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ムール貝 [フランスのグルメ]

 モン・サン・ミッシェルのグルメ・シリーズも今日が最後です。

 お店で注文すると、山のようなフライドポテトとともに、スパゲティでも茹でられるような大きなお鍋に入って出て来るのがムール貝。今日はそのムール貝のお話です。
moule.jpg
ル・ヴィヴィエ=シュル=メール
(Le Vivier-sur-Mer)
Paris_Vivier.jpg

   パリ→ドル・ド・ブルターニュ(Dol-de-Bretagne)(列車で3時間)

   ドル・ド・ブルターニュ→ル・ヴィヴィエ・シュル・メール

                       (17番バスで10分)


 世界に誇る美しいモン・サン・ミッシェルの眺め。知らない人はいないと言ってもいいほど。

 しかし、大勢の人々に食べられているムール貝が、ここで養殖されていることはそれほど知られていません。ここで育ったムール貝は、唯一、AOCを獲得している海の幸なのです。


 Moule de Bouchot(ムール・ド・ブショ)というエンブレムの付くこのムール貝は、海に打ち込まれたbouchotと呼ばれる杭で育てられます。樫または栗の木でできたこの杭は、一本の長さが2~6mあり、木の皮がついたまま海底の土に半分ほど打ち込まれます。だいたい100mほどの距離に一列に110本ほどの杭が打ち込まれるそうです。これらの杭は、引き潮の時には全体又は一部が空気にさらされるようになっています。


 大西洋で生まれ、ロープの上で育ったまだ小さいムール貝は、ロープともどもbouchotに巻き付けられ、ここでさらに成長して行きます。


映像は→こちら


 この養殖法は、もともとレギュイヨン湾(ナントから100キロほど南へ下ったあたり)のシャロン(Charron)という町で行われていたのですが、そこのサラルデーヌという一家が、ル・ヴィヴィエ・シュル・メールに移り住んだことで、この地域に広まったのだそうです。1958年のことでした。


 映像に出て来た青年は、19歳の時にお祖父さんの養殖会社で働き始め、仕事が面白くて続けていると言っています。働き者の青年ですね。


 ムール貝を美味しく料理するには強火でさっと火を通すことが大事だそうです。熱くなった鍋に、香りの野菜やハーブ類、こしょう、白ワインを入れ、そこにムール貝を加え、強火で火を通します。2分ぐらいしたら鍋を動かして上下を入れ替えます。


 食べるときはムール貝の殻を使えば簡単に身を取り出すことができます。

 旬は6月から翌年2月まで。この期間に食べるのがいいそうです。




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    コメント 8

    wattana

    carotteさん、おはようございます。
    モン・サン・ミッシェル湾のムール・ド・ブショの記事を読ませていただき、今までずっと疑問に思っていたことが解けました。それは、日本のフランス料理店で‘モン・サン・ミッシェルのムール貝’とメニューに明記してムール貝が食材として使われていることがありますが、このムール貝が本当にモン・サン・ミッシェルで採れたものなのか、本当に採れたものなら湾のどの辺りなのかという疑問です。今回の記事で、この疑問が解けました。
    ル・ヴィヴィエ・シュル・メールって、ドル・ド・ブルターニュから近いんですね。モン・サン・ミッシェル周辺の一連の記事を読ませていただき、日本人にはあまり知られていないブルターニュの魅力を再確認させていただきました。ありがとうございました。
    by wattana (2010-07-04 07:18) 

    orange

    おはようございます。
    ムール貝、大好きですよ。ドイツに居たときもよく食べました。
    ドイツの知人が、こうやって食べるのよ。と貝だけで食べる方法を
    教えてくれました。
    日本に帰り、百貨店の地下などで見るムール貝は、貝ばかり大きくて
    がっかりなものばかりです。冷凍でカルフールで売られているものは、
    あっ!産地に気づきませんでした。今度見てみますね。
    カルフールのは少し大きいですね。
    でもこちらの養殖方法は日本の牡蠣と異なり、杭に
    巻き付けるようにするのですね。あんなに稚貝が密集して付けられて
    いるとは凄いと思いました。ますます行ってみたくなりました。
    このニュースの後の話題は、サッカーだったのでしょうか?
    残念でしたね今回、フランスは。
    by orange (2010-07-04 08:46) 

    carotte

    wattanaさん

    こちらこそ、ずっとお付き合いいただいてありがとうございました。
    私はムール貝の産地までは気にしないで食べていました。AOCを獲得しているくらいですから、やはりこの地で、この養殖法でおいしいムール貝が育つのでしょう。モン・サン・ミッシェルの魅力はあの美しい修道院だけじゃないんですね。
    フランスはいよいよ本格的なバカンス・シーズンに入ったようです。この期間、TF1はいろいろ特集を組んでくれるようなので、また面白い映像を見せてくれのではと期待しています。
    by carotte (2010-07-04 15:45) 

    carotte

    orangeさん

    私も産地はまるで気にしていませんでした。とにかく「あっち」に行ったら必ず食べていました。そして、味付けが何種類かあるので、それを選ぶのに気を取られて、産地までは......。
    おっしゃるとおりで、日本ではなかなかおいしいムール貝は食べられませんよね。それに大きいからおいしいというわけでもない。わりに小ぶりのものの方が味が凝縮されていて美味しい気がします。
    はい、最後に出て来たのはサッカーの話題です。新しい監督が決まったこと、フランスのサッカー協会の会長が辞任することを伝えるニュースでした。フランスはほんとにぼろぼろでした。
    ついでに、最後の最後に出て来るCAC 40は株価指数です。今回はややプラスでしたが、ずっとマイナスが続いていました。どこもここも不景気ですね。
    by carotte (2010-07-04 16:17) 

    ぼんぼちぼちぼち

    日本から一歩も出たことのないあっしは、未だ 美味しいムール貝を食べたことがありやせん。
    やはり 向こうのは美味いんでやしょうなぁ(◎o◎)
    by ぼんぼちぼちぼち (2010-07-04 21:36) 

    carotte

    ぼんぼちぼちぼちさん

    はい、やはり向こうのが美味しいです。
    日本人の口にも合いますし、気軽に食べられます。
    お鍋でどかんと出てきますが、殻付きなので食べてみるとそれほどでもなかったりします。

    by carotte (2010-07-04 22:11) 

    kazenotomo

    ムール貝料理は、プリンス・エドワード島に旅行したときに
    いただきましたが、実においしかった!
    おかげで、ワインも一本あけてしまったよ!
    by kazenotomo (2010-07-07 14:32) 

    carotte

    kazenotomoさん

    「赤毛のアン」の故郷プリンス・エドワード島のムール貝も美味しいんですね。美味しいムール貝を食べれば、当然ワインもすすみますよねえ。
    by carotte (2010-07-07 22:33) 

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