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ロワール県の小さな村 その4 〜マルヴァル〜 [ローヌ=アルプ地方]

 シリーズの最後は、前回の村からさらに南に下ったところにあるマルヴァル(Malleval)です。
Paris_Loirevillage.jpg   Loire-villages01.jpg
malleval03_2.jpeg


 人口約500人。ピラ山岳地帯のバタロン峡谷を望む岩山の頂きにある、中世の面影を色濃く残す小さな村です。この村は、ローヌ渓谷とオーヴェルニュをつなぐ重要な道を守っていました。中世の頃は300軒以上の家が建ち並んでいたそうです。


 少し小高いところまで上がると、そそり立つ岩の間から、廃墟となった城跡が姿を現します。その隣に見える教会は11世紀に立てられたものですが、宗教戦争で焼かれ、1606年に再建されました。


 ここの食料品店では、はちみつ、フルーツジュース、リキュールなど、この土地の特産品を販売しています。中には、Viognier種(ブドウの品種)のワインに漬け込んだリンゴとアカシアの花を使ったジャムというちょっと変わった商品もあります。リンゴはピラ産地で栽培されたもの。甘みの強い種類だそうです。


 16世紀の建物に長年住んでいた人が、ある日、建物に大きな地下室があるのを発見するという事件もありました。地下室には何世紀も前に僧侶が祈りを捧げていた礼拝堂があったのです。


 都会を離れてこの村に戻って来た人もいます。かつては法律に関わる仕事をしていたそうですが、今ではキノコを栽培したり、おばあちゃんに教わったレシピでジャムを作ったりしているそうです。


 映像は→こちら

 ここは、フランスの最も美しい村には登録されていませんが、ロワール県の指定する“villages de caractère(特色ある村)”の一つになっています。村に観光を誘致し、活性化を図ろうという目的のようです。


 この村の建築物には15世紀、16世紀の美しい遺産が数多く残されています。

 しきり枠のついた窓のあるルネッサンス様式の美しい家々、17世紀までオラトリオ会の僧侶が暮らしていた建物"la petite Sorbonne”、塩の倉庫“grenier à sel”なども見どころだそうです。かつて塩の売買は王室だけに認められた交易で、中世と近代では税金がかけられ、この倉庫で売り買いがなされていたそうです。



******** フランス人のつぶやき *******

「今日、山道を運転中に車が故障してしまった。一番近い村までは20キロ。下り坂で車を押しスピードが出たところで乗り込むつもりが、スピードが出過ぎて乗れなかった。車は加速して谷底へ……

[もうやだ~(悲しい顔)]

VDM (Vie de merde)より

 



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makuzu

僕のブログへ訪問下さり、またコメントを残して下さり本当に有難うございました。
私もまたちょこちょことご訪問させて頂きたいと思います。
眞葛博士
by makuzu (2010-11-08 00:17) 

carotte

眞葛博士さん
こちらこそありがとうございます。
どうぞまたお出で下さいね。
こちらからもうかがいます。
by carotte (2010-11-08 09:03) 

opas10

最初のシーン、村までの道がなかなかスリリングでした。日本だと限界集落なんて言われそうな田舎の村なのに、フランスだと悲壮感のカケラもないゆとりのある生活に見えるのはなぜなんでしょうね。
by opas10 (2010-11-14 12:33) 

carotte

opas10さん
ほんとうにそうですね。フランスだけじゃなく欧州の先進国を見ているといつもそう感じます。
フランスも日本と同じように過疎化の問題を抱えているのですが、どことなく悲壮感の度合いが違っているんですよね。
by carotte (2010-11-14 18:01) 

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