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プロヴァンス地方の渓谷 その1 [フランスの渓谷]

 今週は、プロヴァンス地方にある渓谷Gorges du Verdon(ヴェルドン川渓谷)を紹介します。この渓谷は、だいたい北はSt-André-les-Alpesから南はVinon-sur-Verdonまで伸びています。

Paris_Gorgesduverdon.jpg
verdonmp.gif
青いのがヴェルドン川

  初日は、渓谷沿いの美しい村を訪ねます。

ムスティエ=サント=マリー
(Moustier-Sainte-Marie)
MoustiersSte_Marie.jpg

   パリ→マルセイユ(TGVで3時間20分ほど)
   マルセイユ→ムスティエ=サント=マリー(27A番バスで2時間20分)

 フランスの「最も美しい村」の一つです。人口は約700人。二つの大きな岩山が村を見下ろし、村の中を川が流れています。


 村の名前は、5世紀初頭、レランス修道院(カンヌから約6キロほど沿岸の島にある修道院)からやってきた僧侶たちが、この地域にムスティエという名前の修道院を建てたことに由来します。

 17世紀から18世紀にかけて、村は陶器の製造で繁栄しますが、18世紀の終わりには12あった工房も年とともに姿を消し、1873年には最後の工房が窯の火を消します。それから約50年後の1925年、マルセル・プロヴァンスという人物がこの産業を再生したおかげで、現在ではムスティエの陶器として世界的にも知られるようになりました。


映像は→こちら


 映像の最後に登場した星ですが、村の二つの大きな岩山を鎖で繋ぎ、その真ん中にこの星がぶら下っています。これにはこんな逸話があります。


 十字軍で中東に向かった騎士の一人が、サラセン人に捕らえられ投獄されてしまいます。彼は、無事故郷に戻れるように毎日祈り続け、「願いが叶えられたら、村にそびえ立つ二つの岩の間に星をぶらさげましょう」と言ったそうです。これがこの星の起源だと言われています。下記は昔の版画ですが、だいたいの様子が分かります。

Moustiers-Saint-Marie.jpg


 とは言うものの、今見えているこの星はわずか50年前の星で、表面の金メッキは10年前のもの。10年前、鎖がすり減って星がおちてしまったのですが、幸い変形しただけで壊れることはありませんでした。そこで、一ヶ月後の村のお祭りの時に金メッキされた星があらためて吊るされたのだそうです。


ムスティエの陶器

assiette1.jpgassiette2.jpg



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コメント 2

orange

今日も素敵な風景を拝見しました。
いいですねぇ。やはり陽光のある町はいいですね。
知人が、カルカッソンヌの近く、フレース(綴りを忘れました)と
いう所に住んでいますが、同じような石造りの家が山にへばりついて
いる村です。ちょっとしばらくこんな村に住んでみたいですね。
この蒸し暑さだとなおさら思います。
by orange (2010-07-15 00:02) 

carotte

orangeさん
ちょっと面白い作りの村ですね。
真ん中に川が流れているから涼しげです。わき水もあるようですからなおさらです。
さらに、この辺りは美味しいものもいろいろあるそうですよ。

by carotte (2010-07-15 01:23) 

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