欧州サイクリングロードNo. 6 その8 〜オーストリアと東欧のドナウ川〜 [欧州サイクリングロード]
EuroVelo 6のパンフレットを見ていたら、プロモーション用にこんなTシャツがあるのをみつけました。背中にロゴ入りです。ちょっといい感じ。
さて、ツール・ド・ドナウのようになってきたEuroVelo 6ですが、今日が最終回。
TF1が途中で放棄してしまった、ドイツのパッサウからハンガリーのブダペストまで、総距離660キロの道のりです。一日70キロを走るとすると、約10日かかります。
パッサウでは2つの川がドナウ川に流れ込んでいます。一つはスイスアルプスを水源とするイン川。もう一つは北のRachel山近くに水源をもつイルツ川。
「今日、自転車で坂道を速攻で上っていると、スクーターに乗った男が僕を追い越しながらこう言った。『君、何か落としたよ』僕は止まって後ろを振り返ったが、何も落ちていない。するとそいつが言った。『スピードを落したじゃないか!』」
欧州サイクリングロードNo. 6 その7 〜ドイツのドナウ川〜 [欧州サイクリングロード]
暑い一日でした。
今日のEuroVelo 6シリーズは、 シュタイン・アム・ラインを出発してスイスに別れを告げ、ドナウ川を求めてドイツへと入って行きます。第7ステップは、ドナウ川の源泉からオーストリア国境の手前パッサウまでの、総距離620キロのコースです。
尚、EuroVeloについては→こちらをご参照ください。
また、このシリーズ、フランスを飛び出して別の国へと発展しまいましたので、マイカテゴリーを変更しました。
シュタイン・アム・ラインを出発したら、入り組んだ国境を越えてドイツに入ります。最初に目指す町はトゥットリンゲン(Tuttlingen)。ここからドナウ川沿いのEuroVelo 6が始まります。
トゥットリンゲンのドナウ川に架かる橋
新しくできた橋のようでですが、
回りの環境を考えてこのようなデザインになったのでしょうか?
パッサウに向かう前に、逆方向になりますが、ドナウ川の源泉のあるドナウエッシンゲン(Donaueschingen)を訪ねてみます。ここから、あの黒海まで流れているのがドナウ川です。全長5,850キロ。欧州一長い川です。
ドナウ川の源泉
トゥットリンゲンからは緑豊かな道が100キロほど続きます。ここはオーベレ・ドナウ自然公園。平坦な川沿いの道をのんびり走って行きます。
オーベレ・ドナウ自然公園の中を流れるドナウ川
自然公園を出て、さらに100キロほど行くとウルムに到着します。ここは、アインシュタインの生地。そして、写真に写っているウルム大聖堂の鐘楼の高さは世界一だそうです。
ウルム
ウルムからは修道院のあるヴェルデンブルクを通ってパッサウに到着です。
ウェルテンブルク修道院
その歴史は7世紀頃にさかのぼると言われていますが、
現在の建物は18世紀のもの。
パッサウ
TF1の映像ですが、どういうわけかオーベレ・ドナウ自然公園までで終わってしまいました。予算の都合なのか、編集上の都合なのか........。あまりにも長いルートで、5回の放送には納まりきれなかったのか..........。
いずれにしても、ライン川の源泉や緑の自然の中をゆったりと走っていく様子が映像に納められていますのでご覧ください。
映像は→こちら
(これは去年2009年8月21日に放送された映像です)
オーベレ・ドナウ自然公園の中にはキャンプ場があり、ここで一泊して翌朝出発する人もいるようです。一日70キロ〜80キロ、先を急ぐ人なら100キロ走ると言います。
次回は、オーストリアを通りプダペスト到着までを紹介する予定です。
「私は消防士です。今日、夜中に出動命令が出たので、時間をかせごうと車の中で着替えることにしました。もうすぐ現場という頃になって、スボンを署に忘れてきてしまったことに気づきました」
欧州サイクリングロードNo. 6 その6 〜スイスのライン川〜 [欧州サイクリングロード]
このライン川沿いの道は、スイスアルプスを水源とし、最後はオランダを通って北海へと流れ込む全長1,233キロのライン川のほんの一部です。
尚、EuroVeloについては→こちらをご参照ください。
バーゼルを出発してしばらくは、豊かでゆったりと流れるライン川をながめながらの旅です。
ラウフェンブルク
ルートを4分の3ほど行ったところにあるシャフハウゼンという町に、このルートのハイライトであるライン滝があります。幅150メートル、落差23メートルの滝を作りながらライン川が流れていきます。
ライン滝
ここからさらに17、8キロ先にルートを辿ると、中世の町並みを色濃く残すシュタイン・アム・ラインに到着します。
シュタイン・アム・ライン
教会の鐘楼が見えますが、この鐘楼、ねじれています。
なぜねじれているのか謎なのだそうです。詳しくは→こちら
このシュタイン・アム・ラインからEuroVelo 6のルートに従って、北上してドイツを通りプダペストに向かう前に、そのまま自転車を走らせれば、コンスタンス湖(バーデン湖)に行くことができます。
今日、紹介するTF1の映像は、シュタイン・アム・ラインが最初に登場します。バーゼルからやって来た人、逆にブダペストやドイツからやって来た人など、様々な人たちが行き交う町です。
映像は→こちら
(これは去年2009年8月20日に放送された映像です)
この辺りの道はこれまでと違ってアップダウンがあるようです。子供を乗せたトレーラーをつけて坂道を上るのは大変そうです。
「今日、突然、二人組が訪ねてきて、うちのプールで泳いでもいいかって言うんだ。二人はGoogleマップで調べて来たらしい」
欧州サイクリングロードNo. 6 その5 〜フランスからスイスへ〜 [欧州サイクリングロード]
EuroVelo 6を行く自転車の旅もいよいよ国境を越えてスイスへと入って行きます。
尚、EuroVeloについては→こちらをご参照ください。
第5ステップは、前回の第4ステップ最後の町モンベリアールからスイスのバーゼルまでの旅です。この間、数十キロにわたってアルザス地方を走りますが、これはドゥー川とライン川をむすぶ運河の道。ローヌ・ライン運河の一つですが、かつては単独でナポレオン運河と呼ばれたこともあるそうです。
ローヌ・ライン運河(Heidwiller近郊)
Heidwillerにはこんな可愛いお城もあります。
Photo by Juergen Ehret (from Wikipedia)
運河を過ぎればライン川沿いの道に入ります。川向こうはドイツ。南に向かってしばらく走り続ければスイスのバーゼルに到着です。
ライン川とバーゼル
第5ステップになると、さらに国際色豊かになって行きます。言葉もフランス語、ドイツ語、英語が飛び交います。そして、途中で知り合った旅行者が一緒に走ることもあります。
ライン川沿いの道に入るとしばらくは単調な道が続きますが、この地域はフランス、ドイツ、スイスの国境がちょっと複雑に入り組んでいます。道なりにフランス側を南に下ればスイスに入りますが、途中でライン川にかかる橋を渡ればドイツに行く事ができます。しかし、橋を渡って右に曲がってさらに走ればスイスに行く事もできます。
映像は→こちら
(これは去年2009年8月19日に放送された映像です)
バーゼルに到着したある家族は、牧場に泊まったようです。ベッドは麦わらのベッド。子供たちは大喜び。寝心地はどうだったのでしょう???
次回の第6ステップでは、野性的な姿を見せるライン川に沿って、スイスのコンスタンス湖まで走ります。
「今日、夫がふざけて犬に掃除機をかけて喜んでたら、4歳になる娘がまねしてハムスターに掃除機かけちゃったのよ」
VDM (Vie de merde)より
欧州サイクリングロードNo. 6 その4 〜ドゥー川〜 [欧州サイクリングロード]
4回目は、ソーヌ川に別れを告げ、次はドゥー川(Doubs)沿いを水の流れに逆行するように走って行きます。
EuroVelo 6のドゥー川沿いの道は、ブルゴーニュのお隣フランシュ=コンテ地方の町ドール(Dole)の少し手前から始まり、最後はスイス国境間近のモンベリアール(Monbéliard)で終わります。距離にして約135キロ。今回は、第4ステップとして、ドールから出発し、途中ブザンソン(Besançon)を経由して、モンベリアールまでを走ります。
ルートの途中には、専用の休憩所のようなものがあり、長い道のりを走って来た人たちが水分を補給したり、情報を交換したり、さらには自転車の調整やレンタルをしてくれるような施設があるようです。
そして、12あるEuroVeloの中でも、この6番の、しかもこの区間にだけしかないものがあるそうです。それはVelogardeと呼ばれるパトロール隊。病気や怪我をした人がいないか、危険な走り方をしている者や、自転車が故障して困っている人はいないかなど見回っているそうです。
映像は→こちら
「最近ゲットしたパソコンなのですが、今日、このパソコンには特別な機能があることに気がつきました。それは、起動するまでの間、買い物に行って帰って来られることです」
VDM(Vie de Merde)より
欧州サイクリングロードNo. 6 その3 〜ブルゴーニュ〜 [欧州サイクリングロード]
なかなか涼しくなりませんね。夏バテ寸前。皆さんもお気をつけ下さい。
EuroVelo 6シリーズの三回目は、ロワール川を後にして、ブルゴーニュ地方の運河へと入って行きます。
オルレアンから南へロワール川沿いを下り、ディゴワン(Digoin)から始まるCanal du Centre(中央運河)沿いの道に入ります。この運河はシャロン=シュル=ソーヌでソーヌ川に合流します。
今回は、第三ステップとして、中央運河の途中にある村シャニー(Chagny)から出発してスイスのコンスタンス湖(ボーデン湖)を目指すというアランさんと一緒に下記のようなコースを辿ります。
シャニーを出発してしばらくは中央運河沿いを走ります。20キロほど走るとシャロン=シュル=ソーヌに到着。ここではEuroVelo 6を踏破しようと別のルートからやって来たサイクリング愛好家たちと合流します。ここからはソーヌ川沿いを北上し、サン=ジャン=ド=ローヌまで行きます。
映像は→こちら
(これは去年2009年8月17日に放送された映像です)
シャニーからコンスタンス湖までは往復で1,000キロほどにもなるそうです。少しずつ時間をかけて走れば、できないことでもなさそうですが、やはり大変です。
シャニーをボーヌに向かって北上すれば、ムルソー、ヴォルネ、ポマールなど、ブルゴーニュワインの産地が次々に登場します。ここはコート・ド・ボーヌと呼ばれる、ワイン好きにとっては見逃せない地域。EuroVelo 6というより「ワイン街道」をひたすら走るなんてことになってしまいそうですね。
「今日、奇跡の泉のあるルルドに行っていたお祖母ちゃんが帰って来た。私にボーイフレンドができるようにお祈りしてきたそうだ」
VDM(Vie de Merde)より
欧州サイクリングロードNo. 6 その2 〜ロワールの古城巡り〜 [欧州サイクリングロード]
今日もEuroVelo 6の話題です。
今回は少し東へ前進して、ロワール観光の本丸である古城巡りを紹介します。
自転車で城を訪ねているビデオをなんとかみつけることができました。17分30秒とちょっと長いです。ややカメラが動き過ぎるので、お城の鑑賞には向きませんが、自転車で回るとどんな感じになるかよく分かると思います。
お父さんと息子2人の「三銃士」が二泊三日でキャンプをしながら自転車でロワールの古城を巡ります。お城は全部で13。下記の順に回って行きます。
シュヴェルニー(Cheverny)
ヴィルサヴァン(Villesavin)
シャンボール(Chambord)
ブロワ(Blois)
(キャンプ場で一泊)
ショーモン(Chaumont)
アンボワーズ(Amboise)
クルーの館(Clos Lucé)
シュノンソー(Chenonceau)
(親戚か知人宅で一泊)
ヴィランドリー(Villandry)
ランジェ(Langeais)
ユッセ(Ussé)
シノン(Chinon)
(リル・ブシャールの教会)
アゼ=ル=リドー(Azay-le-Rideau)
下記地図のとおりです。東から西へと回って行きます。
映像をご覧いただく前に、少し説明を。
最初の城シュヴェルニーまでは車でやって来た模様。ここから自転車で出発します。
最初の夜は、ショーモンの近くの超格安キャンピング場で一泊。
なにやらインスタントのパエリアのようなものを食べてます。お父さんが三人平等に分けました。
二日目の夜は知人か親戚の家で一泊。夕食時には「哲学歴史宗教」の話で盛り上がったそうです。
翌朝は早起きしてヴィランドリー城を見学。その後近くでピクニック朝食(?)。
ランジェ城を見学したら、肉屋(肉の他にもお惣菜など売っている)で昼食を購入し、ユッセ城の見学後に近くでピクニック昼食。
最後はがんばったご褒美にレストランでお食事。
息子二人はそれぞれ“超美味しいマカロニ”、“サヴォワ風ピッツァ”。
お父さんは子牛の煮込み料理。
夜の11時に車がお迎えに来て、今回のサイクリング旅行はおしまい。
尚、イル・ブシャールのサン=ジル教会には、1947年12月8日から14日まで天使ガブリエルを連れたマリアが現れたという伝説があります。
では映像をご覧ください。
「今日、10秒ほどたってから、自分がエスカレーターではなく、普通の階段の上に立っていることに気がついた」
VDM (Vie de merde)より
欧州サイクリングロードNo. 6 その1 〜ロワール川〜 [欧州サイクリングロード]
フランスのTV局TF1の過去のニュース映像をあれこれ見ていたところ、ヨーロパにはユーロヴェロ(EuroVelo)なるサイクリングロード網があることを知りました。
このユーロヴェロは全部で12ルートあるそうです。下記地図の赤い線がそのルートです。それぞれ1から12まで番号がふってあります。(興味のある方はWikipediaを参照ください→こちら)
そこで今回は、この中のEuroVelo 6(上記地図のオレンジ色のルート)を紹介したいと思います。これは、西の端Nates(ナント)から東へ東へと進んで、最後は黒海に面した都市コンスタンツァに到達するルートです。
EuroVelo 6は、川沿いを行くルートとして知られています。まずはロワール川沿いを、ついで中部の運河、さらにローヌ川の運河からライン川沿いへと続きます。その後は、スイスに入り、ライン川からコンスタンス湖沿いを行き、ドイツで分水界を越えたらドナウ川に沿って進み、パッサウの近郊で国境を越えオーストリアに入り、ウィーンを通ってブダペストに向かいます。ブダペストからブカレストを過ぎ黒海にぶつかったところでこのルートは終わります。その全長は3,000キロ以上にも及びます。
今日は、第一ステップとして、ロワール川沿いのルートを紹介します。全体にすると800キロありますが、今回はアンスニ(Ancenis)からモーヴ=シュル=ロワール(Mauves-sur-Loire)までの約30キロです。下記ビデオでナビゲーターのジュリーさんがここを赤い自転車で走ります。途中、2箇所寄り道して、最後はぶどう園でワインを試飲します。(下記地図のマークを右から順に進んで行きます。マークをクリックすると説明があります)
「今日、僕は思わず『動くなよ、すぐに戻るからな』って、パソコンに話しかけてしまった」
VDM (Vie de merde)より