放送)(▸をクリックしても映像が出てこない場合はウィンドウの下にある文字をクリック

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 どんよりしたお天気の寒い日が続く冬のヘルシンキ。そのせいか、最近、サウナの数が増えているそうです。

 

 空港にも、ファストフード店にもレストランにも気軽に入れるサウナがあります。

 

 もちろん自宅にも。こちらはトミさんのお宅です。

 

 家族で食事をした後は、全員でサウナを楽しみます。中の温度は90℃。

 

 薪ストーブを使って温めていましたね。

 

 「家族全員でおしゃべりをして楽しいひと時を過ごします。時には大声で歌ったりします」と奥様。

 

 フィンランドではサウナで出産する女性もいるとか。驚きです。

 

 このサウナ、設置費用は3,000ユーロほど(約34万円ほど)。

 

 「フィンランドのアパートには全部サウナが付いています。サウナがないと売れないんですよ。一軒家も同じです」とトミさん。

 

 フィンランドの住宅の70%にサウナが付いているとか。

 

 こちらはリフォーム業者。ちょうどサウナの設置工事をやっている真っ最中。年間150件もの設置工事を受注しています。

 

 「こちらの設置費用は2500ユーロです」と業者の方。

 

 サウナが人気なのは住宅だけではありません。繁華街にあるファーストフード店には、地下にサウナが併設されています。

 

 250ユーロで3時間、サウナを貸切にできます。

 

 こちらの男性グループ、何かお祝いのパーティーをやっているようです。

 

 「リラックスできますよ」

 

 「狭いので体を寄せ合って入るんですよ」

 

 「誰にも邪魔されないで好きなように時間が過ごせます」

 

 サウナから出るとハンバーガーをパクリ。ここはバーガーキングではございませんか!

 

 国が違えばサウナがついてるんですね。

 

 「フィンランドではサウナはとても重要な施設なんです」と店長さん。

 

 海沿いにある大観覧車。なんとこれもサウナだそうです。

 

 一台の観覧車に4人まで乗れます。高いところから街を眺めながらサウナが楽しめます。

 

 フィンランド人のサウナ好きもここまでとは!

 



******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、フィンランドで一週間のバカンスだ。サウナに入ってのんびりした後は、現地の人がやっているように外の雪の上に飛び込もうとサウナから出た途端、内側から鍵がかかって二度と中に戻れなくなってしまった。時間は夜の11時、気温はマイナス15℃ [ふらふら]

 

VDM (Vie de merde)より




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新しい税金 [その他の国]

 アメリカ初の女性大統領ならずで、残念でした。

 

 これからは、あのカッパみたいな頭の大統領を4年間見続けることになるのか・・・。

 

 友人いわく「大統領になってしまえば、途中でやめさせるってわけにはいかないんでしょう?」

 

 よっぽどかのことがない限り、4年はホワイトハウスに居座るでしょう。再選だけはご勘弁願いたし。

 

 さて、最近、フランス人の旅行先として人気なのがポルトガル。

 

 つい先日もポルトの週末旅を紹介したばかりですが、ポルトガル政府は新しい税金の導入を考えているとか。その税金とは・・・

Portugal_Lisbon.jpg

 


 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2016年11月7日に放送)(▸をクリックしても映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。 

 

 日の当たる家々。ポルトガルでは一年のうち300日が晴天だそうです。

 

 しかしこの太陽の日差しが高くつくことになるかもしれません。

 

 というのも、政府が “日当たり” に税金をかける案を検討しているからです。

 

 「太陽はみんなのものでしょうに!」

 

 「どうやって税額をはじき出すんだ?!」

 

 例えば、この日当たりの良い住居の場合、不動産税が20%増額されます。

 

 逆に日の当たらない場所にあれば10%の減額になります。

 

 それと同じように、眺めの良い住居や海に面した住居は20%の増税、目の前にお墓のあるような住居は10%減税。

 

 こちらはリスボンに住むあるフランス人のお宅です。5年前にこの200㎡の住居を購入したとか。

 

 「東西に向いているので部屋いっぱいに日差しが入ってきます」と男性。

 

 現在、年に800ユーロの不動産税を払っているそうです。日当たり税や眺望税が課せられるようになれば、増税になること間違いなしです。

 

 「日の当たり具合なんて十人十色でしょう。どうやって課税するんですかね?窓の数だって違うんですから、明るさなんて測りようがないでしょう」

 

 専門家によると、ケースバイケースで適切な税額を設定するのだとか。

 

 そこで、この税金に賛成している社会党の議員に尋ねてみました。

 

 「不動産市場では一階のアパートと4階のアパートでは価格が違いますよね。ですから税金も日の当たり具合で差をつけるんです。その方がより平等でしょう」と議員。

 

 そして、増税になる人もいれば減税になる人もいるので、国家の懐には何も入ってこないと言います。

 

 それならなぜにこのようなことをするんでしょう?いろいろ影響も大きいでしょうに。

 

 ここはリスボンから30分ほどのところにある海辺の町にマンションが建築中です。

 

 どの部屋も日当たりのいい明るい部屋になる予定です。

 

 入居者の半分は外国人だそうですが、日当たり税にひるむ人はいないとか。

 

 スペインやフランスに比べたらまだ安いそうです。

 

 日当たり税、本当に実施になるのでしょうか?

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******



「今日、訪ねて行った家の人に『では良い一日を!』と帰り際に挨拶すると、相手が言った。『どこへなりとも行ってしまえ!』そう言われるのも仕方ない。私は税務署の調査員なんですから」

 

VDM (Vie de merde)より



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観光国へ [その他の国]

 昨日の東京はだいぶ涼しくなりました。厚手のジャケットかコートを羽織った方が良さそうな気候でした。

 

 こうしてどんどん冬に近づいていくんでしょうね。

 

 さて、数日前に、ドラキュラのお城での一夜をプレゼントするというAirbnbのハロウィーンの企画を紹介しましたが、そのお城のあるルーマニアは今、観光で賑わっているそうです。


Roumania_SbBra.jpg

 

 


 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2016年10月24日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



 

 霧の中・・・ドラキュラ城が姿を現します。

 

 ここはルーマニアのトランシルバニア地方、ブラショフ県にあるブラン城。

 

 ドラキュラ城のモデルになったお城です。建てられたのは18世紀。

 

 いつも見学の観光客でいっぱいです。なんだか可愛らしいお城に見えますが、どうなんでしょう?

 

 「このお城は絶対見学しないといけませんからね」と男性。

 

 「ルーマニアで初めて観光するのがここです」と女性。

 

 狭い階段を上った先には、拷問用のトゲトゲ椅子が・・・恐ろしい。

 

 世界中からドラキュラ目当てで観光客がやってきます。

 

 お土産品店もこの通り。ドラキュラグッズ満載です。

 

 「ここは個性的で特別な場所です。特にハロウィンの時期ですから見学しないとねえ」と白い牙のおじさん。

 

 ルーマニアの名物はドラキュラだけではありません。この緑豊かな森もその一つ。

 

 また、ブラショフ(Braşov)から150キロほど西へ行ったシビウ(Sibiu)には、歴史ある建物が立ち並んでいます。

 

 この建物、屋根の窓がまるで人間の目のよう。この瞳が見つめる先には、19世紀に建てられた教会があります。

 

 教会もフランスとはまた違った趣があります。

 

 2007年度の「欧州文化都市」に指定された際、80%の建物が修復され、多くの観光客を受け入れました。

 

 「市街地には宿泊施設が3,000軒もあります。郊外にもありますから、それを足すともっと多いはずです。10年ほど前までは4軒しかなかったんですよ」とガイドの男性。

 

 そして、ルーマニアと言えば・・・保養地としても有名になりつつあります。

 

 この通り、温泉が出るのです。

 

 ここはトランシルバニア地方のスパ施設。

 

 「昔、ここには映画館やダンスホールがありました。政府が500万ユーロを出資してスパ施設に改築したんです」と施設の責任者。

 

 社会主義時代のホテルもイノベーションされました。

 

 「スパ施設も完備、部屋も改装されて、2つ星から4つ星に格上げされました」と男性。

 

 さらに、宿泊税も24%から9%に減税されました。

 

 今やルーマニアはヨーロッパでも格安で旅行ができる国として注目を集めています。

 

 実際、昨年に比べて観光客の数が16%増えたそうです。

 

 お隣のハンガリーやブルガリアとも対等に渡り合える観光国になったようです。

  
  

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、僕はシーズン中だけ観光案内所で働いている。すると、中学生くらいの男の子を連れた夫婦がやってきて、釣り用の地図が欲しいという。それで僕は、息子さんはおいくつですかと聞いた。すると、長〜い沈黙の時間が流れた・・・。結局、3人は互いに見ず知らずの人たちだったのだ[あせあせ(飛び散る汗)]

 

VDM (Vie de merde)より



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世界の名ホテル その3 [その他の国]

 シリーズの三回目は、アジアへ。

 

 インド最大の都市ムンバイにあるタージマハル・ホテル(Taj Mahal Palace & Tower)を訪ねます。

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 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2016年10月5日に放送)(をクリックしても映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。

 

 アラビア海からの眺めが美しいタージマハル・ホテル。

 

 ゴシック様式のドームのある、なんとも不思議な雰囲気の建物は、大都市ムンバイの歴史地区のはずれに位置しています。

 

 白いシャツの男性はホテルのコンシエルジュ。毎朝こうして鼻歌交じりにホテルの周りと歩くのが日課になっているそうです。

 

 もう一度よく建物を見てみましょう。

 

 ヴィクトリア様式とインドの伝統的なスタイルが混ざり合い、そこにフィレンツェの味わいが加わったゴージャスな宮殿といった風情です。

 

 こちらが入り口を入った一階のホール。高級感が漂います。

 

 先ほどのコンシエルジュの男性が従業員室へとやってきました。朝の日課が終わったところで、制服に着替えます。

 

 「この制服が着られてとても誇りに思っていますし、この制服のおかげで皆さんに敬意を払ってもらえます。ですから皆さんにも幸せを届けることができるんです」

 

 今日はこの方がホテルを案内してくれます。

 

 ホテルがオープンしたのは1903年のことでした。作ったのは「インド産業の父」と呼ばれるジャムシェトジー・タタ。

 

 「彼は私財を投じてこのホテルを作りました。ムンバイにしかない、地元の人に愛されるような、そんなものを作りたかったのです」

 

 この胸像の方がジャムシェトジー・タタ。

 

 彼は、ホテルにふさわしい資材を求めてヨーロッパやアメリカまで足を伸ばしました。その結果、このボールルームにはフランスのお宝が使われていました。

 

 「この柱はエッフェル塔と同じ鉄骨でできてるんですよ」

 

 そう言われると確かにそんな感じがします。

 

 タージマハル・ホテルではお茶のサービスもエレガントでワンランク上。

 

 お部屋の方はどうなんでしょう?

 

 案内してくれたのは、最高級スイートルームの一つ。インテリアから調度品まですべてに高級感が漂います。

 

 どんな方々がお泊りになったかといえば、ジョン・レノンとオノヨーコ、アンジェリナ・ジョリーとブラッド・ピット。

 

 さらに、ウィリアム王子とキャサリン妃、バラク・オバマ、ヒッチコック、シャーロン・ストーン等々。

 

 もちろん無名の方々も大勢宿泊しています。

 

 「このホテルを好きにならない人はいないでしょう。建物は素晴らしいですし、長い歴史があります。歴史と言えば、テロ事件が発生したことがありました」と一般の宿泊客。

 

 2008年11月、ムンバイは同時多発テロに見舞われました。その現場の一つがこのホテルだったのです。

 

 テロリストたちは宿泊客を人質にホテルに立てこもりました。

 

 三日後に軍が強行突入して制圧しましたが、死者の数は166人、建物もこの通り損傷してしまいました。

 

 現在はきれいに修復され、壁にはテロ事件で亡くなった方々の名前が刻まれています。その多くがインド人だったそうです。

 

 一階と庭もテロ事件後にきれいに作り変えられました。

 

 ホテルの従業員は1500人ほど。ベッドを整えたりとあまり人目につかない場所で働いています。

 

 従業員がスイートルームの床に花びらで模様を描いています。

 

 「お客様には美しいインドを知っていただき、贅沢を味わっていただきたいのです」と責任者。

 

 タージマハル・ホテルは、ジャムシェトジー・タタが望んでいたように、ムンバイのシンボルとなり多くの人に愛されているようです。

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、子供たちの友だちを泊めることになった。10歳になる息子が玄関でその友だちを出迎えると、声をひそめながらこんなことを言っていた。『最初に言っておくけど、ここは贅沢とは全く縁のないところだからね』」

 

VDM (Vie de merde)より



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世界の名ホテル その2 [その他の国]

 シリーズの二回目は、ドイツのベルリンに向かいます。

 

 今回訪ねるのはブランデンブルク門のすぐそばにあるホテル・アドロン(Hotel Adlon)です。

 Germany_Berlin.jpg


 

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2016年10月4日に放送)(をクリックしても映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。

 

 取材班が撮影を始めた日の午後、ホテルの玄関口では慌ただしくレッドカーベットが敷かれています。

 

 「赤絨毯は正確に敷かれていなくてはなりません」とホテルの方。

 

 最後に支配人がチェックします。

 

 「我々に間違は許されないんです。特にセキュリティの問題がありますからね。分刻みで状況を把握する必要があるんです」と支配人。

 

 なんだか緊張感が漂います。それもそのはず、厳重警戒の中、国旗をはためかせた黒塗りの乗用車がホテルに横付けされました。

 

 降りてきたのはポーランドの大統領。今夜はこのホテルに宿泊することになっています。

 

 要人がよくお泊りになるお部屋がこちら。近代的なインテリアでまとめてあります。一泊20,000ユーロ。

 

 リビングの隣が書斎。その奥が寝室です。大きなベッド。キングサイズですね。

 

 「この大きなベッドがお客様に好評なんです」と係員。

 

 さらに奥にはもう一つ寝室があります。こちらはボディガード用。

 

窓からはあのブランデンブルク門が見えます。ベルリンの中でも最も美しい場所の一つです。

 

 「この部屋はセキュリティにも気を使っています。この窓ガラスは防弾です」

 

 このホテルを利用するのは各国の首脳だけではありません。この方もお泊りになりました。そして、マイケル・ジャクソンも。

 

 問題になったこの映像、このホテルでのことだったんですね。

 

 ホテル・アドロンはベルリンと運命を共にしてきました。

 

 ベルリンの歴史に詳しい方がホテルの屋上に案内してくれました。遠くに見えるのは国会議事堂のドームでしょうか?

 

 「ここは街の中心部にあたります。1907年に作られてからずっとベルリンの歴史と共に歩んできました」

 

 ホテル・アドロンができたきっかけは、時のドイツ皇帝ヴィルヘルム2世がこの場所に賓客をもてなす施設を所望したことでした。

 

 これを受けて、皇帝の友人だったLorenz Adlonが建てたのがこのホテルでした。

 

 これはどう見ても豪華な宮殿のようです。

 

 第一次世界大戦が終わり、皆が平和を満喫していた時代にはこの賑わいでした。

 

 そして、チャッップリンとマレーネ・ディートリッヒが出会ったのもこのホテルでした。

 

 「会議であれ恋愛であれ、このホテルの中で起きたことは決して外に漏れることはありませんでした。それがオーナーの基本的な考え方だったのです」

 

 やがてナチが支配した時代がやってきます。そして世界は第二次世界大戦へと向かうことになります。

 

 1945年、ホテルは火災で破壊されてしまいました。

 

 再建されたのはベルリンの壁崩壊後のことでした。外観は以前と全く同じに再建されています。

 

 ホテルと言えばきになるのが食事。美味しい料理は食べられるのでしょうか?

 

 ここはホテルの厨房です。ベルリンはグルメの街とは言えませんが、ここのレストランだけは別。

 

 「昔の味を守りながらも新しい料理を追求していくというのが僕の方針です」とシェフ。

 

 そのシェフが作る料理をお客様に食べていただくのがこのテーブルです。

 

 「すべてが料理と調和するようにテーブルを準備します」と給仕係。

 

 このテーブルに座るべきお客様がホテルに到着しました。

 

 とある企業の社長さんです。このホテルをよく利用するそうです。従業員とも顔なじみ。

 

 「自宅に戻ってきたような気がします。ホテルの皆んなが私のことを知ってますし、私も彼らのことはよく知っています」

 

 20世紀ドイツの歴史の荒波をくぐりぬけてきたホテル・アドロン。現在の正式名称はHotel Adlon Kempinskiです

 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、母が “つまらない邪魔な石ころ” を捨ててしまった。その石ころは、壊れたベルリンの壁の一部で、祖父から譲り受け、大切にとっておいたものだったのに・・・[もうやだ~(悲しい顔)]

 

VDM (Vie de merde)より



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