こんな事件がありました [地方の小さなできごと]
先週、TF1のニュースでこんなことを伝えていました。
ベルギーと国境を接するフランス北部ノール県の町アルマンティエール(Armentières)でのできごとです。
ことの発端は下記のカフェ。この写真は、Google mapのストリートビューからお借りして来た、事件が起きる前の写真です。
ここはカフェと言っても各種お酒も飲めるバーみたいなカフェです。日本風に言えばカフェバー。因に名前はCafé des fleurs。
女主人のジネットさん、今年5月、もう少しお店の外観を明るくしようと、ちょっとビビッドなペンキで壁を塗り替えてしまいます。"赤い血の色"に"ちかちか黄色"などと評する人もいるくらいの強烈な色合い。
さて、問題なのは通りの向かいにお墓があること。さらに、ペンキの塗り替えは市に届け出してから行わなければならないところを、ジネットさん、そんなことは端から頭にありませんでした。
そして8月末、市から手紙が届きます。市は、カフェの主人が市の条令に違反しており、外装を元の状態にもどすか、もう少し柔らかい色に塗り替えるよう言って来たのです。
「皆が顔見知りの町なのに、こんな手紙を突然送ってくるなんて......」とジネットさんは不満顔。
実際、ビビッドな色にしてからは新しいお客さんも増えたらしい。
映像は→こちら
結局、話し合いの結果、赤はそのまま、“ちかちか黄色”を“卵の殻の色”に塗り替える、その際、市側が足場を提供するということで決着したそうです。
一方、お墓の方は、トゥッサンのお墓参りでカラフルなお花がいっぱい。カフェの色に驚く人はいないとか……。
数十年前の都バス事件を思い出しました。あれも赤と黄色のビビッドカラーでしたね。皆にそっぽを向かれていつの間にか消えてしまいました。
******** フランス人のつぶやき *******
「今日、引っ越して来たばかりの部屋にペンキを塗りを始めたのだが、脚立がぐらりと倒れ始めた。その瞬間、次の2つの選択しかなかった。1) ペンキ塗り立ての壁に全身をぶつける、2) ペンキの缶に足を突っ込む。宿命とはこのことか。いやいや宿命などごめんだ。私は第三の選択をする。つまり、両方だ!」
VDM (Vie de merde)より
建物の色は街の景観を考えるととても大切な要素ですね。
ドイツでは外壁の色、屋根の素材や色など細かく決められている
地域が多くあります。
歴史地区ではマクドナルドも赤色の看板は使えなかったりと…
賃貸の住居内の何年に1度壁の手入れをすること、窓枠の色はxx色とすることなど、細かく決められています。大変ですね。
by orange (2010-11-09 00:28)
orangeさん
ヨーロッパは街の景観に神経を使ってますね。
でも、住居内のことにも決まりがあるというのは初めて聞きました。古い建物の維持というのが目的なんでしょうね。
でも、今回の派手な色にしてからお客さんが増えたと言うのは、ちょっと考えさせられます。
by carotte (2010-11-09 12:16)
個人の自由と公共の福祉の対立、でしょうか。欧州は公共の福祉を重視するので、都市の景観が日本やアメリカに比べると守られていて、自分のような近代建築マニアにとってはうれしい限りではありますが、商売人にとっては死活問題なのでコンフリクトになっちゃいますね~。にしてもあの黄色はちょっと・・・ではありますが、日本や東南アジアだと客寄せにネオンサインを使ってもっとギラギラになっちゃうでしょうね(笑)。
by opas10 (2010-11-14 12:52)
opas10さん
欧州の町並みの美しさは日本とは雲泥の差がありますね。あれはなに時代の何々様式だなんて説明を聞きながら散歩すると楽しいです。
人を不愉快にさせる色合いというのがある一方で、ウチのお店に来てね!ってアピールするためには、やっぱり少し派手にしないとダメなのかもとも思います。それを自由に好き放題やっているのが日本ですね。あちこち看板だらけ。さらに音まで出てたりします。とにかく混沌としてますね。
by carotte (2010-11-14 18:21)