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緑の光線 [教会]

 この4連休中は移動した方がたくさんいたようだ。

 これで感染が拡大していなかったら、自信になる。対策をしっかりしていれば感染はしないと実証されたことになる。

 どうか拡大しませんように!

 さて、昨日は秋分の日。この日、ストラスブールの大聖堂ではちょっと不思議な現象が起きたそうです。

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下記写真をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で、2020年9月22日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。

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 今週は秋の訪れを告げる話題をシリーズで紹介しているTF1の報道番組。

 その夏と秋の分かれ目のお天気の良い日に、ストラスブールの大聖堂で緑の光線が見られるそうです。

 あの、夕日が沈む直前に一瞬だけ見える緑の光線とは違う光線。

 実はこの光線、冬から春の分かれ目にも現れるそうです。今年はどちらも12時24分ちょうどに現れました。

 この場合、自然の光線とは違って、大聖堂の緑色のステンドグラスが作り出す偶然の演出でした。

 夜と昼の時間が同じになる日の定刻になると、太陽の光がステンドグラスを通って緑色に変色し、その緑色の光線が狙ったかのようにキリスト像を明るく照らし出します。

 「ピンク色の石像を緑の光線が照らし出すなんて、印象的で大変興味深いです」と男性。

 「この素晴らしい大聖堂に緑の光線が差し込むとさらに感動に包まれます」と女性。

 太陽の光を緑に変えているのは、キリストの使徒の一人を描いたステンドグラス。ちょうど左足の部分です。

 これは奇跡だと言う人もいれば、こんなことを言う人もいます。

 「これは職人がステンドグラスの修復中にミスを犯したからなんです」

 しかし、本当のところは誰にもわかりません。

 毎年、年2回のこの感動的な瞬間をひと目見ようと多くの観光客がやってくるそうですが、今年はコロナ禍で入場制限があったため、貴重な瞬間を体験できたのは限られたひとたちだけだったようです。

 「まるであの場所を正確に狙ったかのように緑の光線が現れました」と男性。

 「太陽の通り道は毎日違ってますから、ちょうどあの様になるなんて不思議です」と女性。

 この緑の光線は、晴れていれば、木曜日の同じ時間まで見ることができるそうです。

 それを逃したら次は来年の3月20日、11時38分まで待たなくてはなりません。


******* フランス人のつぶやき *******

「今日、なんとなく心配になって、日本にいる元カノにコロナ感染は大丈夫か?とメールしたら、ブロックされてしまった[あせあせ(飛び散る汗)]

VDM(Vie de Merde)より


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教会の防火対策 [教会]

 関東地方の梅雨明けは、どうも連休後に持ち越しのようだ。

 数年前に8月にずれ込んだことがあったっけ。そんなことにならないことを祈ります。

 さて、フランスの各地にある古い教会。パリの大聖堂やナントの大聖堂で火災が発生してしまい、その防火対策の重要性が見直されています。

 ナントの大聖堂は消防隊がすぐに駆けつけ消火活動を行ったことで、被害の拡大を免れました。

 しかし、パイプオルガンは焼けてしまい修復は不可能のようです。

 そんな中、万全の対策を講じているのがストラスブールの大聖堂。

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下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局TF1で2020年7月20日に生放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。

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 高さ35メートル。空に向かって伸びる大聖堂の塔。

 フランスでもここだけにしかない厳重な防火対策が施されています。

 屋根を支える骨組みは木製ですが、壁で保護されています。どうやら壁で仕切ることで延焼を防ぐようになっているようです。

 そして天井には火災報知器。全部で300個ほどが取り付けられているとか。すべてこの中央制御装置で状況がすぐに把握できるようになっています。

 たとえば、出火が検知されると即座に消防署に連絡が行き、消防隊が5分でかけつけることになっています。

 さらに、これは50メートル以上の建物には取り付けることが義務付けられている消火栓ですが、必要なら消防隊がここから屋根に向かって放水できるようになっています。

 4年前、教会の中の貴重な美術品を守るための改修工事が実施されました。そして出火を検知する高度な電化システムが完備されたようです。

 「ここはトップクラスのセキュリティシステムを有しています。もちろん、予期せぬ火災が発生する危険がないわけではありません。しかし、概ね不安は取り除かれたと思っています」と教会の関係者の方。

 こちらは20年前から大聖堂の修復を担当しているフレデリックさんです。火災が発生した場合の被害が気になっていたそうです。

 「ここには10個の鐘があり、一番重いものは9トンもの重量があります。火災が発生すれば、その鐘が天井を突き抜けて落下する可能性があるんです」

 10個の鐘が燃え盛る炎の中を次々に落下するなどという光景はあまり見たくないですね。そのため、防火対策の開発が日々続けられているとか。

 また国は、教会のメンテナンスと防火対策に120,000ユーロの費用を負担しているそうです。


******* フランス人のつぶやき *******

「今日、私のレストランで火災が発生した。原因は、防火システムの電気回路のショート[ふらふら]

VDM(Vie de Merde)より


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第二の人生 [教会]

 ここへきて暖房器具がまた活躍してます。あったかい部屋が心地いい。

 しかし、これで最後の復活になって欲しいもんです。

 さて、フランスには40,000ほどの教会があるそうですが、その維持には苦労があるようです。

 老朽化や実際に教会に通う信者数の減少など様々な問題を抱えています。

 そこで、「そんなに教会こだわらなくてもいいじゃないか!」と、こんなことになってしまった教会もあります。

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下記ウィンドウの▸をクリックして番組をご覧ください。(フランスのTV局France 3で2017年3月19日に放送)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが問題のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 毎週水曜日、60人ほどの子供たちがボクシング、しかもタイ式ボクシングに興じています。

 壁の棚には仏像が・・・。

 何あろう、ここは元カトリック教会。とは言っても、1790年に神聖を剥奪されてしまいカトリック教会としての力は残っていませんでした。

 ボクシングクラブにやってきた子供たち、タイ式の挨拶を交わしています。

 「われわれが大切にしたいのは尊敬の念です。その向ける先は、キリストでもお釈迦様でもアラーでも構いません」とクラブの代表者。

 教会は、消防隊の倉庫、裁縫工房、焼き物工房を経て、18年前、ボクシング場に改築されました。

 「建物が有効利用できてとてもよかったと思ってます」と町長さん。

 一方、こちらの教会は役場に変身です。賛否両論だったそうです。

 かつての教会の大広間はレセプション会場になり、聖具室は台所に変わりました。

 「信者さんたちにとっては心のよりどころのような場所だったのが、パーティー会場になったわけですから、そう簡単な話ではありませんでした」と町長さん。

 さらに、こんな教会もありました。

 2000年、クレールさんご夫婦は家を探していました。そして売りに出されていたこの教会にめぐり合います。

 「水車小屋を見たりもしてました。結局、この教会を買うことにしたんです。とは言っても信心深いわけじゃないですよ(笑)。むしろそうだったからこうして住んでいられるのかもしれませんね」とクレールさん。

 アーチ型の素朴な天井が素敵ですね。それに教会で使っていた家具もあります。

 さらに、祭壇も昔のまま。ただ、絵は新しくオーナーが描いたもの。ミケランジェロのピエタをヒントに描かれています。

 なんだかちょっと宗教色が強すぎて、このような建物を住居にするには少々抵抗あり。

 美術館や施設で鑑賞する分にはいいですが、家の中にピエタはちょっとどうなのかな・・・。きつくないですかねえ〜。

 まあその人の好みと言ってしまえばそれまでですが・・・。


******* フランス人のつぶやき *******


日、親友の結婚式。付添人として新郎のそばに立っていると新婦が教会に入場してきた。新郎の目に涙が・・・そして言った。『しまった!愛してないことに今気がついた』

VDM(Vie de Merde)より


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教会のちょっとエッチな彫刻 [教会]

 昨晩は冷たい北風が吹いて冬に逆戻り。

 

 帰宅して家の中に入ると暖かいのにホッとしてしまいました。春先は天候がなかなか安定しません。

 

 さて、本日は教会の建物を飾る彫刻のお話です。

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 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局France 3で2016年4月9日に放送)(▸をクリックしても映像が出てこない場合はウィンドウの下の文字をクリック)

映像が途切れ途切れになってしまう皆さん。どうも映像の読み込みと再生の速度がうまく噛み合ないのが原因のようです。解決策として、本編が始まったところで一旦ポーズボタンをクリックし再生を止め、映像を読み込むまでしばらく待ちます。ある程度映像を読み込んだところで、もう一度再生ボタンをクリックすると途切れずに見ることができるようになります。少し手間ですが試していただけると幸いです。


 フランスのあちこちに建つ大小様々な教会。

 

 その教会のファサードにはとてもカトリック教会とは思えない、ちょっとエロティックな彫刻が飾られていることがあります。

 

 例えばこの教会。手足を絡ませる大胆な姿の男女。

 

 このちょっとエロティックな彫刻を写真に記録しているのが写真家のジャン=マリーさんです。

 

 すでに現役を引退してしまいましたが、2008年頃からこのような彫刻を撮影し始めました。

 

 ご覧の通りここにも男女が抱き合っている彫刻があります。

 

 「この教会のファサードをみてください。イオニア式の柱頭と軒持送り(モディリオン)に彫刻があります。まずは軒持送りの彫刻をみてください。小さい彫刻であまり目立ちませんが、男性がのけぞっています。そこには明らかに男性の性器が彫られています」とジャン=マリーさん。

 

 教会の中に入ってみると、またもや同じような彫刻が見つかりました。

 

 男性が若い女性とキスを交わしています。男性の方はそのヘアスタイルから聖職者と考えられます。ちなみにこれらの彫刻は2世紀頃の作品です。

 

 「僧侶や司祭たちは彫刻家にこのような作品を作るよう注文していたのです。というのも、こういうことをしてはいけない、ということを世間に見せるためだったのです。ですから、こんな間違いを繰り返してはいけないと言いながら、その間違いを皆に見せるという、ちょっとしたパラドックスになっていたわけです」とジャン=マリーさん。

 

 この教会だけでなく、あちこちの教会でこのような彫刻は見られるそうです。

 

 プレイボーイ誌もびっくりのかなり赤裸々なものもあります。ちょっと驚きです。

 

 ジャン=マリーさんがこのような彫刻を見つけたのはサンティアゴ巡礼路を歩いている時のこと。

 

 4,500キロの道を歩きながら、フランスだけでなくスペインも含めて2,600点ほどの作品を写真に収めてきました。

 

 「教会のファサードには軒持送りがありますが、エロティックな彫刻が必ずあるとは限りません。事前に書籍で調べて場所が分かればそこへカメラを持って出かけていくのです」

 

 主に柱頭と軒持送りに注目しているとこのような彫刻を発見できそうです。

 

 ジャン=マリーさんが撮り続けてきた写真は近いうちに本になって出版されるそうです。


 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 


「今日、自分の作った彫刻に手を入れようとナイフで削っていたら体重が減った。親指のお肉を2グラムほどだけど失った[あせあせ(飛び散る汗)]

 

VDM (Vie de merde)より



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フランスの聖堂巡り その3 [教会]

 シリーズの最後は、アルザス地方の大都市ストラスブールにあるノートル=ダム・ドゥ・ストラスブール大聖堂。通称ストラスブール大聖堂です。


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 大都会の空にそびえ立つ大聖堂。その色と高さで見る人の心をとらえます。


 建立は12世紀後半に始まり、完成したのが1439年。


 ヴォージュ地方で切り出された砂岩を使って作られました。


 私の目には茶色に見えましたが、ピンク色だそうです。


 その大聖堂で、先月の22日の午前中、緑の光線が現れました。


 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年3月22日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら




 毎年、この時期になるとこの大聖堂に現れることで知られている緑の光線。


 これを見ようとたくさんの人が集まっていました。


 皆さんが注目しているのは一枚のステンドグラス。


 午前11時半、描かれている人物の足下のあたりから緑の光線が現れました。


 そして11時38分、その緑の光線がキリストの像を照らし出します。


 なんとも神秘的な演出ですね。


 ステンドグラスは1876年に設置されたそうです。


 この不思議な現象は、偶然の産物なのか、計算づくの結果なのか・・・・・。様々な人たちが様々な解釈を試みているそうです。


 緑の光線は3月26日まで現れたそうです。見られる時間はほんの数分間だけ。




******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、ママが復活祭のチョコをくれた。クリスマスも同じチョコだった。僕が嫌いなのを知ってて、結局、ママが自分が全部食べてしまうのだ」

 

VDM (Vie de merde)より




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フランスの聖堂巡り その2 [教会]

 シリーズの二回目は、画家トゥルーズ=ロートレックの生まれ故郷アルビ(Albi)にある、サント=セシル大聖堂(Cathédral Sainte-Cécle)。れんが造りの個性的な教会です。


 アルビの町を流れるタルヌ川の左岸に位置し、回りの古い建物群と合わせて「アルビの司教都市(La cité épiscopale)」としてユネスコの世界遺産に登録されています。


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 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年3月28日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら




 レンガ造りの教会としては世界で一番大きなサント=セシル大聖堂。鐘楼の高さは78メートルあります。


 何年も前から鷹の夫婦がここに住み着いています。


 タルヌ川にかかるアーチ型の美しい橋を渡ると、この巨大な聖堂が姿を現します。


 建立には約100年(1282年〜1390年)と言う長い年月が必要でした。


 近くで見ると確かにレンガで作られているのがよく分かります。レンガはこの地方で焼かれたもの。


 それにしてもものすごい迫力。フランスでも多くのツーリストが訪れる教会の一つだそうですが、皆さん一様に感動されていたようです。


 「大聖堂を見る度に感動ですよ。作られた時期によってレンガの色彩が微妙に変わってるんです。天気によっても見え方が違ってきますよ。青い空の広がる晴天の日には栗色に見えますし、曇った日にはやや色あせたピンクに見えます」と男性。


 内部は打って変わって白とグレーの世界。


 しかしよく見ると天井や壁にカラフルな絵が描かれています。


 ちょっとおどろおどろしい最後の審判の絵はフランドルの画家が描いたもの。


 ルネッサンスのイタリア人画家の描いた作品もあります。


 そして、内陣と身廊を隔てる壁はみごとな彫刻になっています。


 また内陣のレースのような彫刻の装飾に目を奪われてしまいます。聖堂の外観からは想像もできないような繊細で荘厳な装飾の数々。


 パイプオルガンも大規模です。鍵盤は5段、パイプの数は3,500本。


 譜面立てのところには普通の楽譜の隣にタブレットの楽譜が立ててありました。ハイテク器機がこんなところにも侵入してきてました。




******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、学校に息子を迎えに行った時、子供たちが一生懸命作った巨大な城塞の模型にバッグを引っ掛けて台無しにしてしまった。子供たちの沈黙・・・先生の悲しそうな目・・・5歳になる息子のあきれた顔・・・」

 

VDM (Vie de merde)より




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フランスの聖堂巡り その1 [教会]

 寒い冬のあとに早めの春がやってきたと喜んでいたら、また寒さが戻ってきてしまいました。一度暖かくなってからの逆戻りは少々つらい。


 夏時間が始まったばかりのフランスも似たような天候で、あちらは北半分が零度を下回っていたようです。


 さて、昨日はキリストの復活をお祝いする復活祭でした。


 この聖なる日に因んで、今日から3回のシリーズでフランスの聖堂を訪ねます。


 第一回目の今日は、マルセイユにあるノートル=ダム=ドゥ=ラ=ガルド聖堂(Basilique Notre-Dame-de-laGarde)。


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 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2013年3月27日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら




 標高149メートルの丘の上に立つ美しい聖堂。1864年の建立です。


 「決して大きな教会ではありません。むしろ小さいです。しかし、素晴らしいのはそのロケーション」と男性。


 聖堂の中はご覧の通りのビザンチン様式です。外観はローマ様式。


 「ここは訪れた人たちを平等に受け入れる場所なのです」と神父さま。


 「子供が生まれたり、婚約したときなど、機会ある毎にここにやってきます」と女性。


 丘の上は風が強そうです。


 「この建物は、言ってみればネオ・ローマ様式です。ここには頂塔や大きな鐘楼がありますが、こういうスタイルはローマ時代にはありませんでした。さらに頂塔の上には聖母子像があり、マルセイユの街と港を見守っています」と説明してくれた男性は、最近行われた聖堂の修復工事を担当した方。


 何年もたつうちに傷んだ石は全部取り替えられたそうです。


 特に、緑の石(映像ではグレーに見える)は、フィレンツェから取り寄せられました。


 聖堂の中もきれいに修復されています。


 19世紀に制作されたゴージャスなモザイクの装飾は、ベニスの芸術家の手によるもの。


 そして壁の一画には、マリア様にお祈りを捧げるために信者たちが持って来た絵が飾られています


 事故にあった瞬間の絵や海の絵がほとんど。


 マルセイユは港町。船が無事に戻ってくるように、また、船が無事に戻って来た感謝の気持ちを表すために、この聖堂で祈りを捧げたようです。


 天井からは船の模型や飛行機の模型が飾られていました。




******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、教会の前で結婚式のグループがいたのでお祝いに車のクラクションを鳴らした。でもそれは結婚式ではなくお葬式だった」

 

VDM (Vie de merde)より




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祈りの旅 その3 パリ [教会]

 シリーズの最後は、パリのシテ島にあるノートルダム大聖堂。(下記地図の緑印)

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 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年4月6日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら

 
 

 前回のヴェズレーのサント=マドレーヌ大聖堂の変則的なファサッドとは異なり、こちらのファサッドは左右対称の重々しい作りです。

 

 パリ観光の名所だけあって、毎年1300〜1400万人がここを訪れるそうです。

 

 「外観に威厳があって素晴らしいです。南米にはこんな感じの教会はありません」

 

 「ちょっと独特ですね。とても美しいです」

 

 「韓国でも有名ですよ」

 

 中に入いればさらにその荘厳さに心を打たれます。

 

 観光客の皆さんは写真撮影に大忙し。

 

 大聖堂のお宝も展示されています。黄金と高価な宝石で作られた装飾品の数々。かつての教会の権威がどれほどのものだったか思い知らされます。

 

 しかし、ここまでは一度は観光で行ったことのある人にとっては見慣れた映像です。

 

 TF1はいつものように一般の人が入れないところへ連れて行ってくれます。

 

 まずは、司祭がミサの時に着る白衣をしまっておくクローゼットのような部屋。

 

 ここには100種類ものお香も保管してあります。

 

 さらに、関係者だけにしか使えない階段を上がっていくと、木の骨組みがあらわになった屋根裏に出ます。この中には中世の頃の木材もあるとか。

 

 そして、大聖堂にはテラスもあります。ちょうど内陣の周りにある通路の上辺りになるようです。

 

 説明をしてくれているジャン=ポールさんの頭上にあるアーチ型のフライング・バットレスは14世紀初頭に作られました。

 

Notre dame

 フライング・バットレスのある後陣

ジャン=ポールさんの説明通りエレガントな姿です

 

 そして、翼廊と身廊が交差する部分の屋根には、天を突き刺すように尖塔が伸びています。

 

 この尖塔の根元には12人の使徒の像が立っています。これらの像は19世紀に作られました。

 

 古い建築物の修復で知られるヴィオレ・ル・デュクが作らせたものです。

 

 こうして見ているだけでも足がすくみます。

 

 来年には850歳になるという大聖堂ですが、年齢を感じさせない元気な姿です。 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、痩せるためのモチベーションを高めるために、冷蔵庫の扉に今より10キロは痩せていた昔の自分の写真を貼った。するとウチの旦那が言った。『冷蔵庫の写真の女の子を食べちゃったのは君かい?』」

 

VDM (Vie de merde)より



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祈りの旅 その2 ヴェズレー [教会]

 シリーズの二回目は、ブルゴーニュ地方のヴェズレーにあるサント=マドレーヌ大聖堂を訪ねます。(下記地図の赤印)

Paris_Vezelay.jpg

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 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年4月5日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら

 


 朝もやの中、丘の上にある大聖堂が姿を現します。

 

 「ここで暮らして15年になりますが、この眺めが一番素晴らしいです。大聖堂がもやの中に浮いているように見えます」と男性。

 

 教会の中では朝のミサが行われていました。

 

 聖職者の他に、巡礼者とおぼしき人たちも祈りを捧げています。

 

 ここは、フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路にある教会の一つ。

 

 さきほど大聖堂の美しい姿を教えてくれた男性アランさんは、数年前、ここから70日かけてスペインの聖地まで巡礼したそうです。

 

 それ以来、仲間とともにボランティアで巡礼路の管理を行っています。

 

 アランさんが管理しているのは35キロほどの区間。目的地までは全部で1780キロほどあります。

 

 「全部を歩けば、シェイプアップできますよ(笑)」とアランさん。

 

 サント=マドレーヌ大聖堂が繁栄したのは12世紀頃。

 

 9世紀後半、フランス南部のサント=ボームから回収し、保管してあったマグダラのマリアの聖遺物を、信者に公開し始めたのがその要因です。

 

 南扉の上のレリーフには、ひざまずくマグダラのマリアが彫られています。

 

 聖遺物は地下礼拝堂に納められ、巡礼者に公開されています。

 

 どうやら遺骨の一部のようです。本物???追求しても無駄ですね。

 

 「7月22日のマグダラのマリアの日には、ここから出して信者さんたちに公開します。皆さん見にいらっしゃいます。写真を撮る人もいます」と司祭。

 

 ここにはヨーロッパの各地から巡礼者が集まってきます。

 

 そういう人たちのために宿泊施設を提供していますが、神父さんはこんなことをおっしゃっていました。

 

 「最近は携帯電話を使って到着前に予約を入れようとする巡礼者が多くなりました。でも、それは受け付けないことになっているんです」

 

 神父は巡礼ノートにスタンプを押し、宿泊施設へと案内します。

 

 毎年3月〜10月までの間に600〜700人の巡礼者が宿泊するそうです。

 

 その多くが、ドイツ、ベルギー、オランダからの方々。この日の巡礼のご夫婦は、歩き疲れてよく眠れるとおっしゃっていました。

 

 宿泊料は決まっていません。巡礼者が払える額を置いて行きます。

 

 中世の頃には第二次十字軍がここにやってきたそうです。

 

 兵士の数は3万人。宿泊所として地下室も使われました。

 

 そして1946年、ヴェスレーは平和の十字軍として、敵味方の区別なく各地から巡礼者を受け入れたそうです。

 

 次回は、パリのノートルダム大聖堂です。 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、5才になる娘が、ミサの間も私に話しかけようとするので、お祈りが終わるまで我慢するように言った。すると娘が言った。『パパ、今、いつものお金を神父さまにあげれば、すぐに教会から出て行ってもいいと言うかな?』娘の声は静かな教会にこだました」

 

VDM (Vie de merde)より



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祈りの旅 その1 アルザス [教会]

 今週は、キリストの受難と復活という、キリスト教徒にとっては大きな意味を持つ一週間でした。

 

 そこで、今日から三回に渡って、フランスの巡礼地を紹介します。

 

 第一回目は、アルザス地方のモン・サン=トディール修道院(正式にはabbaye de Hohenbourg)を訪ねます(下記地図の青印)。

Paris_MontStOdile.jpg

より大きな地図で 祈りの旅 を表示
 

 下記ウィンドウのをクリックして番組をご覧下さい。(フランスのTV局TF1で2012年4月4日に放送)(▸をクリックしても該当の映像が出てこない場合や、直接TF1のサイトでご覧になりたい方は→こちら

 


 修道院は、標高764メートルの山モン・サン=トディールの頂上にあります。

 

 建設されたのは西暦680年頃。

 

 祈りを捧げていたのは熱心な信者さんたち。一年に一度、一週間ここに滞在して毎日2〜3回ほどこうして祈ります。

 

 祭壇に祭られているのは、この修道院を作った聖オディール。アルザス地方の守護聖人(女性)です。

 

 伝説によれば、聖オディールは、アルザス公爵の娘として生まれますが、盲目で生まれた娘を恥じ、また男子の誕生を望んでいた父親に命を奪われそうになります。

 

 しかし、母親が秘密裏に乳母に我が子を託し、12才になった頃、修道院へ入れられます。そして、洗礼を受けた瞬間、目が見えるようになります。

 

 この時、「光の子」という意味を持つオディールという名前が付けられました。

 

 このことを初めて知った父親は一度は怒りを爆発させますが、その後、後悔し、娘に城を与えます。そして、この城が修道院になったと言われています。

 

 ここは信者が祈りを捧げる場ですが、一大観光地でもあります。

 

 眼下にはアルザス地方の風景が一望でき、美しい朝日を見ることもできます。このロケーションならツーリストが集まるのもうなずけます。

 

 というわけで、ここには食事の出る宿泊施設もあります。

 

 パトリックさんはこの施設の総責任者。

 

 「一つの企業として、企業の原理に従い運営し収益を上げるようにしなければなりません。と同時に、聖職者の大きな責任としてミサも行います」

 

 どうやらこの方、司祭であり、会社の社長さんであり、レストラン及びホテル経営者でもあるというマルチな役割を担っていらっしゃるようです。

 

 この高台には、毎年、10万人ほどが訪れると言います。たいていは歩いてここまで上って来るそうですが、最近はサイクリストも多いとか。

 

 「ここに来るたびに素晴らしい眺めを楽しむことができます。もちろん、自転車でここまで来るのは大変ですよ。でも、ここまで来ると心地いいんです」とサイクリスト。

 

 「雰囲気がいいですね。それに、ここにはパワーがあります」ともう一人のサイクリスト。

 

 お祈りを目的に来る人も入れば、充電するためにやってくる人もいます。

 

 「静かで穏やかで、自分自身を受け入れることができます」と女性。

 

 ミサの時間になると責任者のパトリックさんは僧侶の服装に着替えます。

 

 ミサには信者もいれば単なる観光客もいます。

 

 「聖オディールはいつもここにいて皆のことを見守っていますよ」とパトリックさん。

 

 次回は、ヴェズレーです。 

 

 

******** フランス人のつぶやき *******

 

 

「今日、もう20歳になったんだから、復活祭のお祝いに庭でチョコレート探しをするのはやめて、お金をくれと母に言ったら、今度は庭で小銭探しになってしまった」

 

VDM (Vie de merde)より



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