ちょっと変わったパリ その3 〜マレ地区ダンスセンター〜 [パリ]
ポンピドゥーセンターの裏手、タンプル通りにあります。来年で40周年を向かえますが、建物自体はずっと古く、はっきりした建築年は分かっていませんが、1617年にはすでに存在していたそうです。1617年と言えば、リシュリューが頭角をあらわし始めた頃、日本では大阪夏の陣も終わり、徳川の時代が名実共に始まった頃のことです。
当時、国の財務係だったアダム・シュヴリエがこの建物を買取り住居として使っていました。その後、所有者を点々としながらも住居として使われてきましたが、19世紀になると、いわゆる商業ビル化が始まります。一階に運送業者や職人が入居し、中庭は馬車や荷車をおいておくスペースになります。やがて車の登場で、ここは自動車修理工場や駐車場へと変わり、今のような状態になったのは1971年になってからのことです。
現在、この建物にはダンス教室の他に催し物会場、劇場、カフェがあります。
ダンス教室のプログラムを見ると、クラッシックからヒップホップ、西洋の舞踏からアジアの舞踏まで、あらゆるジャンルのダンスを教えてくれるようです。
さらに、歌、ピアノ、ギターなど、ダンス以外の教室もあります。よく見るとカンフーなどというのもあります。
映像は→こちら
ダンス教室のあちこちに昔を忍ばせるものが残っています。模様の描かれた天井は17世紀のもの。ドアに残されているのはかつての美容院の看板。
建物の中をいろいろ説明してくれた女性がこの建物のオーナーです。最初はここに3つのダンス教室を作ったそうです。現在70種類もの教室があるそうです。習いにくる人のレベルも様々なら職業も年齢も様々。世代を超えたコミュニケーションの場にもなっているようです。
「今日、僕がずっと独身でいるのを見かねた仲間が、僕をクラブに連れて行った。困ったことに僕は踊れない。で、結局、バーでじっとしていることに。すると、ちょっといい感じの女がちらちら僕のことを見ていたかと思うと、そのうち近づいて来てこう言った。『あんたあまり動かないわねえ。私のバッグ、見ててくれる?』」
1617年!日本でその年代から残っている建物と言ったらお城くらいです。地震のない国に石造りの建物はさすがに耐久年数がケタ違いですね。内装部分はリノベーションを重ねてきたようで、アールヌーボーな階段&窓手摺りには目をひかれました。
by opas10 (2010-10-02 11:41)
opas10さん
長い年月をすごすうちにいろいろな様式のものが付け足されていったようです。内部を見学すると面白い発見があるかもしれません。
by carotte (2010-10-02 19:02)