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ワインの栓抜き [フランスのモノ]

 9月もそろそろ半ばに差し掛かる。

 8月のお盆過ぎくらいから仕事の量が急増して生きた心地がしなかった。パニックになる寸でのところで持ちこたえる感じで身体に悪い・・・。

 そういう時はちょっと外にでて気晴らしと思うのだが、外は猛暑で出たら出たですごいストレス。逃げ場がござらん!

 そんなこんなで季節の変化を自覚することもなく今日まできて、一応やっと仕事に区切りがついた。知らない間に残暑も徐々に終わりそうだ。早く秋になってもらいたい。

 さて本日は、ワインの栓抜きのお話。

Paris_Menerbes.jpg


下記のウィンドウの▷をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2022年9月8日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 ここはフランスのとあるワイナリー。箱の中に入っていたのは古いワインの栓抜き。

 「これは、19世紀のものですね」とご主人。

 面白い形をした栓抜きが次々と登場します。中には数千ユーロするものもあるとか。

 あのコルク栓が無事抜けたときは気持ちがいいですね。

 英国ではユニークなものがたくさん発明されたそうです。

 「こちらの栓抜きでは、最初にこちらの刷毛で瓶の埃や蝋を落とします」

 このワイナリーではこれまで収集してきた栓抜きを展示しています。実用性重視のものから、職人さんが細かな装飾を施したものなど、様々栓抜きが昔から作られてきたようです。

 中にはシャルル・ド・ゴールという名前の栓抜きもあったとか。持ち手が長いのがその特徴。

 あのぐるぐるを手作りしていた時代もあったようです。すごい技ですね。

 一方、こちらはパリのHotel de Crillon。

 「栓抜きのこの先の尖ったところを真ん中に突き刺して開けるのがコツです」とソムリエ長。

 はい、いつもそれを基本に開けようとするのですが、いつの間にかずれているんですよね。

 ソムリエ長が手にしている栓抜きはもう10年以上も使い続けているもの。これをなくすということは身体の一部を失うことと同じ。大切なものなんですね。この栓抜きでロマネコンテを開けたこともあるそうです。

 白黒映像はワインの栓開けコンクールのときのもの。なかなか開けられないと、こんなことをしてみたくなる気持ちはわかります。

 さて、こちらはオーストラリアの栓抜き。ピストルの形をしています。引き金を引くと・・・ナイフが飛び出します。ちょっと怖い。

 さらにこちらは水道の蛇口をかたどったもの。可愛らしい。一度使ってみたい。

 こうして栓が開いた時のこの音がいいですよねえ〜。


******* フランス人のつぶやき *******

「僕はぶきっちょで有名。親友が牡蠣を殻を開けるより、ワインの栓を抜いてくれ!という。なにしろワインの栓抜きで牡蠣の殻をあけようとしていたからね[あせあせ(飛び散る汗)]

VDM(Vie de Merde)より


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高級ブランド休業 [フランスのモノ]

 月曜日恒例の節約晩ご飯は残念ながら放送がなかったのでお休みです。

 ロシアのウクライナ侵攻のニュースは見ていてつらくなる。

 そして、時代錯誤の野蛮な行為は許しがたい。ひどく汚いやり方で自治を取り上げようとしているように見える。世界中が抗議の声をあげるのも当たり前。

 そんな中、モスクワにあるフランスの有名ブランドが抗議の一つとして休業に入ったらしい。

 しかし内情はなかなか複雑らしい。

marquelux.jpg   


下記のウィンドウの▷をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 3で2022年3月5日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 ルイ・ヴィトン、エルメスなどフランスの有名ブランドが、ウクライナ侵攻が続いている期間、ロシアにあるすべての店舗の営業を一時休止することにしたそうです。

 ルイ・ヴィトンは124店舗、シャネルは17店舗、エルメスは3店舗、ケリングは2店舗、いずれも休業となります。

 しかし、どのブランドも目立つほどの経済的打撃を被るわけではありません。

 なにしろロシアはそれほど大きな市場ではないらしい。ヴィトンは全体の売上の2%以下、ケリングは1%にしか過ぎません。

 ロシアの富裕層は外国での買い物にお金を使うとか。フランスならコート・ダジュールやスキー場のあるリゾート地。

 「これらの高級ブランドはジレンマ状態なんです。ロシアの富裕層は重要な顧客の一角であることに変わりはありませんから、反ロシアのイメージを全面に押し出したくはないわけです」と事情通のジャーナリスト。

 とは言うものの、このままのんびり商売を続けていくこともイメージを損なう。

 そのせいか、こぞってウクライナと避難民支援のために寄付金を出すらしい。

 バレンシアガに至っては、自社の公式ツイッターにウクライナの国旗を掲載したそうです。


******* フランス人のつぶやき *******

「今日、高級ブティックで働いている。時間になったのでいつもの調子で上司に行った。『逃げるわよ、休憩時間だから』するとお店にいたお客も皆逃げていった [ふらふら]

VDM(Vie de Merde)より


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TGV新型車両 [フランスのモノ]

 昨晩の東京は寒さが緩みました。

 

 そして夜の電車がやたら混み合ってました。

 

 この時期、忘年会やらなんやらで出かける人が多いんでしょう。

 

 あのような電車にはあまり乗りたくないですねえ〜。

 

 

 さて、電車と言えば、フランスの高速鉄道TGV。この度、パリ=ボルドー間を走るTGVに最新の車両が登場しました。

 Paris_Bordeaux.jpg

 

 下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2016年12月11日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



 

 12月11日、9時28分、記念の新車両に乗り込むお客様方。

 

 中はこんな具合になっています。

 

 こちらは2等車の車両ですが、座り心地の良さそうな座席が並んでいます。

 

 「一般家具と同じ材料を使っています。こちらの折りたたみ式テーブルは板張りですよ。そしてこちらにはコンセントがありますから携帯やパソコンなどの充電ができます」と責任者の方。

 

 しかもこれまでの車両に比べると足元がゆったりしています。

 

 また、座席数はこれまでより22%増。一本につき556人が乗車できるようになりました。

 

 そしてこちらは一等車。色やデザインが2等車とは異なります。

 

 こうして座席の向きを変えることもできます。10人のうち9人までが列車の走る方向を向いて乗車できるようになりました。

 

 あれえ、日本は普通車も全部、列車の走る方向に向いて座れますよねえ。最近、新幹線に乗ってないのでうろ覚えですが・・・。

 

 それはともかくとして、最新車両はエコロジーにも気を使っています。

 

 各車両のデッキにはゴミが分別できるようになっています。さらに無料のWiFiも付いています。

 

 パリからボルドーまで乗車したお客様方は満足げ。

 

 「便利で乗り心地のいい最新車両に乗車できてよかったですよ」と男性。

 

 「列車の中で仕事ができるんで便利ですね。それにレジャーで乗るのにも適してますよ」と別の男性。

 

 なにやら喫茶室みたいな車両もあるようです。

 

 来年の7月には、スピードもアップして、パリとボルドー間は2時間4分まで短縮されるそうです。

 

 また、混雑時には30分おきに走るそうです。

 

 飛行機の2倍の時間がかかりますが、早めに予約すると割引が適用されるのでお得です。


 

 

******** フランス人のつぶやき *******



「今日、そして毎日、TGVに乗っている。今日は座席がガラ空きなのに、若くて美人の女性が隣の席に座った。彼女と楽しくおしゃべりしていると、小太りの汗っかき男がやってきて彼女に言った。『悪いねえ、この席、僕が予約してるんだよ』」

 

VDM (Vie de merde)より



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香水 [フランスのモノ]

 フランスでは毎年約3400万本の香水が売れているそうです。


 これだけの量が売れているとなると、フランスの空港に降り立ったとたん、日本ではあまりなかった香水の匂いが漂ってくるのもうなずけます。


 香水の調合から生産ラインまで、どんな風にして出来上がっていくのでしょうか?


 フランスのTV局France 2の取材班が取材してきました。

 France_parfum.jpg

 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 2で2014年11月5日に放送)




 お店にならぶ香水の数々。


 「通り過がりにいい匂いがするのはいいですよね」と女性。


 毎年、数百の新しい香りが市場に出回りますが、一つの香水を作り上げるのには何年もかかるそうです。


 すべてはこのラボから始まります。


 たくさんのビンが並んでいますが、この中に様々な香りのエッセンスが集められています。


 アンヌさん(黒いパンツスーツの方)は”ネ(フランス語で「鼻」という意味)”と呼ばれる調香師。これまで数々の有名ブランドの香水を作ってきました


 一口に香りのエッセンスといっても、抽出するのが難しかったり、長期保存がきかないものもあり、高価だそうです。


 原料は自然のものから集められたものもありますが、科学的に作られたものがほとんど。


 アンヌさんの仕事場に新しい香水のサンプルが運ばれてきました。微妙な香りの違いを聞き分ける作業が始まります。


 そして、実際に人間の肌につけてみて、確認する必要があります。


 モルモット役はラボのスタッフの一人が引き受けてくれました。


 二人の人間が匂いを嗅ぎまわってるこの図は、ちょっとおかしいですね。


 こうして香水の原料が出来上がったら、次はアルコールを混ぜてビンにつめる作業に移ります。


 この工場はノルマンディー地方にあります。大きなタンクには、香水の原料とアルコールを混ぜたものが入っています。


 二つが一つに溶け合うまで、このまま3週間ほど待ちます。


 こうして出来上がった香水は一度−4℃まで冷却してからビンに詰められるそうです。冷やすことで均等な香りの香水をビンにつめることができるのだそうです。


 この香水瓶、75%が、フランス北部の町メール=レ=バンで作られているそうです。


 作業はすべて機械化されています。型を取り、再度熱を加えたら冷やします。人間の仕事はビンに傷がないか確かめること。


 このビンが、さきほどのノルマンディーの工場に運ばれ香水がつめられることになります。

 


 

******** フランス人のつぶやき *******

 


「今日、ベーコンと玉ねぎを炒めていたら、僕の彼女が同じ匂いの香水をつけていることに気がついた」

 

VDM (Vie de merde)より



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パプリオン [フランスのモノ]

 9月中旬、ストラスブールで開催された欧州レピンヌ発明賞コンクール。


 モン=サン=ミッシェルにほど近い町グランヴィル(Granville)に住むカップルが、こんなものを発明して受賞しました。


Paris_Granville.jpg



 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 3で2014年9月27日に放送)




 発明したのは絵はがき。でも普通の絵はがきではありません。


 横長のちょっと大きめの絵はがきの真ん中(三角の白い部分)にメッセージを書いたら、三カ所に折り目を付けて、するっと包むように折り畳みます。


 すると三角の絵はがきに変身。表に出ている白い部分に宛名を記入して切手を貼って出せば完了です。


 これならメッセージを他人に読まれることもありませんし、他とは違うちょっと個性的な絵はがきになります。


 「絵はがきを折り畳んで遊んでたんです。ちゃんと絵が見えたままで、面白い形に折り畳むことはできないかなとやってたんですが、どうしても最後にキレイな形にならない。それで、数学が専門の夫が、数週間あれこれ計算して、今のこの形にたどり着いたんです」とミリッツサさん。


 二人はこの絵はがきをパプリオン(Paplion)と名付けました。


 そして、実際に郵便で出して、ちゃんと届くことを確かめました。


 評判も上々だったので、試しにレピンヌ発明賞に出品してみたところ、なんと銀賞を獲得してしまったのです。


 「レピンヌ賞と言えば権威ある賞です。認めてもらったんだなと思いました。これまで知り合いに出して喜んでもらうだけでしたが、これからはもっと広げて行けるなと思っています」


 パプリオンは今年末、ノルマンディー地方とパリで商品化されることになっているそうです。


 その頃、モン=サン=ミッシェルに行ったら、この絵はがきがお店に並んでいるかもしれません。


 電子メールやSNSの発達で、手紙を書いたりハガキを出したりすることがほとんどなくなってしまいましたが、フランスではまだまだ絵はがきは人気だそうです。



 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、バカンスに出かけた10歳になる息子から、やっと絵はがきが届いた。中味はと言えば・・・『やあ、元気?特になし。じゃあね』」

 

VDM (Vie de merde)より




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布を巡る旅 その5 [フランスのモノ]

 シリーズの最後は、中世の時代からアルザス地方に伝わる伝統の布ケルシュ(Kelche)です。


 小さな村ミッテルソルツにあるメーカーTissage Ganderの工場を訪ねます。


Paris_Muttersholtz.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年1月17日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合はウィンドウの下にある文字をクリック

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



 機械の上に積もった埃。


 使われなくて溜まった埃ではなく、使えば使うほどこうして繊維が埃のようになって積もるのです。使われている繊維は亜麻。


 ミッシェルさんは創業から数えて7代目。


 30年ほど前に亜麻を使った織物ケルシュを復活させました。


 19世紀の中頃から綿が亜麻に取ってかわり、アルザス地方伝統のケルシュは姿を消してしまっていたのです。


 このチェックの柄が典型的なケルシュです。


 「冬に農民が使う布だったのです。どこかの工場で大量に作られていたのではなく、各家庭で作られていました。ですから、家庭で作られなくなると同時に、姿を消してしまったのです」と女性。


 かつてアルザス地方では亜麻や麻があちこちで栽培されていたそうです。


 当時のケルシュについて書かれた資料がわずかに残っており、その作り方は途絶えることなく次の世代へと伝えられてきました。


 格子模様は昔から変わりませんが、その色は時代とともに様々に変化してきました。


 「ナプキン、クッション、カーテンなど、家の中で使う様々なものに使われてきました」


 木が主体のコロンバージュ様式の部屋にケルシュを使ったカーテンやクッション。


 これが典型的なアルザス地方の部屋だそうです。どことなく庶民的で暖かみがあります。


 ケルシュは結婚式の時や子供が生まれたときなどに作られ、長く使われたそうです。


 リリーさんのお宅を訪ねると、タンスの中に18世紀頃のケルシュが保存してありました。


 300年近くたつというのに、鮮やかな色は今も変わりません。


 ケルシュに使われている赤はカトリック、青はプロテスタントを表しているのだとか。


 「ケルシュは19世紀の終わり頃まで使われていました。高級品ではなかったので農家に取っては手頃な布だったのです。そして、すり切れて来たら修理して出来るだけ長く使っていたようです」とリリーさん。


 各家庭では、節目になる年を記念してケルシュにハート型の刺繍を施していたそうです。


 


******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、病院の待合室の壁には3462個の四角い模様が描かれてあった」

 

VDM (Vie de merde)より




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布を巡る旅 その4 [フランスのモノ]

 シリーズの四回目は、フランス西部マイエンヌ県の工場で作られている“マイエンヌの布(Toiles de Mayenne)”。


 これまで登場した3つの布は、その地方独特の伝統の布でしたが、今回は少し違っています。


 工場のある小さな村フォンテーヌ=ダニエルを訪ねます。


Paris_FontainD.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年1月16日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合はウィンドウの下にある文字をクリック

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



 工場の施設は、元は修道院。


 フランス革命で国の財産となった修道院は、1806年、パリからやって来た企業家に売却され、繊維工場に生まれ変わります。


 かつては数百世帯がこの工場で生計を立てていたそうです。


 「昔、家のカーテンはマイエンヌの布でしたよ。それに遊ぶときはマイエンヌの布を使って遊んでました」と年配の女性。


 1952年にこのメーカーが“マイエンヌの布”を商標登録したことで、ここで作られる布は“マイエンヌの布”と呼ばれることになりました。


 200年前の創業当時は760人ほどもいた従業員も、現在は150人ほど。


 実際に機械を動かしているのはさらに少なく10人ほどです。


 使われている繊維は麻や綿だけでなく様々な化学繊維まで。


 そしてユーザーの要求に答えて製作する布の種類も様々です。


 毎月、新しいデザインが生み出されます。


 「心地のいい布になるよう研究しています」と女性従業員。


 新しいデザインができると、それに合わせてマシーンを調整しなくてはなりません。


 「この作業は機械で自動化することはできません。手作業です。ですから、やり方が分かっている人だけにしかできませんよ」


 数千本にも及ぶ糸を扱う仕事ですが、一本でも間違いがってはいけないそうです。


 共同経営者のラファエルさんが見せてくれたのは、祖父が作っていた布のサンプルです。


 年代物のバッグに保存されていました。1880年頃に製作された布です。


 会社は代々ドゥニ家に継承されてきました。ラファエルさんで7代目になるそうです。


 これまでに作られて来た布は600種類にも達します。


 この工場では製作された布を使って様々なものを作っています。


 納品先は、インテリアデザイナーやショールーム用品販売店など。


 現在の会社は主に3つの部門からなりたっています。


 一つは昔から継承されてきた布の製作。二つ目はその布を使って製品を製造すること。3つ目がインスタレーションの提案です。


 工場の直売所にはマイエンヌの布製品を使ったインテリアが再現されていました。


 


******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、田舎のホテルでシャワーにかかろうとカーテンを開けると、バスタブでアヒルが寝ていた」

 

VDM (Vie de merde)より




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布を巡る旅 その3 [フランスのモノ]

 シリーズの三回目は、フランス南西部バスク地方の織物です。


 1910年創業のメーカー1910 Lartigueは、ずっと同じ家族に継承されてきました。現在のオーナーは4代目にあたります。


Paris_Ascain.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年1月15日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合はウィンドウの下にある文字をクリック

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



 バスク地方と言えば、草を食む羊に、赤と白の家々。


 そこで作られているのがストライプ模様の織物です。


 ツートンカラーの典型的なバスク織り。かつては7本の縞模様だったそうです。


 7本は、バスク地方の7つを地域を表しているのだとか。


 同じストライプ模様のカタルーニャの布に似ていますが、どことなく違っています。


 地中海寄りとそうでないのとでは色使いも違ってくるものなのでしょうか?


 バスク織りは、まずは長い糸を使ってストライプ模様をセットすることから始まります。


 大きな機械は何キロメートルにもなる糸を巻き付けられるそうです。


 セットが完了したら、特殊な機械を使って糸を束ねて行きます。この作業は手作業です。


 どうやら糸を束ねるのと同時に切り離しているようです。


 この作業、昔は一週間かかっていましたが、今では3時間で終わるそうです。


 小型ロボットのような機械のおかげです。


 バスク織りは、昔は、衣服、ベッドカバー、テーブルクロスとして使われていましたが、今はさらに幅が広がり、クッション、ポーチ、ナプキン、タブレット入れなどに加工されています。


 そして色使いも変化しているそうです。


 「ベージュが主流だったバスク伝統の色合いからだいぶ変化してきました。今ではカラフルでモダンな色になってきています」と女性。


 そして、布の風合いも、厚手の固いものから、薄手の柔らかいものまであるようです。


 これなら様々なものに応用できそうです。


 「バスク伝統の織物ですが、現代に合わせたものでなくてはなりません」とデザイナーの女性。


 4代目のフィリップさん、先祖から受け継いで来た伝統のバスク織りを守りながら、新しいデザインにも挑戦しています。


 

 

 


******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、私の彼が赤いバラをプレゼントしてくれた。うっとりしてその香りを楽しもうと10分間も鼻をくんくん言わせた後で気がついた。バラは布製の造花だった[ふらふら]

 

VDM (Vie de merde)より




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布を巡る旅 その2 [フランスのモノ]

 シリーズの二回目は、プロヴァンス地方のプリント生地です。


 小さな村サン=テティエンヌ=デュ=グレにあるメーカーLes Olivadesの工場を訪ねます。


Paris_StEtienneG.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年1月14日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合はウィンドウの下にある文字をクリック

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



 民族衣装だけでなく、テーブルクロスやカーテンなどに登場するプロヴァンス特有のモチーフの数々。


 この、1648年にマルセイユで生まれたと言うプロヴァンスのプリント生地を、今でも継承している唯一のメーカーがLes Olivadesです。


 「細かなモチーフの繰り返しというのが特徴です。この生地は、1818年からずっと当社でプリントしています」と社長のジャン=フランソワさん。


 Les Olivadesの創業は1818年。200年近い歴史があります。


 その間に工場は近代化されましたが、作業には人間の手が欠かせません。


 長く伸びるコットンの布に、繰り返しのモチーフが段階を追って印刷されていきます。


 版画の印刷とほぼ同じですね。ミリ単位の正確さが要求されます。


 「これは高級プリント生地です。すばらしい生地になりますよ」と作業員の方。


 工場では新旧合わせて約300種類のモチーフがあるそうです。


 「現在、アメリカ、日本、オーストラリアなど世界中に販売しています。そのためそれぞれの文化に合うようモチーフを考えなくてはならないんです」とジャン=フランソワさん。


 アルルにある専門店には、カラフルなプリント生地に魅かれて観光客が訪れるそうです。


 そして、プロヴァンス柄の男性用シャツも人気だそうです。


 他には、コースター、ナプキン、ポーチなどの小物やエプロンなども置いてあります。


 最近では、このプロヴァンス柄のコピー商品が出回っているそうです。


 しかし、本物と同じではありませんし、品質も劣るとか。


 違いの分かるお客樣方が、ここで本物をお買い求めになるということのようです。

 

 

 




******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、OA担当の僕は、ボスのオフィスにあるプリンターを修理することになった。修理を終えて電源を入れると、溜まっていたデータをプリンターが印刷し始めた。よく見ると、それはお見合いサイトのメンバーリストだった

 

VDM (Vie de merde)より




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布を巡る旅 その1 [フランスのモノ]

 今日からフランスで作られている布を求めて地方を訪ねます。


 いつものように5回のシリーズです。


 第一回目の今日は、フランスのカタルーニャ地方で作られている布です。


 エスパドリーユに使われていることで知られています。

Paris_StLaurentC.jpg

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2014年1月13日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合はウィンドウの下にある文字をクリック

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。



 19世紀末から布の生産で知られるようになったサン=ローラン=ドゥ=セルダン。


 スペイン国境近くの、人口1300人足らずの小さな村です。


 布メーカーLes Toiles du Soleilの工場の織機が布を織り上げています。


 まずは縦糸をデザイン通りに配置し、それから横糸で織って行きます。


 「織り機はかなり古いものです。第二次世界大戦の頃に使っていたものですからね」と男性。


 工場の従業員の数は30人ほど。1930年代の頃に比べれば十分の一に減ってしまいました。


 しかし、ここで作られる布は世界各地に輸出されています。


 「日本、アメリカ、オーストラリア、ロシアなどです。小さな村の工場で作られたものが世界に出て行くというのはちょっとうれしいですね」と従業員の方。


 布のデザインをしているのが、アンリさんです。


 カラフルなストライプの組み合わせがその魅力ですね。


 「印象派の点描がとちょっと共通している部分があります」と従業員の女性。


 工場直営のお店では、布の販売の他に、この布を使って作られたグッズも販売しています。


 「どれも素敵で、全部欲しくなっちゃいます」と女性客。


 お客さまの中には、隣村で自分の作った洋服を販売しているラファエルさんがいます。


 Les Toiles du Soleilの布を使って、主に、海で羽織るジャケットを作っています。


 厚手で丈夫な布は、ベスト、ワンピースなど幅広い用途に使えるそうです。


 Les Toiles du Soleilの布は、日本にも販売店がいくつかあるようです。


 興味のある方は→こちら

 

 

 



******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、僕は危うく車にひかれそうになった。運転手によれば、僕の服装は“道路の色”をしていたのだとか」

 

VDM (Vie de merde)より




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